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2012年問題:その時世界は日本をタイタニックと呼び始めるだろう2010/12/25 09:40

2012年問題:その時世界は日本をタイタニックと呼び始めるだろう


金融界が次のメルトダウンを予想しようとヨーロッパに目を向ける。
ギリシャにアイルランド、その次はスペインだと。

しかし、間違った方向を見ていると思っている逆張り投資家もいる。
ヨーロッパなんて忘れて、その代わりに日本を見ろよ。
世界的大失敗が起ころうとしているぞ。それはまるでタイタニックのように。

そろそろ海外からはこんな声も聞こえてくる。
しかし、日本の問題に気付いているのはまだまだ少数。

田原総一朗から「こんなデタラメ予算を後何年組めるのか?」と問われた仙谷官房長官は、「2年が限度だ」と答えたらしい。

2012年に日本は破綻するのか。そんなことはありえない。
日本には1400兆円の個人金融資産があるからまだ大丈夫。

しかし、それもいつまで持つのか。長くは持たないことは誰もが知っている。
それが見えてくるのが2012年。日本のソブリンリスクが注目され始める時。

「Too big to fail=TBTF=大きすぎてつぶせない」など楽勝クリア。
初登場でいきなり「Too big to bail=TBTB=大きすぎて救えない」へ。

ギリシャやアイルランドにも言い分はある。それでも叩かれる時は叩かれる。
日本も今のうちに覚悟しておくべきだろう。

黒船に叩かれ起こる大連立。ここぞとばかりに消費税増税。
それでもタイタニックは冷たい海深く沈む運命にあるのか。


<関連記事引用>

Too Big To Bail
Is Japan the next major world economy to tank?
By Bethany McLean
Posted Tuesday, Dec. 21, 2010, at 6:29 PM ET
http://www.slate.com/id/2278792/



<2012年問題記事引用>

田原総一朗公式ブログ:あと2年で破綻する?
http://www.taharasoichiro.com/cms/?p=468

先週の激論!クロスファイアで、
官房長官の仙石さんと討論した。

「こんなデタラメ予算を後何年組めるのか?」と問うと
仙谷さんは2年が限度だと答えた。

あと2年で破綻する。

こんな重大な官房長官の発言を、どの新聞も無視した。


自民・林氏:民主政権で財政は危険ゾーン、「Xデイ」対策提言も
2012年が「一つのポイント、大事な年になる」との認識
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=af0B83lFUYKA

 12月22日(ブルームバーグ):自民党のシャドウ・キャビネットで財務相を務める林芳正政調会長代理(参院議員)は民主党政権下で日本の財政が「危険ゾーン」に差しかかっているとの認識を示した。このため投資家の間で日本国債に対するリスク懸念が高まり、長期金利が急騰する「Xデイ」への対応策を党としてまとめ、来年前半にも政府に提言する考えを明らかにした。

  日本銀行の資金循環統計によると、10年9月末時点の個人金融資産は約1442兆円で、負債約365兆円を差し引いたネットの資産は約1077兆円。財務省の資料によると、10年度末の普通国債残高は約643兆円で、地方を合わせた長期債務残高は対国内総生産(GDP)比180%の868兆円程度に膨らむ見通しで、このまま債務残高の膨張が続けばネットの個人金融資産を数年後に上回る可能性がある。

  林氏は20日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、日本の財政について「国と地方の長期債務にある程度短期債務まで入れると、もうすぐ1000兆円を超えるのではないかという数字もある」と指摘した。

  その上で、林氏は「危険な、ある意味では心配しなければいけないゾーンにもう差しかかっているという認識がまずあって、そういう時に何がきっかけで国債の暴落は起こり得るということを冷静に見なければいけない」と国債暴落のリスクに備えた検討が必要との考えを示した。ただ、公的債務残高がネットの個人金融資産を上回った場合でも「実際のマーケットは、他の国の方が国債を買ったりするので、その数字に1円でも到達すると、必ず何かが起こるということではない」とも述べた。

  林氏は49歳。三井物産勤務などを経て95年の参院選山口選挙区で初当選。現在3期目。政策通として知られ、自民党政権下では内閣府副大臣、防衛相、経済財政担当相などを歴任した。東大法学部、ハーバード大学ケネディ行政大学院を卒業しており、英語にも堪能な国際派だ。

