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オバマのインナー・サークル(6)経済チームと知性主義2008/11/25 01:08

オバマの経済チーム


11月24日、オバマ次期大統領は経済チーム5人を正式発表。
5人の中でオバマのインナー・サークル(側近中の側近)といえるのは、
メロディー・バーンズぐらいでしょうか。

バーンズはセンター・フォー・アメリカン・プログレス(CAP)の副所長。
CAPの所長が政権移行チーム共同議長のジョン・ポデスタです。

経済分野は、クリントン政権時の重鎮を盾にしたといった感じ。
ズラリと著名人を並べるあたりは、なかなかしたたかですね。

すでに本ブログで取り上げたようにガイトナーとサマーズは、
グループ・オブ・サーティー=30人委員会(The Group of Thirty)のメンバー。

2人の他の共通点はビルダーバーガー(Bilderberger)であることと、
ロバート・ルービン元財務長官のインナー・サークルであること。

よって、ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長やルービン元財務長官の意向が
経済政策に大きく反映されるものと思います。

ルービンが会長を務めていたのがシティグループですから、
オバマ政権丸抱えで、シティの救済と再建が行われることになるのでしょう。

それにしても、サマーズ起用は波乱の予感がしますね。
頭が良すぎて、敵が多すぎる。

気になるのは国内政策会議に選ばれたバーンズとヒギンボトムの2人。
共にユダヤ系のオーソドックス・ユニオン(The Orthodox Union,OU)に近いようです。

経済チームの顔触れを下に整理しておきますが、
重要な点は、米国がブッシュ政権時代の反知性主義から知性主義に回帰したということ。
反知性主義から知性主義へと振り子が大きく動いたのです。

これはプレスリーのモノマネパフォーマンスが通じる相手ではないということを意味しますね(笑)



<経済チーム5人の顔触れ>

財務長官=Secretary of the Treasury
ティモシー・F・ガイトナー(Timothy F. Geithner , ニューヨーク連銀総裁)

国家経済会議(NEC)委員長=Director of the National Economic Council
ローレンス・H・サマーズ(Lawrence H. Summers ,元財務長官)

経済諮問委員会(CEA)委員長=Chair of the Council of Economic advisors
クリスティーナ・D・ローマー(Christina D. Romer , カリフォルニア大バークレー校教授)

国内政策会議委員長=Director of the Domestic Policy Council
メロディー・バーンズ(Melody Barnes , The Center for American Progress副所長)

国内政策会議副委員長=Deputy Director of the Domestic Policy Council
ヘザー・ヒギンボトム(Heather Higginbottom, Senator John Kerry’s Legislative Director)

President-Elect Barack Obama and Vice President-Elect Joe Biden Announce Key Members of Economic Team
http://my.barackobama.com/page/community/post/stateupdates/gGxtbz


<関連記事>
CAP Congratulates Melody Barnes
http://www.americanprogress.org/issues/2008/11/barnes.html

Rubinomics Recalculated
http://www.nytimes.com/2008/11/24/us/politics/24rubin.html?_r=2&bl&ex=1227675600&en=bd682c7ab16daa1e&ei=5087%0A&oref=slogin

Barnes gets thumbs up from OU
http://blogs.jta.org/politics/article/2008/11/24/1001178/barnes-gets-thumbs-up-from-ou


<過去記事>
オバマのインナー・サークル(1)日系人編
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/06/3885679
オバマのインナー・サークル(2)人脈図
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/07/3887906
オバマのインナー・サークル(3)セレブな奥様編
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/10/3900513
オバマのインナー・サークル(4)ダシェル厚生長官と原発
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/21/3966843
オバマのインナー・サークル(5)30人委員会の結集
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/22/3970312


▼引用開始

情報BOX:オバマ次期政権の閣僚人事
2008年 11月 25日 19:01 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-35086420081125

[24日 ロイター] オバマ次期米大統領は24日、新政権の財務長官にガイトナー・ニューヨーク連銀総裁、国家経済会議(NEC)委員長にサマーズ元財務長官をそれぞれ指名した。次期政権の主要ポストに起用もしくは起用が取りざたされている候補者は以下の通り。

