中国の対艦弾道ミサイルで、アジアの海は中国の湖になるのか ― FOREIGN AFFAIRS JAPAN より ― 2010/10/06 05:51
フォーリン・アフェアーズ・ジャパンさんから怒られるかもと思いつつ、日本にとって極めて重要なことなので全文引用しちゃいます。
セス・クロプシーがSeth Cropsyとなっていますが、正しくはSeth Cropseyですよ。などと書いておいたら許してくれるかな。
現在の中国を戦前の日本と比較している点に注目を!
<関連記事引用>
FOREIGN AFFAIRS JAPAN より
http://www.foreignaffairsj.co.jp/
フォーリン・アフェアーズ・ブリーフィング
太平洋の平和を保つには
―― 中国の海軍力増強と米海軍
Keeping the Pacific Pacific
セス・クロプシー 元米海軍副次官
中国のASBMで米空母は西太平洋に立ち入れなくなる
8月末に日本を訪問した米太平洋軍司令官・ロバート・ウィラード提督は、「中国海軍は世界で初めて対艦弾道ミサイル(ASBM)を実戦配備する瀬戸際にある」と記者会見でコメントした。対艦巡航ミサイルはすでに数多く存在するが、弾道ミサイルに比べて、その速度は10分の1程度だし、運動エネルギーも低く、破壊力も小さい。長距離巡航ミサイルの射程は600マイル程度だが、最近のペンタゴンリポートによれば、中国のASBMの射程は少なくとも1000マイルに達する。
中国の戦略立案者は、弾道ミサイルの機動性ゆえに、海洋を航行中の大規模な甲板を持つ空母を攻撃して戦線からの離脱を強いるか、破壊できるだろうと期待している。(ASBM)射程内への米空母のアクセスは困難になるし)中国大陸から大きく離れたポイントからの攻撃目標に向けて戦闘機を出撃させようにも、(目標から600マイル以上離れていれば)次世代の戦闘機にさえ、攻撃を終えて空母へと安全に帰還できるような継続飛行能力はない。対艦弾道ミサイルの射程と精度ゆえに、中国はこれまで何度も表明してきた目的である、主要な米海軍戦力を西太平洋の多くの海域に立ち入れないようにする(アクセス拒否)能力をまさに手に入れようとしている。
中台紛争が起きれば、これは、西太平洋の米海軍の活動にとってもっとも差し迫った脅威となる。これほどまでに中国にミサイルの射程が伸びれば、「攻撃された場合には台湾を防衛する」というアメリカのコミットメントを果たす能力が大きく損なわれることになる。米海軍はASBMによる攻撃から防衛する手段を持っていないし、そうした防衛兵器の開発を試みているわけでもない。米軍がASBNに対抗することも、その脅威を克服することもできないとすれば、アメリカのアジアにおける影響力は低下していく可能性が高い。一方で、中国が曖昧ながらも示唆している地域覇権が説得力を持つような環境になれば、南シナ海における領有権論争をきっかけに地域的な軍拡レースが起きるかもしれない。
1995年と1996年に、クリントン大統領は、中台間の緊張がエスカレートするのを避けるために、台湾海峡に米空母を派遣したが、オーストラリア、日本、韓国を含むアメリカの同盟国は、「これまで数十年にわたって東アジアの平和を守ってきた米海軍のプレゼンスなしに、危機にいかに対処していくか」を考えざる得なくなるだろう。
今後30年程度の時間枠で、米海軍が西太平洋からゆっくりと後退していけば、アメリカの同盟国は一気にその空白を埋めようと試み、必然的に地域的な軍拡競争が起きる。すでに7月に日本政府は潜水艦艦隊の規模をこの36年間で初めて拡大すると発表している。2009年春には、オーストラリアも第二次世界大戦以降、最大規模の防衛力増強計画を発表し、潜水艦艦隊の規模を2倍に拡充するとともに、近代的でパワフルな水上艦を調達する予定だ。
韓国の場合、海軍力、統合戦力の近代化を試みつつも、もう一つの選択肢を検討することになるだろう。それは「駐留米軍を追い出すことを条件に、中国が韓国に安全保障を提供して、後退するアメリカの影響力を埋め合わせると申し入れてきたらどうするか」を考えることだ。
これまでのところ、アメリカの政策決定者と分析者は、しだいに具体化しつつある中国のミサイル能力を無視している。これは、「中国の軍事力増強の脅威はまだ先の話で、現段階で真剣に受け止める必要はない」という一般認識にとらわれているためだ。だがこうした楽観論は、アメリカの大戦略が依存してきた海軍力の維持を犠牲にして、地上戦の遂行に焦点をあてた結果、誕生した考えにすぎない。だが中国の対外政策はますます攻撃性を強めており、これは、中国が軍事力、海軍力を大きく増強していることと無関係ではない。
南シナ海、黄海(東シナ海)の海洋権
8月にウィラード提督が米空母を攻撃ターゲットにできる中国の軍事能力について懸念を示す前の数ヶ月間にわたって、中国は攻撃的な対外路線をみせた。3月に北京は「中国は南シナ海に中核利益を有する」と表明した。中国沿岸からフィリピンへと東に広がり、南はマレーシアとベトナムと接する広範な広がりを持つ南シナ海には、東アジアと中東をつないで石油その他を運ぶ重要なシーレーンがある。
南シナの多くの島をめぐって、中国、そしてブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどの南アジア諸国は領有権論争を展開している。だが、「南シナ海に中核利益を有する」と表明することで、北京はこの国際海域を「あらゆるコストを支払ってでも守るべき資産」とみなしているというメッセージを送ったことになる。
