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<社説集>石川議員ら元秘書一斉逮捕の衝撃2010/01/16 10:42



参考人聴取に応じないことが小沢一郎にとって致命的。
今回ばかりは検察がメディアを味方につけたようです。


<新聞各紙社説集>

★石川議員逮捕―小沢氏に進退を問う 
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1

小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体の土地購入疑惑をめぐり、石川知裕衆院議員が東京地検特捜部に政治資金規正法違反の疑いで逮捕された。ほかの元秘書も逮捕された。

 国会開会中に国会議員を逮捕するには、許諾請求の手続きが必要だ。捜査当局とすれば、週明けの通常国会開会の前に石川議員の逮捕に踏み切ったということだろう。

 民主党政権の真価が問われる初めての通常国会を直前に控え、政権一の実力者である小沢氏の側近だった現職の国会議員らが逮捕された。まさに異常事態である。

 きょう開かれる民主党大会は、夏の参院選に向けて結束を示すはずだったのに、それどころではなくなった。

 小沢氏をめぐっては、西松建設の違法献金事件で、公設第1秘書が政治資金規正法違反の罪で逮捕・起訴され、東京地裁で公判中だ。秘書は無罪を訴えている。今回の土地取引疑惑でも、小沢氏は「意図的に法律に反する行為はしていない」と語り、検察の任意の事情聴取要請にも応じていない。

 しかし、側近から3人もの逮捕者を出した政治的、道義的責任は極めて重いと言わざるをえない。

 小沢氏の資金管理団体は、5年前に東京都内の宅地を購入した。購入資金に充てた約4億円を「収入」として収支報告書に記載しなかったことなどが、石川議員の逮捕容疑だ。

 疑惑の核心は、4億円の原資がどこから出てきたかだ。その一部が、同じ時期に岩手県内のダム工事を下請け受注した中堅ゼネコンから、石川議員に渡された5千万円ではないかとのヤミ献金疑惑が浮かんでいる。

 小沢氏はこれまで、捜査中であることを理由に、この4億円の出どころや不自然な経理操作の理由などについて、一切説明をしていない。

 しかし、もはや説明を拒み続けることは許されまい。検察の事情聴取に応じ、国民に対しても納得のいく説明をすべきだ。それができないのであれば、「やましい金だった」と思われても仕方ない。

 民主党では、鳩山由紀夫首相の元公設第1秘書も違法献金事件で起訴され、公判を待つ身だ。

 通常国会は冒頭から、野党の厳しい追及が予想され、混乱は必至だ。小沢氏に対し、説明責任を果たすよう求める動きがほとんどなかった民主党内でも、ようやく小沢氏の責任論が言われだした。

 このままでは、政権交代をしたのにカネまみれの政治の姿は何も変わらないと、国民の失望は深まる。

 刑事責任の有無とは別に、小沢氏が負うべき政治責任はそこにあるのではないか。小沢氏は自らの出処進退を決断すべきだ。


★社説:石川議員ら逮捕 裏献金の有無が核心だ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100116k0000m070152000c.html

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る事件で、東京地検特捜部の捜査が大きく動いた。

 小沢氏の元私設秘書、石川知裕衆院議員と別の元私設秘書を政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕、西松建設事件で公判中の大久保隆規・公設第1秘書の逮捕状を取った。

 陸山会は04年10月、東京都世田谷区に土地を購入した。金融機関から借りた4億円を支払いに充てたと小沢氏側は従来説明していた。だが、実際は、小沢氏から提供された別の4億円が充てられたという。

 容疑は、この4億円を政治資金収支報告書に記載しなかったなどの疑いだ。なぜそうしたのか。小沢氏の提供とされる4億円の原資は何か。それが事件の核心だ。

 陸山会を巡り、中堅ゼネコン「水谷建設」元幹部が「1億円を小沢氏側に渡した」と供述しているという。5000万円は04年10月に石川議員に、残り5000万円は翌年、大久保秘書に渡したと話しているという。