Xデイ

  自らが座長を務める「X-dayプロジェクト」を自民党政務調査会内に設立、14日には第1回会合を開催した。同プロジェクトは設立文書で「民主党政権下では、国債が暴落するという悪夢が実際に起こらないとは言い切れない。民主党政権に警鐘を鳴らす意味で現実に国債価格が大幅に下落しないようにするために政府・日銀が取るべき対応について事前に検討を行う」と明記している。

  林氏は同プロジェクトの今後の議論について「どういうメカニズムでどういうことが起こり得るか、どういうふうにすれば防ぐことができるか、起こった場合にはどのように対処するかということを冷静に議論しておいた方がいい」と指摘。具体的な活動方針に関しては「1月、2月に何回か有識者を呼んで勉強会をして、われわれとしての考え方をまとめて政府に必要があれば提言できればと思っている」と語った。

中期財政フレーム

  政府は6月に決定した「財政運営戦略」で、国・地方の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を「遅くとも2015年度までにその赤字の対GDP比を10年度の水準から半減し、20年度までに黒字化することを目標とする」と明記。それに基づく「中期財政フレーム」では、11年度から13年度までの3年間、国債費を除く歳出は約71兆円までとしたほか、11年度の新規国債発行額を44.3兆円以下とする方針を打ち出している。

  林氏は中期財政フレームは「5年後の目標とかい離している。71兆円、44兆円は『このままでずっといく』ということでいいというメッセージだとすれば、それは非常に大きな間違い」と指摘。新規国債発行の抑制に向けた15年度までの具体的な計画を示すべきだとの認識も示した。

  その上で、民主党政権の経済財政運営に関しては「衆院選のマニフェストを一度白紙にするだけでかなり楽になる。もっと効き目のある政策に対応させることができる」と政策転換を求めた。

団塊の世代

  一方、林氏は、2012年がいわゆる「団塊の世代」の中心にある1947年生まれの人が年金受給開始年齢の65歳に達する年であることを挙げ、財政健全化を進めるにあたって12年が「一つのポイント、大事な年になる」との認識も示す。

  林氏は税と社会保障の抜本改革について「法律の規定に従って来年度中にはやらなければいけない」と指摘。「当然、それをやった上での再来年度の予算編成となるとみんなが思っているから、もし、それができないとなるとかなり間違ったメッセージが市場に出てしまう」と述べた。

  ただ、菅直人政権が呼び掛ける超党派協議への対応については「少なくとも消費税が何%になるというような案を出さないと、ただ集まっても意味がない。素案を政府・与党が作るということが大前提、必要条件だ」と強調した。


<社説集引用>

改革不在の予算案では日本はもたない
2010/12/25付
http://s.nikkei.com/dQ89dW

 政策への出費と借金を前の年より増やさないという最低限の目標は辛くも守った。だが日本の将来を考えると、菅政権の2011年度予算案に強い懸念を抱く。その場しのぎの帳尻合わせに頼る一方で、根本的な財政や社会保障の改革に、なんら手を付けていないからだ。

 国の一般歳出と自治体への地方交付税交付金を合わせた政策の経費は70兆8600億円、国債の新規発行額は44兆2980億円。いずれも10年度をわずかに下回る。政策経費を13年度まで「前年度以下」に抑えるなどの財政目標を一応は満たした。

将来世代に大きなツケ

 一般会計の歳出・歳入の総額は約92兆4千億円と10年度を1千億円上回り、過去最大となる。日本経済はデフレ脱却にてこずり、政府は来年度の経済成長率を実質1.5%、名目では1%と低く見通す。景気や物価を考えれば、いま急激な緊縮予算を組むわけにもいかない。

 問題は中身だ。長い目で見て、日本の財政が持ちこたえられるのか心もとない。財源の手当てに失敗したにもかかわらず、民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ支出にこだわり、目先の選挙を意識した人気取り政策を続けているためだ。