南シナ海に関する利益認識を表明した4カ月後の7月半ばの段階になっても、中国は拡大主義の海洋政策を続けた。政府系の通信社である新華社通信は、中国の軍事研究者は、朝鮮半島と中国の間の国際海域である黄海には、中国の海洋権からも海洋安全保障からみても、「中国の中核利益の中枢」があるとみていると伝えている。そして、9月には黄海周辺海域(南方の東シナ海)で衝突事件が起きた。日本の管理下にあるが、中国も主権を主張している尖閣諸島の近海を航行していた中国の漁船と日本の海上保安庁の巡視船が衝突するという事件が起きた。
8月には北京は南シナ海の海底に小型潜水艦を用いて中国の国旗を立てるという行動もみせた。南シナ海の主権をアピールするこの行動、そして、それまでの南シナ海をめぐる中国の外交的主張は、挑発的なだけでなく、国際法を踏み外している。しかも、最近の中国政府のレトリックは、こうした新たな影響圏の主張をめぐって、北京が妥協をするつもりがないことを示唆している。7月にオバマ政権が南シナ海の領有権論争をいかに解決するかをめぐって地域的なコンセンサスを模索するように提案した際にも、中国の楊(よう)潔チ外相はシンガポールの外交官に「中国は大国であり、他の諸国は小国に過ぎない。これが現実だ」と述べている。
地域的覇権を確立しようとする強引なやり方ゆえに、「中国はどのようにして新しい地位を形作ろうとするつもりなのか」と懸念する声も聞かれる。中国の軍事力は、アメリカの東アジアにおける影響力を脅かすほどに強大化する瀬戸際にあるし、最近における北京の行動とレトリックから判断すると、これまでの伝統的な航行の自由を保障するアメリカのスタイルを好む地域諸国にとっては、暗い未来が待ち受けているだろう。
アメリカは、航行の自由を保障するだけでなく、領有権の獲得には関心を示さず、アジアで覇権国が登場するのを阻止する政策をとってきた。これは、覇権国への道を目指す中国の路線とははっきりとしたコントランスをなしている。
海軍力とアジアの覇権
力がものをいうという考えはアジアでは先例があるし、海軍力が力を支えるという認識も同様だ。16世紀にスペインの船がフィリピンを攻略し、19世紀から20世紀の大英帝国の時代には、イギリスが東アジアにおける海軍力の優位を手にしていた。
しかし中国の指導者にとって、海軍力をいかに政治的パワーに置き換えるかについてもっと説得力のある事例は日本だろう。日本の歴史は、野心的でうまく武装した地域的な覇権国がアジアに登場することがいかに危険であるかを物語っている。20世紀初頭に西太平洋における支配的な海洋パワーとしての地位を確立した日本は、近隣諸国を侵略・征服して抑圧し、管理地域を急速に拡大していった、部隊や物資を船で移動させる能力は、インドからハワイにまでの広範な地域で大きな脅威を作り出した。
日本が過去にそのような侵略行動をみせたからといって、似たような地域的な優位を手にすれば、中国がそれと同じ行動をとるはいえない。だが、中国の海軍力の増強、ASBM 技術の獲得、国際海域における領有権の主張は、オーストラリア、インド、ベトナムなどの近隣諸国を刺激し、海軍力の大幅な増強路線へと向かわせている。こうした展開は、西太平洋における強固な米海軍のプレゼンスによって保障されてきた安定と安全を今後当然視できなくなることを意味する。
中国のASBMの脅威は深刻だが、アメリカがこれに対抗することはできる。新技術だけでなく、空母の規模を小さくして数を増やし、戦闘機の航続距離を長くできるように設計を見直せば、中国のミサイルの脅威を相殺できるだろう。
だが、アメリカは膨大な経常赤字を抱えているし、ロバート・ゲーツ国防長官がそうした大規模な海軍力整備の有効性を疑問視しているため、米軍が中国の海軍力増強への対抗策をとる可能性は低い。したがって、当面、米政府は、西太平洋におけるアメリカの同盟関係を強化し、南シナ海における領有権論争をいかに解決するかについての広範な合意形成を目指すべきだろう。この海域での同盟諸国との軍事演習のレベルを高め、12月に予定されている沖縄およびその近海での日本との統合軍事演習を実施すべきだ。沖縄およびその近海は、東シナ海における東方境界線にあたる。
中国の海軍力増強が突きつける危険について、オバマ政権は米海軍にかん口令を敷いているようだが、これを解除すべきだろう。米海軍が中国の海軍力増強を根拠に、米海軍力の増強とプレゼンス強化を公の場で議論することは有益だし、米海軍の「バーチャルな自己軍縮」の流れを覆すような議会の支持を形作れるかもしれない。
東アジアにおいてより力強い安全保障、外交政策をとらない限り、アメリカは、世界のほぼ半分の人口を擁する地域の経済利益と安全のために太平洋で維持してきた穏やかな優位を手放さざるを得なくなる。だが、中国の対艦ミサイル能力がアメリカのパワーを左右することはあり得ない。それを左右するのは、今後におけるアメリカの行動だ。●
Seth Cropsy ジョージ・H・W・ブッシュ政権の米海軍省副次官を経て、現在はハドソン研究所のシニアフェロー
<原文記事>
Keeping the Pacific Pacific
The Looming U.S.-Chinese Naval Rivalry
http://www.foreignaffairs.com/articles/66752/seth-cropsey/keeping-the-pacific-pacific
<画像引用>
美军前高官建议航母瘦身反制中国DF-21D
※なんとも刺激的な「导弹袭击美国航母示意图」
http://mil.huanqiu.com/Observation/2010-09/1134014.html
<関連記事>
日米軍事演習で「尖閣奪還作戦」 中国の不法占拠想定
2010.10.3 11:23
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101003/plc1010031124004-c.htm
日米「尖閣奪還」演習 強固な同盟 中国に明示
2010.10.3 12:42