 国が発注した胆沢(いさわ)ダムの下請け工事受注の成功報酬だという。この供述が事実だとすれば裏献金である。

 特捜部は時期的に、最初の5000万円が、土地代の支払いに充てられた可能性があるとみるのだろう。

 胆沢ダム工事で水谷建設の元請けだった大手ゼネコン「鹿島」に捜索が入ったことからもうかがえる。

 逮捕容疑は、4億円を報告書に記載しなかったことだ。だが、仮に裏献金を使って土地を購入したことを隠す意図がその背景にあったとすれば、悪質というほかない。

 石川議員は特捜部の調べで4億円の原資について「知らない」といい、説明は合理性を欠いていたとされる。逮捕は、そのためだろう。

 18日に通常国会が開会する。仮に開会後に石川議員を逮捕する場合、所属する衆院の許諾が必要になる。特捜部は、石川議員の在宅起訴の方針を転換し、逮捕しての真相解明にかじを切る中で、ギリギリの判断で、時機を探ったとみられる。

 小沢氏は虚偽記載の経緯についてどういう認識だったのだろうか。捜査を尽くすよう改めて検察に求めたい。

 小沢氏の政治資金問題で現職国会議員が逮捕され、鳩山内閣の運営に与える影響は極めて重大だ。捜査の進展次第では小沢氏の進退問題も絡むだけに、国会は冒頭から緊迫した展開となる。

 小沢氏をはじめ党が国会審議を通じての真相究明に協力すべきことは言うまでもない。鳩山由紀夫首相は党代表として自浄能力を示すため、指導力を発揮する責任がある。

 その覚悟を16日の党大会で表明すべきである。


★石川議員逮捕 重くなる小沢氏の責任
2010年1月16日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010011602000078.html

 ついに現職の国会議員の逮捕にまで発展した。小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件は、小沢氏自身の関与が大きな焦点となろう。もう説明逃れは許されない。

 東京地検に逮捕されたのは、小沢氏の側近ばかりである。石川知裕容疑者は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の事務担当だった。当初は検察当局で、在宅起訴する方針が検討されていただけに、強制捜査には驚きが広がった。

 事件の舞台となったのは、陸山会が二〇〇四年に購入した東京都世田谷区の土地だ。この売買には当初、金融機関からの借入金が充てられたと、小沢氏側は説明していた。それは虚偽だった疑いが、捜査が進むにつれ濃厚になった。

 石川容疑者自身が地検の事情聴取で「小沢氏から四億円を借りた」と説明したうえ、それを政治資金収支報告書に記載しなかったと認めたからだ。

 政治資金規正法の第一条には「政治活動の公明と公正を確保」するという目的が明確に記されている。一連の疑惑が事実ならば、石川容疑者らの「不記載」は、まさに法を逸脱するものだ。

 小沢氏は自らの政治資金については、従来「法律に従い、きちんと処理し、報告している」と胸を張ってきた。十二日に開かれた記者会見でも「意図的に法律に反するような行為はしていないと信じている」と、疑惑の声を振り払ってきた。

 東京地検から要請された、参考人としての事情聴取をも拒んだことが、側近逮捕につながったとみられるだけに、もはや従来のあいまいな弁明ではすまされない。早急に記者会見を開き、正面から真実を語るべきだ。

 今後は小沢氏自身が事件にどう関与したのかが焦点となる。四億円の原資には、ゼネコンからの「闇献金」が含まれているとみられているだけに、ゼネコンとの関係の“深度”も注目点となる。

 政治責任がいっそう厳しく問われるのは不可避だ。十八日からの国会では、集中的に野党からの追及を受け、揺さぶられるだろう。幹事長辞任を求める声が党内から出ることも予想される。

 鳩山由紀夫首相の偽装献金事件も抱えるだけに、新政権が受ける政治的ダメージは計り知れない。「政治とカネ」の問題は、長く政界の“宿題”だった。政権交代しても、汚濁がまとわりつくなら、国民の政治不信も高まろう。


★社説2 石川議員逮捕は小沢氏に責任(1/16)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20100115AS1K1500715012010.html

 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り東京地検特捜部は、政治資金規正法違反容疑で陸山会の会計担当者だった石川知裕衆院議員らを逮捕した。

 土地購入資金の流れを解明するのに欠かせない参考人聴取に小沢氏が応じないために、関係者の逮捕に踏み切ったとみられる。検察と政治の関係を不必要なまでに緊張させ、異様な事態に立ち至らせた小沢氏の責任は極めて重大といえる。

