Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

アルバート・エドワーズの「日本型氷河期」理論、その先に待っているのは暴徒化する世界?2011/08/17 07:25

アルバート・エドワーズの「日本型氷河期」理論、その先に待っているのは暴徒化する世界?


FTアルファヴィルでちょくちょく見かけるソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、アルバート・エドワーズ。日本型氷河期(Japanese-style Ice Age)で有名な人。そして、先進諸国が日本型氷河期に見舞われると警鐘を鳴らしてきた人。最近では中国のバブルだってもはやコントロール不能で世界経済最大のリスクとまで言っちゃった人。


最近のFTアルファヴィルでは、「日本は10年間の痛みに苦しんだが、非常に均質で平等な社会だ。英国も米国もそうではないぞ。ロンドンで暴動や略奪が起こったよな」などという発言が紹介されている。

米欧、そして中国に襲いかかる日本型氷河期。その先には暴徒化する世界が待っているのか。日本にとって暴徒化する中国ほど怖いものはない。


<関連記事引用>

▼麻薬中毒の金融市場 先進諸国を日本型の危機が襲う?
2011.08.17(水)
(英エコノミスト誌 2011年8月13日号)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/19078

 実際、FRBが金利をゼロ近くに抑えることを約束しているため、米国債の利回りは、歴史的な基準で見ても驚くほど低くなっている。米国政府は、資金を5年間借りるのにわずか0.9%の金利しか支払っていないのだ。

 こうした低利回りは不気味なほど日本を彷彿させる。日本では過去10年間、鈍い経済成長に直面して、債券利回りがどん底の水準にはりついている。

 このような利率は、かねて先進諸国が日本型の危機に見舞われると予想してきたソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、アルバート・エドワーズ氏の「氷河期」理論と一致する。

 「持続不能な民間部門の債務の山は、2008年に公的部門に移された。民間の負債が圧縮されていれば間違いなくもたらされていただろう大恐慌時代の現実への適応を防ぐことが狙いだった」。エドワーズ氏は最近の調査メモで、こう書いた。「ただこれらの債務は公的部門の手に渡っても、民間部門の手にあった時と同じくらい持続不能だ」

 エドワーズ氏は、「氷河期」が終わる前に、10年物米国債の利回りが1.5%まで低下すると見ている(現在は2.1%)。

 景気減速が続けば、FRBは、年内にさらなるQEという形で、強い薬を施さなくてはならないかもしれない。だが、多くの観測筋は、前回と同様、それは一時的な影響しか及ぼさないと考えている。

 「QEは株価を押し上げる助けにはなったが、こうした株価上昇は、実現しなかった力強い景気回復への期待に基づくものだった」と、HSBCのチーフエコノミスト、スティーブン・キング氏は言う。市場はいずれ、麻薬をやめなければならない。


▼欧米の失敗に何1つ学ばない中国、世界経済最大の危機はらむ
2011/06/02(木) 19:50
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0602&f=business_0602_174.shtml

  仏ソシエテジェネラル(Societe Generale)銀行グローバルストラテジストのアルバート・エドワーズ(Albert Edwards)氏とディラン・グライス(Dylan Grice)氏は、「中国は欧米の惨敗の歴史から何も学んでいない。中国バブル崩壊は、世界経済最大の危機だ」と指摘した。ドイチェ・ベレ(中国語電子版)が報じた。

◆中国バブルはもはやコントロール不能

  エドワード氏は「中国こそ最大のバブルだが、起こり得る結果に対し、投資家の予想は甘すぎる。ハード・ランディングの可能性が極めて高いのに、中国の超景気拡大、金融大緩和が続くと信じ切っている」と中国経済に対する楽観論を批判。「この状況は、5、6年前の米国を思い起こさせる。つまり、金融と債務が招くバブルを抑制しないとならないのだ。しかし、中国のバブルはもうコントロール不能で、世界経済の最大のリスクとなっている」と語った。

