「カラスの勝手でしょ」にようこそ♪ ― 2012/12/31 00:00
ブログの主はトリックスター目指して修行中。現在カラスになりきり状態。
カラス相手でも構わないという心の広い方のみお読み下さい。カー、カー
カラスの呟き
http://twitter.com/YS_KARASU
特会の闇、根拠なき積立金142兆円の行方 ― 2012/01/28 10:07
<関連記事>
特会積立金の必要規模不明 18資金、142兆円
2012.01.19 共同通信
2010年度末時点で年金などの特別会計(特会)にある積立金のうち、29の資金(残高約172兆円)を会計検査院が調べたところ、18資金(同142兆円)は必要な規模が具体的に示されていないため、残高が適正かどうかを判断できない状態にあることが19日、分かった。検査院が同日、調査を要請した参議院に報告した。
一般会計に繰り入れ可能な“埋蔵金”がまだ残っているとの見方もあり、専門家からは「明確な根拠がない積立金は東日本大震災の復興などに活用すべきだ」との声も出ている。
検査院は「積立額が過大なら、一般会計への繰り入れや保険料の引き下げを検討できる。説明責任が果たされていない」と指摘した。
検査院によると、残高のうち、113兆円余を占める年金特会厚生年金勘定と約7兆4千億円の国民年金勘定の積立金は、いずれも必要規模を「100年程度の期間に年金の給付に支障が生じないようにするため必要な額」とするだけで、具体的に示していない。
国債償還の財源になる国債整理基金特会の積立金は、残高約13兆7千億円。雇用保険事業を扱う労働保険特会雇用勘定は、二つある積立金の残高が計約5兆7千億円に上る。三つの資金とも必要規模や水準について明示していない。
厚生労働省は「雇用保険の給付金や助成金の支出額は経済情勢により大きく変動するので、規模を示すのは難しい」と説明。財務省は、国債の市況や入札状況が変わるため基準を示すのは困難としながらも、10年10月の事業仕分けを踏まえ、国債整理基金特会の積立金を12年度末で9兆円台に減らす。
外国為替資金特会など六つの積立金は、必要額や上限額を具体的に明示。この中でエネルギー対策特会の周辺地域整備資金については、検査院は11年10月、使う見込みがない657億円を減額できると指摘した。
会計検査院:「特別会計改革の実施状況等に関する会計検査の結果について」
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/24/pdf/240119_zenbun_2.pdf
市場に弄ばれる総選挙--長期金利バロメーターは「暴走モード突入」か ― 2012/01/28 09:08
消費税増税をめぐり年内の衆院の解散・総選挙もあり得る展開。
その場合の注目は市場の動向。
市場に弄ばれる総選挙として歴史に刻まれることになるだろう。
世論調査の動きに合わせて振れる長期金利バロメーター。
消費税増税反対派が勢いを見せれば、国債は売られ長期金利上昇局面も。
「野田首相が法案成立に失敗すれば、市場にかなり大きなインパクトを与えることになる」--ブルームバーグとのインタビューでこう語ったのは岩田一政日本銀行元副総裁。
岩田氏は国債金利が3倍以上に跳ね上がった過去の例を挙げる。
その上で市場に並外れた衝撃が走る可能性を排除できないと指摘。
3倍以上に跳ね上がる長期金利バロメーターの「暴走モード突入」はあるのか。
日本の借金規模を考慮すれば、10年物国債利回りが3%にまで上昇でもうパニック。
もしもそうなった時の消費税反対派の反応が楽しみ。
「市場が悪い。投機筋が悪い。ヘッジファンドが悪い」と空騒ぎ。
叫んだところで何も変わらない。
市場も納得の説得力あるアイデアを示せるとも思えない。
市場からボコボコにされる消費税増税反対派。
そんなことも想定していない間抜けな消費税増税反対派議員たち。
とはいえ消費税増税を行えば市場は納得するのか。
それほど単純だとは到底思えない。
そこに見えるは消費税増税推進派のセカンド・インパクト。
米ハーバード大学のアルベルト・アレシナ教授はこう指摘する。
「増税(歳入増加)ではなく歳出削減に重点を置いたほうが成功する見込みが高い」と。さらに「国民の十分な理解がなければ、ギリシャのようにデモ連発で経済は麻痺する」と。
消費税増税には反対せず、その前の徹底的な歳出削減実施を訴える。
「消費税増税よりも先にやることがあるだろう」はお利口さん。
もうすでに消費税反対派のレッテルを貼られている政治家はお馬鹿さん。
市場参加の総選挙で試される政治家のセンスと力量。
役に立たない政治家をふるい落とす結果になればいいではないか。
<関連記事>
「消費税国会」にはらむ国債金利上昇リスク、自民は解散要求 (2)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LYEYN21A1I4I01.html
1月27日(ブルームバーグ):今国会で最大の焦点となっている消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革は、野党側が野田佳彦首相の呼び掛ける法案提出前の与野党協議を拒否していることで入口から立ち往生している。民主党内に反対派が存在していることや自民党が早期解散を要求するなど政局含みの展開になっており、法案が成立しなければ国債金利の上昇などのリスクをはらんでいる。
「野田政権のとるべき道は、有権者に謝罪をした上で、解散総選挙を行い、国民に信を問い直すしかない」-。自民党の谷垣禎一総裁は26日の衆院本会議での代表質問で、民主党が2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)に消費税増税を明記しなかったのは「公約違反」として早期の衆院解散を求めた。
政府・民主党は6日の社会保障改革本部で、消費税率(現行5%)を2014年4月から8%、15年10月から10%に段階的に引き上げることを柱とする社会保障・税一体改革素案を正式決定。3月に関連法案を国会提出する計画だが、野党側は法案提出前の事前協議を拒否しているほか、民主党内にも反対派を抱え、法案成立のめどは立っていない。
岩田一政日本銀行元副総裁は25日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで、「野田首相が法案成立に失敗すれば、市場にかなり大きなインパクトを与えることになる」と警鐘を鳴らす。岩田氏は1998年10月から99年2月、2003年6月から9月にかけての2回、国債金利が3倍以上に跳ね上がった例を挙げ、市場に並外れた衝撃が走る可能性を排除できないという。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の320回債利回りは27日、前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.97%で始まり、直後に1bp低い0.965%と18日以来の低水準を付けた。その後は0.965-0.97%で一進一退となり、午後2時前からは0.965%で取引されている。
試算
財務省が試算した2015年度までの財政見通しによると、一体改革が実現できなければ、同年度に新規国債発行額に相当する財源不足が50.8兆円に上る。基礎年金の国庫負担割合引き上げに伴う歳出を加えれば、財源不足は14年度に51.9兆円と50兆円台を超え、15年度には53.6兆円となる。試算は名目成長率を1%台半ば、金利(10年国債)を2%に設定している。
一方で、一体改革による消費増税に踏み切ったとしても、財源不足は14年度に45.3兆円、15年度には45.4兆円と徐々に拡大。税収は15年度に52.8兆円と50兆円台を上回るが、社会保障関係費や国債費の増加によって歳出が100兆円を超える。14年度までの財政運営戦略をまとめた政府の「中期財政フレーム」に基づいた新規国債発行額の44兆円枠の維持は困難な状況だ。