 典型が国の政策経費の53%に膨らんだ社会保障関係費だ。高齢化に伴って出費が増える「自然増」をそのまま認め、制度を長持ちさせる改革は先送りした。年金や医療、介護の給付を受ける今の人たちに痛みを感じさせないことを優先した。

 国内に住む人に加入義務がある基礎年金では、給付費に占める国の負担を2分の1に保つ安定財源を確保しなかった。国土交通省の独立行政法人や財務省が管理する2つの特別会計で生じた余剰金、いわゆる「霞が関埋蔵金」をかき集め、必要額の2兆5千億円を工面した。

 自民党政権が2年前に埋蔵金を年金にあてる法案を出した時に、野党の民主党は強く反対した。政権党として一転、その手法に頼る。子ども手当も財源の裏付けがないまま、2歳児までの給付増を強行する。現在の親の負担増を防ぐというが、将来世代へのツケ回しは増える。

 制度改革も遅れる。菅政権は介護保険制度で12年度からの一部の利用者負担の引き上げなどを見送った。高齢世代への社会保障支出の拡大が子世代に負担を強いる「財政的な幼児虐待」(コトリコフ・米ボストン大教授)の構図がみえる。

 聖域となった社会保障費のあおりで、他の多くの政策経費は減額となった。公共事業関係費は今年度の18%減に続き、来年度も実質5%の削減。政府開発援助も7%減らした。

 予算の効率化や配分の見直しが徹底したわけでもない。予算の要求段階で一律10%削減を求めるなど工夫が足りなかった。行政刷新会議の「事業仕分け」を反映した削減もわずか3千億円。政務三役が省益丸出しで計上を求める例も多かった。

 成長戦略や公約に関連した「元気な日本復活特別枠」の関連予算は、当初に用意した1兆3千億円から2兆1千億円に増えた。重点配分が進んだというよりも、在日米軍の駐留経費の「思いやり予算」や小学校教員の増員要求が紛れ込み、歳出圧力に押されて膨れたのが実情だ。

 予算編成の最後の最後で、菅直人首相は減額が予定された科学技術振興費の上積みを指示し、同経費は0.3%のプラスに転じた。政治主導の予算をうたうなら、最初から指導力を発揮すべきだった。

与野党に破綻防ぐ責任

 財政の綱渡りは一段と深刻になる。来年度税収は最悪期の10年度より3兆円以上多い40兆9千億円に改善するが、なお国債発行額が上回る異常な姿だ。外為特別会計の来年度剰余金の先取りなどで7兆円もの税外収入を立て、数字を合わせた。

 11~15年度での半減を目標とする、国内総生産(GDP)に対する基礎的財政収支の赤字比率も小幅の低下にとどまる。国と地方の長期債務残高は11年度末に891兆円とGDPの1.84倍に達する見通しだ。

 国債の新規発行額が横ばいでも、元利払いのための国債費は今年度より9千億円増え、21兆5千億円となる。10年物国債の金利が年2%で推移するのが前提だが、財政への懸念や市場環境の変化で金利が上がればこの出費が雪だるま式に膨れる。

 今年、欧州ではギリシャやアイルランドの債務不安が市場を揺るがした。日本には1400兆円の個人金融資産があり、今は国内で国債を消化できているが、長くはもたない。帳尻合わせの予算編成とは決別し、税制や社会保障の構造を変える改革に取り組むことが緊急の課題だ。

 消費税率引き上げや法人税率の再引き下げといった税制改革。年金や医療の持続性を高める給付や負担の見直し。これらを着実に実行し、経済成長を促して財政破綻を防ぐ。それが与野党共通の重い責任である。


【主張】来年度予算案 国家の破綻は目の前だ 財政再建の道筋を明示せよ
2010.12.25 04:31
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/101225/fnc1012250431002-n1.htm

 国家財政が破綻する危機が迫っていることを菅直人政権は強く自覚せねばなるまい。

 政府が決めた平成23年度予算案は一般会計規模で過去最大の92・4兆円に達し、新規の国債発行額が2年連続で税収を上回るという異常事態だ。来年度末には国と地方を合わせた長期債務残高は891兆円と国内総生産(GDP)の2倍近い水準に悪化する。これは財政危機に見舞われたギリシャやアイルランドをも上回る。

