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2012年~2013年日本国債暴落説(10) 日銀も国債下落リスク警戒中2010/02/19 09:00

日経:国債下落のリスク警戒、日銀総裁「財政に関心高まる」、インフレ目標に難色。


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国債下落のリスク警戒、日銀総裁「財政に関心高まる」、インフレ目標に難色。
2010/02/19日本経済新聞朝刊5ページ

 日銀の白川方明総裁は18日、金融政策決定会合後の記者会見で「財政の持続可能性に関する市場の関心が世界的に高まっている」と述べた。財政の悪化が国債価格の下落につながるリスクを警戒する構えをみせた。金融政策については「財政ファイナンス(国の資金調達)を目的としない」のが重要だと語り、長期国債の大幅な買い増しに慎重な姿勢をにじませた。望ましい物価上昇率を明示する「インフレ目標」の設定には難色を示した。

 同日の決定会合では、政策金利を現行の0・1%前後に維持することを全員一致で決めた。景気の現状判断も「持ち直している」に据え置いた。

 総裁はギリシャの財政不安について「各国の中央銀行との情報交換を通じ、国内外の金融市場への影響をていねいに監視する」と語った。この問題を契機に「各国の財政動向と金融市場への影響が一段と注目されている」とも述べた。日本の財政に関しては「国債は円滑に消化されており、国債の金利もいちおう低位安定している」としながらも「深刻な状況にある」との懸念を示した。

 ■国債買い増し慎重

 国債価格の急落を防ぐには、各国が「財政再建の道筋を示し、市場の信認を確保する」のが欠かせないと強調した。「金融政策運営が財政ファイナンスを目的としていない。そうした姿勢を政府が尊重し、市場が信認する」ことが必要だとも語り、間接的な表現で国債の大幅な買い増しに慎重な姿勢をにじませた。

 インフレ目標を巡っては「採用しているかどうかは、意味のある論点ではなくなってきているという印象がある」と指摘。「物価動向だけに過度の関心が集まる結果、物価以外の金融・経済の不均衡を見過ごし、金融危機発生の一因になったのではないかという問題意識が高まってきている」との認識を示した。

 日銀は中長期の物価安定の目安として「政策委員の大勢は1%程度の物価上昇率が中心」との見解を表明している。総裁はこれを「現状では最適」と自己評価した。菅直人副総理・財務相は16日、1%程度の物価上昇率を「政策的な目標にすべきだ」と語ったが、日銀としては否定的な考えを示した格好だ。

 ■金融緩和は継続

 総裁はデフレ(物価の継続的な下落)にも触れ「生産性の向上がデフレの克服にも重要な課題だ」と指摘。官民挙げての取り組みを訴えた。政府には企業の国際競争力を高める包括的な政策を求めた。

 日銀としては「強力な金融緩和を通じて企業や家計の支出行動を支えるよう努めている」と説明し、超低金利や潤沢な資金供給を長期間続ける姿勢を鮮明にした。「時々、日銀が止まっているような感じのコメントもあるが、緩和効果が出るには1年半~2年かかる。そうしたものが今浸透している」と強調した。

 トヨタ自動車のリコール(回収・無償修理)問題については「(日本経済に)大きな影響が出ているとは認識していない」としながらも「動向を注意してみていきたい」と指摘した。

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