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野田をめぐる自民党と小沢グループのなんとも奇妙な綱引き合戦の行方 - 水面下では「野田総理、谷垣副総理」シナリオあり2012/05/31 08:41

野田をめぐる自民党と小沢グループのなんとも奇妙な綱引き合戦の行方 - 水面下では「野田総理、谷垣副総理」シナリオあり


「民主政治は往々にして皆さんのご機嫌を取る政治になる。国の将来のためにこういうことをやらなければならぬと思っても、多くの人からあまり歓迎せられないことであると、つい実行することを躊躇する。私どもが四方八方のご機嫌とりばかりしておったなら、これは本当の国のためにはなりませんし、本当の国民の将来のためになりません。私どもは所信に向って、ご機嫌取りはしないつもりであります」 石橋湛山


消費税増税にしても原発再稼働にしても日本が置かれた現実を直視すれば結論は見えている。それに反対というならそれこそ現実的な代案を示さなけれなければ説得力などあるものか。

野田佳彦という人物はクソ真面目。ご機嫌取りをすることもなく、国の将来のためにと消費税増税、原発再稼働へとぶれずに突き進む。

不人気な政策に「政治生命を懸ける」と明言する変な人。
ならば、不人気な仕事を野田にやらせればよいと考えるしたたかな人たちもいる。

「野田にやらせればよい」としたたかに目論むは自民党。そして始まったのが野田をめぐる自民党と小沢グループのなんとも奇妙な綱引き合戦。

本来なら党を優先に考えるのが普通の人。しかし、ここでも野田は変な人。
奇妙な綱引き合戦は自民党寄りに傾きつつあるようだ。

自民党は消費増税法案に賛成する見返りに早期の衆院解散・総選挙の確約を求める構え。しかし、自民党内には衆院解散なしでも法案に賛成すべきだとの声もある。

したたかな連中は「衆院解散なし」組の中にいる。
今、衆院解散・総選挙をやったらどうなるか。

消費税増税反対、原発再稼働反対を掲げるご機嫌取りに票が流れるだけ。
ご機嫌取りがうまい小沢一郎や橋下徹に票が流れるだけ。

したたかな連中はそんなことも見抜いている。

小沢チルドレンは次の選挙が危ない連中だらけ。野田と自民との間で「衆院解散なし」の手打ち情報を流すだけで小沢グループは見事分裂。

そうすれば、「小沢だけ排除」に近い最高シナリオが実現。
「小沢だけ排除」に近い最高シナリオの先には大連立も見えてくる。

飯島勲は『実際に水面下では「野田総理、谷垣副総理」のシナリオが進んでいる』と書いている。確かにそのシナリオは存在する。

また、そのシナリオに反対する勢力が自民党の中に存在する。
それは安倍晋三周辺に存在する。

しかし、安倍晋三が描く保保連立方程式に狂いが生じていることも事実。
それは原発再稼働でぶれにぶれた大阪維新の会の迷走にあり。

安倍晋三は今なお不器用。
「野田にやらせた後を狙う」というしたたか発想もできずにさまよっている。


<関連記事>

首相、消費税で自民連携に傾く 問責2閣僚交代探る
2012/5/31 2:01
http://s.nikkei.com/LIK3ri

 消費増税関連法案を巡り野田佳彦首相(民主党代表)と小沢一郎元代表が30日会談し、元代表は反増税の姿勢を崩さず平行線に終わった。歩み寄りは難しく、首相は法案成立に向け自民党との連携に傾いているとの見方が強まっている。首相は6月21日の今国会会期末までに衆院で法案を採決するよう党執行部に指示、野党が求める参院で問責決議を受けた2閣僚の交代も探り始めた。

「今国会中に採決し成立を期す」。30日、民主党本部で首相が消費増税法案の今国会成立への協力を要請すると、元代表は「今、賛成というわけにはいかない」と言明。輿石東幹事長も交えた約1時間半の会談で溝は埋まらず、首相が「乾坤一擲(けんこんいってき)」と意気込んだ説得は功を奏さなかった。

 元代表は30日夜のNHK番組で「首相は待ったなしだと言うが、日本の財政は欧米諸国とは違い、まだ余裕がある」と表明。消費増税法案を巡る党内手続きには「一方的に質疑を打ち切ったのに従えと言うのは理解を得られない。政権公約は国民に約束しており、それ以上に重い」と力説し、首相との溝の深さを明確にした。

 平行線は織り込み済みともいえるなか、与野党が注目するのは首相が再会談を確約しなかったことだ。民主党内には分裂回避のため再会談を促す声もあるが、首相は記者団に「(会談を)反すうしてどうするか考えたい」と述べるにとどめた。