 ≪バラマキ公約は撤回を≫

 破綻を避けるには、まずは民主党が掲げたバラマキ公約を撤回することだ。そのうえで消費税増税を含めた税制抜本改革も進めなくてはならない。財政再建に向けた道筋を早急に示すべきだ。

 今回の予算案は、民主党を中心とした現在の政権が初めて本格的に編成した。6月に財政運営戦略で定めた国債費を除いた歳出上限で71兆円、新規国債発行は44兆円強だった前年度以下という大枠だけはぎりぎりクリアした。だが、その内容をみると、新たに積み増したバラマキ公約の財源確保に終始した印象が強い。

 財政運営戦略では、基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、向こう5年で赤字を半減し、10年後には黒字化する中期目標を盛り込んでいる。だが、その初年度となる予算案をみると、基礎的財政収支の赤字は23兆円近くにのぼり、今年度と比べた赤字の縮小幅はごくわずかだ。これでは黒字化への道筋はみえない。

 来年度は税収が今年度より3兆円規模で増える見込みだ。本来なら税収の増加分は国債の償還に充てる必要がある。しかし、税収が増える中でも赤字がほとんど改善しないのは、子ども手当や農家への戸別所得補償などのバラマキ公約を続けるためだ。今年度は埋蔵金を中心に10兆円以上の税外収入と国債で予算を編成したが、来年度もこの構図に変わりはない。

 こうした財政規律の喪失の象徴が基礎年金の国庫負担割合2分の1の維持だ。来年度予算案ではこの維持に必要な約2・5兆円を埋蔵金などで埋め合わせた。だが、基礎年金など社会保障向けの財源を埋蔵金のような一時金に依存するのは無責任だ。

 本来は恒久財源を充てることになっているが、リーマン・ショック後、緊急避難的に埋蔵金でしのいだ経緯がある。このため、財務省は予算編成過程で恒久財源が確保できないとして、国庫負担割合の引き下げを求めた。来年度には埋蔵金も枯渇する可能性が高く、埋蔵金依存の予算編成はもはや限界だ。政府・与党は早急に恒久財源を確保しなければならない。

 国費だけで2・2兆円を投じる子ども手当も迷走した。来年度から3歳未満の支給額を月額2万円に引き上げるが、その財源として有力視していた配偶者控除の廃止には踏み切れなかった。来年春の統一地方選をにらみ、専業主婦世帯の反発を恐れた民主党の主張を取り入れたためである。選挙対策を優先し、財源がないままバラマキに腐心する政権の本質が透けてみえる。

 日本の財政事情の悪化は目を覆うばかりだ。国債発行残高だけで来年度末には668兆円とGDPの138%に達する。先進国ではもちろん最悪の水準で、歳出と税収の差は広がったままだ。これでは金融市場での国債消化にも不安を与えかねない。

 ≪政権運営に危機感持て≫

 国債の消化不安が台頭すると、長期金利は大幅に上昇し、経済成長を大きく阻害する。それは菅政権が目指す「雇用と成長戦略」にも重大な支障を及ぼす。国家財政が破綻すれば、外交・防衛にしろ社会保障にしろ、国家としての責任を全うできないような大幅な歳出カットを余儀なくされ、国民にも重税がのしかかってくる。そんな危機が忍び寄っているとの意識をもって、政府・与党は政権運営に当たらなければならない。

 菅首相は、予算編成後の記者会見で、消費税増税について、「年明けにもこれからの方向性を示したい」との考えを示した。すでに欧州各国は、財政再建に向けて来年から歳出削減と増税を同時に実施するなどの計画を打ち出している。わが国でも同じように歳出削減と増税を組み合わせた財政再建が不可欠といえる。菅政権には、財政破綻を何としても防ぐという責任と覚悟が問われていることを肝に銘じてもらいたい。


来年度予算案 辻褄合わせはもう限界だ(12月25日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101224-OYT1T01176.htm