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101003/plc1010031244007-c.htm
南シナ海の日米合同軍事演習、中国報道「尖閣“奪取”のため」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1005&f=politics_1005_005.shtml
中国の新型ミサイル「東風21D」は米空母を殺すゲーム・チェンジャー
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/09/5274841
「それ見たことか」とセイウチ逆襲、中国にかみつくネオコン・ボルトンが対艦弾道ミサイル(ASBM)にも言及
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/12/5281133
朝日新聞:マイヤーズ元米統合参謀本部議長・インタビュー一問一答、対艦弾道ミサイル(ASBM)にも言及
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/17/5292526
本ブログは一足お先にトシ・ヨシハラ=Toshi Yoshiharaに注目
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/09/20/5358403
コメント
_ 良くコメ読者 ― 2010/10/06 06:18
中国がランドパワーから両生類のようにシーパワーへ変貌することは,アメリカとしても許さないということでしょうか。
_ Y-SONODA ― 2010/10/06 06:40
良くコメ読者さんへ
>中国がランドパワーから両生類のようにシーパワーへ変貌することは,アメリカとしても許さないということでしょうか。
絶対許さないと思いますよ。
ほどほどにしないと日本のようにボコボコにされますね。
>中国がランドパワーから両生類のようにシーパワーへ変貌することは,アメリカとしても許さないということでしょうか。
絶対許さないと思いますよ。
ほどほどにしないと日本のようにボコボコにされますね。
_ ロッキーホラーショー ― 2010/10/06 09:14
米海軍筋の弱気発言は、予算要求のためかもしれないし、中国の努力を御しやすい方に誘導するためかもしれないわけで、若干、割り引いて評価した方がいいかもしれませんね。ASBMを運用するには、海上監視衛星の情報が不可欠なはずですが、開戦ともなれば、中国の衛星はあっという間にレーザーで無力化されてしまうのが1つ、あとミサイル防衛でターミナルフェイズの迎撃が困難なのは、ターゲットの予測が難しいからだそうですが、ASBMのターゲットは機動部隊しかない。それに何といっても不沈空母沖縄の存在が大きい。空軍に言わせれば、潜水艦の始末だけはよろしく、ということかも。あのルーピー鳩山の迷走発言ですが、沖縄の基地の重要性を意識させた点では意味があったのかも。
_ Y-SONODA ― 2010/10/07 08:34
ロッキーホラーショーさんへ
>米海軍筋の弱気発言は、予算要求のためかもしれない
これは確かにありますね。米国も懐事情が厳しい。
それと来日中のロバート・カプランが地政学に通じた人がオバマ政権にいないと語っていたことも気になります。
ヒラリーあたりの発言を見ると、ここにきてようやく本腰を入れ始めたのではないかと。
まぁでも本当に中国の対艦弾道ミサイルがそんなに凄いものなのか。
中国の技術をまだ疑っている私。
このあたり正確な情報を持っている方はいませんかね。
>米海軍筋の弱気発言は、予算要求のためかもしれない
これは確かにありますね。米国も懐事情が厳しい。
それと来日中のロバート・カプランが地政学に通じた人がオバマ政権にいないと語っていたことも気になります。
ヒラリーあたりの発言を見ると、ここにきてようやく本腰を入れ始めたのではないかと。
まぁでも本当に中国の対艦弾道ミサイルがそんなに凄いものなのか。
中国の技術をまだ疑っている私。
このあたり正確な情報を持っている方はいませんかね。
_ Y-SONODA ― 2010/10/08 09:03
Not in Our Backyard: China’s Emerging Anti-Access Strategy
http://www.progressivefix.com/not-in-our-backyard-china%E2%80%99s-emerging-anti-access-strategy
http://www.progressivefix.com/wp-content/uploads/2010/10/2010_CHASE-China-Not-in-our-backyard.pdf
http://www.progressivefix.com/not-in-our-backyard-china%E2%80%99s-emerging-anti-access-strategy
http://www.progressivefix.com/wp-content/uploads/2010/10/2010_CHASE-China-Not-in-our-backyard.pdf
_ ino ― 2010/10/08 20:47
基本的に「弾道」ミサイルなので、発射直後のブーストで燃
料を使いきり、後は地球の引力で落下し、その落下先が米
国艦隊なのです。
要は大砲の弾と同じで、ブースト後の動きは砲弾と同じです。
つまり根本的に命中率が低くく、弾体が高速過ぎて巡航ミサ
イルの様に自身のセンサーによって標的への最終調整もで
きません。
弾道ミサイルは固定目標向けの兵器で、旧ソ連もASBMを開
発していましたが、巡航ミサイルによる飽和攻撃に目処が付