 小沢氏は政権与党第一の実力者である。検察への有形無形の圧力を否定できなかったのが政界捜査の歴史だ。今また小沢氏がその権力を用いて検察の捜査に介入するようなことがあってはならない。

 一方で検察も、法と証拠に基づき厳正で、何より公平な捜査を遂げなければならない。そうしなければ国民が選んだ政権との微妙な距離感を見失う恐れがある。被疑者の人権を守りつつ真相を解明するという基本を踏まえ、果敢な捜査を徹底することが求められよう。

 検察は陸山会が東京都世田谷区で購入した宅地の取引に絡み、原資となった約4億円の資金の流れを捜査してきた。

 陸山会の政治資金収支報告書の記載は虚偽で、実は、購入原資は小沢氏の「個人の資金」だったと石川議員はこれまでの任意の事情聴取で明らかにしたもようだ。

 しかし検察は、単なる虚偽記載にとどまらない悪質な規正法違反があったとみている。小沢氏の地元で国が建設中のダムの受注を巡り、ゼネコン側からヤミ献金が小沢氏側に入り、それが購入資金の一部になった疑いをもっているのだ。

 小沢氏は、公設第1秘書が規正法違反に問われ裁判が始まった西松建設の巨額献金事件でも、十分な説明をしてこなかった。

 自民党など野党は18日召集の通常国会で小沢氏本人や関係者の参考人招致を求め、一連の疑惑を厳しく追及していく方針だ。

 鳩山由紀夫首相をはじめ民主党の幹部はこれまで説明責任を果たそうとしない小沢氏を擁護する姿勢をとってきた。所属議員の逮捕という事態を受けて、どう自浄能力を発揮するのかが問われている。


★石川議員逮捕 小沢氏の責任は極めて重い(1月16日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100115-OYT1T01514.htm

 昨年3月の公設第1秘書逮捕に続き、私設秘書だった石川知裕衆院議員が政治資金規正法違反の疑いで逮捕された。小沢民主党幹事長の政治責任は重大である。

 小沢氏は、地検の事情聴取に応じるのはもちろんのこと、数々の疑惑について、国民への説明責任を果たさねばならない。

 18日からは通常国会が始まる。それを目前に地検が石川議員らの逮捕に踏み切ったのは、任意の事情聴取を重ねてもその供述になお曖昧(あいまい)な部分が多いことなどから、逮捕しなければ全容を解明できないと判断したためとみられる。

 石川議員の逮捕容疑は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐるものだ。

 陸山会は2004年10月、東京都内の土地を購入した。石川議員の供述では、小沢氏から手渡された現金4億円を充てたという。

 これも含め、小沢氏は、政治資金収支報告書に記載のない、少なくとも16億円の収支に直接かかわっていた可能性が高い。

 また、陸山会では、なぜか土地購入代金を払った直後、4億円の定期預金を組み、これを担保に金融機関から同じ金額を借り入れている。東京地検では土地購入の原資を隠す偽装工作とみている。

 この際の融資関係書類にも、小沢氏の署名があったという。

 小沢氏の地元岩手県のダム工事を下請け受注した中堅ゼネコンの幹部らは、土地購入とほぼ同時期に、石川議員に5000万円を提供したと供述している。

 地検では、土地購入の原資にゼネコンからの裏献金が含まれていた疑いがあるとみており、こうした点について、今後、石川議員を追及する方針だ。

 小沢事務所の資金集めに関し、地検は、公設秘書の政治資金規正法違反事件の公判で、公共工事の受注業者決定に対する影響力を背景に多額の献金を受けていた、と指摘している。

 検察当局は石川議員らの取り調べを通じ、疑惑の全体像に迫ってもらいたい。

 小沢氏は土地購入疑惑が昨年10月に明るみに出て以降、潔白を強調するだけで、事実関係は一切説明していない。小沢氏がなすべきは事実を明らかにすることだ。

 鳩山首相は地検が一斉捜索に乗り出した後も、小沢氏を擁護してきた。野党・自民党が首相の偽装献金事件だけでなく、小沢氏の土地購入疑惑を厳しく追及するのは必至だ。民主党も真相究明に乗り出さねばなるまい。


★【主張】石川議員ら逮捕 小沢氏は進退決断せよ 免れない政治・道義的な責任
2010.1.16 03:05
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100116/stt1001160305004-n1.htm