増税反対派
消費税率の10%への引き上げは、もともとは2010年の参院選で自民党が公約に明記した。公約作成に関わった自民党の野田毅税制調査会長は、政府・与党の一体改革素案に盛り込まれている消費税の増税幅については「そのこと自体はノーとは言いにくい」と指摘するが、それでも政策協議のテーブルにつけない理由として小沢一郎元代表ら民主党内の増税反対派の存在を挙げる。
消費税増税に反対していた内山晃衆院議員らは昨年12月に民主党を離れ、「新党きづな」を結成。共同通信によると、小沢氏は22日、北海道釧路市の会合で、消費税増税は09年の衆院選で掲げた約束と違う、と反対の考えを強調している。内山氏は27日、衆院本会議での代表質問で現段階での消費増税について「デフレ経済下での増税は恐慌のトリガーを引く大変危険な施策だ」と指摘した。
野田毅氏は民主党内の対立を解消できないままで野党側に協議を呼び掛ける首相側の姿勢について「消費税を上げる第一義的責任を持つのは政府・与党なのに、真っ二つになっている時に、なぜ野党に丸ごと賛成しろということになるのか」と疑問を投げ掛ける。
最悪のケース
同氏は「最悪のケースは与党内が割れたままで採決で賛否が分かれること」と指摘。与党側から大量造反が出れば、「僕らが協力しても衆院で通らない。与党の中の一人、二人の反対ではないから、割れたままでは逆立ちしたって通らない」と述べ、衆院通過も困難になるとの見方を示した。
自民党の山本一太前参院政審会長は12日のインタビューで、首相の政治姿勢について「党内に100人以上いる反対派をまとめる自信がないから、素案の段階で事前に協議をして自民党の中の増税賛成派を巻き込んで、民主党内の反対派を抑えようという極めて姑息な計略で消費税問題に向き合うというそのひきょうさが許せない」と批判する。
消費税増税をめぐる政治の混乱が日本の信用をリスクにさらす可能性は高まっている。実際、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の信用アナリスト、小川隆平氏(シンガポール在勤)は昨年11月24日のインタビューで、野田政権下で財政健全化が進まなければ状況は悪化の一途をたどると発言。日本国債のさらなる格下げが近づいている可能性があると語っている。
ネガティブ
同社は昨年1月から日本の外貨・自国通貨建ての長期国債格付けを最上位から3番目の「ダブルA」から、「ダブルAマイナス」に1段階格下げしたと発表。長期国債格付けの見通しは「安定的」としていたが、同年4月には「ネガティブ」に変更した。
自民党内でも財政再建派とされる野田毅氏は「危険水域に入っている。僕らも今の首相以上に焦りを覚えている」と指摘。茂木敏充政調会長は22日の党大会での政策報告で、政府・与党に対し、「1日も早く税制改革法案を閣議決定して国会に提出してほしい。議論、協議は徹底的に行うが、裏取引や談合はしない」と述べ、法案提出後は国会で議論する方針を示している。
これに対し、自民党はあくまでも対決姿勢を貫くべきだと主張するのは山本氏。「絶対に突破口はない。総選挙をやって民意のもとで政権をつくり直してやらない限り、消費税増税はできない」と明言。消費税増税法案が成立しなかった場合の国債市場に与えるリスクを聞くと、「負のインパクトは気になるが、法案に賛成すべきではない」と言い切った。
鳥瞰・虫瞰・アレシナ教授=「増税(歳入増加)ではなく歳出削減に重点を」
りそな銀行・エコノミスト・ストラテジスト・レポートより
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2012/01/18/6296371
<画像引用>
CR新世紀エヴァンゲリオン セカンドインパクト 暴走大当たり.MOV
http://www.youtube.com/watch?v=K7yCnVneHsg&feature=related
「ハスの葉」戦略(リリー・パッド・ストラテジー=“lily-pad” strategy)が昔の名前で出ています ― 2012/01/27 07:36
<関連記事>
米軍、無人機や特殊部隊の配備増強を計画=国防当局
2012年 1月 26日 20:44 JST
http://jp.wsj.com/US/Politics/node_381570?mod=WSJFeatures
米国防総省は、無人機や特殊任務基地の世界的なネットワークの拡大を計画している。抜本的な軍事力再編で従来の軍事力が削減されても、米国の戦力を投射できるようにする構えだ。
新たなプランは、パネッタ米国防長官が26日に明らかにし、来月予算案に盛り込まれる予定。国防当局によると、今後数年で米武装無人戦闘機部隊を30%増強する案が提示される。また、特殊任務部隊の配備を拡大し、「リリーパッド(ハスの葉)」と呼ばれる小さな基地を池に浮かぶハスの葉のように世界中に張り巡らす。軍はそこを拠点に現地の協力部隊への指導や任務の遂行を計画しているという。
そうした手段の活用は25日に発生した出来事でも明白だ。米海軍特殊部隊「ネイビー・シール・ティーム・シックス」はソマリアにパラシュートで上陸し、数カ月前から捕虜となっていた米国人女性1人とデンマーク人男性1人を解放した。同部隊は、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害を実行したことでも知られている。
こうした戦略は、大規模な戦争ではなく、小規模な極秘任務に注力するというオバマ政権の方針を反映したものだ。こうした背景には、米軍が昨年12月にイラクから完全撤退したことや、在アフガニスタン米軍を段階的に撤退させ、軍隊集約型の戦略からアフガン軍のトレーニングや追討任務に集中した戦略へとシフトが進められていることがある。
国防当局によると、米陸軍は少なくとも8旅団を削減するほか、現役陸軍を機甲・重歩兵部隊を中心に57万人から49万人規模にまで縮小する計画。だが、近年進められている無人機や特殊部隊の配備増強は今後も継続する。
一方で、第82、および第101空挺師団などの緊急展開部隊を維持することで、特殊任務の重要性を強調する狙いだ。
このほか、特定の米国を拠点とする陸軍旅団や海兵遠征部隊を世界各地に配属し、恒久的施設や前進基地「リリーパッド」を使用して、定期的に各地に出向いて合同演習その他の任務に就かせることも計画している。
国防当局によると、例えば海軍は、オーストラリア・ダーウィンの新基地を東南アジアへの軍事展開拠点として使用する計画。一方、中国に対して米国が近隣に即応能力を有していることを示すため、フィリピンにおけるプレゼンスを拡大するための協議も行っているという。
記者: Adam Entous and Julian E. Barnes and Siobhan Gorman
More Drones, Fewer Troops (画像引用)
The plan, to be unveiled by Defense Secretary Leon Panetta on Thursday and in budget documents next month, calls for a 30% increase in the U.S. fleet of armed unmanned aircraft in the coming years, defense officials said. It also foresees the deployment of more special-operations teams at a growing number of small "lily pad" bases across the globe where they can mentor local allies and launch missions.