いた時点で開発を放棄しています、常に移動している艦船に
たいしてあまりにも非効率な攻撃方法ですからね。
したがってASBM(非効率な攻撃方法)採用の意味は下記の
様になります。
「巡航ミサイルによる飽和攻撃を撃退するほどの高い防御力
を有した艦隊に対して、通常の対空兵器で防御出来無い弾
道ミサイルで攻撃する為」です。
しかし上記の意味は薄れつつあります、なぜなら弾道ミサイ
ル迎撃システムが出来てしまったからです、それはMDの事です。
対弾道ミサイル迎撃専用のSM-3はもちろん、既存の対艦ミサ
イル迎撃用のSM-2を改良したSM-2Block4があります。
SM-2Block4は安上がり且つ既存のイージス艦に搭載する為の
改修の最小限になる。
さらに安上がりにするならPAC-3艦載型搭載などが考えられま
す、PAC-3なら空母自身に搭載できます。
上記のMDなら射程1500kmの弾道ミサイルに十分対処可能です。
射程を伸ばしてきたら開発中のSM-3Block2で対処する事にな
ります。
要はイージスMD+通常艦船だけでも弾道ミサイルへの多層防御
網を構築できると言う事です。
さて中国はなぜASBM開発したのか?、たぶん下記の3だと思っ
てます。
1:巡航ミサイルによる飽和攻撃システムを確立できなかった
2:ラッキーヒットの確率が巡航ミサイル飽和攻撃よりASBMの
方が高いと判断した。
3:金の掛かる巡航ミサイル飽和攻撃より、安くできるASBMを
開発していたが時間が掛かりすぎて、開発する迄にイージ
スMDなんてとんでもない物を米軍が実用化するなんて思わ
なかった。
料を使いきり、後は地球の引力で落下し、その落下先が米
国艦隊なのです。
要は大砲の弾と同じで、ブースト後の動きは砲弾と同じです。
つまり根本的に命中率が低くく、弾体が高速過ぎて巡航ミサ
イルの様に自身のセンサーによって標的への最終調整もで
きません。
弾道ミサイルは固定目標向けの兵器で、旧ソ連もASBMを開
発していましたが、巡航ミサイルによる飽和攻撃に目処が付
いた時点で開発を放棄しています、常に移動している艦船に
たいしてあまりにも非効率な攻撃方法ですからね。
したがってASBM(非効率な攻撃方法)採用の意味は下記の
様になります。
「巡航ミサイルによる飽和攻撃を撃退するほどの高い防御力
を有した艦隊に対して、通常の対空兵器で防御出来無い弾
道ミサイルで攻撃する為」です。
しかし上記の意味は薄れつつあります、なぜなら弾道ミサイ
ル迎撃システムが出来てしまったからです、それはMDの事です。
対弾道ミサイル迎撃専用のSM-3はもちろん、既存の対艦ミサ
イル迎撃用のSM-2を改良したSM-2Block4があります。
SM-2Block4は安上がり且つ既存のイージス艦に搭載する為の
改修の最小限になる。
さらに安上がりにするならPAC-3艦載型搭載などが考えられま
す、PAC-3なら空母自身に搭載できます。
上記のMDなら射程1500kmの弾道ミサイルに十分対処可能です。
射程を伸ばしてきたら開発中のSM-3Block2で対処する事にな
ります。
要はイージスMD+通常艦船だけでも弾道ミサイルへの多層防御
網を構築できると言う事です。
さて中国はなぜASBM開発したのか?、たぶん下記の3だと思っ
てます。
1:巡航ミサイルによる飽和攻撃システムを確立できなかった
2:ラッキーヒットの確率が巡航ミサイル飽和攻撃よりASBMの
方が高いと判断した。
3:金の掛かる巡航ミサイル飽和攻撃より、安くできるASBMを
開発していたが時間が掛かりすぎて、開発する迄にイージ
スMDなんてとんでもない物を米軍が実用化するなんて思わ
なかった。
_ Y-SONODA ― 2010/10/09 08:58
inoさんへ
詳しい説明どうもありがとうございます。
>基本的に「弾道」ミサイルなので、発射直後のブーストで燃 料を使いきり、後は地球の引力で落下し、その落下先が米国艦隊
英文サイトを見ると落下の仕方で工夫が成されているとの指摘も。
このあたりが気になっています。
>上記のMDなら射程1500kmの弾道ミサイルに十分対処可能です。 射程を伸ばしてきたら開発中のSM-3Block2で対処する事になります。
なるほど。ここでSM-3Block2の登場となるわけですね。
>安くできるASBMを 開発していたが時間が掛かりすぎて、開発する迄にイージスMDなんてとんでもない物を米軍が実用化するなんて思わなかった。
ということは脅威ではないという結論になりますね。
脅威を煽る米国の意図も考えないといけませんね。
詳しい説明どうもありがとうございます。
>基本的に「弾道」ミサイルなので、発射直後のブーストで燃 料を使いきり、後は地球の引力で落下し、その落下先が米国艦隊
英文サイトを見ると落下の仕方で工夫が成されているとの指摘も。
このあたりが気になっています。
>上記のMDなら射程1500kmの弾道ミサイルに十分対処可能です。 射程を伸ばしてきたら開発中のSM-3Block2で対処する事になります。
なるほど。ここでSM-3Block2の登場となるわけですね。
>安くできるASBMを 開発していたが時間が掛かりすぎて、開発する迄にイージスMDなんてとんでもない物を米軍が実用化するなんて思わなかった。
ということは脅威ではないという結論になりますね。
脅威を煽る米国の意図も考えないといけませんね。
_ ks ― 2010/10/09 12:40
まだ、検討中なんですが、検討中の1例をば。
弾道ミサイル迎撃は2段階のシステム。
1・ミッドコース迎撃・・・SM-3
2・ターミナルフェーズ迎撃・・・PAC-3
中国のは、MaRV化されてると予想されてる。
1は、すり抜ける
さらに、大気圏突入直前にに目標の位置をを再度修正(精度が上がる)。
となると、2のPAC-3で迎撃ということになる。
