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「鎮守の森の長城」を妨げるものたち2012/05/01 01:27

「鎮守の森の長城」を妨げるものたち


4月30日、岩手・大槌町で行われた「千年の杜づくり」植樹会。
「いのちを守る森の防潮堤」のモデルケースとして実施。
それは横浜国立大の宮脇昭名誉教授が震災直後から提唱してきたもの。

邪魔者扱いのがれきを再利用しましょう。
その上に「鎮守の森」を築きましょう。

素晴らしいことではないか。

しかし、ここでも抵抗勢力の存在が見え隠れ。
ガレキ利権の臭いもプンプン。

注目すべきは大槌町で使われたがれきの中身。
NHKや産経は「震災で発生したコンクリートや流木など」と書いている。

実はこの植樹会、掟破りの可能性がある。
むしろ掟破りスレスレを狙って「流木」と説明。
そんな植樹会に敢えて参加した細野豪志環境相はなかなか立派。

その姿を画像にして残した本ブログ。
この画像は特例を認めさせる際の根拠にもなり得るとの狙いあり。

「こういう形でがれきを鎮魂の思いとともにいかしていく」
「これをモデルとして、国としても直接やれるようにと思っている」

NHKのカメラ前でそう語った細野環境相。
日経(共同)によれば「この方法も参考にしたい」とも語ったようだ。

実は現状のままでは法令が邪魔をして、国は宮脇方式を採用することはできない。
そのことを細野環境相は理解した上でなんとかしようと動いている。

4月23日のTBS「ニュース23クロス」に登場した野田首相。
ここで「みどりの絆・再生プロジェクト」を発表。

翌4月24日の野田総理官邸ブログ。
ここでは「コンクリート片などの安全ながれきを分別・再利用」と明記している。

「ガレキは地球資源として使いきる」の宮脇方式。
一方、木質を外した「みどりの絆・再生プロジェクト」の政府方式。
この違いが極めて重要。

このあたりの事情にも詳しい宮脇氏。
宮脇氏の最新刊『「森の長城」が日本を救う』の194ページにはこう書かれている。

「皆さん素晴らしいと言うだけで、なかなか動いていただけません。現場の市町村や、海岸に土地を持っている林野庁や国交省にしても同じです。その最大の原因は、法令によって震災ガレキは産業廃棄物とされており、木質のものは焼却処分しないといけないと定められているからとのことでした。」

宮脇氏は野田首相にも細野環境相にも会っている。
宮脇方式は野田首相も細野環境相も素晴らしいと評価した。

それでも法令に縛られ動こうとしない官僚たち。
貴重な木質資源を安易に焼却しようとする役人たち。
その結果、大量の炭素をばらまくなんて地球温暖化的にもバカ丸出し。

なぜ法令を変えようとしないのか。
せめて被災地においては特例を認めればいいだけではないか。

私の手元にある『「森の長城」が日本を救う』は宮脇氏の直筆サイン付き。
4月17日に衆議院議員会館の一室でお会いした時にいただいたものである。


<関連記事>

岩手・大槌町 がれき活用した防潮林 (画像引用)
4月30日 17時15分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120430/k10014814881000.html

津波で大きな被害が出た岩手県大槌町で、がれきを活用して川の近くにつくられた土台に、ブナなど広葉樹の苗3000本が住民やボランティアの手で植えられました。がれきの有効活用と津波の威力を減らす防潮林としての役割が期待されています。

これはタイヤなどを生産している大手メーカーが呼びかけたもので、去年3月、津波が襲った大槌町の川の近くに、地元の住民やボランティアなどおよそ450人が集まりました。

川の近くの敷地には、震災で発生したコンクリートや流木などのがれきを活用して長さ50メートル、幅15メートル、高さ4メートルの土台がつくられ、集まった人たちは、ブナやシラカシなど16種類3000本の広葉樹の苗木を順番に植えていきました。

広葉樹は深く根を張るため、津波に襲われても流されにくく、10年ほどで10メートル以上に成長すると津波の威力を減らす防潮林の役割を果たすということです。

参加した17歳の高校生は「町の復興に役立てばいいと思い参加しました。大きくなった木を見たいです」と話していました。また、63歳の男性は「がれきで防潮堤をつくることができれば、ほかの県の自治体もがれきを引き取ってくれるのではないか」と話していました。

国でも、土台にがれきを利用して被災地に防潮林をつくることにしていて、大槌町での植樹をモデルケースにして、6月ごろに仙台平野から始めたいとしています。


がれき利用の防潮堤、岩手で試験造成 3千本を植樹
2012/4/30 20:06
http://s.nikkei.com/IzyuTo

 東日本大震災で発生したがれきの上に樹木を植える「森の防潮堤」を試験的に造成しようと、岩手県大槌町の町浄化センターの敷地内で30日、住民ら約450人が約3千本の苗木を植えた。全国初の試みで、細野豪志環境相も参加した。

 森の防潮堤は、横浜国立大の宮脇昭名誉教授が震災直後から提唱。がれきを活用し、景観保護の役割も果たせるとして注目を集めている。

 植樹は町の協力を得て、宮脇名誉教授と共に活動を続けているタイヤ大手の横浜ゴムが主催。コンクリート片や流木などのがれきの上に土盛りした長さ50メートル、高さ4メートルの山の斜面に、住民らが約1時間かけてタブノキなど16種類の苗木を植樹した。10年後には10メートル以上の高さに育つという。

 植樹に参加した大槌町の主婦、阿部山洋子さん(63)は「がれきは邪魔者扱いだったので、活用されてよかった。木々の成長が心の支えになる」と笑顔を見せた。

 政府は、青森県から千葉県までの沿岸約140キロに、がれきを再利用した防潮林の整備を6月にも始める方針で、細野環境相は森の防潮堤について「この方法も参考にしたい」と話した。〔共同〕