  グライス氏は「中国は西欧の大失敗から何も教訓を学び取っておらず、いい加減な通貨政策で投機を刺激している。中国経済の名目経済成長率はほぼ20%だから、金利も20%になるはずで、実質金利はマイナスだ。しかし、中国では資本の国外への流失は制限されているので、中国人は資金を国外に移すことはできず、インフレ率が預金金利よりも高いので、銀行にも預けようとしない」と中国の通貨政策を批判した。

  同氏はさらに「彼らにどんな選択があるのか。不動産を買って転売するだけだ。マイナスの実質金利が不動産業の繁栄をもたらす様子は、われわれがスペイン、アイルランド、米国で見てきたことだ。中国人は、起きるはずのない奇跡を信じている。長期的には、私は中国の将来を完全に楽観している。しかし、ハード・ランディングとハイリスクの資産に対するショック療法を行おうとする力が蓄えられつつある」と語り、中国経済が一度はクラッシュする可能性が高いと指摘した。

◆笑っちゃう「20%成長に6%の金利」

  中国バブルの要因についてエドワード氏は「固定為替相場政策により資金がどんどん押し寄せ、外貨準備が巨大な規模に拡大した。対ドル人民元レートの安定を保ち続けるよう、人民元でドルを買う必要がある。大量の人民元紙幣が印刷されたが、これが中国式の量的緩和策だ。資金氾濫を抑制する手立てはない。過度の通貨供給量の増加は、中国政府の為替レート政策に原因の半分がある」と述べた。

  グライス氏は、世界的には中国政府への信頼感があるとして、「全世界が、中国政府の通貨政策と経済刺激策が欧米よりも良いと思っている。市場参加者も、中国当局が情勢をコントロールし、目標を比較的容易に達成できると信じている。中国政府の当局者は、民主的な手続きという制約を受けないためだ」と語った。

  しかし、同氏は中国政府の実際の政策について「中国の最近の通貨政策は、まったく冗談のようなものだ。名目成長率約20%の経済で、名目金利が6%なのだから、笑ってしまう。また、製品の値上げを実施した企業に罰金を課すなど、経済政策として最低の措置を繰り出す始末だ」と述べた。

  エドワード氏はさらに「中国の情勢は実に深刻だ。トラがいったん檻を出ればもう一度捕まえることは難しい。インフレは束縛を解かれた野生の馬のようなものだが、中国政府は消費者物価指数に占める食品の割合を低くするなどして、数字を操作している」と語った。

  両氏は、「世界経済の最大リスクは、ユーロ圏ではなく中国に孕んでいる。中国は今、2007年後半にサブプライム問題が発生し、経済後退に向かった米国とまさに同じ道をたどっている」と口を揃えた。(編集担当:松本夏穂)


<関連記事>

Financial markets
Hit me baby one more time
Markets will take any help they can get
Aug 13th 2011
http://www.economist.com/node/21525935


Edwards says this has nothing to do with that downgrade
http://ftalphaville.ft.com/blog/2011/08/09/648126/edwards-says-this-has-nothing-to-do-with-that-downgrade/


FT Alphaville » albert edwards
http://ftalphaville.ft.com/blog/tag/albert-edwards/


The slippery job of pinning down valuations
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/94054032-c669-11e0-bb50-00144feabdc0.html#axzz1VE8hxNeo


暴徒化する世界
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/03/01/4145921

「空洞化を恐れるな、つらいが、閉じ籠もっては負け戦だ」 福井俊彦氏が語るタンポポ・ジャパンとタナバタ・ジャパン2011/08/17 08:58

「空洞化を恐れるな、つらいが、閉じ籠もっては負け戦だ」 福井俊彦氏が語るタンポポ・ジャパンとタナバタ・ジャパン


「変革や知識創造の拠点は国内に置く」だけはぜひお願いしたいタナバタ・ジャパン。


<関連記事引用(画像も)>

空洞化克服、世界で成長 キヤノングローバル戦略研究所理事長・福井俊彦氏
新しい日本へ 復興の道筋を聞く(4)
2011/8/17付
http://s.nikkei.com/qfB8gE