船に向かってくるのは自明なので、対処はしやすい。
が、
私が気にしてるのは戦術核の使用。
高高度核爆発=HANE(高度100km - 数100kmの高層大気圏における核爆発)は、PAC-3の射程外。
これだと死人は出ない。
しかし、電子機器障害が広範囲に起こる。
つまり、一種の電子戦。
イージスシステムがダウンする。
ここをねらって更に攻撃されたら対処できない。
ポイントは、死人を出さない核使用。しかも被害は海上の艦隊にほぼ限定。
あまり、非難されずに使用できそう。
中国は、「大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する条約」(PTBT)にも調印していない。
これだと、中国本土への報復核使用ができなさそうだ。
となるとHANEを抑止できない。
そして中国は射程内への接近を抑止できる。
中国の狙いは、破壊そのものにあるのではなく、アンチ・アクセスにあるのだから、これで十分かと愚考。
高高度核爆発
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%AB%98%E5%BA%A6%E6%A0%B8%E7%88%86%E7%99%BA
弾道ミサイル迎撃は2段階のシステム。
1・ミッドコース迎撃・・・SM-3
2・ターミナルフェーズ迎撃・・・PAC-3
中国のは、MaRV化されてると予想されてる。
1は、すり抜ける
さらに、大気圏突入直前にに目標の位置をを再度修正(精度が上がる)。
となると、2のPAC-3で迎撃ということになる。
船に向かってくるのは自明なので、対処はしやすい。
が、
私が気にしてるのは戦術核の使用。
高高度核爆発=HANE(高度100km - 数100kmの高層大気圏における核爆発)は、PAC-3の射程外。
これだと死人は出ない。
しかし、電子機器障害が広範囲に起こる。
つまり、一種の電子戦。
イージスシステムがダウンする。
ここをねらって更に攻撃されたら対処できない。
ポイントは、死人を出さない核使用。しかも被害は海上の艦隊にほぼ限定。
あまり、非難されずに使用できそう。
中国は、「大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する条約」(PTBT)にも調印していない。
これだと、中国本土への報復核使用ができなさそうだ。
となるとHANEを抑止できない。
そして中国は射程内への接近を抑止できる。
中国の狙いは、破壊そのものにあるのではなく、アンチ・アクセスにあるのだから、これで十分かと愚考。
高高度核爆発
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%AB%98%E5%BA%A6%E6%A0%B8%E7%88%86%E7%99%BA
_ ino ― 2010/10/09 23:53
中国が大陸間弾道弾(ICBM)の多弾頭化に膨大な金と時間を
掛けましたが、その技術がそのままASBMに使うことは出来な
いでしょう。
特に通常弾頭では多弾頭化すると1発の破壊力が小さくなっ
てしまい、艦船へのダメージが小さくなってしまいます。
ICBMの場合は核弾頭なので小型化しても破壊力は維持で
きますが通常弾頭は多弾頭化によって1発当りの炸薬量が
制限されてしまいます。
尚、MIRV(複数個別誘導突入体)は複数の弾頭を個別の目
標に誘導するのであって、一つの目標に複数の弾頭を誘導
するものではありません。
また精度も、もっとも良いICBMでも誤差90メートルで、弾頭
が核で破壊力が大きいからOKなので、通常弾頭での艦船
への攻撃精度としてはお話にならない。
誤差90メートルも地上の固定目標に対してであり、時速50km
で移動する艦船では誤差はもっと大きくなると思います。
艦船のEMP防止対策は知りません、通信ケーブルなど
光ファイバー化するなどしているのではないでしょうか?
まー予算との兼ね合いになるのでしょうが、イージスに対
策してないとは思えません。
防空でも都市や基地の場合は、破壊した破片の大きさを
考えるとヘッドオンして弾頭を完全破壊しないといけませ
んが、海上を移動する艦船の場合は、弾頭の完全破壊は
必要ありません、ハジクだけで迎撃成功です、軌道が変
わって海に落ちて終わりです。
掛けましたが、その技術がそのままASBMに使うことは出来な
いでしょう。
特に通常弾頭では多弾頭化すると1発の破壊力が小さくなっ
てしまい、艦船へのダメージが小さくなってしまいます。
ICBMの場合は核弾頭なので小型化しても破壊力は維持で
きますが通常弾頭は多弾頭化によって1発当りの炸薬量が
制限されてしまいます。
尚、MIRV(複数個別誘導突入体)は複数の弾頭を個別の目
標に誘導するのであって、一つの目標に複数の弾頭を誘導
するものではありません。
また精度も、もっとも良いICBMでも誤差90メートルで、弾頭
が核で破壊力が大きいからOKなので、通常弾頭での艦船
への攻撃精度としてはお話にならない。
誤差90メートルも地上の固定目標に対してであり、時速50km
で移動する艦船では誤差はもっと大きくなると思います。
艦船のEMP防止対策は知りません、通信ケーブルなど
光ファイバー化するなどしているのではないでしょうか?
まー予算との兼ね合いになるのでしょうが、イージスに対
策してないとは思えません。
防空でも都市や基地の場合は、破壊した破片の大きさを
考えるとヘッドオンして弾頭を完全破壊しないといけませ
んが、海上を移動する艦船の場合は、弾頭の完全破壊は
必要ありません、ハジクだけで迎撃成功です、軌道が変
わって海に落ちて終わりです。
_ ino ― 2010/10/10 00:10
DF-21の弾頭はロケットモータを付けて終端誘導しているの
で、何とかなるのか?