 閣僚人事は上院の承認が必要。

 <財務長官>

 ティモシー・ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁の起用が24日、正式に発表された。

 ガイトナー氏は、金融危機対策の立案で中心的な役割を担ってきた。グローバル金融システムで重要な役割を占める銀行は、統一した規制枠組みの下で業務を行うべきとの見解をもつ。

 <国家経済会議委員長>

 ローレンス・サマーズ元財務長官の起用が24日、正式に発表された。

 サマーズ氏は、クリントン政権で財務長官を1年半務めた。率直な発言で知られる。

 28歳でハーバード大学の正教授となり、後に学長も務めたが、強引な手法で多くの敵をつくり、2006年に辞任した。

 財務長官人事では、ガイトナー氏の有力な対抗馬とみられていた。2010年に任期が切れるバーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長の後任候補としても名前があがっている。

 <国務長官>

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、ヒラリー・クリントン上院議員が就任を受諾した。

 就任が実現すれば、米国の外交スタンスが現在よりもタカ派になるのではないかとの見方が出ている。イラク駐留米軍の撤退期限の設定にはオバマ氏よりも消極的とされる。

 クリントン氏起用の正式発表は感謝祭(11月27日)以降になるとみられている。

 <商務長官>

 ニューメキシコ州のビル・リチャードソン知事の起用が広く報じられている。

 同氏は、国連大使、エネルギー長官を歴任。今回の大統領選に出馬し民主党の候補指名を争ったが、撤退後は早い段階でオバマ派支持を表明した。

 起用が決まれば、オバマ政権では初のヒスパニック系閣僚となる。

 <厚生長官>

 民主党関係者によると、同党の重鎮トム・ダシュル前院内総務の起用が固まった。

 就任が実現すれば、オバマ氏が公約に掲げる医療制度改革を進めることになる。重鎮の起用は、オバマ氏が約4600万人にのぼる無保険者の解消を最優先課題に据えていることを示している。

 <国家安全保障問題担当大統領補佐官>

 ジェームズ・ジョーンズ北大西洋条約機構(NATO)元作戦連合軍最高司令官の起用が有力視されている。

 民主党、共和党双方の議員から広く尊敬を集めているが、自身はいずれの党にも属していない。

 イラク戦争をめぐってブッシュ政権の対応を強く批判したことで知られる。

 <司法長官>

 民主党関係者によると、エリック・ホルダー元司法副長官が就任を受諾した。

 ホルダー氏は、クリントン政権時代に司法副長官を務め、大統領選では、オバマ陣営の法律アドバイザーを務めた。オバマ氏が選んだ副大統領候補の人物調査も担当している。

 政権移行チームは現在、ホルダー氏が上院の指名承認公聴会で超党派の支持が得られるかどうかを調査している。 

 <国土安全保障長官>

 民主党関係者によると、ジャネット・ナポリターノ・アリゾナ州知事が候補となっている。

 同氏はアリゾナ地区連邦検事や同州司法長官を歴任。法執行分野の経験に加え、アリゾナ州がメキシコと国境を接しているため、国土安全保障省の管轄となる移民問題にも詳しい。

 <国防長官>

 候補には、ロバート・ゲーツ現国防長官、チャック・ヘーゲル上院議員(ネブラスカ州、共和党)、リチャード・ダンジグ元海軍長官の名前があがっている。

 ゲーツ氏は、現政権の国家安全保障会議(NSC)で穏健派で、留任が決まれば、現政権の国防政策が継続される可能性がある。

 ヘーゲル氏は、オバマ陣営で外交政策アドバイザーを務め、イラク戦争を厳しく批判している。

 ダンジグ氏は、オバマ陣営で国家安全保障政策アドバイザーを務め、国防長官のほか、国防副長官への起用もとりざたされている。 

 <農務長官>

 ジョン・ボイド全米黒人農家協会会長、デニス・ウルフ・ペンシルベニア州農務長官、キャサリーン・セべリス・カンザス州知事が候補に上がっている。