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田母神俊雄更迭をあざ笑う英国諜報機関2008/11/02 10:02

田母神俊雄更迭をあざ笑う英国諜報機関


10年ほど前のこと。
私は中丸薫の講演会に行ったことがあります。

目的はひとつ。
それは「闇の世界権力構造」なるものが、
中丸がインタビューしてきたエリート達の口から出てきたのかを確認したかった。

なんとも怪しい講演が終わった後の質問タイム。
私はあっけなく無視されて質問できず。

私の代わりに質問したのは白髪の紳士風の方数人。
「こんな話は聞いたことがない。驚きだ」とか、
「どうしてこういう話を日本のメディアは取り上げないのか!」などと、
熱く語っていました。

この時の会場の空気の怖いこと。
いい歳をして「知らなかったこと」と「知ろうとしなかったこと」の区別もつかない。

さらにはそれが事実かどうかを自分で検証する努力もせずに、
中丸の主張を鵜呑みにしている。

この講演会で学んだのは、
素朴で無邪気な人たちがこんなにたくさんいるのだということのみ。

田母神俊雄・航空幕僚長の更迭が話題になっていますが、
昨夜、その原因となっている論文を読んだ時、
真っ先に思い出したのが、中丸講演会の恐怖体験でした。

田母神は『正論』や『諸君!』をそのまま鵜呑みにしていることが読み取れる。
『正論』や『諸君!』を読んだ時の田母神の衝撃まで読み取れる。

航空幕僚長にまで上り詰めた田母神の素朴さと無邪気さ。

これは、『正論』や『諸君!』の論客、
それに「真の近現代史観」歴史論文懸賞制度を創設したアパグループと、
その審査委員長である渡部昇一にも共通するもの。

この素朴さと無邪気さがどこから来ているのかを探りたくなる衝動に駆られています。

「だって僕たち、中国が嫌いなんだもーん」という本心が見え見えの時もあり、
私にはお子ちゃまにしか見えないのです(汗)

私はコミンテルン謀略説を認めた上で、2006年のコラムでこう書きました。

張作霖爆殺はソ連が日本軍の仕業に見せかけて行なったとするユン・チアンの『マオ』(講談社)の発表以来、日本はコミンテルンや中共の謀略によって嵌められたと声高に主張する右派系識者が続々と出現しているが、ここにも相変わらずの無邪気さが垣間見える。戦争ともなれば謀略などは当たり前で、嵌められる方が悪いのである。
http://www.yorozubp.com/0610/061001.htm

中西輝政などが中心となって右派系言論誌などではコミンテルンの策略によって日本が戦争に追い込まれたかのような論説が飛び交っている。しかし、英国というスパイ王国の関与に言及したものは皆無に等しい。一方でこうした歴史を今なお無視し続ける左派などはもはや問題外と云える。

大敵の存在はイデオロギーなども飛び越えて周辺を結びつける。重ねて書くが、いざ戦争となれば、策略、謀略などは当たり前。むしろ嵌められる方が悪いのである。嵌められやすい日本の体質改善が今なお手つかずのままになっていることの方がより重大な問題であろう。
http://www.yorozubp.com/0610/061030.htm

田母神は嵌められやすい日本の体質改善が今なお手つかずのままになっていることを示した。
これこそが一番の日本の問題点。

田母神を批判する左派系メディアは中国や韓国の言いなり。
歴史を再検証しようともしない。
まさに問題外。
情けないとしか言いようがない。

この問題を調べてみたいと思う方に、お勧めの本があります。
まずはリチャード・オルドリッチの『日・米・英「諜報機関」の太平洋戦争』を読むこと。
この翻訳本には省略されている箇所があるので、原著を読むのが望ましいと思います。


<関連サイト>
田母神俊雄の論文「日本は侵略国家であったのか」
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

<お勧め本>
日・米・英「諜報機関」の太平洋戦争 (単行本)
リチャード・オルドリッチ
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E3%83%BB%E7%B1%B3%E3%83%BB%E8%8B%B1%E3%80%8C%E8%AB%9C%E5%A0%B1%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E6%88%A6%E4%BA%89-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81/dp/4334974082/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1225585146&sr=8-1

Intelligence and the War Against Japan: Britain, America and the Politics of Secret Service (ハードカバー)
Richard James Aldrich
http://www.amazon.co.jp/Intelligence-War-Against-Japan-Politics/dp/0521641861/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=english-books&qid=1225585850&sr=8-2