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204624204577183234216799116.html
US to expand network of secret bases
http://www.theaustralian.com.au/business/wall-street-journal/us-to-expand-network-of-secret-bases/story-fnay3ubk-1226254697340
New US strategy: 'lily pad' bases
US forces are repositioning overseas forces, opting for smaller, transitory bases in places like Kyrgyzstan.
http://www.csmonitor.com/2004/0810/p06s02-wosc.html
US redeploying for quicker action
The concept is sometimes described as "lily pads."
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/3569850.stm
China's view of US 'lily pad' strategy
http://www.atimes.com/atimes/China/FH24Ad04.html
Philippines may allow greater U.S. military presence in reaction to China’s rise
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/philippines-may-allow-greater-us-presence-in-latest-reaction-to-chinas-rise/2012/01/24/gIQAhFIyQQ_story.html
フィリピンと米国が軍事協議、中国の領有権主張に対抗=報道
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE81K0QK20120126
時事:対イラン・中国で洋上監視強化=米海軍、大型無人偵察機配備へ-中東、グアムに計画
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2012/01/04/6277041
「31年ぶり貿易赤字」社説集:読売「安全を確認できた原発の再稼働を、着実に進める必要がある」 ― 2012/01/26 07:59
<「31年ぶり貿易赤字」社説集>
読売:貿易赤字 輸出拡大の戦略を強化せよ(1月26日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120125-OYT1T01167.htm
「輸出大国」の看板が揺らいでいる。日本が経済成長を続けるため、国際競争力を強化し、巻き返さねばならない。
2011年は輸入額が輸出額を上回り、貿易収支は2・5兆円の赤字となった。年間での貿易赤字は、第2次石油ショックの余波を受けた1980年以来、31年ぶりだ。
東日本大震災に伴う自動車などの減産と、歴史的な円高によって輸出が減少した。
一方で、原子力発電所の事故を受けて国内の原発が相次いで停止し、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)などの輸入が急増したことが響いた。
昨年の貿易赤字は、特殊要因によるところが大きいといえる。
とはいえ、海外経済の悪化による輸出低迷が続いて、貿易赤字が長引く懸念は拭えない。
日本は貿易赤字となっても、10兆円を超える海外からの利子・配当収入で経常収支の黒字を確保している。国内の潤沢な資金が、国債の9割以上を支える。
だが、貿易赤字が長期化し、経常赤字に転落すると、こうした構図が崩れ、財政危機が一段と深刻化する恐れがある。
少子高齢化と人口減少で、内需の縮小も見込まれる。政府は危機感を強め、外需獲得に重点を置いた成長戦略を練り直すべきだ。
輸出競争力の回復が喫緊の課題となる。政府・日銀は、円高の是正を急がなければならない。
自動車や電機などは、韓国や中国をはじめ新興国が台頭し、価格競争で苦戦を強いられている。日立製作所が薄型テレビの国内生産打ち切りを決めるなど、海外移転が加速してきた。
国内では開発や高機能製品など付加価値の高い分野を重点化せざるを得ないだろう。政府は先端分野での投資減税など、政策によるテコ入れを検討すべきだ。新幹線や原発などのインフラ輸出も、引き続き官民で推進したい。
円高メリットを生かして優良な外国企業を買収し、海外からの収入を増加させる手もある。
外需の獲得戦略を進めるには、自由貿易の枠組みに加わることが欠かせない。野田政権は、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加実現に全力を挙げるべきだ。
中東情勢は不透明感を増し、LNGなどの資源高が続きそうだ。火力発電用の燃料輸入が減らないと、今年も引き続き貿易赤字となる恐れが強いという。安全を確認できた原発の再稼働を、着実に進める必要がある。 (2012年1月26日01時13分 読売新聞)
日経:輸出に頼らず投資で稼ぐ構造に転換を
2012/1/26付
http://s.nikkei.com/wt6ABG
日本の貿易収支が、第2次石油危機の1980年以来、31年ぶりに赤字となった。モノの輸出で稼ぐ日本の成長モデルが、歴史的な曲がり角に来たと考えるべきだ。
貿易赤字に転落した直接の原因は、東日本大震災と円高である。国内生産が大打撃を受け、価格面の競争力も落ちた。原子力発電所の事故で、火力発電用の燃料の輸入も増えた。欧州をはじめ世界的な景気後退も影響している。
だが、こうした一時的な要因に目を奪われてはならない。今までと同じような分野の製品輸出だけに頼っていては、コスト競争で中国など新興国に太刀打ちできないのは明らかだ。利益が縮む分野で消耗戦は続けられない。
円高、法人税率の高さ、電力の制約など、日本企業の「六重苦」を和らげる取り組みは必要だ。だが、その一方で、主要産業が輸出で利益を生み出せなくなった現実を直視しなければならない。
輸出の両輪とされてきた自動車と電機の分野では、既に貿易構造は大きく変わりつつある。