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地購入事件で、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑で、会計事務担当だった石川知裕衆院議員らの逮捕に踏み切った。

 すでに昨年3月には、西松建設の違法献金事件で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告=公判中=が逮捕・起訴されている。

 政権与党の最高実力者が「政治とカネ」をめぐって、自分の側近から3人の逮捕者を出すという異様な事態になっている。

 小沢氏は自らがこの土地購入に関与しているとみられる。しかもその資金の取り扱いについて違法性を問われた。

 政治的かつ道義的な責任は重大かつ明白である。もはや与党幹事長の職にとどまることは困難といえよう。

 小沢氏が国会議員にとどまることへの疑問すら生じてこよう。小沢氏は、自らその進退を明らかにすべきである。

 資金管理団体による不動産購入をめぐり、不透明な資金の流れが浮かんでいた。ゼネコンからの裏献金や政党の活動資金などが、小沢氏側に流れているのではないかという疑いも浮上する中で、13日には陸山会に加え、東京都内の小沢氏の個人事務所への家宅捜索も行われた。

 土地購入をめぐる違法行為や脱法行為に対し、検察当局は現職議員の逮捕という厳しい対応を示した。特捜部は記者会見し、石川容疑者らの逮捕について「証拠を隠すおそれがあり、緊急性があった」と表明した。小沢氏をめぐる疑惑の全容の徹底解明が急がれる。

 ◆全容解明を急げ

 政権交代を経て、小沢氏を幹事長に起用した鳩山由紀夫首相の責任も重大だ。鳩山首相は土地購入事件の捜査が本格化しても、小沢氏を幹事長として続投させ、今年夏の参院選を乗り切る考えを示していた。

 平野博文官房長官は石川容疑者らの逮捕について「厳粛に受け止める」と語った。

 石川容疑者の逮捕容疑は、平成16年10月29日の陸山会による東京都世田谷区の土地購入に際し、その資金を政治資金収支報告書に記載していなかった政治資金規正法違反(虚偽記載)とされる。

 この土地購入は小沢氏が指示したうえ、個人資金を提供したとされ、小沢氏自身の関与が疑惑の核心なのである。

 とくに、小沢氏が提供した4億円の原資が明らかになっていないことや、関連政治団体との間で複雑な資金移動が行われ、直接、土地購入に結び付かない銀行融資が行われるなど、不自然な資金の流れに疑問が向けられてきた。

 特捜部は小沢氏に対する任意の事情聴取を要請していたが、小沢氏は拒み続けてきた。小沢氏が違法性を否定するなかで、民主党が自浄能力を発揮できなかったこともきわめて問題だ。

 与党のトップが、説明のつかない土地購入や資金管理で検察当局の強制捜査を受け、党所属の現職議員逮捕という事態にまで至った。鳩山首相は小沢氏の更迭など重大な決断を迫られている。16日の民主党大会では、明確な考えを示す必要がある。

 ◆問われる首相の判断

 政治とカネへの対応だけでなく、政権運営の正当性まで問われる事態だと受け止めるべきだ。

 大久保被告をめぐっては、小沢氏の指示でゼネコンの陳情など事件関係書類を運び出す証拠隠滅を図った疑いも浮上している。

 小沢氏は「法に触れるようなことをしたつもりはない」などと開き直り、事件の詳細については口を閉ざしている。

 だが、小沢氏のカネの流れをよく知る3人が逮捕され、もはや「自分は知らなかった」などの理屈は通用しまい。

 小沢氏は与党の最高実力者であり、国民の代表たる国会議員だ。自ら検察に赴き、知りうることをすべて説明することが最低限の責務といえよう。

 一方、小沢氏が党首だった旧自由党から、政党助成金約5億6千万円を含む15億円余りの政党資金が小沢氏の関係政治団体に寄付の形で移されたことなども判明している。陸山会が10カ所以上の不動産を購入していたことや、その目的などについても、多くの疑問が持たれてきた。

 こうした疑問点について、小沢氏は「自分はもっともオープンな政治家」などと言いながら、実質的な説明を怠ってきた。自らが政治不信を高めているのである。

陸山会土地購入問題で資金洗浄(マネーロンダリング)疑惑浮上2010/01/16 10:49


マネーロンダリング言及は8:42から


<関連記事>

クローズアップ2010:陸山会土地購入、強制捜査 世論読めず、戦々恐々
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100115ddm003010099000c.html