 ――日本は数多くの宿題を抱え込んだ。

 「震災で重みを増す課題から逃げてはいけない。新たにエネルギー政策を見直す必要も出てきた。長期的には原子力への依存を段階的に縮小していけばいいが、途中経過が非現実的では意味がない。経済成長との両立、エネルギー自給率の向上、環境対応との整合性を検証し、頑健な計画にする必要がある」

 「成長と財政再建をいかに両立するかという課題も待ったなしだ。足元では米欧が財政に問題を抱え円高となっているが、本当は日本が抱える問題のほうが大きい。民間部門の貯蓄が多いので問題が日本という大きな卵の中に閉じ込められている。円高が当然という議論ではないが、逆に将来、暴落を起こさぬよう今から努力を始めなければならない」

■昔には戻れない

 ――日本人は自信を失っているようにみえる。

 「日本人の特質は我慢強さにある。自然災害であれ、経済、社会、政治的な思わぬアクシデントであれ、これまで様々な混乱をくぐり抜け、今日まで歴史を築いてきた。力は決して弱くない」

 ――昔の生活に戻れという人もいる。

 「違う。国際的な生存競争に勝たないと、失う一方になる。安全で快適に暮らそうと思ったら、ほかの国よりも貧しくてはダメで、自分たちだけ成長を止めるわけにはいかない。『昔』とはいつか。都合のいい時期まで時計の針を戻す器用な方法などない」

 「もっとも、戦後の高度成長期、経済優先という極端な価値体系のバランスをもって進んできたことも事実だ。精神の豊かさや国民のアイデンティティー、自分の国は自分で守る姿勢。そうした文化や安全保障の価値体系は後ろに置かれてきた。今も、それらのバランスをとれずにいる」

■海洋資源を活用

 ――政治にけん引力が足りません。

 「高度成長期には政治の安定が求められた。これからは『動き』だ。特定のリーダーや政治組織が、いつまでも同じ運動法則で政権を保つのは難しい。政権交代は起こるべくして起きたが、我々にどういう仕組みで交代するのかという予備知識がなかった」

 「政党は野党時代にこそ真価が問われる。有権者と接しながら政策を取捨選択し、政権公約を組み立てる。その間、知恵を出しまとめていった者にリーダーの自覚が生まれていく。必然的に世代交代を伴う」

 ――目の前に空洞化という危機があります。

 「つらいが、閉じ籠もっては負け戦だ。消費者の要求が厳しい国内市場を深掘りしつつ、成長する海外市場を自分のものにしていく。この両刀遣いなら日本企業の展開余地は大きい。自らの計算で合理的な事業ネットワークを編成するのだとすれば、もう空洞化という言葉は当てはまらない」

 「ただ、政策の良しあしで国内外の競争条件に差が生まれ、海外に逃避せざるを得ないとすれば話は別だ。他の国に劣る規制や制度を改善していく意識や行動が政府には欠かせない。日本の国土面積は世界の60位以下。だが排他的経済水域(EEZ)は6位だ。海洋資源を活用しない手はない。海流発電などは有力なエネルギー源になる可能性も秘める」

 ――日本を縮めないためには。

 「もともと日本は大国ではない。スイスのように小さくてもきりっとした国もある。精密機器や製薬など得意な技術を伸ばし、海外展開にも積極的だ。農業や牧畜に取り組む若い人も多い」

 「変革や知識創造の拠点は国内に置く。農業、林業、漁業を若い人が担える産業に育てる。長い目でみれば、震災からの復興は日本を変える大切なきっかけになる」

(聞き手は大塚節雄)

 ふくい・としひこ 2003年から08年まで日銀総裁を務め、量的緩和の拡大と解除、2回の利上げを指揮した。75歳。