自動車では日産自動車や三菱自動車が主力車の生産をタイ、メキシコに移し、日本への逆輸入を本格化している。電機でもテレビなどの台湾、中国企業への委託生産が増え、日本は2011年も2年連続で家電の純輸入国になった。
日本の貿易収支は30年間以上、黒字が続いたが、黒字額は縮小する傾向にあった。半面、海外からの配当金などからなる所得収支は増え、所得収支の黒字は05年に貿易黒字を上回っている。
製造業が海外に軸足を移し、世界で稼ぐ姿を目指すのは自然な流れだ。このまま貿易赤字が拡大して、経常収支の赤字に陥らないためにも、海外の子会社や投資先から受け取る配当金、技術ライセンス料を日本に還流し、国内では新しい産業と雇用を伸ばす循環を生み出す必要がある。
ここ10年間の日本の輸出のけん引役は、自動車、電機、機械、鉄鋼の4業種に限られている。主役が固定しているのは、産業の新陳代謝が滞っている証しでもある。
直接投資やM&A(合併・買収)で世界に打って出ると同時に、国内で付加価値が高い事業の創造に努めるのが経営者の責務だ。一方、政府はモノの輸出を重視する旧来型の関税交渉ではなく、成長センターのアジア地域を中心に、日本からの投資の舞台を広げる通商政策に力を入れるべきだ。
▼ウォールストリート・ジャーナル関連記事
WSJ:日本の輸出大国時代の終わり
2012年 1月 24日 21:30 JST
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_380263?mod=WSJSeries
【東京】世界で最大規模の輸出国家のひとつが勢いを失っている。
数十年にわたり、日本は製造業の力と輸出に主眼を置いた貿易政策によって、世界中の市場に自動車や家電、セミコンダクターなどの雨を降らせてきた。
だが、その時代も終わった。
日本政府は25日、1980年以来初めてとなる貿易赤字(通年ベース)を発表すると予想されている。仮に円高が続き、世界経済も弱いままであれば、日本は向こう数年間、貿易赤字を抱えることになるとエコノミストらは警告している。
この驚くべき変化は、工場を破損させ、サプライチェーンを寸断し、この国の原子力発電所の多くを待機状態にした、昨年3月の地震と津波によって一部もたらされた。しかし、輸出大国日本が年金生活者の国へとゆっくり変化していくなかで、企業の競争力低下のような、長年にわたり水面下で進行してきた傾向を、地震はただ速めただけのようだ。
生産部門を海外へ移す日本企業は増え続けている。森精機製作所の森雅彦社長は「転換期ですね」と言う。同社は今年、1948年の創業以来、海外初となる工場を米カリフォルニア州デイビスに開く。5年以内に同社が製造する機械の40%程度を海外で生産したい意向だ。
かつて日本は世界中の国を自分たちの勢いに従わせていたが、今、この島国は自身のコントロールが及ばない強い国際圧力によって大きく影響を受けている。中国やブラジルといった新興国の急激な成長が、カメラや携帯電話、また自動車などの製造に必要な石油・ガスからレアアースなど輸入品すべての価格を吊り上げてきた。森氏によると、レアアースの価格高騰が森精機で必要なモーターに使われている磁石のコストを2倍にしたという。
日本の国内製造業の沈滞は貿易統計に反映されている。2011年1月から11月までの貿易赤字は2兆3000億円となった。2010年は通年で6兆6000億円の黒字だった。アナリストらは11月までの赤字を相殺するほど大きな黒字が12月の統計に計上されるのは不可能だとしている。
「大きなトレンドとしてこのままでは貿易赤字になっていく傾向にあることを否定はしない」と、枝野幸男経産相はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで述べた。
日銀出身でクレディ・スイス証券のチーフ・エコノミストを務める白川浩道氏は、日本が昨年同様、今年も貿易赤字を記録すると予想している。同氏によると、円が対ドルで歴史的な高値水準を維持し、エネルギー価格が高く、外需が比較的弱い限り、黒字に戻る可能性はほとんどないという。
こうしたなか、日銀は24日、2011年度の実質国内総生産(GDP)伸び率の予想を従来の前年度比プラス0.3%からマイナス0.4%に下方修正した。日銀は、海外経済の減速や円高が引き続き景気の重しになっているとしている。
これは日本にとって不吉な展開だ。仮に貿易赤字が続けば、日本は安定した債権国から純債務国に転じる可能性がある。日本は、経済規模に対する比率で比べると、すでにイタリアよりも大きな債務負担を抱えており、将来、債務問題が一段と深刻化しかねない。円は現在、天空をつくような高水準にあるが、日本が貿易赤字を続ければ、やがて円も下落する。弱い円は日本の製造業を下支えするものの、輸入への依存度を高めつつある経済に打撃を与えることになる。
第二次大戦後の数十年間、日本は輸出主導の成長路線を維持し、この国のリーダーたちが「日本の奇跡」と呼ぶ驚くべき富の創造を達成した。1981年には日本車が米国市場を席巻し、米国政府は日本の自動車メーカーに対し、「自発的に」輸出を制限するよう圧力をかけ始めた。その直後、米国は日本が世界市場で半導体をダンピング(不当廉売)していると非難した。
日本の輸出攻勢を抑え込むための国際な取り組みの一環として、米国と欧州主要国および日本は1985年にプラザ合意を結んだ。これは、合意がなされたニューヨーク市内のプラザホテルから名づけられたものだが、主要通貨に対する円の価値を高め、世界市場で日本製品の価格競争力を抑えようとするものだった。この合意を受けて、1985年に1ドル239円だった円は、88年には1ドル128円にまで上昇した。
しかし、巨大な日本の貿易黒字を縮小させるという期待された効果を得ることはできなかった。日本の金融当局が経済への影響を軽減しようと、安い資金を市場にあふれさせたためだ。結果、資産バブルが日本経済と金融市場に大きなひずみを生じさせ、その崩壊が20年に及ぶスタグネーションの土台を作った。米国は中国の人民元に対して同様の圧力をかけているが、中国側は、プラザ合意のトラウマが、米国の圧力に応じることを躊躇させる大きな理由であると指摘している。
ここ数年、日本の製造業は中国や韓国といったライバルたちに後れをとっている。これらの国の製品は、日本製品と同様の品質だが、より低コストで作られている。デロイト・トウシュ・トーマツと米国競争力委員会によって2010年に実施された、世界の製造企業トップらを対象にした調査では、向こう数年間、日本は高齢化と国内生産のコスト高により、製造業の競争力において、引き続き新興国や米国の後塵を拝することになると予想されている。
