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北朝鮮が奏でる「千の風になって」の恐怖、スタクスネット(Stuxnet)が狙う次なるターゲット2010/12/02 09:14







11月29日、イランのアハマディネジャド大統領は同国のウラン濃縮施設の遠心分離機がコンピューターウイルスに感染していたことを明らかに。一部メディアが報じていた核施設へのサイバー攻撃を認める発言に注目。なお、イランでは同日、核科学者2人を狙ったと見られる待ち伏せ攻撃が発生し、1人が死亡、1人が負傷する事件まで起こっている。

サイバー攻撃が事実なら、イランの原子力施設のシステムに侵入したのは「スタクスネット(Stuxnet)」と呼ばれるコンピューターウイルス。

米セキュリティーソフト大手シマンテックによると、スタクスネットは超高速回転するモーターの回転数を制御する装置からの信号を狂わせることで、遠心分離器を誤作動させる設計。

さらにそのプログラムにはイランへの警告とも受け取れる旧約聖書の登場人物を暗示する単語が書き込まれていることから、イランの核計画を妨害するためにイスラエルが作成したのではないかと疑う声多数。

スタクスネットはすでに中国でも大暴れ。そして、次なるサイバー攻撃のターゲットとして当然北朝鮮が浮上中。むしろ、すでに攻撃が始まっていると見た方が賢明だろう。

なぜなら北朝鮮の制御システムはイランのものと同じだから。

何やらスタクスネットをばら撒きながら、中国、イラン、北朝鮮にまたがる核ネットワークを調べている人たちがいる気配。それはイスラエルなのか、米国なのか、それともイスラエル&米国連合なのか。

スタクスネットに感染すれば、ある程度位置までわかる仕組みになっているのか。軍事衛星との組み合わせでさらに詳細な情報が得られるのか。それは刻一刻と迫る「北朝鮮崩壊の日」に向けた準備なのか。

イランのように一時的に停止する程度ならいいのだが、万が一事故が発生したらどうなる。それが北朝鮮ならいったいどうなる。

中国に続いて北朝鮮が奏でる「千の風になって」の恐怖。それは決して他人事ではない。





<関連記事>

イラン大統領が核施設サイバー攻撃認める、6カ国協議再開も表明
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18395820101130

「核施設を停止させたワーム」:イランと北朝鮮
http://wiredvision.jp/news/201012/2010120121.html

ウラン濃縮一時停止の謎、サイバー攻撃か設備の更新か イラン
http://www.afpbb.com/article/politics/2777480/6535286?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

ウイルス、イラン核施設標的説に現実味 米社明らかに
http://www.asahi.com/international/update/1120/TKY201011200104.html

Stuxnet 'cyber superweapon' moves to China
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5iFRHUmI2w6HaAFZq-wUNre813wcA?docId=CNG.f6fba55ad8f5e329c0c25bad9aa7b8d3.651

Could Stuxnet Mess With North Korea’s New Uranium Plant?
http://www.wired.com/dangerroom/2010/11/could-stuxnet-mess-with-north-koreas-new-uranium-plant/

Slim chance of nuclear cyber raid in closed North Korea
http://www.reuters.com/assets/print?aid=USTRE6AN5O820101124

Brits declare war on Stuxnet. Americans say: Use it on North Korea
http://www.debka.com/article/9169/


中国が奏でる「千の風になって」の恐怖
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/22/4318353

2012年問題:それは「終わりの始まり」を告げる大イベント、すでに生き残りをかけた壮絶な戦いが繰り広げられている2010/12/03 09:27



<関連記事引用>

【経済が告げる】編集委員・田村秀男 「2012年」 日本呪縛
2010.11.19 03:02
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101119/plc1011190302006-n1.htm

 地理の総合誌、米ナショナル・ジオグラフィック誌はウェブサイトで、「2012年に何が起きるか?」と題するコラムを掲載している。古代マヤ暦による同年12月21日に地球が破滅する説をはじめ、終末予言8件を列記している。まさしくハリウッドのオカルト映画の世界だが、この西暦年は地球ではなく、日本を呪縛(じゅばく)する。

 先のソウルでの20カ国・地域(G20)首脳会議、横浜でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議をよくみればよい。

 参加首脳たちの多くが2012年に交代か改選に直面する。同年3月にはロシアと台湾、4月にフランス、11月に米国、12月には韓国でそれぞれ大統領選挙(台湾は総統選挙)が予定されている。秋には5年に1度の中国の共産党全国代表大会が開催され、習近平党中央委員会常務委員が胡錦濤(こきんとう)総書記にとって代わる見通しだ。おまけに北朝鮮ではこの年に金正日朝鮮労働党総書記の三男、金正恩氏が後継者としての地位を固める可能性が強い。