 首相周辺には「再会談はあり得ない」と元代表との決別論が広がっており、首相も元代表に見切りを付け、自民党との協力にカジを切りつつあるようにも見える。

 政権幹部が今月下旬、自民党の谷垣禎一総裁の周辺に前田武志国土交通相と田中直紀防衛相を6月に交代させる考えを伝えていたことが判明。6月中旬に交代させる案も浮かんでいる。

 首相は26日、前原誠司政調会長に電話で法案を巡る野党との修正協議に入るよう指示、6月21日までの今国会会期中に衆院で採決するよう求めた。会談が物別れに終わったことでこうした自民党との連携を探る動きが強まるとみられる。

 首相が自民党との協調に活路を開こうとした場合、自民党は消費増税法案に賛成する見返りに早期の衆院解散・総選挙の確約を求める構え。自民党内には衆院解散なしでも法案に賛成すべきだとの声もある。だが輿石氏ら党執行部は早期解散に反対で首相が自民党寄りに突き進むなら、民主党内の反発は反増税派だけにとどまらないとみられる。

 小沢グループは衆院で約80人を抱え、消費増税法案は衆院本会議での採決で民主党内から約50人が造反すれば可決できない。首相は造反議員を処分する考えで、小沢グループ内では集団離党し、新党を結成する構想も浮かび、党分裂含みの展開になる。

 首相が採決を先送りする場合、党分裂はひとまず避けられる。譲歩する代わりに9月の代表選で小沢系議員が野田首相の再選を支持する案もある。しかし今国会での成立に「政治生命をかける」と明言する首相が政治責任を問われるのは必至。自民党は衆院に内閣不信任決議案、参院に首相問責決議案をそれぞれ提出するとみられ、法案成立は見通せない。


2012年5月21日(月)
無罪復権!?小沢の時代はもう終わっている
飯島 勲 「リーダーの掟」
PRESIDENT 2012年6月4日号
http://president.jp/articles/-/6173

小沢は、シロでなくグレーでもなく、クロ

小沢一郎が無罪になった。

東京地裁は4月26日、資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された小沢に対して、無罪を言い渡した。無罪判決を聞いた「小沢チルドレン」たちが涙を流して喜んだという話も聞こえてきた。本人はすっかり免罪符を得たつもりで消費税法案での大量造反をほのめかし、政権への揺さぶりを始めている。永田町も小沢の“復権”で浮き足立ってきたようだが、これは茶番でしかないと思う。

通常、政治家がカネの問題などで被告となった場合、事前に「有罪」という感触をつかめば、裁判を長引かせる。逆に「無罪」であると確信すれば早期決着を図ることが多い。小沢のケースでは、先に秘書3人に対して執行猶予つき有罪判決が下されてから、小沢の公判の日程が変更になり、当初は3月中と見られていた裁判が4月末までずれ込んだ。これは間違いなく小沢の弁護側も「有罪」を予期していた証左だろう。しかし、判決は「無罪」。

しかし、私は声を大にして言いたい。裁判所が何と言おうと、自民党幹部が「小沢は限りなくクロに近いグレー」と言おうと、小沢はクロだ。

「無罪」とは言うものの、判決要旨をよく読めば、無罪になったのが不思議なほど、小沢の“罪”が詳しく認定されている。小沢の供述の変遷や「収支報告書は見ていない」という証言が「およそ信じられるものではない」と断じられ、「たとえ直接証拠がなかったとしても、4億円の簿外処理について、石川らの秘書が小沢に無断でやることはなく、小沢が関わっていたことは状況証拠で認定できる」とまで言われている。それでも「無罪」とされたのは、「共謀罪」について問われた裁判だったからだ。検察役となっていた弁護士が「ほとんど有罪じゃないか」と憤っていたが、その無念はよく理解できる。

私がクロだというのは、小沢はかつて不動産をめぐる民事裁判では完敗したことがあるからだ。2006年、「週刊現代」が、今回の事件と同じように、小沢本人のカネか陸山会のカネかをあいまいな状態にして、都心の一等地に多くの不動産を所有していたことを指摘した。小沢側は週刊現代を発行している講談社を名誉棄損で訴えたところ、一審の東京地裁も、控訴審の東京高裁も「記事の重要な部分は真実」と講談社側の主張を全面的に認めた。政治資金団体を利用して資産を増やす仕組みは、法に違反しているという“判例”があるのだ。

カネをめぐる事件では、裁判所は小沢のような有名政治家に対して甘い判決を下す一方で、民間人に対しては極めて厳しい。政治とカネとめぐる事件が起きるたびに、私はある事件を思い出す。