海外での競争激化は、トヨタ自動車やソニーといった日本の巨大メーカーが海外で生産する商品の価格に下げ圧力をかける一方、円高が利益の補てんをさらに困難にしている。
日本の原子力発電を事実上ストップさせることになった福島第1原子力発電所の事故も、エネルギーコストを押し上げている。
福島原発を運営する東京電力は先週、大口契約の法人を対象に平均17%、電気料金を引き上げると発表した。世論が停止中の原発の再稼働に反対するなか、高コストの石油への依存度が高まっていることを理由に挙げている。電気料金の値上げは1980年以来のことだ。
ほかの電力会社も原発再稼働は難しいとみている。日本政府は、1年前には日本の電力供給の約30%をまかなっていた原子力発電所が、電力需要の多い夏にすべて停止すると警告し、強制的な供給管理か計画停電の実施を示唆している。製造業者はこれに備えて、準備をしている最中だ。たとえば森精機は西日本の工場で節電対策を準備中だ。
災害は、長年の間に起ってきた日本経済の変化を速めただけにすぎないと指摘する向きもある。「これは成熟化の過程」だと日本貿易振興機構の石毛博行理事長は述べた。石毛理事長は1951年に輸出を振興するために同機構は設立されたが、やがて日本への投資を奨励し、また海外への移管を希望する中小企業のカウンセリング業務を担うように変化していったという。
日本は依然として、自動車から内視鏡まで世界市場の大きなシェアを握る安定した企業を持つ豊かな国だ。日本の輸出を縮小させている要因のいくつかは一時的なものである。たとえば欧米経済の低迷による需要減や、ドルやユーロに対する歴史的な円高などだ。円が弱くなれば、日本の製造業にとって有利に働くだろう。
また、財務省によると、外貨準備と米国債のような対外投資を合わせると、日本は251兆円の対外純資産を持つ。これは世界最大規模だ。
「トレンドとして貿易収支が赤字になるのは確実。でも、経常収支が黒字を保っていれば問題ない。経済が成熟してくるにつれてそうなるのは(貿易赤字になるのは)当然」と、元財務省官僚の榊原英資氏は述べた。経常収支はその国の貯蓄と投資の差を表し、財・サービスの取引や投資収益などの収支を示す。経常収支が赤字であれば、国内の投資が外資によって賄われているということだ。
人口が高齢化し、長期にわたる景気の低迷が、好景気のときに倹約家の日本人が貯めてきた多額の現金を減らしつつあるなかで、日本の貿易収支に構造的な弱体化が起こってきた。これは将来、日本が遅かれ早かれ、約1000兆円の債務返済に問題を抱えることになるとの不安をかきたてる。
森精機では、いくつかの不可抗力が輸出を押し下げ、輸入を増やしているという。トヨタ本社近くに工場を構える同社は、自動車から航空機まであらゆる製品の製造に必要な旋盤やフライス盤などを作っている。同社は日本製の部品を使い、依然として製品の98%を日本で生産している。
昨年の地震と津波で東北地方の工場が被災したため、いくつかの部品が手に入りにくくなり、国内の供給に頼っていたビジネスが裏目に出てしまった。
さらに悪いことには、森精機は約15億ドルある売り上げの65%を海外で得ているが、円高で大きな打撃を受けた。
森社長は、1ドル80円を超える円高なら(現在のレートは約77円)、米国向け製品は米国で製造したほうが安上がりだという。昨年、森社長はカリフォルニア州に工場を建てることを決めた。最終的には、製品の約20%を米国で、ほかの20%を欧州で製造したいという。
東京大田区は個人経営の工場で有名だが、ダイヤ精機の諏訪貴子社長も海外に工場を建てることを検討しているという。従業員約30人の同社は、自動車メーカーが使用する精密計器を製作している。諏訪社長によると、日本の大手自動車メーカーは今、工場を海外へ移管しており、新しい工場に備えるための精密計器の注文が増えているという。
だが、この注文が一巡すれば、需要がなくなるのではないかと諏訪社長は心配している。同社長は現在、大田区の中小企業がタイに設けた工業団地へ、同社の製造過程の一部を移管するメリットを検討している。タイであれば、費用対効果の高くない低利益の自動車部品やツールを大量生産できるという。
加えて、今後も円高が進み、国内生産環境が一段と悪化すれば、このような工場は海外での前哨基地としての役割を果たすことができると、諏訪社長はいう。
「もしかしたら円高にすごく振れて、それがずっと長引くかもしれない。デフレと円高にずっと苦しむ可能性がある。そういう場合には日本だけでやっていくのは不可能」だと、諏訪社長は述べた。
記者: PHRED DVORAK And TAKASHI NAKAMICHI
英仏艦船もペルシャ湾に 米空母「エイブラハム・リンカーン」とともにホルムズ海峡通過 ― 2012/01/24 07:36
稼働できるものは稼働したほうがいい。
批判恐れず「原発再稼働を急げ」と主張する勇気を持とう。
<ビデオ>
Western allies cross Strait of Hormuz: Aircraft carrier USS Abraham Lincoln now in Persian Gulf
http://www.youtube.com/watch?v=VAnA30Z6nD4
<関連記事>
英仏艦船もペルシャ湾に 米空母とホルムズ海峡通過
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120124/amr12012401320001-n1.htm
EUがイラン産原油禁輸で合意、イランはホルムズ海峡封鎖を警告
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE80M00620120123?sp=true
NY原油、上昇 3月物99.58ドルで終了 イラン産原油禁輸決定で
http://s.nikkei.com/xGk3SF
原油先物が上昇、EUのイラン産原油禁輸めぐる合意受け
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTJE80M01320120123
ホルムズ海峡閉鎖なら東電以外値上げも
イラン原油禁輸 LNG価格高騰必至 日本経済に与える影響甚大
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120124/eca1201240502001-n1.htm
【This Week】国内 25日(水)11年貿易統計を発表
