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「日本化」する欧米、国債バブルも世界に飛び火で悪循環の罠に、負の連鎖をぶっ壊す起死回生の成長戦略とは2011/08/23 08:36

「日本化」する欧米、国債バブルも世界に飛び火で悪循環の罠に、負の連鎖をぶっ壊す起死回生の成長戦略とは


さすがに今まで狙って外してきたとは思えないが、もしも大当たりの成長戦略が登場したら・・・。その時、日本の国債バブルは見事に弾けるだろう。このあたりの事情をNHKブログ・時論公論がわかりやすく説明している。

「日本の銀行がかくも大量に国債を買っているのは、企業に資金ニーズがない上に、少子高齢化社会のもと、国内に成長が期待できる有望な投資先がないからです。20年前まで不動産融資に走っていた銀行が不動産の代わりに日本国債を買っている構造は、国債バブルと呼んでもいいかも知れません。バブルだからこそ、格付けとは無関係に国債が買われ続けているにすぎないのです」とある。

注目はその次。「例えば、政府の成長戦略が成功して銀行が企業に本格的に資金を貸し付けるようになれば、国債バブルは終わってしまいます。皮肉な言い方をすれば、政府の成長戦略が失敗し続けているために、国債の暴落が先延ばしになっていると考えることも出来るでしょう」とズバリ指摘。

政府の失敗続きの成長戦略が支えてきた国債消化。しかし、政府だけが悪いわけではない。成長分野を見いだす努力も成長分野を育てる努力もせずに、リスクを恐れて国債に殺到する金融機関にも問題がある。結果として民間にカネが流れず、成長阻害要因になってきた。

そんな金融機関も大当たりの成長戦略が登場すれば、儲けが薄い国債などさっさと見放すだろう。その時、これまでの国債消化構造が大きく揺さぶられることになる。

頭のいい政治家や官僚はそのことがわかっている。本物の成長戦略が諸刃の剣になり得ることがわかっている。大当たりの成長戦略を恐れている。そのために負の連鎖を断ち切る努力をするどころか大いに甘えてきたのだ。

「日本化」する欧米。リスクオフの動きが広がる中で国債バブルも世界に飛び火。それは日本型長期低迷を予感させるもの。

しかし、バブルはいつか弾ける。国債バブルとて同じ。国債バブル崩壊は一歩先行く日本から始まる可能性ありと見る。皮肉にもその時が長期低迷脱出の合図となるかもしれない。

欧米が描く起死回生の成長戦略。怪しげな地球温暖化祭りが終焉した今、そのネタは中国の台頭がもたらす軍拡祭りに潜んでいる。

日本としても米中冷戦ゲームをしたたかに利用するという発想が必要。軍拡祭りで試される日本のモノづくり。残念ながら負の連鎖を断ち切るにはこの古臭い手口に頼るしかないと思う。


<関連記事引用>

▼時論公論 「国債格下げが問いかけているもの」 (画像引用)
2011年02月17日 (木)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/72851.html

先月末アメリカの格付け会社が日本の国債の格付けを引き下げました。3週間経った今、国債や円の相場は落ち着きを取り戻していますが、それをもって問題が終わったわけではありません。今晩は国債の格下げがいったい何を問いかけたのか、これに対して日本はどう対応するべきなのかを考えてみたいと思います。

国債の格付けは、国や地域の信用力を表すもので、格付け会社スタンダード&プアーズの場合、米英独仏といった主要先進国を最も高い格付けに、ベルギーをその次に、そして日本やスペイン、チリなどを三番目の格付けにしていました。しかし先月27日、日本の格付けを引き下げた結果、日本の国債は、中国やサウジアラビアなどと同じ4番手に転落しました。チリより格付けが低いことには違和感がありますが、格付け会社は、「その国の経済力ではなく、借金の返済能力や国家破産を回避できるかどうかといった観点から、日本はスペインやチリ以下である」と判断しているのです。

別の大手格付け会社ムーディーズも、日本の税制と社会保障制度の改革が進まなければ国債を格下げすることもあり得るという見解を今月初め示しています。

格下げ直後こそ日本の国債や円の値動きに若干影響がありましたが、三週間経った今は、おおむね平常な状態が続いています。マーケットが沈静化した最大の理由は、日本の国債の場合、外国人の保有比率が5%と極めて低いことです。