Intelligence and the War against Japan: Britain, America and the Politics of Secret Service (ペーパーバック)
Richard J. Aldrich
http://www.amazon.co.jp/Intelligence-War-against-Japan-Politics/dp/0521066190/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=english-books&qid=1225586353&sr=8-1

(追伸)
この本にはAIG創業者のコーネリアス・バンダー・スターの名前も登場します。

コメント

_ doc ― 2008/11/02 16:56

なんか「魔王」みたいですね。

_ K ― 2008/11/02 18:47

陰謀論が好きなのは、日本人に限らないと思いますけれど、日本人が特に陥り易いという事ですか?
このプログも、話半分以下に考えておいた方が良さそうな内容です。
「目くそ鼻くそを笑う」と言いますか・・・

_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/11/02 21:39

結局、騙される方が悪いんですよね~。
日本は満州を押さえて、じっとこらえて、華北で国民党と共産党を争わせていくという選択もあったはず。難しいでしょうが。

今のNスペ面白いですよ。
ブルッキングス系のシンクタンクの話がたくさん出てきましたが、日本公使は???です。日本の得意分野が環境問題って、もうこの時点で向こうペースですよ。

オルドリッチ本買ってみます。

_ K ― 2008/11/02 22:05

日本公使レベルで約束出来るのは、環境問題だけだという話だと思いました。
それに、アメリカでの取材ですから仕方ないでしょう。
逆に日本では、アメリカ側が働きかけを行っているのではないですか?特に今は、金を下さいと。

_ Y-SONODA ― 2008/11/03 01:35

★docさんへ

国際政治の舞台に立つのは魔王だらけですね。
たまーに「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」みたいな人もいますけどね。


★Kさんへ

このブログは目くそにしようかなー。鼻くそにしようかな。
ちょいと迷っちゃいますね。ガハハ。

何度も何度も「自分で調べること」の重要性を強調してきたのですが、
この意味がわからない人が多いのかな。
これって「本ブログに書いている内容も鵜呑みにしてはいけません」と、
明言しているようなものなんですけどね。

特に日本人が陥りやすいというわけではありませんが、
米国人同様に素朴な人は多いのではないでしょうか。

周囲を見回してもリアリストが少ないでしょ。
しかも大久保利通のようなリアリストは人気がない。
このままじゃ、同じ失敗繰り返すと思いますよ。


★アルルさんへ

国際政治なんて所詮騙し合いの世界。
騙された方が当然負けるに決まってますがな。
「騙されただけだから、許してよ」なんて通じるわけがない。

それでですねー。
夕方から爆睡しちゃってNHKスペシャル見逃しちゃった。
再放送見ますわ。
ストーンブリッジ・インターナショナルも注目だけど、
他にすごいのが出てきたよ。
先週発表されたばかりだからNHKスペシャルは間に合わなかったと思う。
まもなくこのブログで取り上げるね。

なおオルドリッチ本は学術本です。
1990年代に公開され始めた英諜報機関の文書や公文書をまとめたもの。

この本とは別に戦前の英中共同諜報活動(コミンテルン含む)を長年調べている知り合いがいて、
当時のメンバーから直接聞いたメモも残っています。

このメモの内容とオルドリッチ本が見事に一致するのです。

今も文書公開が続いていて、
中西輝政もアクセスしているはずなのに、
なぜか英諜報機関のことに触れない。

戦略的には中国を敵にする方が何かと好都合なのはわかるのですが、
学者としての立場で公平さを欠くのはどうかと思うよね。

_ HEAT ― 2008/11/03 05:56

「追伸」の人物、5年前にこの本を読んだときには見落としてましたが、ジャーディン・マセソンのケズウィックの話として、確かに新聞王スターが登場してますね。園田さんがこういうのを見逃していないところ、さすがだなぁと思います。

写真にAIG発祥の地=バンド17番地(外灘17号)とある
http://www.aig.co.jp/aig/reki.htm

AIG発祥の地が「外灘17号」。その並びの外灘27号はジャーディン・マセソン(怡和洋行大樓)ですし、外灘20号はサッスーン・ハウス、外灘といえば旧香港上海銀行のビルも有名。ホンシャンバンクはサッスーン系ですし、ジャーディン・マセソンの貿易決済や金融業務も扱っていたはず。外灘にはイギリス領事館や上海クラブもありましたし、AIGの隣になる外灘18号はチャータード銀行という顔ぶれ。