4億円を陸山会に集約した後、土地代金を支払うなどの複雑な資金移動について特捜部は「(小沢氏からの)最初の4億円を隠す意図がある。4億円の素性を隠し不動産として表に出す資金洗浄(マネーロンダリング)ではないか」とみている模様だ。石川氏はこれを否定しているとみられる。

民主党大会会場の日比谷公園周辺が厳戒態勢に 小沢幹事長宅前では火炎瓶男も2010/01/16 11:42




<関連記事>

民主党大会会場の日比谷公園周辺、厳戒態勢に
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100116-OYT1T00430.htm

小沢幹事長宅前で“火炎瓶” 男を逮捕
http://news24.jp/articles/2010/01/15/07151650.html

<小沢の逆襲>幹事長続投の意向表明 検察vs小沢は最終局面へ2010/01/16 13:44



政治資金規正法違反ごときがなんだ。収賄で立件できるのかね?

聞こえてくるのは小沢の高笑い。

今後焦点となるのは発注者である国土交通省東北地方整備局。


<関連重要記事引用>

「実際、特捜部はやはり胆沢ダムの受注業者だった前回の西松建設事件の時も今回も、発注者である国土交通省には強制捜査を行っていない。」が特に重要。

強制捜査はともかくとして検察が国土交通省からどこまで事情を聞いているのか。場合によっては検察敗北の可能性あり。


牙をむいた検察権力 最高権力者「小沢一郎」は逮捕されるのか
[政界インサイドレポート]
2010年01月16日 11:02 更新
http://www.data-max.co.jp/2010/01/post_8420.html

ここまでくると「異常」ともいえる捜査である。
 東京地検特捜部は小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」などへの強制捜査に続いて、小沢氏の元秘書、石川知裕・民主党代議士ら新旧秘書3人の逮捕に踏み切った。
 1月18日からの通常国会召集を目前にひかえ、民主党大会の前日に現職代議士を逮捕するからには、相当な容疑事実が必要なはずだ。それなのに、特捜部は石川氏の秘書時代の「政治資金の不記載」という形式犯の容疑で、しかも、任意の事情聴取に応じているにもかかわらず、事実上、議員生命を奪うやりかたをした。
 自らも収賄事件で公判中(最高裁)の鈴木宗男・代議士は、「石川氏は逃亡の恐れもなく、家宅捜索を受けて証拠隠滅の恐れもない。なぜ身柄をとるのか。これは鳩山政権つぶしだ」と指摘したが、的外れな捜査批判ではない。
 国民から選挙で選ばれた国会議員には憲法で「不逮捕特権」が与えられている。
現行犯の場合を除き、国会会期中に現職議員を逮捕するには司法当局が内閣に逮捕許諾請求を行い、当局が議運委員会秘密会に捜査状況を報告し、そこで逮捕が欠かせないと判断されれば所属する院の本会議で逮捕許諾請求決議案が可決され、ようやく逮捕が認められる。
 過去の逮捕許諾は、田中角栄・元首相のロッキード事件や中村喜四郎・元建設省のゼネコン汚職など、贈収賄や背任事件のような重要犯罪のケースがほとんどだ。
「国会が始まれば、この程度の容疑では最高検は逮捕許諾請求には踏み込めなかっただろう。捜査の手の内を国会にさらすわけにもいかない。だから特捜部は不逮捕特権が及ぶ国会召集の前に身柄を取るしかなかった」(検察関係者)
 とはいえ、現職議員を特捜部の判断だけで逮捕することはできない。「国会召集前の石川逮捕」は、ギリギリの捜査手法として樋渡利秋・検事総長ら最高検の了承を得ていることは間違いない。

