「手嶋龍一オフィシャルサイト:若泉敬が自裁してまで〝愚者の楽園〟に伝えたかったこと」より ― 2010/08/14 10:53
▼お気に入りの箇所
将来の外交ビジョンもなく ただ「密約」を暴いた罪
日本国民の中には国際社会の中で生きていくための知恵のようなものがある。建前は建前としてあるので、核持ち込みをあからさまに認めるわけにはいかないけれど、でも、実際にはあるかもしれないと思わせるほうが良いのではないかという現実感覚です。
渡辺利夫拓殖大学長が「外交の狡知」とおっしゃっていたけれど、日本人はそうした実利的な感覚を持った国民なのです。→決して属国などではない。卑屈になるな。(園田)
凡庸なメディアとさして変わらない低い視点からパンドラの箱を開けてしまったのが真相でしょう。国民から外交を委ねられているという崇高な使命感は伝わってきません。
日米同盟では、アメリカは極東や日本の安全を保障する条約上の義務を負う一方で、日本は基地を米国軍に提供することで、バランスが保たれています。民主党政権は、この非対称な同盟の本質について洞察を欠いていた。
これからお話しする若泉さんにとって、安全保障は生涯をかけたテーマでありました。安全保障と言うものは、究極の国家のレゾンデートル(存在意義)です。その最も重要なことについて深く理解している人に国家の指導者になっていただきたい。こんないい加減であいまいな姿勢で、この問題に取り組まれたことは、日本国民にとって極めて不幸なことだと思います。
しかし、沖縄返還後の日本の現状は、〝愚者の楽園〟と呼ばなければならない惨状を呈しつつある。眼前の日本のありさまに絶望していった。「結果責任」というよりは、深い絶望が彼を自裁に誘っていったように思います。
国際政治の大きな舵取りを超大国アメリカに委ねてしまったことで、自ら主体的に国際秩序の形成に関わる意思を磨滅させていった。これこそ、同盟につきまとう、まさしく影だったのです。若泉さんが人並みすぐれて鋭敏だったのは、同盟に密かに兆す影を自覚するその感性でした。
海外に在勤していた私は、若泉さんから長文の手紙を幾度もいただきましたが、愚者の楽園に安住する日本の人々をなんとか覚醒させたいという思いが綴られていました。
明確な敵なき時代の同盟のあり方を構想すべきでしょう。敵を旧ソ連から中国に置き換える安易な発想では、確かな解は得られません。→これについては実利的な感覚から今はまだ中国の脅威を利用すべきだと思う。(園田)
<関連記事>
沖縄核密約は米国の罠だったのか
若泉敬が自裁してまで〝愚者の楽園〟に伝えたかったこと
対談
谷内正太郎/前外務事務次官
手嶋龍一/外交ジャーナリスト・作家
http://www.ryuichiteshima.com/review/review_okinawa.htm
コメント
_ わらわら ― 2010/08/14 12:46
_ ks ― 2010/08/14 16:00
>明確な敵なき時代の同盟のあり方を構想すべきでしょう。敵を旧ソ連から中国に置き換える安易な発想では、確かな解は得られません。
手島氏の真意は、所謂「世界の中の日米同盟」でしょう。
結果的に、前面の敵は中国になりそうですが、どうも日本で流通している議論は、
日米、日中などの限られた2国間関係の議論に終始しているが故に読み違えていて、「世界地図見て考えろよ」と言いたくなるものが多い。
また、深い洞察の上に構想されたと思えるものに乏しい。
「自ら主体的に『国際秩序の形成』に関わる」ところから導き出されるビジョンと戦略を持って、同盟の再定義をせよ、と言いたいのでしょう。
で、結果として、中国を敵にしてもそれを安易とは手島さんは言わんでしょう。
手島氏の真意は、所謂「世界の中の日米同盟」でしょう。
結果的に、前面の敵は中国になりそうですが、どうも日本で流通している議論は、
日米、日中などの限られた2国間関係の議論に終始しているが故に読み違えていて、「世界地図見て考えろよ」と言いたくなるものが多い。
また、深い洞察の上に構想されたと思えるものに乏しい。
「自ら主体的に『国際秩序の形成』に関わる」ところから導き出されるビジョンと戦略を持って、同盟の再定義をせよ、と言いたいのでしょう。
で、結果として、中国を敵にしてもそれを安易とは手島さんは言わんでしょう。
_ Y-SONODA ― 2010/08/16 07:46
ksさんへ
>「自ら主体的に『国際秩序の形成』に関わる」ところから導き出されるビジョンと戦略を持って、同盟の再定義をせよ、と言いたいのでしょう。 で、結果として、中国を敵にしてもそれを安易とは手島さんは言わんでしょう。
おそらくそういうことなんでしょうね。
とはいえ手島氏は今なおNHK的リベラルな部分がちょこちょこ出てくる時がありますよ。
このあたりを気にしながら読むのも面白いかも。
>「自ら主体的に『国際秩序の形成』に関わる」ところから導き出されるビジョンと戦略を持って、同盟の再定義をせよ、と言いたいのでしょう。 で、結果として、中国を敵にしてもそれを安易とは手島さんは言わんでしょう。
おそらくそういうことなんでしょうね。
とはいえ手島氏は今なおNHK的リベラルな部分がちょこちょこ出てくる時がありますよ。
このあたりを気にしながら読むのも面白いかも。
_ ks ― 2010/08/16 11:55
>とはいえ手島氏は今なおNHK的リベラルな部分がちょこちょこ出てくる時がありますよ。
手島氏の北海道独立論には、疑念を覚えますなあ。
あと藤井厳喜氏が手島氏を批判してましたが、あれは背景にイスラエルが絡んでる様な気配があって、それが何なのかわからないことには、私には評価できません(笑い
手島氏の北海道独立論には、疑念を覚えますなあ。
あと藤井厳喜氏が手島氏を批判してましたが、あれは背景にイスラエルが絡んでる様な気配があって、それが何なのかわからないことには、私には評価できません(笑い
_ Y-SONODA ― 2010/08/17 08:31
ksさんへ
>藤井厳喜氏が手島氏を批判してましたが、あれは背景にイスラエルが絡んでる様な気配
そういえば転向組の古森義久氏の奥さんがユダヤ系だという話も聞いたことがあるようなないような。
まぁ、背景にいろいろあるんでしょうなぁ。
>藤井厳喜氏が手島氏を批判してましたが、あれは背景にイスラエルが絡んでる様な気配
そういえば転向組の古森義久氏の奥さんがユダヤ系だという話も聞いたことがあるようなないような。
まぁ、背景にいろいろあるんでしょうなぁ。
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あとは、小沢先生が、枝野から民主党幹事長のポストを奪って、民主党政権を掌握するだけです。
そうなれば、民主党と公明党の連立も見えてくる。
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