いずれにせよ弾頭の速度が速すぎて終端誘導できても命中
精度は巡航ミサイル大きく劣ると思います。
しかも、DF-21のペイロードは600kgですか多弾頭化は無理
ですね。
で、何とかなるのか?
いずれにせよ弾頭の速度が速すぎて終端誘導できても命中
精度は巡航ミサイル大きく劣ると思います。
しかも、DF-21のペイロードは600kgですか多弾頭化は無理
ですね。
_ ks ― 2010/10/10 01:11
私の論旨は高高度核爆発 と断ったうえで。
DF-21の多弾頭化の実験の成功の報道は数年前ににあります。
米政府機関のレポートも多弾頭化はじめ高機能化が2010年ころに完成という予測をずっと懸念として書いてきました。
DF-21の多弾頭化の実験の成功の報道は数年前ににあります。
米政府機関のレポートも多弾頭化はじめ高機能化が2010年ころに完成という予測をずっと懸念として書いてきました。
_ ks ― 2010/10/10 01:25
あとDF-21は核、非核両用。
_ ks ― 2010/10/10 02:07
The Heritage Foundation
Time for an EMP Recognition Day
Published on March 23, 2010 by Jena Baker McNeill and James Carafano, Ph.D.
http://www.heritage.org/research/reports/2010/03/time-for-an-emp-recognition-day
EMP対策が取られてないという批判記事。
上記記事に対するタイムの反論記事
Time
EMP: The Next Weapon of Mass Destruction?
March 30, 2010
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1976224,00.html
全く対策がとられてないことはないだろうが、程度問題だという話も聞く。
MissileThreat
Final Report on America's Strategic Posture
http://www.missilethreat.com/archives/id.16/subject_detail.asp
Time for an EMP Recognition Day
Published on March 23, 2010 by Jena Baker McNeill and James Carafano, Ph.D.
http://www.heritage.org/research/reports/2010/03/time-for-an-emp-recognition-day
EMP対策が取られてないという批判記事。
上記記事に対するタイムの反論記事
Time
EMP: The Next Weapon of Mass Destruction?
March 30, 2010
http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1976224,00.html
全く対策がとられてないことはないだろうが、程度問題だという話も聞く。
MissileThreat
Final Report on America's Strategic Posture
http://www.missilethreat.com/archives/id.16/subject_detail.asp
_ ino ― 2010/10/10 12:16
ks殿、返信有り難うございます。
高高度核爆発見落とし申し訳ありません。
へりテージ財団がEMP対策無しと批判していたんですね。
タイムの反論記事では「程度問題だという話も聞く。」です
か、EMP対策はどこまでやっているか情報見つけられなく
て「まー防御の中枢に対策してないって事はないだろう」
と考えて「イージスに対 策してないとは思えません。 」
と言ってしまいました。申し訳ありません
2002年にDF-21の多弾頭の実験に成功していますね
申し訳ありません。
実配備しているのか、実験段階までなのか、多弾頭化
は通常弾頭も含めてなのか調べるないとならない英語
の資料あさらないと(日本語であるかな?)...正直辛
い。
私には弾道ミサイルで移動目標攻撃って筋の悪い方法
にしか思えないのです。
巡航ミサイルの長射程化、高速化、ステルス化が進む
中、ASBMに金掛ける意味があるのかね?
以上
高高度核爆発見落とし申し訳ありません。
へりテージ財団がEMP対策無しと批判していたんですね。
タイムの反論記事では「程度問題だという話も聞く。」です
か、EMP対策はどこまでやっているか情報見つけられなく
て「まー防御の中枢に対策してないって事はないだろう」
と考えて「イージスに対 策してないとは思えません。 」
と言ってしまいました。申し訳ありません
2002年にDF-21の多弾頭の実験に成功していますね
申し訳ありません。
実配備しているのか、実験段階までなのか、多弾頭化
は通常弾頭も含めてなのか調べるないとならない英語
の資料あさらないと(日本語であるかな?)...正直辛
い。
私には弾道ミサイルで移動目標攻撃って筋の悪い方法
にしか思えないのです。
巡航ミサイルの長射程化、高速化、ステルス化が進む
中、ASBMに金掛ける意味があるのかね?
以上
_ ks ― 2010/10/10 12:40
>弾道ミサイルで移動目標攻撃って筋の悪い方法
これには、おおよそ同意。
だから、EMP攻撃用かなと。
2005年の
CRS Report for Congress
China Naval Modernization: Implications for U.S.
Navy Capabilities — Background and Issues for
Congress
http://www.chad4congress2010.com/campaign/info/China%20Naval%20Moderization%20--%202005.pdf
でも、EPMはかなり言及はされているんです。
で、イージスのEPM対策は実験はやってるみたいなんですが、
どの程度なのか、まだ読んでないので、あれなんですが、これです。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1559-3584.1991.tb00944.x/abstract
レジストしたらPDFがダウンロードできます。
書籍ですと
http://books.google.co.jp/books?id=PFEjSKi5PxoC&pg=PA203&lpg=PA203&dq=EMP+Hardening%E3%80%80aiges&source=bl&ots=xc10RoJJ23&sig=mMAUadWg2wBoyIzxiK_p-Gwio9A&hl=ja&ei=56GwTJ_FGYakvgOioOXfBg&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CBUQ6AEwAA#v=onepage&q&f=false
これには、おおよそ同意。
だから、EMP攻撃用かなと。
2005年の
CRS Report for Congress
China Naval Modernization: Implications for U.S.