 地球の政治暦はまるで日本を包囲しているかのようである。

 再選を目指すオバマ大統領はドル札をじゃんじゃん刷ってドル安を容認し、輸出倍増をもくろむ。東京で会ったロック米商務長官に直撃質問すると「オバマ大統領は雇用の低迷を我慢できないのだ」と言った。おかげさまで日本では円高が進み、デフレ不況が深刻化する。そう突っ込むと、長官は「米国の景気がよくなれば世界のためになる。インドの首相もそう言っていた」と切り返す。

 他方、中国は米国を揺さぶる。胡錦濤総書記・国家主席はG20の前にフランスを訪問し、ドルに代わる準備通貨として国際通貨基金(IMF)の合成通貨である特別引き出し権(SDR)の活用を提案した。劣勢が伝えられるサルコジ大統領は中国との経済的結びつきを重視し、中国案に同調する構えだという。

 日本にとってより深刻なのは激化する共産党権力闘争の余波である。例えば、ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)の禁輸騒ぎである。かつての最高実力者、トウ小平は「中東には石油があるが、中国にはレアアースがある」と言い放ったように、中国産レアアースの世界シェアは97%に上るが、中国全土で90社が乱立している。ことし2月に再編計画が浮上したが、内モンゴル自治区の包鋼レアアース社が75%を占め主導権を握っている。他のレアアース産地が猛反発、そこに2年後の新人事に敏感な各地の党権力者がからんで生産や出荷が大混乱に陥った。折あしく尖閣諸島付近の中国漁船衝突事件と重なり輸出が止まった。この間、レアアース価格は4~5倍もつり上がった。党内の利権争いは続くだろう。

 じゃぶじゃぶのドルは投機資金となって資源価格を高騰させる。希少(レア)金属(メタル)の豊富な北朝鮮が欲得の欧米投資ファンドを引きつける。金正日総書記は核に加え資源カードも駆使し、金融制裁突破を図るだろう。

 逆巻く世界の政治潮流にさらされながら、日本はなすすべもなくもみくちゃになっている。菅直人政権に危機感はあるだろうか。発する言葉を肉付けする政策を伴っていない。横浜での環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への首相の協議参加表明が典型だ。12年自体よりも、それまでの時間こそが日本の運命であり、危機は始まっている。


未知の領域に踏み込む日本
~The Economist 日本特集(1/10)~
2010.11.22(Mon)  The Economist
(英エコノミスト誌 2010年11月20日号)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4895

 日本は歴史上存在したどの国よりも速いペースで高齢化しており、経済と社会に多大な影響を与えている。では、なぜ日本は適応するための手をほとんど打っていないのか――。

(英エコノミスト誌、ヘンリー・トリックス東京支局長)

日本の未来を垣間見たければ、夕張市を訪問するのがいいだろう。かつては炭鉱都市として栄え、4年前に360億円の負債を抱えて盛大に破綻した北海道の街だ。

 夕張は静かな場所で、鉄道路線の終着駅がある谷に位置している。炭鉱が稼働していた40年前、夕張市には12万人が暮らしていた。しかし炭鉱が閉山してから長い年月が経過し、現在は1万1000人が残るのみ。その半数近くが65歳以上である。

 市役所はまるで遺体安置所のようで、照明はほとんど灯っていない。過去4年間で市役所の職員は半減し、給料は3分の1削減され、今では職員が自ら床のモップ掛けをしなくてはならないと不平をこぼしている。

 夕張市は借金返済のために18年間に及ぶ緊縮財政に取り組んでいる。市立図書館は既に閉鎖された。今秋には、6校あった小学校が1校に併合された。

 それでも夕張市民は打ちひしがれているようには見えない。ある喫茶店に集っておしゃべりする80代の仲間たちは、地元写真クラブの中心的存在だ。彼らは聴衆を得たことに喜び、1950年代に撮影した、スケート靴を履いて校庭を走り回る子供たちの白黒写真を自慢気に見せてくれる。

 夕張市のように、日本は人口動態の大きな渦に向かって進んでいる。日本は世界一高齢化の進行が速く、史上初めて自然要因で人口が急減し始めた大国だ。日本の年齢中央値(44歳)と平均寿命(83歳)は世界有数の高さで、出生率(女性1人当たり1.4人)は世界最低の部類に入る。