【東日本大震災】がれき利用の防潮堤造成 岩手で試験、3000本植樹
2012.4.30 16:25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120430/dst12043016260020-n1.htm

 東日本大震災で発生したがれきの上に樹木を植える「森の防潮堤」を試験的に造成しようと、岩手県大槌町の町浄化センターの敷地内で30日、住民ら約450人が約3000本の苗木を植えた。全国初の試みで、細野豪志環境相も参加した。

 森の防潮堤は、横浜国立大の宮脇昭名誉教授が震災直後から提唱。がれきを活用し、景観保護の役割も果たせるとして注目を集めている。

 植樹は町の協力を得て、宮脇名誉教授と共に活動を続けているタイヤ大手の横浜ゴムが主催。コンクリート片や流木などのがれきの上に土盛りした長さ50メートル、高さ4メートルの山の斜面に、住民らが約1時間かけてタブノキなど16種類の苗木を植樹した。10年後には10メートル以上の高さに育つという。

 政府は、青森県から千葉県までの沿岸約140キロに、がれきを再利用した防潮林の整備を6月にも始める方針。


野田総理官邸ブログ【官邸かわら版】
見た目が地味でも、一歩一歩進む
2012年04月24日 (火曜日) 20:03
http://kawaraban.kantei.go.jp/2012/04/24blog.html#more

 昨日、TBSのニュース番組で若者との対話集会に出演しました。世代間の公平と社会保障のあり方、震災からの復興の進め方、政治そのもののあり方など、参加された若者たちの問題意識の高さに感銘を受けました。

 若い世代が実際に政治に参画し、若者自身の声、その下の投票権のない世代の声、そして、これから生まれくる将来の世代の声が代弁されていくことで、「未来を慮る政治」が実現していくはずです。「もっと若者の輪の中に積極的に入ってきてほしい」という指摘もありましたので、問題意識や政策の分かりやすい伝え方については、私なりに、さらに知恵を絞ってみようと思っています。


 「見栄えや振る舞いが地味だ」との指摘もありました。しかし、実現が難しいことを無責任に打ち出したり、見た目だけのパフォーマンスに走ったりするのは私の性に合いませんし、決してやるべきことではありません。本来進めるべき政策を先送りせず、一つひとつ実現させていくことでしか、政治への不信は拭えない、というのが従来から一貫して申し上げていることです。

 この間も、様々な分野で、政策は前に進んでいます。

 とりわけ首脳外交は、私自身が取り組んでこそ意味がある政策分野であり、相当なエネルギーを割いてきています。

 この一ヶ月をとっても、カナダのハーパー首相、イタリアのモンティ首相、イギリスのキャメロン首相をはじめとする多くの首脳が訪日し、実りの多い会談を行いました。

 加えて、去る週末も、メコン諸国の5人の首脳をお迎えして、首脳会議を主催しました。私が議長を務め、今後のこの地域との協力関係の新たなビジョンをまとめました。

 メコン川の流域にあるカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムの諸国は、これまでも日本がインフラ整備や人材育成の面で地道で息の長い貢献を積み重ねてきた地域です。まさにこれから本格的な経済発展の道を歩み始めようとするこれらの諸国を支えていくことで、日本にとっての大きな可能性を拓いていけるはずです。

 中でも、ミャンマーとの関係は、日本外交の立ち位置が問われる極めて重要な外交課題です。ミャンマーにおける民主化や国民和解の努力、そして経済分野の改革を後押しするためにも、日本だからこそ果たしうる役割があると確信しています。

 迎賓館での歓迎夕食会では、ちょっとしたサプライズを試みました。テイン・セイン大統領は、ちょうどその日が67歳の誕生日。ラオスのトンシン首相、カンボジアのフン・セン首相も4月生まれとのことで、琴の演奏でのおもてなしの途中、前触れもなく「ハッピー・バースデー」の演奏とともにケーキを差し入れ、お祝いの言葉をかけました。こうした「努力」のかいもあり、和やかな雰囲気で、首脳同士の関係を深めることができたと感じています。

 外交だけではありません。大震災からの復興の象徴的な課題となっている「がれき」の広域処理の問題ですが、私から正式な要請を行ったところ、17道府県と5つの政令市が新たに受け入れを表明され、既に受入れ実施または表明している自治体と合わせると、26都道府県と13政令市にのぼりました。本当にありがとうございます。処理の安全性に依然として不安を感じておられる自治体には、第三者の確認を受けつつ、先行する事例のデータをご提供して、丁寧に説明してまいります。

 昨日のTV番組でも申し上げましたが、「がれき」を再利用して、地域の防災に役立てるための新たなプロジェクトを始めます。青森から千葉までの約140キロにわたる海岸に、コンクリート片などの安全な「がれき」を分別・再利用して盛土とし、そこに木を植えて防災林を作っていこうという試みです。

 マツだけでなく、広葉樹を植えることで、多様な植生に恵まれた「鎮守の森」のような存在にしたいと思っています。これを「みどりの絆・再生プロジェクト」と名付け、企業やNPO、ボランティアの方々の力も借りながら、まずは今年度に50km分に着手する予定です。

 社会保障・税一体改革に関連して、議員歳費についても、2年間、一人あたり270万円を削減することで自民党、公明党との合意が成立しました。国会のお許しが得られれば、来週はワシントンDCを訪れ、日米間の諸懸案とともに、アジア太平洋の秩序作りやグローバルな課題について、オバマ大統領と議論を深めたいと考えています。

 課題は様々ですが、一歩一歩、地道に着実に前に進めてまいります。

 平成24年4月24日  内閣総理大臣 野田佳彦