財務省が25日、2011年の12月単月と通年の貿易統計を発表する。1~11月の貿易収支は2兆3000億円弱の赤字で、12月も赤字になるのはほぼ確実。第2次石油危機の影響があった1980年以来、31年ぶりの通年赤字に転落しそうだ。赤字の要因には、海外経済の減速を背景にした超円高で輸出が減ったことや、東日本大震災での原発事故の後、液化天然ガス(LNG)などの代替燃料の輸入が増えたことがある。欧州債務危機もなかなか収束のメドが立たず、足元の輸出入の傾向は反転のきっかけをつかめそうにない。「国富」の流出を意味する貿易赤字が続けば、日本の国力はますます低下することになる。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120123/mca1201230503002-n1.htm
制裁とイラン:包囲されてもなお屈せず
あらゆる威嚇行為にもかかわらず、イランも米国も、まだ全面対決を望んでいない
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34371
Britain, US and France send warships through Strait of Hormuz
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/iran/9031392/Britain-US-and-France-send-warships-through-Strait-of-Hormuz.html
Warships enter Hormuz without incident
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/f70b1ba0-459b-11e1-93f1-00144feabdc0.html#axzz1kJs9I8Pt
Storm warning in the strait
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/2d0f6ce0-45c1-11e1-93f1-00144feabdc0.html#axzz1kJs9I8Pt
「母屋ではおかゆを食べて節約しておるのに、離れではすき焼き食っておる」(塩川正十郎)--特会でのすき焼きの宴はそれでもまだ続くのか、「独法・特会改革」スカタン社説集 ― 2012/01/23 08:21
<「独法・特会改革」社説&「すき焼き」記事>
朝日社説:独法・特会改革―組織いじりでは困る
http://www.asahi.com/paper/editorial20120121.html#Edit1
野田政権が独立行政法人と特別会計の改革案をまとめた。
国民に負担増を求める消費税増税の前に、行政のムダを大胆に削ることができるか。09年の政権交代後、「政治主導」を掲げて取り組んできた事業仕分けの集大成でもある。
それなのに、がっかりするような中身だ。
改革案では、独法を現在の102から65に減らす。7法人を廃止し、35の法人を12にまとめることが柱だ。業務の性格に沿って独法を分類し、きめ細かく管理していくという。
17の特別会計では、公共事業を束ねる社会資本整備事業特会など四つを廃止し、一般会計に吸収する。農林水産省が所管する3特会を一つにまとめ、計11に減らす。
しかし、これによって歳出をいくら削減するかという肝心な点が示されていない。
102の独法は14万人近い常勤職員を抱え、国からの財政支出は計3兆円に達する。17特会の歳出総額は、各会計間の重複分を除いても約190兆円。一般会計の2倍を超える。
その削減額がないと、ただの組織いじりに終わりかねない。事実、廃止後も別の形の法人に衣替えしたり、特会の中に新たに勘定を設けたりという例が盛り込まれている。統合も省庁をまたぐものは実質ゼロ。組織が肥大化する恐れすらある。
様々な名目の資金が、独法を経由することで天下り官僚を養う原資になっていないか、という疑念も消えない。
改革案作りの詰めの作業は、独法改革では民間人をメンバーとする会議が、特会では財務省が中心だった。独法や特会を所管する各省庁の抵抗を崩すのは容易ではない。
「官」に目を光らせるのは、本来、政治の役割だ。公開の場で個別の事業をやり玉に挙げたり、政府の作業に注文をつけたりするだけでは不十分だ。
民主党は昨年末、行政改革調査会を急ごしらえで立ち上げた。組織をあげて取り組んでもらわなければ困る。
ところが、政治の側で行政改革に逆行する動きが目立つ。
代表例が整備新幹線だろう。線路の建設とJRへの貸し付けを担当する独法が受け取っている貸付料を、未着工3区間の建設費に回すと、党と国土交通省が一体となって決めてしまった。特定財源を復活させるような発想である。
岡田副総理・行革担当相は「やれることはやった」との認識を示した。とんでもない。やるべきことは山ほどある。
毎日社説:独立行政法人改革 「身を削った」とは言えぬ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20120121k0000m070099000c.html
政府自ら、ギリギリまで身を削った改革案とは言えまい。政府・民主党は現在102ある独立行政法人(独法)を統廃合し65以下に約4割削減する基本方針を決めた。
国から年間3兆円の支出を受け「ムダの温床」とも指摘される独法だが廃止・国への移管や民営化は14法人にとどまり、支出削減額も示さないのでは本気度が伝わらない。与野党協議などを通じ、中身をしっかり練り直すべきだ。
独法は行政の効率化に向け、民間手法の導入を目指し制度化された。ところが所管省からの天下りで多くの役職が占められたり、ファミリー企業と随意契約で割高な契約をしているような弊害が指摘されてきた。このため、民主党はさきの衆院選公約で全廃を含めた抜本的見直しを掲げていた。
野田内閣は消費増税に向け、行革に積極姿勢を示す必要に迫られている。岡田克也副総理兼行革担当相が就任しどこまで踏み込むかが注目されたが、期待外れだった。純粋な廃止は「日本万国博覧会記念機構」など4法人だけで、民営化なども7法人どまりである。
法人数を減らした主体は統合によるもので、まとめる過程で逆に「焼け太り」するおそれすらある。岡田氏は「(金額などを)計るのは難しい」と説明するが、ムダ撲滅を掲げるのであれば組織そのものを削り、支出削減額の目安を示すべきだ。