 現在1億2700万人いる日本の人口は、今後40年間で3800万人減少すると見込まれている。2050年までに日本人の10人に4人は65歳以上となる。

 夕張市のように、日本も巨額の赤字を抱えている。しかし、夕張の財政問題は、若者を地元に呼び戻すために公的支出を大々的に無駄使いしたことが原因だった(一時、夕張市は国際映画祭を開催し、映画館が17カ所あった)のに対し、未知なる人口動態の旅の起点に立つ日本は、既に対国内総生産(GDP)の債務残高が世界最大規模となっている。

 日本には既に、たくさんの夕張市がある。2000年から2005年にかけて、日本中の小さな町村地区の住民は1000万人減少した。東京のような光り輝く都市だけが人口増加を続けているが、そうした大都市ですら数十年後には老いて見えるようになるだろう。

 日本経済の成長見通しにとって最も重要なのは、生産年齢人口の減少だ。15~64歳の生産年齢人口は、1996年以降、減少の一途をたどっている。

 第2次世界大戦後の約50年間は、急速に増える労働力と、勤勉で名高い労働者の生産性向上が組み合わさって、奇跡の成長を生んだ。親子2世代の間に労働年齢人口が3700万人増加し、日本は戦後の焼け野原から世界第2位の経済大国へとのし上がったのである。

 今後40年間で、そのプロセスは逆転する(図1参照)。生産年齢人口は急激に減少し、2050年までには1950年代の水準以下になる。ありそうにもないが、日本の生産性が労働力の縮小ペースよりも速く向上しない限り、日本経済は縮小する。日本は今年、経済規模で中国に追い抜かれた。

 高齢化の影響は、1947~49年に生まれた団塊の世代の最年長者が65歳を迎える2012年に一段と鮮明になるだろう。それ以降、人口動態(Demography)が日本の他の「Dワード」、つまり「債務(debt)」「赤字(deficits)」「デフレ(deflation)」を著しく悪化させると考える人もいる。

 平均寿命と歩調を合わせて定年を引き上げなければ、高齢化は自動的に年金コストを押し上げ、国家財政を一段と圧迫する。政府の上級人口統計学者である高橋重郷氏は、それが日本の社会保障制度の「基盤を揺るがす」と述べている。

 また、高齢化はデフレを完全に定着させてしまうかもしれない。労働力不足は賃金コストを押し上げる可能性もあるが、企業は新工場に投資したがらないからだ。

 かくして日本は、世界中の大国がどうやって高齢化と人口減少に対処するのかという先例になるだろう。西欧諸国は、日本ほど急ピッチではないとはいえ、既に生産年齢人口が減少している。東アジア諸国も熱心に日本を観察するはずだ。

 東アジア諸国の産業成長モデルは、戦後日本の好況期の成長モデルとよく似ている。労働力の増加と、輸出主導の生産性向上という同じ潮流に乗って伸びているのだ。

 日本はかつて、V字型の隊列を成して群れの先頭を行く雁と呼ばれた。ドイツ‐日本研究所の人口問題専門家であるフロリアン・クルマス氏の言葉を借りれば、日本は今や「最高齢の雁」だ。しかし、韓国と中国の労働年齢人口も間もなく減少し始める。

 日本における高齢化の不幸な副作用の1つは、最も影響を受けるのが若年層であるということだ。日本の失業率は今後も先進国の中では最も低い部類に数えられるかもしれないが、多くの職はレベルの低い仕事になるだろう。

 今、団塊世代の子供たちは40代に差し掛かっており、日本企業の中級管理職のピラミッドの中で2番目の突出部となっている。年功序列の給与体系を取っているため、これは企業のコストにとって大きな負担となり、結果として、若年層に職業訓練を受けさせ、程度の高い仕事を提供する資金が少なくなっている。

 日本のリスク選好度は、団塊世代のリスク選好度をそのまま反映していると言われることがある。団塊の世代は職業人生における最盛期に、自分たちの製品で世界を征服することを望んだ。現在、60代となった団塊の世代は、静かな生活を望んでいる。日本全体にも、同じことが当てはまるようだ。

 しかし、定年退職期を迎えた団塊世代を支え、また、彼らに続く世代が必要とする経済的機会を提供するためには、日本には漂流している余裕などない。

 夕張市ではよくあることだが、年金生活者が苦しみながらかけた電話に対応する救急車がない時、その結末は火を見るより明らかだ。幼児は言うまでもなく、寝たきりの両親の世話をする余裕がないことに夫婦が気づく時、人口問題は社会的な大惨事となる。