◆焦点の「4億円闇献金」疑惑
 では、捜査は一体、どこまで進んでいるのだろうか。
 焦点は小沢氏の資金管理団体「陸山会」が04年10月に購入した世田谷の秘書寮が建つ「4億円の土地」の購入資金の解明にある。
 特捜部の見立ては以下のようなものだ。
〈小沢氏の地元・岩手県で建設中の胆沢ダムの下請け会社、水谷建設、M建設、Y建設、M組の4社から各社1億円ずつ、合計4億円が小沢氏(陸山会)側に献金された。それが土地購入の原資となった〉
 事実とすれば4億円闇献金疑惑である。
 捜査の突破口となったのは昨年8月。特捜部は水谷建設の裏金づくりを担っていたとされる大阪の貿易会社経営者の聴取で裏金の存在をつかむと、昨年9月から10月にかけて別の脱税事件で収監中の水谷建設元会長・水谷功受刑者を事情聴取し、水谷建設が「04年10月」と「05年4月」の2回、5000万円ずつ1億円を小沢氏側に渡したという供述を得ている。
 ただし、カネを運んだのは水谷氏ではなく、水谷建設の現職幹部で、受け取ったのは1回目が石川氏、2回目は石川氏とともに逮捕状が出された大久保隆規・第一秘書とされる。
 胆沢ダムの下請け4社に4億円の闇献金を指示したのが、元請の鹿島建設だったのではないかというのが特捜部が描いている事件の全体像であり、そのために鹿島建設本社や東北支店に家宅捜査をかけたわけである。
 もっとも、特捜部がそうした資金の流れをすべて詰めきっているわけではないようだ。石川氏は水谷側からの献金の授受を全面否認しているし、家宅捜索でも闇献金の存在を示す有力な物証は出ていないという見方が強い。
「闇献金で起訴に持ち込むには4億円すべての出所を特定できなければ公判維持は難しい。現段階である程度の見通しを得ているのは水谷建設からの1回目の5000万円だけ。2回目の5000万円と他の3社からの3億円はまだ全然固められていない。特捜部はあんなに前のめりになって本当に大丈夫なのか」
 検察幹部の1人はそう漏らしている。
 だから、特捜部の強制捜査も石川氏らの逮捕も、容疑は同じ政治資金規正法違反ながら悪質な「闇献金」ではなく、土地代金の4億円の収入を政治資金収支報告書に記載していなかったという「不記載」にとどまっている。
 さらにいえば、特捜部が捜査の先に小沢氏本人の立件を視野に入れているとしても、ハードルは高く、展望はまだほとんど立っていないといっていい。

◆検察は「西松事件公判対策」で小沢急襲か
 それというのも、今回の事件の構造は、贈収賄やあっせん利得罪には結びつきそうにない。
 特捜部は、陸山会の土地取引の裏に、国発注の胆沢ダムの受注業者(鹿島建設)やその下請け会社からの資金提供ではないかという疑惑を強調する捜査を進め、新聞・テレビも大きく報じている。しかし、当時は小沢氏は野党の一幹部にすぎず、公共事業の発注に口を出すことができる立場ではなかった。「職務権限」そのものがない。
 実際、特捜部はやはり胆沢ダムの受注業者だった前回の西松建設事件の時も今回も、発注者である国土交通省には強制捜査を行っていない。小沢氏側が受注に便宜をはかるような具体的な「口利き」を行った形跡はないからだろう。
 仮に、政治家が元請会社に「この企業を使ってくれ」と紹介したとしても、民間取引の仲介であり、それ自体は罪に問われる行為ではないはずだ。
 特捜部が小沢事務所が公共工事に”天の声”を出し、その見返りに献金を受けたと主張するのであれば、正面から贈収賄や談合に加わった競争入札妨害罪での立件をめざすのが本筋のはずだ。
 今回の水谷建設からの「闇献金」疑惑にしても、受け取ったとされるのは石川氏など当時の秘書であり、立件されても政治資金規正法違反にとどまる。
 それでもなお、特捜部が「胆沢ダム」との関連を強調するのは、小沢氏側と検察が真っ向から争っている西松建設事件をめぐる対決に決着をつけるためではないか。
 小沢氏は西松事件の際、「私はすべて政治資金収支報告書に公表している」と、総選挙前の強制捜査を”国策捜査”だと批判し、民主党が政権を取った後も、「(検察は)国民のために公平公正に権力を使用しなければならない」と捜査のあり方を牽制してきた。
 その西松事件の大久保秘書の公判が昨年12月に始まり、早ければ春頃に判決まで進む可能性がある。
 分離裁判となった西松建設元社長の公判では有罪判決が出たものの、東京地裁は判決で小沢氏側への寄付について、「特定の公共工事を受注できたことの見返りとして行われたものではない」と検察の”天の声”説が否定された。
 元検事の郷原信郎・名城大学教授は〈「無条件降伏」状態での西松建設側の公判ですら、このような状況なのであるから、被告・弁護側との全面対決となる小沢氏秘書公判での審理において、検察側の主張立証が一層困難になるのは必至だ〉(日経ビジネス)と指摘している。
 もし、西松事件の大久保公判で検察が敗訴することになれば、特捜部ばかりか検察全体の威信は地に堕ち、「国策捜査」との批判が説得力を持つ。
 それを防ぐためにも、特捜部は今回の政治資金疑惑捜査で水谷建設からの「闇献金」をクローズアップさせ、陸山会の政治資金収支報告書に記載されていないカネがあり、「政治資金は透明」という小沢氏の主張を覆そうとしているのではないか。
 だとすれば、特捜部の狙いは、最初から小沢氏本人の立件ではなく、「政治資金の不透明さ」をアピールすることで西松公判を補強するところまでが射程だったと考えられる。