 2011年度予算案が24日、閣議決定された。総額92兆4100億円は過去最大である。

 かつて恒例だった数字の語呂合わせをすれば、財務省なら「国、良い」とでも言いたいところだろう。だが、借金頼みのお寒い内容を見れば、そんな甘い評価など到底出来まい。

 昨年の政権交代以来、民主党政権による予算編成は2度目だ。しかし、菅内閣は財源不足に抜本的な手を打たず、無理なバラマキ政策を継続する意思を示した。

 これでは赤字体質も改善しようがない。歳入と歳出の辻褄(つじつま)合わせもいよいよ限界だと、多くの国民が不安を感じる予算になった。

 ◆国債発行は依然44兆円◆

 11年度予算案の歳出は、社会保障関係費が28・7兆円と、一般歳出全体の半分を超えたのが目を引く。国債の償還や利払いに充てる国債費は21・5兆円である。

 一方の歳入面。税収は10年度当初より3兆円以上増えて40・9兆円と、40兆円台を回復する。

 だが、税外収入は、埋蔵金を必死にかき集めても7・2兆円にとどまる。結局、歳入の不足分は、当初予算として最も多かった10年度とほぼ同じ、44・3兆円もの国債を出して賄う。

 国債発行額が税収を超えるのは2年連続だ。歳入の国債依存度は48%にのぼる。この異常な事態を政府はどう捉えているのか。

 野田財務相は「国債発行の上限を44兆円とする目標は守られた」と強調する。確かにこの目標は、政府が今年6月にまとめた財政運営戦略に盛り込まれている。

 だが、過去最大の発行額を上限とすること自体がナンセンスだ。削減を目指すのが筋だろう。

 財政運営戦略には、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2020年度までに黒字化するという目標もある。

 これを財政再建の最終着地点とするなら、まず11年度予算で大きく改善の一歩を踏み出さねばならないが、最初からつまずいた。

 ◆消費税から逃げたツケ◆

 それも、菅内閣が消費税率の引き上げを先送りしたツケといえよう。菅首相は、6月の就任に当たり、消費税率引き上げの必要性を訴え、夏の参院選では税率10%に言及した。

 首相になる直前まで、財務相として国際会議などに出席し、財政再建の必要性に目覚めたからだろう。これは国の指導者として、当然の姿勢である。

 だが、発言に唐突感があったことなどで野党から批判され、民主党内からも「選挙対策上、マイナス」との反発を受けると、一気にトーンダウンした。参院選敗北後は、ほとんど触れなくなった。極めて遺憾である。

 予算編成の迷走に輪をかけたのが、民主党の政権公約(マニフェスト)へのこだわりだ。子ども手当の増額がその象徴といえる。

 子ども手当は現在、月1万3000円支給されている。政権公約では月2万6000円としているため、政府は満額に近づけようと、3歳未満を対象に月7000円増額する。必要な財源は来年度2100億円に上る。

 このほか、高速道路無料化や農家の戸別所得補償など、公約関連項目は、予算を上積みしている。財源がないというのに、理解しがたい対応である。

 政府は、これら増額分の財源確保などのため、高所得層への増税を決めた。これは問題だ。

 日本経済を支え、消費意欲も高い高所得層をねらい撃ちすれば、人材の海外流出などを招いて、逆効果になりかねない。こうした増税は撤回すべきである。

 一方、予算編成と同時に進められた社会保障改革では、高齢者医療や介護保険で、負担増を伴う改正が、軒並み退けられる見通しとなっている。

 来春の統一地方選を前に、有権者の反発を恐れて民主党の腰が引けてしまった。政権党として情けない限りだ。

 ◆マニフェスト見直しを◆

 11年度予算案の決定で、国と地方の長期債務は11年度末で891兆円と、国内総生産(GDP)の1・84倍に及ぶ見通しになった。財政破綻したギリシャなどよりはるかに悪い数値である。

 破綻を回避するには税収の確保が肝要だが、それには消費税率引き上げしか手がないのは、はっきりしている。社会保障財源の手当てでも頼りは消費税だ。

 民主党は政権公約で、税の無駄遣いを正せば、巨額な財源が捻出できるとしていた。それが画餅だったことは明白である。

 菅内閣は来年こそ、消費税率の引き上げを決断すべきだ。政権公約の誤りも正直に認め、大胆に見直す必要がある。

 この二つの懸案をクリアしなければ、いずれ財政は破綻し、国を誤ることになろう。

(2010年12月25日01時32分 読売新聞)