鳴り響くサイレン

 本誌(英エコノミスト)は今回の特集記事で、日本は真っ向からこの問題に立ち向かうべきだと主張する。日本には、人口高齢化に対処する壮大なプランが必要だ。

 日本ゼネラル・エレクトリック(GE)の社長兼CEO(最高経営者)を務める藤森義明氏は、「ビジネスの視点から見ると、(高齢化の)脅威は今、機会を圧倒している」と述べる。「大部分の人はそれに気づいているが、対処する方法が分かっていない」

 労働力減少の影響を打ち消すために生産性を高めることは、特に企業の世界では文化的な革命を必要とするだろう。アジアに広がる新市場に入り込むことは、150年間にわたるアジアの不信(それに見合うだけの日本の不信がある)を克服することを意味する。

 しかし、慎重な楽観論を抱く理由は2つある。1つは、多くの先進国と異なり、日本は産業の遺産を捨ててはいない。日本には団結した労働力があり、革新的な製品を今でも生み出せる。

 期待できるもう1つの理由は、政治にある。日本は昨年、実質的に1955年以来維持されてきた一党支配に終止符を打ち、斬新な考え方に大きく賭けた。2009年の選挙で勝利し、現在菅直人氏が率いる民主党は、政権の座に就いた最初の年にたくさんの失敗をしたが、民主党の勝利だけをもってしても、従来の政治に対する有権者の不満が膨れ上がっていたことをはっきりと示すものだ。

 今、民主党は成果を上げられることを示す必要がある。


2012年に欧州で「第2のデフォルトの波」も、金利上昇で-S&P
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=af5CdB3o5BgE

12月2日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によると、金利上昇と借り換えリスクの高まりで、欧州では2012-13年に「第2のデフォルト(債務不履行)の波」が押し寄せる可能性がある。特にレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保にして資金を調達する買収)向け融資が危ないという。

ポール・ワッタース氏(ロンドン在勤)率いるS&Pのアナリストがまとめたリポートによると、2012年に欧州でデフォルトが発生する確率は最高で7.5%と、今年年末までの4%から上昇が予想されている。2009年第3四半期末は14.8%のピークをつけた。

同アナリストらは、過剰なレバレッジにより、高利回りの「B-」や「CCC」格付けを付与されているローンの大部分が引き続き不安定なことから、デフォルト率は「大幅に」上昇する可能性があると指摘する。

リポートによると、デフォルト率は9月末で5.9%に低下したが、2012年には5.5-7.5%に再び上昇する可能性がある。2011年には3.8%に「緩やかに」低下するとみられている。


米英が中銀の権限強化、2012年問題に向けて機動性重視へ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/06/18/5169630

バック・トゥ・ザ・フューチャー:中国は日本の1930年代へと突き進むのか、相次ぐ識者の警鐘2010/12/05 10:29



ようやく1930年代問題が注目されつつあるようです。


<関連記事引用>

時代の風:日中の情勢に思う=東京大教授・加藤陽子
http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20101205ddm002070073000c.html

 ◇1930年代に似た空気
 文章を書くことは孤独なものなので、読者からのお便りや読み巧者がインターネットに上げた読後感などは、私の一番の宝物とあいなる。

 最近いただく感想で突出して多いのは、現在の国内外の状況をみると、「満州事変から日中戦争へ」(岩波新書)で描いた1930年代の雰囲気が今と似ていて怖い、というものだ。歴史は繰り返さない。しかし、世界不況と国際秩序の変動期にあって、社会の構造や制度がそれに追いつけない時、国民は心情のレベルで国内外の情勢に対応するようになる、とのパターンが似ているのかもしれない。

 この本で私は、31年の満州事変から33年の国際連盟脱退に至る過程で、日本がいかなる主張を連盟で展開していたかを書いた。日本と中国が激しく争ったのは、満州事変に先立つこと25年前、日露戦争の後で日本がロシアから継承した諸権益をめぐる条約の解釈だった。今年起きた尖閣問題の背景にも、78年の日中平和友好条約交渉時の未処理案件や解釈の違いがあるのだろう。こちらは32年前のことではあるが。

 満州事変を、その計画者・関東軍の意図から説明するのは簡単だ。将来に予想される対ソ戦を有利に戦えるように、国境線を北へ上げておく、これに尽きる。だが、真の意図を隠しつつ、昭和戦前期の陸軍が国民を説得するのに用いた論理の肝は、中国への不満をあおるところにあった。いわく、中国は、日本が日露戦争によって正当に獲得した満州の特殊権益に関する条約を守らない国である、と。陸軍は時局講演会などで、中国側の条約違反の最たる例として、「併行線」問題を取り上げるのが常だった。