アメリカ系ではスターの他に外灘9号のラッセル商会。この地を活用してOSSに加えてSISおよびSOEがスターの組織等を通じて情報活動‥‥これぞ上海租界。

SOEの工作員として中国での活動を指揮したケズウィック(p330)って、ジャーディン・マセソンという点と、ケズウィックという名前が一致しますので、長州留学組を支援したあのケズウィックの一族なんでしょうね。

オルドリッチ本、邦訳が出版された当時に読んだときは退屈だったんですが、「田母神俊雄更迭をあざ笑う英国諜報機関」という視点で、もういちど読んでみます。

_ Y-SONODA ― 2008/11/03 09:47

HEATさんへ

おー。HEATさんもオルドリッチ本を読んでいたんですね。
たしかに学術本なので退屈(笑)
私の方は資料として活用しています。

実はC・V・スターのことがもっと書かれていないかと思って、
原書を取り寄せたのですが、それ以上出ていなかった(残念)

確かに長州ファイブのパトロンはジャーディン・マセソンとケズウィック・ファミリー。
とはいえ、ジャーディン人脈と呼べるほど接点があったわけではないと思います。

むしろ、ジャーディン横浜支店の番頭をしていた吉田健三ではないかと。
吉田健三は吉田茂の養父ですから、吉田もジャーディン人脈ではないかと。
ただし、吉田茂本にはほとんど出てこないのです。

この間にケズウィック・ファミリーに急接近していたのが松本重治。
松本は同盟通信社(現在の共同通信)時代に上海で出会うのです。
出会った場所は「上海クラブ」です。
松本が西安事件を独占スクープできたのはこうした人脈が役に立ったのです。

なんといっても松本が尾崎秀実と仲がよかったことも見逃せない。
おそらく松本は尾崎を通じてコミンテルンのことに気付いていたはず。
このあたりがなんとも怪しい。

松本は吉田茂のブレーン。
実は戦後の吉田訪英をお膳立てしたのは松本とケズウィック・ファミリーでした。
つまり、戦後も松本によってジャーディン人脈は引き継がれていました。

おそらく当時の上海で何があったのかを最も知る人物は松本重治。
松本から詳細を聞いていたはずの人物は吉田茂と樺山愛輔、それに白洲次郎かな。
吉田と樺山が聞いていたとすれば、当然皇室にも伝わっていたはずなのです。

ここだけの話ですが、松本重治の息子さんに直接聞いたところ、
すでにケズウィック・ファミリーとの交流は途切れてしまっているようです。

こうなると気になるのは麻生太郎。
はたして吉田茂の孫である麻生はジャーディン・マセソンなり、
ケズウィック・ファミリーと通じているのか。
おそらくホテルのバーで接触しているのではないでしょうか(笑)

_ 猿田彦 ― 2008/11/03 23:03

私は自衛隊の制服幹部の方々と親しく話をしたことがあります。そのときの総体的な印象は、純情で、悪く言えば世間知らずだなぁということでした。しかし、制服軍人は思想や政治に偏ってはならないという鉄則に照らすと、これでよいのだと私自身納得した覚えがあります。

田母神前空幕長はその則を越えたわけで、迅速に更迭処置が行われたことは良いことであったと思います。園田さんの「素朴さと無邪気さ」が「嵌められやすい日本の体質」という評価はそのとおりであり、戦前の軍部独裁体制を許し、結果として国を危うくさせたこの日本の体質を冷静に見つめ、国の行く末を誤ってはならないのです。

コミンテルンの背後にSISが居たことは、いくつか確証らしきことが語られることがありますが、それよりも少し視線を上げてアングロサクソンの基本戦略である「不和の林檎を置いて去る」というものを考える必要があります。

コミンテルンを使って蒋介石を支援し、一方で毛沢東をも支援していたという一見矛盾するような行動は、まずは世界の勢力図を変えるほど台頭してきた日本を押さえ込むことに目的があった。しかしさらに、その後の中国(東アジア)に紛争の種を植え付け、紛争(不和)が続くことで強力な勢力が育つことを未然に防ぐという戦略の一環です。その結果、日本・中国・台湾という構図、南北に分断された朝鮮と言う紛争の構図が残されました。