菅政権の予算案―先が見える政治へ決断を
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1

 財政悪化が一段と深みにはまってしまった。菅政権がきのう閣議決定した来年度の政府予算案は、異常な借金頼みが際立つものになった。

 民主党政権が初めて概算要求段階からつくり上げた予算案とはいえ、大枠は鳩山前政権下でつくった今年度予算とウリふたつだ。

 歳出総額は当初予算として過去最大の92兆円。税収はその半分にも満たない。穴を埋めるのは借金である国債発行と、特別会計の剰余金や積立金などのいわゆる「埋蔵金」である。

 昨年末に巨額の国債発行が許されたのは、世界的な経済危機を乗り切る「緊急避難」としてだった。危機が峠を越えてもこの膨張が続けば、将来が危ういのではないか。そんな疑問にすら答えていない。「未来予測が不能な政治」は不信と不安を生み、投資や消費を萎縮させ、デフレの加速要因とすらなってはいないだろうか。

 高齢化は今後も続き、社会保障予算は毎年1兆円超のペースで増える。その財源の裏付けはまったくない。社会保障の将来像が展望できずに、国民一人ひとりが安心な人生設計を描きようもない。「予測可能な政治」に変えることこそ、安心社会の礎としてまず必要ではないか。

 菅政権は、どんな「国のかたち」をめざすのか、国民に示し、問う必要がある。経済成長による税収増を別とすれば、構造的な財政赤字体質を改めるには3通りの選択肢しかない。大幅に歳出を削るか、大増税するか、あるいは両方の合わせ技か、だ。

 民主党は「歳出削減」の道を選び、ムダ減らしで9兆円余りの財源を捻出すると公約した。しかし昨年来の3次にわたる事業仕分けで見つかった財源は1兆円程度にすぎない。ムダ減らしだけで財政を立て直す路線は、とうに破綻(はたん)している。

 増税カードを加えなければ、財政再建の解がないのは明らかだ。菅直人首相が参院選前に「消費税10%」論に言及したのもそういう認識からだ。

 欧州財政危機が火種となって、各国財政の弱みを突く市場の動きが世界中で鋭く激しくなっている。日本国債も最近、価格下落の波に洗われた。

 国と地方の借金は国内総生産(GDP)の約2倍もあり、先進国で最悪。それでも日本国債の信用がかろうじてつなぎ留められてきたのは消費税率の引き上げ余地が大きかったからだ。

 とはいえ、増税できない政治状況が続けば、その信用はいつか崩れる。

 結局、消費増税を軸とする税制の抜本改革の道筋を早く示す、という基本に立ち返るしかない。それによって社会保障の未来を保証し、雇用を生むために政府がもっと力を発揮するのだということを国民に理解してもらう。それなしに問題は乗り越えられない。


社説:来年度予算 困難から逃げぬ政治を
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101225k0000m070124000c.html

 民主党政権による2度目の予算編成が終わった。初回の昨年は、政権交代が9月だった影響で、途中から指揮をとる異例の経緯をたどった。しかし今回は、初めて一から取り組めた予算である。果たして、「これでこそ政権交代の意味があった」と実感できる内容になっただろうか。

 残念ながら答えは「ノー」だ。2年連続で、借金である国債の発行額が税収見込みを超える異常さだ。財源の危うい綱渡りは今回も続き、埋蔵金をかき集めて何とかつじつまを合わせるパターンを繰り返した。

 ◇「要求大臣」復活

 しがらみにとらわれず、前例に縛られず、大胆に変革する原動力を与えてくれるのが政権交代のはずだ。1年前は、まだそうした変化を期待させる空気があった。省庁の壁を崩し、事業の重複を徹底的に排除し、国民の生活に重点を置いた予算に組み替える。各大臣は省益代表の「要求大臣」ではなく、政権の一員として担当分野の予算に無駄がないか目を光らせる「査定大臣」に変身する--。そんなかけ声が響いていた。