02年、経団連の会長も務めた元新日鉄社長の斎藤英四郎が90歳で亡くなった。2年後、長男で新日鉄常務だった斎藤英樹が約16億円分の相続税を脱税していたとして国税庁に告発された。英樹はすぐに修正申告を行い、重加算税分も含めて全額を納付。全面的に罪を認めたことから在宅起訴で済ませ終結したはずだった。

ここまではよくある話だ。しかし、数年後に突然検察は悪質な相続税脱税犯だとして斎藤英樹を逮捕。懲役1年8カ月、罰金1億6000万円の実刑判決を食らってしまう。新日鉄の常務まで務めた人間が社会から抹殺されてしまったのだ。

形式犯として扱われることの多い政治資金規正法違反と、脱税では問題が違うという人もいるかもしれない。しかし、民主党には、斎藤と同様に親から贈与(斎藤家の場合は相続)された巨額資産を隠して脱税しながら、罪には問われなかった鳩山由紀夫元首相という例もある。何年にもわたって、母親から毎月1500万円という信じられない額の「子ども手当」をもらい続けながら、修正申告だけでおとがめなしとなった。実刑となった斎藤の例と比べてみれば、あまりにも理不尽だ。

三流政治家、涙の茶番にいつまでつきあうべきか

小沢はこれまで「政治家だから検察に狙われた」と主張してきたが、まったく逆だろう。民間人なら許されないことも、仕返しの怖い与党政治家だからと甘い基準ですり抜けた可能性がある。しかし、いまの小沢にどれほどの力が残っているのか。

私は、11年の菅首相に対する不信任案決議で小沢の影響力低下を感じた。前日までグループに所属する議員など80人近くを集めて会合を開いて実力を誇示したものの、採決当日に腰が引けて自主投票となった。小沢本人は本会議欠席という情けない結果に終わった。鳩山に至っては、前日の会合から2人しか集められなかった。結局、簡単に不信任案は否決され、菅の延命を許して国民を苦しめることになった。小沢も鳩山も「菅に騙された」と自分の実力の凋落を覆い隠すのがやっとだった。今回、小沢のために涙した議員も、自分の選挙に不利となれば平気で小沢を裏切ってきた過去がある。

これから民主党が生き残るにはどうするか。野田政権にとって、小沢が党内にいることのメリットは皆無だ。小沢の政治姿勢が権力を手に入れること、その一点にしかないので、将来共存できる見込みもない。小沢グループと小沢を分断したうえで、小沢だけを除名するのが政権にとっての最高のシナリオとなる。

もし、小沢が消費税法案に反対するならば、除名への大義名分ができる。そしてグループの小沢チルドレンたちに「除名された小沢についていって選挙のプラスになるのか」と聞いてみればいい。小沢について党を出ても、新党ができなければ無所属候補となり、圧倒的に不利になる。新党を立ち上げるには資金が必要だが、いまの小沢に潤沢な資金が準備できるかは微妙。あの豊富な不動産を売却するのなら別だが、そこまでするとは思えない。

小沢を排除できれば、自民党と手を組んで念願の大連立も可能になる。参院も多数派となり、政局も安定する。実際に水面下では「野田総理、谷垣副総理」のシナリオが進んでいる。誰が考えても、小沢を切り捨てて自民党と握手したほうが利口だろう。有罪判決が出ていれば、野田総理も吹っ切れたのだろうが、結果は無罪。やりにくいことはわかるが、今後も小沢を無視し、キレさせて出ていかせるのが一番正しい選択だ。選挙に弱く、お金もない小沢グループの議員が小沢と命運をともにすることはない。

解散の可能性についても触れておく。

12年9月に民主党代表選挙、自民党総裁選挙が行われる。野田総理が8月中に総選挙を行い、現状の政党支持率とそう変わらないままで投票日を迎えるとすれば、定数480の衆議院で、自民党が200議席を切るものの比較第一党、民主党も同等の勢力、維新の会などの中間勢力が80議席超を獲得することになる。もし小沢グループが集団で離党しても、第三極を担える可能性は極めて低い。

野党提出の不信任案に、小沢グループが同調しても、自民党・公明党が総選挙後に小沢グループと連立を組む可能性はない。大義名分がないのだ。

涙まで流す三流政治家の茶番をテレビで観て、小沢復権の印象を受けたかもしれないが、これまで述べたように小沢の時代はもう終わっている。


安倍晋三が描く保保連立方程式
--それは自民+民主ではなく、自民+大阪維新の会
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2012/03/03/6358311