Navy Capabilities — Background and Issues for
Congress
http://www.chad4congress2010.com/campaign/info/China%20Naval%20Moderization%20--%202005.pdf
でも、EPMはかなり言及はされているんです。
で、イージスのEPM対策は実験はやってるみたいなんですが、
どの程度なのか、まだ読んでないので、あれなんですが、これです。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1559-3584.1991.tb00944.x/abstract
レジストしたらPDFがダウンロードできます。
書籍ですと
http://books.google.co.jp/books?id=PFEjSKi5PxoC&pg=PA203&lpg=PA203&dq=EMP+Hardening%E3%80%80aiges&source=bl&ots=xc10RoJJ23&sig=mMAUadWg2wBoyIzxiK_p-Gwio9A&hl=ja&ei=56GwTJ_FGYakvgOioOXfBg&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CBUQ6AEwAA#v=onepage&q&f=false
_ Y-SONODA ― 2010/10/11 10:21
ksさんへ&inoさんへ
お二人のやりとり、大変勉強になりました。
専門用語が飛び交う中、意味は何かと必死で検索しましたが・・・(笑)
現時点では「当たるも八卦当たらぬも八卦」といった感じでしょうか。
こうした中でCFR論文にも登場していたロバート・ウィラードのインタビュー記事を発見。
言葉を選びつつも警戒していることは間違いないようです。それでも対処可能とも。
こちらの方の記事もぜひ参考にしてください。
▼ロバート・ウィラード・インタビュー記事
Why world's most powerful military man matters to you
http://www.theaustralian.com.au/news/world/why-worlds-most-powerful-military-man-matters-to-you/story-e6frg6ux-1225936166873
お二人のやりとり、大変勉強になりました。
専門用語が飛び交う中、意味は何かと必死で検索しましたが・・・(笑)
現時点では「当たるも八卦当たらぬも八卦」といった感じでしょうか。
こうした中でCFR論文にも登場していたロバート・ウィラードのインタビュー記事を発見。
言葉を選びつつも警戒していることは間違いないようです。それでも対処可能とも。
こちらの方の記事もぜひ参考にしてください。
▼ロバート・ウィラード・インタビュー記事
Why world's most powerful military man matters to you
http://www.theaustralian.com.au/news/world/why-worlds-most-powerful-military-man-matters-to-you/story-e6frg6ux-1225936166873
_ ks ― 2010/10/11 14:28
完璧な攻撃も完璧な防御もないことを念頭に置けば、相手により負担をかけるという考えも重要なわけでして。
ウィラード・インタビュー記事ですが、
発言の大意は、
空母に対する中国の脅威は、ソ連のミサイルの脅威(*注・巡航ミサイルによる飽和攻撃)とは、弾道ミサイルという点で異なる。
しかし、船を守るという点は同じだから、戦略ゲームの変更はもたらさない。
記者がこれを解説して、
ドクトリン・レベルでは、海空統合ドクトリンを開発中。
これは、DODの
http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=4550
にあります。
そこの内容と、次の
>there are many points at which the US could interrupt that kill chain, not least by targeting Chinese targeting and guidance capabilities.
を見るに、
ロッキーホラーショーさんの、中国の衛星を撃破で対処、というのがこれに当たります。
で、ヘリテージのいうEMPだと弾道ミサイル発射後に衛星撃破されても、あまり痛くない。発射直前の位置データでも構わんのではなかろうか。
衛星撃破された場合、中国の攻撃の第2波は対艦巡航ミサイルでの飽和攻撃。
ただし、大陸から飛ばすと、中間誘導が慣性誘導になるが、
米艦隊のレーダーが死んでると仮定すれば、
ミサイルは低空飛行する必要がない(=高いところを飛べば中国ミサイル側のレーダーの探知範囲が広くなる)ので、
これで十分、目標を捕捉できる可能性。
この場合の対応は、沖縄が駆り出されるのだろうけど、
「其の隙に台湾」となると後手に回ってしまう。
だからEMP対策はどうなってるのって話が出てくるのかなと。
たぶん。(ぼちぼちPDFを読まんと・・・(汗
中国の意図は、移動式航空基地である空母を(台湾から)できるだけ遠ざける、でしょう。
在沖縄米軍基地をグアム・テニアンに移すというのと同じ発想。
だから、極論すれば、空母を実際に撃破できなくてもいいんですよね、おそらく。
遠ざけたり、あるいは台湾などへの介入を遅らせたり、介入初動の戦力を減らせたり、米に介入の負担をかけれれば。
ウィラード・インタビュー記事ですが、
発言の大意は、
空母に対する中国の脅威は、ソ連のミサイルの脅威(*注・巡航ミサイルによる飽和攻撃)とは、弾道ミサイルという点で異なる。
しかし、船を守るという点は同じだから、戦略ゲームの変更はもたらさない。
記者がこれを解説して、
ドクトリン・レベルでは、海空統合ドクトリンを開発中。
これは、DODの
http://www.defense.gov/transcripts/transcript.aspx?transcriptid=4550
にあります。
そこの内容と、次の
>there are many points at which the US could interrupt that kill chain, not least by targeting Chinese targeting and guidance capabilities.