 では、併行線問題とは何だったのか。日本の権益の柱・南満州鉄道に関し、この満鉄に併行して走る幹線鉄道や支線を中国は敷設できないとの条約があったのに、中国は違反する鉄道を敷設したのだと非難する日本の主張である。条約を守る日本、守らない中国、との二項対立で、陸軍は国民をあおっていった。

 本問題につき、リットン報告書と連盟が下した結論をみておこう。報告書は、日本側が主張するような、併行線を禁ずる条約(・・)は存在しないと断じた。ただ、05年末、日中間で開かれた北京会議の議事録中に発言(・・)の記載がある、と指摘していた。この結論は史料からも支持できる。全権・小村寿太郎や同時代の外務当局は、この併行線問題に言及する際には、必ず「北京会議録に存する明文(・・)」と、正確に呼んでいたのである。

 満州問題の危機を国民に説く際、陸軍は中国側の条約違反を喧伝(けんでん)し、黒白(こくびゃく)をつけるための外交論争に自ら入っていき、そして敗北した。明治の外務当局に自覚されていた正確な知見は、昭和の陸軍当局には継承されなかったと考えざるをえない。もっとも、別の推測も可能だ。当初は国民を欺いているとの自覚のあった当事者も、しだいに自らの宣伝を信じるようになった、との見立てである。これについては、鶴見俊輔氏の「思い出袋」(岩波新書)が深い。「自分だけだまさずに他人をだますのはむずかしい。日本の政治家はそこまでかしこくない」と。この感慨を抱いた当時の鶴見氏19歳、41年秋のことである。

 30年代と今の空気が似ていると気づいた読者であれば、そのきな臭さの一半が、今の中国の外交姿勢に起因していることにも気づくだろう。現在の中国は、外交に黒白をつける思想を持ち込んでいるといわざるをえない。日本の戦争によって最も惨禍を被った国だからこそ、日本の過誤の過程を最もよく見てきたはずではなかったのか。

 むろん、私たち自らを顧みる必要があるのはいうまでもない。そのような時にお薦めの本を2冊挙げておこう。まずは、日中友好に大きく貢献し、中国大使も歴任した中江要介氏の「アジア外交 動と静」(蒼天社出版)。6名の気鋭の若手研究者による行き届いたインタビューの記録である。中江氏は言う。中国側が感情を害する案件が生じた時など、慌てずに「中国はこんなことで怒るのか」という点のみを、情報として蓄積すればよいのだと。外務当局の重厚な知恵は若手の手で、しかと後世に伝授された。

 2冊目には、70年代生まれの若手による刮目(かつもく)すべき批評を挙げたい。大澤信亮氏の「神的批評」(新潮社)である。批評の主たる対象は、宮沢賢治、柳田国男、北大路魯山人の3巨人。彼らはそれぞれの時代において、「生きるとはどういうことか」という、一見するとやぼな問いに、いかに深く向き合っていたのか。

 人間は、「食」という行為を内蔵された肉体をもって生まれてくる。食べることは奪うことであり、殺すことでもあるならば、人間の身体は、暴力を初期設定されて生まれ落ちてくるともいいうる。

 では、そのような存在としての人間は、弱い者がさらに弱い者をたたく暴力の悪循環を断ち切るために、いかにすべきか。賢治が格闘していた問いを、大澤氏はこのように掘り当てた。著者の眼差(まなざ)しには、ありふれた現実を回転させ、真に世界を変えるに足る力がある。3巨人もまた、しかと現代によみがえった。=毎週日曜日に掲載


<日中の窓>中国が日本から学ぶべき教訓
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=134724

8日、香港のサウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は「中国が日本から学ぶべき教訓」と題して、出井伸之元ソニー会長のインタビュー記事を掲載した。

井出氏はインタビューで、経済規模で日本に追いついた中国について、「誰も驚いてはいけない」とし「中国が過去の日本の発展軌道を歩んでいるだけに、日本は中国に鏡と見なされるかもしれない」と強調した。

出井氏は「中国の日本追跡は不幸な転換点と解釈されるべきでない。中国の発展は両国の経済が協力できる、さらに多くの機会をもたらすだろう」と述べた。また「中国は日本に比べて大国であり、大きな貧困を抱えている」とし「北京や上海から車に乗って少し郊外に出ると、これがすぐに分かる」と強調した。

出井氏は「中国は日本と似た開発行路を進んでいるが、日本が1930-40年代に犯した失敗を繰り返してはならない」と述べた。さらに「もう時代は変わった。中国は過去の日本の過ちから教訓を得て、バランスが取れた三角形構図を構築する必要がある」と強調した。