改革案は存続する法人について、一定の目標を持つ「成果目標達成法人」と行政の仕事を代行する「行政執行法人」に移行させる方針も示した。天下り規制も含め運営監視をきちんと制度化しないと、単なる衣がえに終わりかねない。規模の大きい「都市再生機構」などの結論も実質は先送りだ。「4割削減」という看板以上に問われるのは、どこまで官庁の抵抗を封じ、ゆがみをただせるかという改革の質のはずだ。
特別会計についても、政府は17から11に減らす方針を固めた。特会の「埋蔵金」を財政難の救世主とすることはもはや幻想だ。とはいえ、ムダや非効率の温床を放置するわけにはいかない。公共事業が減少する中、「社会資本整備事業特別会計」の廃止方針は当然だろう。
今回の改革案について政府側は「これだけでも大事業だ」と言いたいのかもしれない。だが、「ここまでやるか」というくらいの覚悟で切り込まないと、国民の共感を得ることはできない。
政府は独法、特別会計改革の関連法案を通常国会に提出する予定だ。税と社会保障の一体改革と同様、行政改革も与野党協議の俎上(そじょう)に載せ、厳しく吟味すべき課題である。
産経主張:独法・特会改革 数合わせで終わらせるな
2012.1.22 03:02
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120122/plc12012203030001-n1.htm
政府が独立行政法人と特別会計の改革案をまとめた。現在102ある独法を65に再編し、特会も17から11に削減する。消費税増税に対する国民の理解を得るため、政府として「身を削る」姿勢を示すものだという。
だが、改革の根本である官民の役割分担など、肝心の事業内容の見直しには踏み込んでいない。この再編と削減で、どれほどの歳出を減らせるか具体額を示せなかったのもこのためだ。野田佳彦政権は、独法・特会改革を単なる数合わせに終わらせてはならない。
独法改革案では統廃合や民営化などで再編するとしたが、複数の独法を単純に合併する統合が中心で、国への業務移管なども進める。明確に廃止の方向が打ち出されたのは、大阪万博会場跡地の公園管理などを行う万博記念機構など3法人にとどまる。
民業圧迫などの観点から、業務の縮小を求める声が強く上がっている都市再生機構(UR)と住宅金融支援機構については、結論自体が先送りされた。
独法改革が数の削減のみに目が向くと、研究開発型の法人は致命的な弊害を生じやすい。文部科学省が所管する理化学研究所や海洋研究開発機構、物質・材料研究機構など5法人の統合案が、そうした危惧の一例だ。
そもそも研究開発型の独法には機械的な統合はなじまない。各研究機関には独自の創造文化があり、それが研究の厚みを増してきたからである。ひとまとめに束ねるだけの統合では、研究の多様性が失われる。機関同士の競争も消えかねない。
特定の事業や資金運用のため一般会計とは別に管理する特会の見直しも、中途半端と言わざるを得ない。目的を終えた特会は一般会計に組み入れる方向は正しいが、単純な統合では本当の歳出効率化にはつながらないからだ。
一部を除き廃止が決まった社会資本整備特会についても、公共事業自体の効率化なしには、一般会計に入れても、新たな財源の捻出効果は乏しい。
民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で、「独法や特会の見直しで約6・1兆円の財源を捻出できる」としていたが、その後の事業仕分けでは1兆円あまりを捻出したにとどまった。
アリバイづくりのような小手先の改革はもう許されない。
[時代の証言者]自民党・塩川正十郎(26)引退!!燃え尽きて
2008/12/09 東京読売新聞 朝刊
財務相になって、「塩爺(しおじい)」とか「癒やし系」とか言われて、不思議でしたね。すぐカッとなるので、「瞬間湯沸かし器」って言われてましたから。落選して丸くなったんですかね。でも、「三位一体改革」では、片山虎之助総務相と、どなりあいの激論をやりましたよ。
《国庫補助金の削減、地方交付税の見直し、地方への税源移譲の「三位一体改革」は2002年(平成14年)8月から経済財政諮問会議で本格論議され、塩川・片山論争と呼ばれた》
僕は片山さんに地方交付税を見直せと迫った。片山さんは国税から地方に税金を移せと。片山さんは財務省が移譲すると思ってないので、「できない話をするな」と。僕は「やってもいいんだ」と。財務省は反対でしたよ。ある幹部は「大化の改新以来、国の税を削って地方に回した歴史はない」と大げさなことを言いよった。僕は「政治が決める」と、やらせました。
怒り心頭に発したのは無駄遣いの温床、特別会計ですよ。僕は財務相の時、主計局に予算執行調査係(現在は予算執行調査室)を作って各省の予算執行を事後チェックさせたんです。担当者が「特別会計はノーマークです」と言うんです。
調べたら、一般会計と違って、いいかげんに使ってるし、チェックはずさんだし。驚いた。だから「母屋ではおかゆを食べて節約しておるのに、離れではすき焼き食っておる」と言ったんですわ。この発言をきっかけに特別会計改革が進みました。官僚と道路族議員の聖域だった道路特定財源の一般財源化もそうですよ。
《塩川氏は03年9月に財務相を退任、11月の衆院選に立候補せずに引退した》
もうすぐ82歳だし、体が持たなかった。9月初めに胆石の手術をしたんです。それで、内閣改造前に小泉に辞めさせてくれと言って、記者会見で退任を言っちゃった。やはり、外遊がきつかったね。財務相2年半で、国際会議が24回ですよ。
やるだけのことはやった。私は引退表明の時に「(引退後の)ロスタイムを大事に使いたい」と言ったんですが、今も楽しんでます。ただ、家内の鈴子が02年に亡くなって、ゆっくりと旅行に連れて行けなかったことが残念でなりません。
《小泉首相は05年の郵政解散・総選挙で圧勝し、郵政民営化を実現。06年9月、5年半に及ぶ戦後3位の長期政権に幕を下ろした》
僕は小泉政権が誕生して最初の参院選(01年7月)の直前に、小泉にこう言ったんです。「総理、参院選は勝つよ。勝ったら次の衆院選も勝つ。そうすれば政権は5年はいけるよ」と。小泉は「5年で燃え尽きたいな」と言うておった。
小泉も燃え尽きたが、改革はまだ終わっていない。派閥政治は壊れたけども、官僚主導の政治は残っとる。これを変えなきゃいかんね。(敬称略、おわり)
<画像引用>
塩川正十郎
「母屋でおかゆをすすっているときに、離れですき焼きを食べている」
(一般会計が赤字を削っているのに特別会計で浪費していることを揶揄した表現)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E5%B7%9D%E6%AD%A3%E5%8D%81%E9%83%8E