を見るに、
ロッキーホラーショーさんの、中国の衛星を撃破で対処、というのがこれに当たります。
で、ヘリテージのいうEMPだと弾道ミサイル発射後に衛星撃破されても、あまり痛くない。発射直前の位置データでも構わんのではなかろうか。
衛星撃破された場合、中国の攻撃の第2波は対艦巡航ミサイルでの飽和攻撃。
ただし、大陸から飛ばすと、中間誘導が慣性誘導になるが、
米艦隊のレーダーが死んでると仮定すれば、
ミサイルは低空飛行する必要がない(=高いところを飛べば中国ミサイル側のレーダーの探知範囲が広くなる)ので、
これで十分、目標を捕捉できる可能性。
この場合の対応は、沖縄が駆り出されるのだろうけど、
「其の隙に台湾」となると後手に回ってしまう。
だからEMP対策はどうなってるのって話が出てくるのかなと。
たぶん。(ぼちぼちPDFを読まんと・・・(汗
中国の意図は、移動式航空基地である空母を(台湾から)できるだけ遠ざける、でしょう。
在沖縄米軍基地をグアム・テニアンに移すというのと同じ発想。
だから、極論すれば、空母を実際に撃破できなくてもいいんですよね、おそらく。
遠ざけたり、あるいは台湾などへの介入を遅らせたり、介入初動の戦力を減らせたり、米に介入の負担をかけれれば。
_ Y-SONODA ― 2010/10/12 08:46
ksさんへ
うーーん。ksさんの情報から見えてきたことがあります。
中国の「A2AD(Anti-Access/Area Denial)=接近阻止・領域拒否」戦略。
これってハード・ソフトを絡み合わせたスマート・パワーで発動されている可能性が浮上しますね。
民主党政権なんていとも簡単に手懐けることができるかも。
なんか怖いなぁ。
うーーん。ksさんの情報から見えてきたことがあります。
中国の「A2AD(Anti-Access/Area Denial)=接近阻止・領域拒否」戦略。
これってハード・ソフトを絡み合わせたスマート・パワーで発動されている可能性が浮上しますね。
民主党政権なんていとも簡単に手懐けることができるかも。
なんか怖いなぁ。
_ 張子の虎 ― 2011/05/06 01:26
中共の軍事力増強は、核搭載弾道ミサイルの開発から始まっている。米国を射程に入れる弾道ミサイル技術は、冷戦時代の旧ソ連から教授されている。これにともない、衛星打ち上げの技術も同様に教授された。
この手法を北朝鮮は取り入れているので、軍事力増強の手法に類似する点が多い。
近年、中共は巡航ミサイルを旧ソ連技術の転用により手に入れた。GPSによる誘導方法は、西側からの技術盗用である。中共はこの技術により、射程2000kmを超える巡航ミサイルを配備することが出来たが、この技術を用いて、弾道ミサイルの誘導を試ることにした。
ここで技術的問題であるが、音速程度の飛行体を誘導する技術で、その数倍以上の速度の飛行体を誘導できるだろうか。中共は可能にしたといっている。GPS誘導技術でさえ独自に開発できなかった技術レベルで、技術保有国でさえ容易に実現できない技術を、どの様に手に入れたのだろうか。
軍事の世界では、「張子の虎」も敵が本物と思う以上本物である。いざ、戦いが始まらない限り「張子」とは分からない。実際にGPS誘導が可能ならば、公言しないほうが遥かに戦略的に有利である。戦闘開始と同時に、油断している敵空母を殲滅できる。
容易に考え旧ソ連製空母の改修を始めた中共軍部は、その運用を検討する段階に至って、難しさを実感しているだろう。建造後、多分「公開演習」を南シナ海、東シナ海で頻繁に行うだろう。
「張子の虎」はついつい大きく見せたくなるものである
この手法を北朝鮮は取り入れているので、軍事力増強の手法に類似する点が多い。
近年、中共は巡航ミサイルを旧ソ連技術の転用により手に入れた。GPSによる誘導方法は、西側からの技術盗用である。中共はこの技術により、射程2000kmを超える巡航ミサイルを配備することが出来たが、この技術を用いて、弾道ミサイルの誘導を試ることにした。
ここで技術的問題であるが、音速程度の飛行体を誘導する技術で、その数倍以上の速度の飛行体を誘導できるだろうか。中共は可能にしたといっている。GPS誘導技術でさえ独自に開発できなかった技術レベルで、技術保有国でさえ容易に実現できない技術を、どの様に手に入れたのだろうか。
軍事の世界では、「張子の虎」も敵が本物と思う以上本物である。いざ、戦いが始まらない限り「張子」とは分からない。実際にGPS誘導が可能ならば、公言しないほうが遥かに戦略的に有利である。戦闘開始と同時に、油断している敵空母を殲滅できる。
容易に考え旧ソ連製空母の改修を始めた中共軍部は、その運用を検討する段階に至って、難しさを実感しているだろう。建造後、多分「公開演習」を南シナ海、東シナ海で頻繁に行うだろう。
「張子の虎」はついつい大きく見せたくなるものである
_ Y-SONODA ― 2011/05/06 07:25
張子の虎さんへ
>軍事の世界では、「張子の虎」も敵が本物と思う以上本物である。いざ、戦いが始まらない限り「張子」とは分からない。
これはもう私もまさに疑っているところ。
はたして技術的に可能なのか。そんな技術を中国が持っているのか。
>「張子の虎」はついつい大きく見せたくなるものである
大きく見せたい中国に米国も相乗り。
中国の脅威を煽りたい米国の思惑が見え隠れ。
>軍事の世界では、「張子の虎」も敵が本物と思う以上本物である。いざ、戦いが始まらない限り「張子」とは分からない。
これはもう私もまさに疑っているところ。
はたして技術的に可能なのか。そんな技術を中国が持っているのか。
>「張子の虎」はついつい大きく見せたくなるものである
大きく見せたい中国に米国も相乗り。
中国の脅威を煽りたい米国の思惑が見え隠れ。
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_ ブログ人 - 2010/10/10 03:19
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