長く続く通貨戦争を制するのはやはり米国か2010/12/06 08:51



ウィレム・ブイターは「ユーロ危機はまだ初期段階」と語る。
そして、ケネス・ロゴフらは「世界はまだ通貨戦争の初期段階」と語る。
そして、中国は米国の金融政策におびえていると。

そういえば、バーナンキFRB議長は1930年代の世界大恐慌の専門家として有名。
バーナンキもまた世界は1930年代に突入したと見ているのか。

長く続く通貨戦争を制するのはやはり米国。
欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバーの中からもそのような見方が浮上中。


<関連記事引用>

ノボトニー氏:ユーロ圏分裂なら唯一の勝者はドル-欧州の利益でない
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a.GMc9ynuosk

 12月5日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁は、ユーロ圏の分裂が起きれば欧州にとってはあらゆる面で悪いことで、唯一の勝者はドルだろうと述べた。同氏はオーストリア国営テレビORFの討論で、「唯一の勝者はドルになる、欧州は敗れることになろう」と語った。


Nowotny Says Euro Split Only Good for Dollar, Bad For Europe
December 05, 2010, 5:12 PM EST
http://www.businessweek.com/news/2010-12-05/nowotny-says-euro-split-only-good-for-dollar-bad-for-europe.html

Dec. 5 (Bloomberg) -- European Central Bank Governing Council member Ewald Nowotny said a split of the euro area would be bad for all sides in Europe and the only winner would be the U.S. dollar.

“The only winner would be the dollar, and Europe would lose,“ Nowotny said in a live discussion in Austrian state TV broadcaster ORF.


<関連記事>

Eurozone crisis: what the analysts say
http://www.guardian.co.uk/business/2010/nov/30/eurozone-crisis-what-the-experts-say?

China Is `Scared' of U.S. Monetary Policy, Rogoff, Rickards Say
http://www.bloomberg.com/news/2010-12-02/china-is-scared-u-s-policy-is-debasing-currency-rogoff-rickards-say.html

中国は米金融政策に「おびえている」-オロCのリッカーズ氏
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=ajMTIRKBSvWg

ケネス・ロゴフ:ソブリン債ゲームは長期戦、欧州の債務再編は避けられない2010/12/07 08:48




ケネス・ロゴフらは「世界はまだ通貨戦争の初期段階」と語った。
そのロゴフは「ソブリン債ゲームは長期戦」と語り、「欧州の債務再編は避けられない」明言。

日本にとって他人事なのか? そんなことはありえない。
日本もソブリン債ゲームに巻き込まれる日が必ずやって来る。
その日は2012年~2013年に刻まれることになるだろう。
日本はゲームに勝つ気はあるのかね?


<関連記事引用>

ロゴフ教授:欧州はいずれ債務再編へ、「現実否定」脱却を(Update1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a2FFK5BmF4ro

 12月6日(ブルームバーグ):米ハーバード大学教授で国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストのケネス・ロゴフ氏は、欧州債務危機は最終的に、ギリシャとアイルランド、ポルトガルの債務再編につながるとの見方を示した。

  同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、各国は「単に現実を否定し続けることはできない」として、当局者らは「『ドイツが支える』、『IMFが支える』、『ユーロ参加国の債務再編は考えられない』などと発言している」が、ギリシャやアイルランド、ポルトガルが債務再編を回避できるのだとすれば、「非常に幸運と言わざるを得ない」と語った。

  ユーロ圏の救済基金を拡大する議論があるが、ドイツのメルケル首相、フランスのサルコジ大統領はこれを拒否している。ロゴフ氏は、「大詰めの後のことを考えなければならない」とのメルケル独首相の発言は「正論だ」として、予想される債務再編にどう対処するのか、「誰もこれを口にしたがらない」と語った。

  また、7月に実施された欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)については、「どの銀行も大丈夫。心配することはないとの結果だった」が、信頼は「今やかつてないほど落ち込んでいる」と述べた。

  さらに、「2011年には世界経済がもう少し回復し始めてほしいものだ」として、「欧州問題は2011、12、13年と続くだろう。ソブリン債問題は長期戦だ。ただ、もう少し安定した回復という背景の中で展開するのが望ましい」と語った。


Rogoff Says Europe`s `Denial' Won't Avert Greek, Irish Bond Restructurings
By Sara Eisen and Fergal O’Brien - Dec 6, 2010 11:08 PM GMT+0900
http://www.bloomberg.com/news/2010-12-06/rogoff-says-europe-s-denial-won-t-avert-greek-irish-bond-restructurings.html

Europe’s debt crisis will probably result in bond restructurings in Greece, Ireland and Portugal even as policy makers say they have the weapons to avert default, Harvard University Professor Kenneth Rogoff said.