◆特捜部の「誤算」
 小沢氏の資金管理団体「陸山会」が行った4億円の土地取引(04年)をめぐる政治資金規正法違反疑惑の捜査は、年明けから検察内部の足並みの乱れが目立っていた。
 検察上層部は、当時の陸山会の会計担当者だった石川氏の在宅起訴(逮捕ではない)で”幕引き”という方向に傾いていた。だが、上層部の弱腰に対して、特捜部が先手を打つ。1月4日からゼネコン関係者の一斉聴取を始めたのだ。特捜部は総選挙前の昨年8月にもゼネコン関係者の大がかりな聴取を行っており、まだ”撃ち方やめ”は承服できないという検察上層部への示威行動とされる。
 同時に、特捜部は小沢氏に任意の事情聴取を要請する。
「小沢氏本人を聴取したうえで、”罪1等”を減じる形で石川1人を在宅起訴するのであれば、国民に小沢氏を屈服させたという印象を与え、西松事件から1年以上捜査してきた特捜部の面目も立つし、大久保公判も万全になる。現場の検事には小沢聴取は譲れない一線で、検察首脳部もその思いに引きずられた」
 検察OBの弁護士はそう語る。
 ところが、小沢氏は1月12日の記者会見で、「弁護士を通じて事実関係は包み隠さず話している。検察当局はすべてご存じのはずだ」と、聴取に応じない姿勢を見せた。
「小沢聴取で幕引き」と考えていた特捜部は、その翌日、急遽、予定になかった強制捜査に乗り出し、石川氏逮捕と全面対決へと進んだ。
 もはや引き返せなくなったのだ。こうなると、特捜部は何が何でも水谷建設からの闇献金を立証する責任がある。
 今後、特捜部が石川氏らを「不記載」だけで起訴し、肝心の闇献金が立件できないようなら、樋渡検事総長はじめ検察全体が、証拠と見通しのない捜査で国政を混乱させたと、国策捜査批判に加えて「捜査権の乱用」という重大な責めを負わなければならなくなる。


<関連記事>

小沢幹事長 続投の考え示す
http://www.nhk.or.jp/news/t10015021171000.html

鳩山首相、小沢氏続投を了承=「身の潔白信じる」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010011600197

【小沢氏進退】首相、続投を容認「闘ってください」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100116/crm1001161317021-n1.htm

「こんなことで辞めぬ」小沢幹事長が続投
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100116-OYT1T00523.htm?from=top

▼元秘書逮捕の小沢事件 岩見隆夫「贈収賄の可能性は?」
http://www.j-cast.com/tv/2010/01/16058064.html

毎日新聞客員編集委員の岩見隆夫は、「贈収賄」事件へ発展する可能性を若狭弁護士に聞いた。若狭弁護士は、次のように説明した。「あり得る」としながらも、当時の小沢幹事長は野党側で「職務権限がない」。「斡旋収賄」の可能性については、問題視されているダム工事が仮に官製談合で国交省の役人がその談合を仕切り、その役人へ小沢幹事長が圧力をかけていればあり得る、とした。談合が民間主導だった場合、その民間人へ圧力をかけていても「斡旋収賄にはならない」のだそうだ。談合の多くは民間同士でやっているとも指摘し、要するに可能性としては低い、ということのようだ。