この他にも紛争の種を置いていった具体例は世界にいくらでもあるのですが、例えば今最も紛争の震源地となっているアフガニスタンとパキスタンの国境地帯です。この国境線は英国が出て行くときに勝手に引いていったものです。
インドとバングラデシュの国境にも同じようなものがあります。さらにアフリカには現在42本もの直線の国境がありますが、これらも植民地時代の欧州列強が人工的・人為的に置いていったものです。現地で争うそれぞれの勢力に、表立たぬよう荷担することで紛争が長続きし、争い合う勢力がともども衰えるのを待つ。それが、「不和の林檎を置いて去る」という大戦略なのです。

バングラデシュの友人の話では、「ヒンズーとイスラムが爆弾テロをまじえた争いを始めたのは、アングロサクソンが入ってきた150年前からだ、ヒンズーが強くなればイスラムに、イスラムが強くなればヒンズーに彼らはそれぞれ荷担してきた。アングロサクソンが入ってくる前の700年間、ヒンズーとイスラムは仲良く混住していた」ということです。

私たちはこうした事実をしっかり見つめる必要があります。
東アジアの某国のエリート工作員との初対面の席で、私が「我々がいがみ合ってる扉の向こうに、ほくそ笑んでいる者が居ることを意識しようぜ」と語ったら、いっぺんで心が通じ合ったことがありました。忘れられない思い出です。

_ 甲野太郎 ― 2008/11/04 11:33

最近自分が「アホ右翼」に見えてきました…
もっと勉強せねばと思う今日この頃にございます。
なんかいろいろと自分の中で葛藤しております…

_ 野菜 ― 2008/12/13 15:52

民進黨是國民黨的傀儡政黨? 
  『 一夕之間 投誠 陳水扁政府。』
民進党は国民党の傀儡政党?
  『 一夕の間(わずかな間)陳水扁の政府に誠を投じます。』

 http://oca.com.tw/sidepage/magazine/98/98th_19.html
 
 http://72.14.235.132/search?q=cache:B7k0TIsS-0QJ:www.oca.com.tw/sidepage/magazine/98/98th_19.html+%E4%B8%80%E5%A4%95%E4%B9%8B%E9%96%93%E6%8A%95%E8%AA%A0%E9%99%B3%E6%B0%B4%E6%89%81%E6%94%BF%E5%BA%9C&hl=ja&ct=clnk&cd=4&gl=jp&lr=lang_zh-TW
 
  華僑協會總會

   僑協雑誌

   韓國華僑的勝利-僑 誼

   李在方,祖籍山東。如同前財政部長 林全一樣,
   屬於少數 外省人 加入 民進黨執政行列,
   但讓 不少國民黨人士 不諒解的是,
   李在方 曾任 中華日報副社長、
   國民黨新聞黨部 秘書長 及 航運黨部 書記長等職,
   應屬國民黨的「忠貞黨棍」,
   但 一夕之間 投誠 陳水扁政府。
   據不少韓人透露,陳水扁 能獲得 南韓私立慶南大學、
   龍仁大學及
   俄羅斯 經濟大學的 榮譽博士,
   李在方 居間功勞顯著。
   陳水扁為報答李在方恩惠,
   遂提拔 李在方 出任 總統府國策顧問 及 駐韓代表。

民進党は国民党の傀儡政党?(続き)
 (日本語訳)

  李在方、原籍は山東。元財政部長の林全一のように、
  少数の外省人に属して民進党に参加して政治を行う人の
  列(つら)なりに並ぶ、
  しかし 少なくない国民党人士から是を良しと解されていない、
  李在方は中華日報の副社長、
  国民党の新聞党部の事務総長および水上運輸の党部の
  書記長などの職で、要(かなめ)を任じられ、
  国民党の「真心を尽くして正道を守る気持ちのある党の杖」
  に当然属するべきで、
  但し一夕の間(わずかな間)陳水扁の政府に誠を投じます。
  韓国人に少なからず拠りてロシアに通じ、
  陳水扁はよく韓国の私立慶南大学、龍仁大学及び、
  ロシアの経済大学の栄誉博士を獲得して、
  李在方はそれらの間に立って尽力した功労は著しいのです。
  陳水扁は李在方の恩恵に応えるため、
  遂に李在方を抜擢して総統府の国策顧問及び駐韓代表に
  担当させました。

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_ 折り返し地点を過ぎれば人生下り坂 - 2008/12/06 17:27

吉田茂と牧野伸顕、樺山愛輔を調べていると
やはりどうしても白洲次郎の名前が出てきます。

改めて白洲次郎のキャリアを見ると、
どうも前後が良く分からないことがあります。

『園田義明めも』より、“田母神俊雄更迭をあざ笑う英国諜報機関” 
このエントリのコ....