“They can’t just be in a state of denial,” Rogoff said in a Bloomberg Television interview today. “They’ve tried to guarantee everything, to say, ‘Well, Germany is behind it and the IMF is behind it, it’s inconceivable for a euro-zone country to restructure.’”

“We’ll be very lucky to avoid restructuring” in countries such as Greece, Ireland and Portugal, he said.

European finance chiefs hold a monthly meeting in Brussels today amid disagreements on whether the region’s 750 billion- euro ($1 trillion) rescue fund needs to be increased to stop the debt crisis from spreading after Ireland agreed to tap the aid package last month.

German Chancellor Angela Merkel and French President Nicolas Sarkozy have rejected the idea, and Rogoff said that Merkel has been “talking sense.”

The chancellor has been saying, “We have to look ahead to the end game -- there’s going to be a debt restructuring, how are we going to deal with it?” Rogoff said. “But nobody else wants to talk about it.”

‘Pathetic’ Stress Tests

The former chief economist at the International Monetary Fund also said the bank stress tests carried out in Europe in July were “really scary” and “pathetic.”

“We were told everybody is fine, there is nothing to worry about,” said Rogoff, whose 2009 book “This Time Is Different,” co-written with Carmen M. Reinhart, charts the history of financial crises in 66 countries. “Now their credibility is less than ever.”

“I hope that the story of 2011 is we start to see a bit more healing in the global economy,” Rogoff said. “Europe’s a story of 2011, 2012, 2013. We will be seeing this sovereign debt game unfolding for a long time, but hopefully within the context of a more stable recovery.

戴秉国の友をえらばば篠原令、仙谷主導の呆れた全共闘外交2010/12/07 20:43

戴秉国の友をえらばば篠原令、仙谷主導の呆れた全共闘外交


よくもまあテレビにまで出てきてベラベラと。
自慢がしたいのか、それとも宣伝がしたいのか。
もう呆れてものが言えない。


<関連記事引用>

“密使”細野氏訪中、仙谷氏「関知してない」(動画あり=画像引用)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4594612.html

 日中関係が悪化した今年9月、民主党の細野豪志議員とともに訪中したコンサルタントの男性がJNNのインタビューなどに対し、総理官邸から依頼があったことを認めたことについて、仙谷官房長官は「関知していない」と否定しました。

 「関知してません。従前、申し上げたことと同じです」(仙谷由人官房長官)

 漁船衝突事件で日中関係が悪化した今年9月、民主党の細野議員が訪中し、中国の戴秉国国務委員と会談しましたが、民間コンサルタントの篠原令氏は6日のJNNの取材に「仙谷官房長官とは学生運動時代からの知り合いで、頼まれたからやるべきことをやっただけ」などと、仙谷長官からの依頼で会談をセッティングしたことを明らかにしました。

 仙谷長官はこれまでも政府の関与を否定しています。(07日11:36)


細野極秘訪中 仙谷氏「関知せず」、親交のコンサルタントは「私がセットした」
2010.12.7 18:13
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101207/plc1012071815020-n1.htm

 仙谷由人官房長官は7日の記者会見で、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件後の今年9月に民主党の細野豪志衆院議員が「密使」として訪中し、中国の戴秉国国務委員と打開策を協議したことが仙谷氏の依頼によるものだったとする関係者の証言について「関知していない」と否定した。

 仙谷氏と親交がある民間コンサルタントの篠原令氏が「仙谷氏とは学生運動時代からの知り合いで、(訪中仲介を)頼まれたからやるべきことをやった」と語り、仙谷氏の要請で会談をセットしたことを6日夜のTBSの報道番組が紹介した。

 篠原氏は7日、産経新聞の取材に事実関係を認めた上で「戴氏は私の古くからの友人のためセットできた。仙谷氏の立場では実際がどうであれ、二元外交と批判されるので『関知しない』と言わざるを得ないのだろう」と語った。


民主・細野氏、9月訪中時の会談は戴秉国氏と
2010/12/7 1:27
http://s.nikkei.com/dKp14B

 民主党の細野豪志前幹事長代理が尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後の9月に訪中した際の会談相手が戴秉国国務委員(外交担当)だったことが6日、わかった。同行したコンサルティング会社代表の篠原令氏が都内で講演し、明らかにした。戴氏は細野氏に「今後、中国が強国になっても隣国に脅威を与えるようなことは絶対にしない」などと語ったという。