日本の恥、世界の恥=「原発事故最悪シナリオ封印」に続いて、なんと「原子力災害対策本部」と「事故対策統合本部」が議事録作成せず ― 2012/01/22 20:26
常識的に考えれば、「議事録作成せず」など有り得ない。
議事録があるのにないことにして隠したいことがあるのではないか。
昨夜、共同が報じた「最悪シナリオ封印」記事が気になるのか。
議事録があるのに誰かがヤバイと思って食べちゃったのか。
だったらヤギさん出ておいで~♪
さてこの問題。菅前政権の責任だけで済むのか。
民主党の責任は問われないのか。
すべてを明らかにした上で民主党は潔く下野するだけで済むのか。
政治家として失格ではないのか。
「議事録作成せず」が事実なら、国民的な損失のみならず世界的な損失。
「日本の恥、世界の恥」と罵られることに。
「民主党解体を!」の声が高まってもいいほどの大問題。
国民は事の重大さに気づいて欲しい。
<関連記事>
原発事故 国本部の議事録作成せず (画像引用)
1月22日 17時44分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120122/t10015450241000.html
東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、避難区域や除染の方針など重要な決定を行ってきた政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったことが分かりました。専門家は「将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。
政府の原子力災害対策本部は、総理大臣を本部長とし、経済産業大臣をはじめ全閣僚をメンバーとするもので、原発事故当日の去年3月11日に設けられ、避難区域や除染の基本方針、農作物の出荷制限など原発事故を巡る重要な決定を行ってきました。
NHKで、去年11月、それまでに開かれた21回の会議について「議事録や内容をまとめた資料など」の情報公開請求を行ったところ、公開されたのは、議題を記した1回の会議について1ページの「議事次第」だけで、議論の中身を記した議事録は作成されていなかったことが分かりました。
NHKの取材に対し、原子力災害対策本部の事務局を務めている原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と説明しています。
公文書管理法は、国民への説明義務を果たすとともに政府の意志決定の過程を検証できるようにするため重要な会議の記録を残すよう定めており、公文書の管理を担当する内閣府は、原子力安全・保安院の担当者から聞き取りを行うなど経緯を調べています。
原発事故への対応を巡っては、東京電力と政府が合同で事故対応を検討した「事故対策統合本部」でも主要な会議の議事録が作成されていなかったことが分かっており、内閣府は、この経緯についても調べています。
公文書の管理や情報公開制度に詳しい名古屋大学大学院の春名幹男特任教授は「政府の重要な立場にあった人たちは、記録を残さないと責任を果たしたことにはならない。今回は、自分たちの失策がそのまま記録されると困るので、あえて記録を残さなかったと思われてもしかたない。将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。
【最悪シナリオを封印】菅政権「なかったことに」
大量放出1年と想定 民間原発事故調が追及
http://www.47news.jp/47topics/e/224789.php
公文書として扱われず
東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一(きたざわ・こういち)前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。危機時の情報管理として問題があり、情報操作の事実がなかったか追及する方針だ。
文書は菅氏の要請で内閣府の原子力委員会の近藤駿介(こんどう・しゅんすけ)委員長が作成した昨年3月25日付の「福島第1原子力発電所の不測事態シナリオの素描」。水素爆発で1号機の原子炉格納容器が壊れ、放射線量が上昇して作業員全員が撤退したと想定。注水による冷却ができなくなった2号機、3号機の原子炉や1~4号機の使用済み燃料プールから放射性物質が放出され、強制移転区域は半径170キロ以上、希望者の移転を認める区域が東京都を含む半径250キロに及ぶ可能性があるとしている。
政府高官の一人は「ものすごい内容だったので、文書はなかったことにした」と言明。別の政府関係者は「文書が示された際、文書の存在自体を秘匿する選択肢が論じられた」と語った。
最悪シナリオの存在は昨年9月に菅氏が認めたほか、12月に一部内容が報じられたのを受け、初めて内閣府の公文書として扱うことにした。情報公開請求にも応じることに決めたという。
細野氏は今月6日の会見で「(シナリオ通りになっても)十分に避難する時間があるということだったので、公表することで必要のない心配を及ぼす可能性があり、公表を控えた」と説明した。
政府の事故調査・検証委員会が昨年12月に公表した中間報告は、この文書に一切触れていない。
【解説】検証阻む行為許されず
東京電力福島第1原発事故の「最悪シナリオ」が政権中枢のみで閲覧され、最近まで公文書扱いされていなかった。危機の最中に公開できない最高機密でも、公文書として記録しなければ、次代への教訓を残すことはできない。民主的な検証を阻む行為とも言え、許されるものではない。
民主党は2年半前、政策決定の透明性確保や情報公開の促進を訴えて、国民の信を得たはずだ。日米密約の解明も「開かれた政治」を求める国民の期待に応えるための作業だった。
しかし、今回明らかになった「最悪シナリオ」をめぐる一連の対応は、そうした国民の期待を裏切る行為だ。
シナリオ文書を「なかったこと」にしていた事実は、「情報操作」と非難されても仕方なく、虚偽の大量破壊兵器(WMD)情報をかざしながらイラク戦争に突き進んだブッシュ前米政権の大失態をも想起させる。
民間の立場で調査を進める福島原発事故独立検証委員会が文書の取り扱いをめぐる経緯を調べているのも、そうした民主的な視点に根差しているからだ。ある委員会関係者は「不都合な情報を握りつぶしていたのではないか」と指摘する。
昨年末に中間報告をまとめた政府の事故調査・検証委員会が「最悪シナリオ」に切り込めていないのも問題だ。政府は民間の事故調査を待つことなく、自らが経緯を明らかにすべきだ。
(共同通信)2012/01/21 22:00


最近のコメント