この一年くすぶり続けているヨーロッパ経済危機と比べるとその違いは著しいものがあります。危機の発端となったギリシャの場合国債の外国人保有比率が70%近くと極めて高いため、格付けを下げられてしまうと、外国人投資家に国債を買って貰うために利回りを上げなければならず、財政がたちまち深刻化してしまいます。そして最終的には国債をマーケットで消化することを断念して、EUやIMF・国際通貨基金に低利の資金支援をあおがざるを得なくなってしまうというわけです。

ところが日本の場合は外国人の比率が低く、格付けに左右されにくい日本の金融機関が国債の三分の二を持っているので長期金利が跳ね上がらないという有難い仕組みになっています。

それでは、日本に国債暴落の危機はないのか、日本の国債は永久に消化され続けるのかと言えば、それは甘過ぎます。幾つかのリスクがあるからです。

第一に、日本の銀行がかくも大量に国債を買っているのは、企業に資金ニーズがない上に、少子高齢化社会のもと、国内に成長が期待できる有望な投資先がないからです。20年前まで不動産融資に走っていた銀行が不動産の代わりに日本国債を買っている構造は、国債バブルと呼んでもいいかも知れません。バブルだからこそ、格付けとは無関係に国債が買われ続けているにすぎないのです。

例えば、政府の成長戦略が成功して銀行が企業に本格的に資金を貸し付けるようになれば、国債バブルは終わってしまいます。皮肉な言い方をすれば、政府の成長戦略が失敗し続けているために、国債の暴落が先延ばしになっていると考えることも出来るでしょう。

第二に、国債が何かのきっかけに値下がりし始めて先安感が拡がれば、日本の銀行は我先に避難口に殺到し、結果的に国債が暴落するリスクも考えられます。90年代のバブル期とその崩壊の記憶を呼び起こしてみれば判ることですが、日本の金融機関は何かあると同じ反応をする傾向が強いので、国債の安定保有先が金融機関に集中しているから安心だと考えるのは楽観的過ぎるでしょう。むしろ一旦事が起きた場合には、保有先に多様性がないことが命取りになりかねません。

もう少しマクロの視点から見ても、心配があります。

日本の国と地方の借金の長期短期合わせた額は1100兆円。世界最大ですし、借金がGDPの2倍を超える例は主要国では戦争の時以外ありません。欧米の国々が戦後の右肩上がりの経済成長に乗って比率を下げて行ったことを考えますと、これから少子高齢化が一段と進む日本が、戦時下でもないのに、身の丈をはるかに超える借金を抱えてしまっている事実には暗澹たる思いがします。早く手を打たないと、財政破たんが一気に現実のものになりかねないからです。

具体的には、2015年以降、団塊世代の退職などで日本の貯蓄率がマイナスに転じるだろうと見られています。預貯金の取り崩しに加えて海外資産の取り崩しも始まります。そこから、日本が経常収支で赤字国に転落するまでの道のりは10数年から20年位だとも言われています。

もし国債が暴落すれば長期金利が上昇します。破産、倒産が急増し、失業者がまちに溢れます。インフレで年金生活者をはじめとして生活に困窮する人が増える。急激な円安が進んで国はどんどん貧しくなっていく。そういう悪夢が現実のものになれば、この国は一巻の終わりです。

何もしなくても酷いことにはならないかも知れませんが、もし何か起こったら既に手遅れになっていて、甚大な被害を蒙るリスクがあるという意味では、地球温暖化問題ともどこか似通っているかも知れません。今まで大丈夫だったから、この先も赤字国債を増やしていっても大丈夫だという保証など実はありません。そこに財政問題の難しさがあります。

その意味では、財政規律を保つために消費税増税は避けて通れないと私は考えています。ただ財政赤字の穴埋めのための増税は国民の理解が得られないでしょうから、財政支出の最も大きな部分を占める社会保障制度の再構築と組み合わせて消費税増税を打ち出す必要があります。しかし行政機構の改革を含めて、説得力のある方向性はいまだ示されていません。

国債暴落の危機を回避するという観点からみますと、政局第一主義が蔓延っている今の政治も罪深いと考えています。建前はともかく、消費税問題も、社会保障制度の再建に向けた行政改革といった、本来政治がリーダーシップをとるべき問題で、政治が解決能力を失っているように見受けられます。市場関係者の中からは、政党再編によって安定政権を誕生させて経済を建て直すことだけが唯一の希望だという声が出ていますが、危機感が高まるに連れて、こうした一見乱暴な議論にも説得力が出てくるでしょう。