 篠原氏は細野氏が菅直人首相の親書を携えていなかったことも明らかにした。政府や細野氏はこれまで会談相手を明らかにしていない。


<関連記事>

戴秉国の友をえらばば篠原令、危うさはらむ仙谷主導の全共闘外交、外務省は蚊帳の外
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/10/12/5398825

パンダの真珠に東風、首飾りへの接近阻む対艦弾道ミサイル(ASBM)2010/12/08 08:44

パンダの真珠に東風、首飾りへの接近阻む対艦弾道ミサイル(ASBM)


「DF-21 ASBM(東風21D)」のミサイル・レンジに注目。
マラッカ海峡もホルムズ海峡もスッポリ入っています。


<関連記事引用(画像も)>

Chinese missile ranges: China's missiles
Dec 6th 2010, 13:46 by The Economist online
http://www.economist.com/blogs/dailychart/2010/12/chinese_missile_ranges

An interactive graphic showing the range of a selection of China's missiles

MISSILES have been a pillar of China’s military modernisation. After awesome demonstrations of American firepower, in Operation Desert Storm in the first Gulf war, and then in 1996, when the United States sailed two carrier strike groups close to Taiwan to deter Chinese aggression, China felt that it could no longer depend on sheer manpower for its defence. So it has invested heavily in the strength and technical sophistication of its missiles. The Pentagon has described China’s programme as “the most active land-based ballistic- and cruise-missile programme in the world”. Missiles are good value. Compared with a fully equipped aircraft-carrier, which might cost $15 billion-20 billion, a missile costs about $1m. And missiles can be potent. The chart shows how, in terms of numbers, China has concentrated on short- and medium-range missiles. This puts Taiwan within easy range of a devastating cruise- and ballistic-missile attack. Military analysts fear that the Second Artillery could retarget the missiles, putting Japan at risk, as well as America’s Asian bases. China also has a few intercontinental ballistic missiles, able to carry a nuclear payload. And American strategists are closely watching an experimental anti-ship ballistic missile with a manoeuvrable warhead, which could make it hard for American fleets to approach the Chinese shore. China recently hinted that it may be ready to cut the number of missiles targeting Taiwan. Whether this comes to anything will depend upon relations with the island—and they can be highly unpredictable.


日米共同統合演習:「アジアで影響力」米が発信
http://mainichi.jp/select/world/news/20101203ddm002030033000c.html

 【ワシントン古本陽荘、北京・浦松丈二】「中国の特定の軍事能力は明らかに米軍に焦点をあてたものだ。『接近阻止能力』がまさにそれだが、我々が(東アジアから)出ていくことはない」

 米軍トップのマレン統合参謀本部議長は1日、ワシントン市内で米中関係について講演し、意図を明確にしないまま海軍力、空軍力を増強する中国をけん制した。今回の日米共同統合演習には、米国が今後もアジアでの影響力を保持していくというメッセージを発信する狙いがある。

 接近阻止能力とは、中国に近い西太平洋への米軍の接近を拒む軍事力のことだ。国防総省が今年8月に発表した中国の軍事力に関する年次報告書では、対艦弾道ミサイル、攻撃型潜水艦などの配備を根拠に、中国の接近阻止能力向上に警鐘を鳴らした。

 今回の演習は、米軍と自衛隊との相互運用性を向上させ「日米一体化」を進めることに力点が置かれている。米軍普天間飛行場の移設問題で不協和音が生じても、軍事協力は着々と進んでいることを示す思惑もある。

 一方、中国外務省の姜瑜(きょうゆ)副報道局長は2日の定例会見で、日米の演習に関する質問に直接的論評を避け、「2国間同盟は中国を含む第三国の利益を侵すべきではない」という原則論にとどめた。演習が尖閣諸島を含む島しょ部防衛を念頭においていることについても「釣魚島(尖閣諸島)に関連する中国の立場は明確で一貫している」と述べただけだった。


<関連記事>

中国の新型ミサイル「東風21D」は米空母を殺すゲーム・チェンジャー
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/09/5274841

「それ見たことか」とセイウチ逆襲、中国にかみつくネオコン・ボルトンが対艦弾道ミサイル(ASBM)にも言及
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/12/5281133

朝日新聞:マイヤーズ元米統合参謀本部議長・インタビュー一問一答、対艦弾道ミサイル(ASBM)にも言及
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/17/5292526

中国の対艦弾道ミサイルで、アジアの海は中国の湖になるのか ― FOREIGN AFFAIRS JAPAN より
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/10/06/5384925