 1年がたち、どうだろう。かけ声さえほとんど耳にしなくなった気がする。閣僚は堂々たる要求大臣と化し、財務省と各省が折衝を重ねる、自民党政権時代の光景が復活した。

 例えば、農業の戸別所得補償制度。経営規模を拡大する農家には交付金を上乗せする「規模拡大加算」として100億円を計上することが、財務相と農相の折衝で決まった。しかし、日本の農業をどうしていくかという問題は、貿易の自由化や地方経済の活性化などとも密接に関係する。農林水産省だけの関心事ではないだろう。政権としての総合的な農業政策があってはじめて、具体的な予算も議論できる。それが、予算編成の最終段階になり、100億円の追加支出が2閣僚によってオマケのようにポンと決まった。

 昨年の教訓を生かそうという努力がなかったわけではない。省庁ごとの予算要求額に上限を設定する概算要求基準を復活させ、今年度予算比「1割削減」という目標を定めた。それに先立つ6月には、中長期の財政健全化目標と、その達成に向け、今守るべきルールを決めた。こうした歯止めがなかったら、予算規模はもっと膨らんでいたことだろう。

 しかしながら、財政の現状と、高齢人口の増加に伴い社会保障費が急増していくことを考えれば、十分な目標だとは決して言えまい。

 従来型の経費を1割削減する代わりに、政権公約に掲げた政策や成長戦略に沿った事業を「元気な日本復活特別枠」として別扱いする試みも不発に終わった。在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)など、一般枠で削った分を特別枠で復活させた例が目立ち、2.1兆円に膨らんだ特別枠の半分以上は政権公約とも成長戦略とも直接関係のない経費に回っている。歳出を本気で減らそうという意気込みが伝わらない。

 対照的といえるのが、今年5月に保守・自民両党による連立政権が誕生した英国だ。政権発足後、わずか数週間で来年1月からの付加価値税(日本の消費税に相当)増税と戦後最大の歳出削減方針を打ち出した。ギリシャ危機以降、財政状況の悪い国に対する債券市場の警戒が強まったからだ。国債が売りたたかれるような事態になってからでは遅い、と強硬策に乗り出したのである。

 財務相以下、予算見直しのための特別チームを作り、各省に4年間で25%歳出を削減した場合と40%削減した場合の二つのケースについて、想定される影響を予測するよう命じた。キャメロン首相の財政再建に対する真剣さを示すショック療法だ。

 結局、省庁平均で19%削減となったが、削減率が小幅だったものの教育関連や防衛関連予算も聖域扱いにならなかった。当然、反発は大きく、大規模なデモが起きたほか、政権の支持率も下落が続いている。しかし、それは痛みを伴う政策を実行している証しと見ることもできよう。国の経済規模に対する借金残高の比率が、日本の半分以下の国がそれだけの努力をしているのである。

 反発を恐れ、困難な決断から逃げているようでは、将来世代へのツケが膨らむ一方だ。基礎年金の国庫負担比率2分の1を維持するために必要な財源は、増税や経費削減で捻出することができず、結局、埋蔵金の寄せ集めでしのいだ。本来なら財政赤字の縮小に充てるべき“貯金”を取り崩したと言える。しかしこの手も来年以降は使えない。恒久的な財源を見つけなければ、さらに借金でやりくりしなければならなくなる。

 ◇熟議の予算委に

 政権らしい政策を新たに打ち出そうにも、毎年44兆円もの借金が必要な状況下では、身動きがとれないこともあらためて明らかになった。消費税など安定した財源を拡充し、抜本から予算を変えるには、与党内の結束はもとより、野党との問題意識の共有が欠かせない。

 予算案は来年1月召集の通常国会で議論される。予算委員会は本来、予算を熟議する場だ。財政の正常化につながるような、生産的な議論を強く願う。2011年を、日本の政治家もついに目覚めたか、と国民に評価される年にしてほしい。

毎日新聞 2010年12月25日 2時30分

From A Distance2010/12/25 10:33




<ユーチューブのコメント>
I made this video with the help of the Spirit of God. It's to show the world from a distance- a different view. It shows the beauty, and also the sadness. A beautiful song, and a beautfiul world God created, but we taint that world with our humanistic nature and tendencies. Showing love and peace can make this world better and that honors our Creator. *Although the song says God is watching us from a distance, He is actually here with us all the time!