先日、10数人の企業の中堅幹部たちと日本の将来について議論しました。政治に問題解決が期待出来ない以上、多少の出血は覚悟してでもIMFの支援を仰いだ方が犠牲は少ないのではないかと議論を吹っ掛けてみました。それに対してある外資系企業の幹部が、「多くの日本人が、血を流しながら気持ちよさそうに目を閉じていくのではないか」と応じたことが忘れられません。つまり、もう手遅れだと言っているのですが、そこまで悲観的にはなれないにしても、危機が相当間近に迫っていることだけは、わたくしたちも理解しなければならないでしょう。
(大島春行 解説委員)


▼財政見通しの悪い日本から経済危機が起きない理由(2)=中国
2011/08/18(木) 12:52
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0818&f=business_0818_105.shtml

 日本の今の経済状況はデフレ均衡状態にあると言えるだろう。資金力を持つ大企業は国内設備投資をしたがらない。この不景気な状況で、信用不足の中小企業に銀行も融資したがらない。景気回復を目指した財政支出は、実体経済には反映されないばかりか、銀行が資金の運用先として国債購入に殺到するという有り様だ。

 もとより日本の基準貸付利率は非常に低いため、安定した利子収入が得られる国債投資の方がいいと判断するわけだ。このため、日本国債の格付けがどのように変化しようと、投資者に大きな影響を及ぼすものでないのだ。

 だが、日本経済が上向きに変化した場合、銀行にとって金利収入がより高い投資対象が増え始める。この時、均衡は大きく崩れ、日本国債は徐々に国内投資家に見放されていくだろう。日本国債の償還には、より高くなった利率が付く。その時、国債償還が不可能になる真の財政破綻のリスクが出現するはずだ。(おわり 編集担当:米原裕子)


▼【オピニオン】米債券バブルへの答えは株式にあり
ジェレミー・シーゲル、ジェレミー・シュワルツ
2011年 8月 22日 17:40 JST
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_292956

 我々は1年前、このようなコラムに『The Great American Bond Bubble』という論文を寄稿し、米長期国債の利回りは維持不可能であり、債券ファンドに殺到する向きは、金利が上昇した時に後悔するだろう、と書いた。確かに昨年秋に長期金利は急上昇した。しかし最近になって、景気減速と、2年間低金利を維持するという米連邦準備理事会(FRB)の「公約」を受けて、米国債の金利は昨年夏よりもさらに低い水準へと低下、債券バブルは破裂に向かって膨らんでいる。

 我々にまったく納得がいかない市場のひとつが、米財務省物価連動国債(TIPS)である。最近の利回りは、リプリーの『Believe It or Not!(信じられないような実話を集めた番組)』に取り上げられんばかりだ。指標となる10年物TIPSの利回りは史上初のマイナスとなった。投資家は、今より低い価値に相当する資金を10年後に受け取るために政府に金を貸していることになる。

(中略)

 景気低迷のなかでも、企業部門は記録的な利益を生み出し、配当を増やしている。我々は、かつてないほど危険に思える債券市場に対する答えは、有配株であると信じている。


▼新興国の国債に買い-株価急落の中で安全資産と見なす動き広がる
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920011&sid=aO6JmJ13ryaM

 8月22日(ブルームバーグ):新興国の国債が5年ぶりに高リスク資産とは異なる動きを示し、投資家が最も安全と見なす資産との連動性を高めている。

 新興国の自国通貨建て債の相場が上昇し、こうした債券の利回りを示す指数は9カ月ぶりの低水準となった。景気停滞懸念に伴い、同等格付けの米社債相場は今月下落し、世界の株式市場の時価総額が6兆8000億ドル(約521兆円)失われたにもかかわらずだ。

 ブルームバーグがまとめたデータによれば新興国の債券利回りは、米S&P500種株価指数の恐怖指数として知られるボラティリティ指数(VIX)から2006年5月以来初めて別の動きを見せる一方、米国債との連動性が5年間で最も高まっている。

 債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の新興市場担当共同責任者、マイケル・ゴメス氏(ミュンヘン在勤)は17日のブルームバーグラジオとのインタビューで、「世界的な成長鈍化の時代に入ったのであれば、新興国の自国通貨建て債は好調が続くだろう」と指摘した。

 新興国の債券は08年10月と10年5月には、投資家がリスク資産を回避する中で株式とジャンク(投資不適格)級社債と共に売られたが、ファンドマネジャーは今ではインドネシアやトルコのソブリン債を米国やドイツの国債と同じように安全な逃避先と見なしている。