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ギリシャに学ぶロゴフとブイターの影響力2009/12/10 09:08

ブルームバーグテレビジョンとのインタビューに答えるウィレム・ブイター


本ブログが特に注目してきたのはケネス・ロゴフとウィレム・ブイター。

ロゴフとカーメン・ラインハートの共著「THIS TIME IS DIFFERENT:Eight Centuries of Financial Folly(今回は違う、金融愚行の800年)」が世界中で話題を集めている。

そして、ブイターはシティグループのチーフ・エコノミストへ。

ロゴフが脆弱だと警告したEU6カ国は、ギリシャ、アイルランド、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー。

ウィレム・ブイターは、アイスランド、アイルランド、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ポルトガル、スペイン、日本、フランス、英国、そして米国の名をあげた。
そして、日本の財務大臣にはなりたくないとの言葉を残して英フィナンシャル・タイムズを去っていく。

この二人の言葉を受けて、今ギリシャが大ピンチ。
ギリシャに続くのはやはりアイルランドとなるのか。

それでは危機のピークはどこにある?
おそらくそれはチャイナ・バブルが弾ける時。

中国はバブルを防げなかった日本や米国とは違うのか?
おそらくロゴフは「中国が愚行に走らない保証などない」とクールに答えるだろう。

COP15に象徴されるように、生き残りをかけた壮絶な潰し合いも始まっている。
はたして日本は備えができているのだろうか。


<関連記事引用>

歴史は繰り返す(ウォール街ラウンドアップ)
2009/11/21日本経済新聞夕刊

 20日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は小幅に3日続落した。前日に続き投資家のリスク回避の動きが強まったことで、原油相場が下落。株式相場も石油株が先導して軟調に推移した。

 一方、債券相場では長期債が売られた。10年物国債利回りは前日比0・04%高い(価格は安い)3・37%に上昇。来週に7年債などの入札を控え、需給悪化の懸念が背景にあるとの見方が多かった。

 代わって資金が集まっているのが短期債。2年物国債利回りは、朝方に0・66%と昨年12月中旬以来の水準まで低下。10年債との金利差は20年ぶりの水準だ。3カ月物の米財務省証券は前日に続いて買われ、一時マイナス金利を付ける場面があった。

 ハーバード大のケネス・ロゴフ教授は「金融危機の後にはこうした現象が典型的にみられる」と指摘する。大幅な金融緩和で短期金利は下がり、巨額の財政出動で長期債の需給は悪化する。その後は、インフレ懸念が強まるにつれ、通常の国債から物価連動債へと需要がシフトしてゆくのがセオリーだ。

 ロゴフ教授らが過去800年の金融史を調べた研究によると、政府債務が持続不可能なレベルに達した国家は急激な金利上昇に見舞われ、高い確率でデフォルト(債務不履行)か高インフレによる実質的な借金棒引きに追い込まれる。

 歴史上、多くの主要国が何度もこのコースをたどり、例えばスペインは過去に13回デフォルトを起こした。国家のデフォルトは決して珍しい出来事ではなく、むしろ「周期的に頻発する現象」である。

 足元では、日米など先進国の国債の貸し倒れリスクを保証する信用デリバティブの価格がじりじりと切り上がっている。現実的なデフォルトのリスクを示唆する水準にはまだ遠いが、「絵空事」の世界から「あり得べき事態」へと一歩一歩近づいてきた。

 ロゴフ教授らは今年、研究をまとめた著書を出版した。題名は「今回は違う」。歴史を無視し、現実から目を背ける時にはいつもこの言葉がささやかれてきたという戒めの意味を込めた。

(ニューヨーク=財満大介)


ギリシャはデフォルトの恐れ、EU加盟国で初-元英中銀委員
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aGLrTx6hW1Mc

12月9日(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の元委員、ウィレム・ブイター氏は、ギリシャが欧州連合(EU)加盟国として初めて国債デフォルト(債務不履行)に陥る可能性があるとの見方を示した。

同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ギリシャは、真夜中まであと5分といったところだ。EU主要15カ国の中では、1948年のドイツ以来で初のデフォルトとなる恐れがある」と述べた。

<関連記事>

▼This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly
www.foreignpolicy.com/articles/2009/12/03/this_time_is_different

Carmen Reinhart and Kenneth Rogoff know financial crises. In the preamble to their book, recommended by FP Big Thinkers Willem Buiter and Mohamed El-Erian, the two trace back the history of how, with each shock and economic trouble, the world believes that this time is different. It's not.

Former BOE Official Buiter Says Greece May Be First EU Default
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aDMQfsXXnSqw&pos=2

Buiter Says `It's Five Minutes to Midnight for Greece'(画像引用)
http://www.youtube.com/watch?v=Vf2hdzozjj8

Greece downgraded over high debt
http://www.ft.com/cms/s/0/2763a1d6-e3fc-11de-b2a9-00144feab49a.html

FT Alphaville » Greece is the word…
http://ftalphaville.ft.com/blog/2009/12/09/87886/greece-is-the-word/

The biggest threat for 2010 – countries going bust
http://www.moneyweek.com/news-and-charts/economics/the-biggest-threat-for-2010---countries-going-bust.aspx

シティグループがウィレム・ブイターをチーフ・エコノミストに起用した理由を考えると怖くなる
※リンク先の記事は必読!
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/12/01/4731050

コメント

_ Blondy ― 2009/12/11 05:21

ロゴフとブイターなんてなんとも通な組み合わせw 

ブイタ―の日本の財務大臣にはなりたくない発言を押さえて
日本語メディアで知らせているのは園田さんところだけでしょう。

もう手の施しようがない、ご臨終ですと言われたようなもの。
長短金利差も開いてそろそろ日本株も南向きかも。

デフォルトに関しては、ファーバーは、各国とも当面はQEで乗り切るので、国債や社債のデフォルトが本格化するのは半年~一年後というタイミングだと読んでますね。 

また、チャイナ・バブルが弾けるまでに、ジム・ロジャースはあと2~3 年の時間はあると見ていて、ファーガソンは経済だけでなくて他の心配もしてますね。


Marc Faber On Bloomberg 12-1-09 on sovereign debt default : American & Greek
http://www.youtube.com/watch?v=57-yb8wN2nA


Attention Anthony Bolton
Posted by Neil Hume on Dec 10 2009 FT/Alphaville
http://ftalphaville.ft.com/blog/2009/12/10/88276/attention-anthony-bolton/

The China Bubble
Gady Epstein, 12.10.09,
Forbes Magazine dated December 28, 2009
http://www.forbes.com/forbes/2009/1228/economy-ponzi-debt-peking-china-bubble.html
Jim Rogers on the China Bubble
http://www.youtube.com/watch?v=J529-EMTDcg


Ferguson on China: GDP, Nationalism, and the Internet
http://www.youtube.com/watch?v=UyhmhutuLAE

_ Y-SONODA ― 2009/12/11 10:07

Blondyさんへ

チャイナ・バブルについては正直自信がないのです。
今までも何度かそういう局面があった。それでも中国は無難に乗り切ってきた。
ひょっとして中共はバブルでさえうまくコントロールできるのではないか(にくたらしー)
そのために日本や米国を研究しまくっているのではないか。
それでも弾けそうになった場合は中国国内だけは必死に守ろうとするのではないか。
そのとき世界はどうなっちゃうの?(ちょーこわーい!)
ここまでくると日本人学者はおそらくお手上げ。
ロゴフとかブイターとかファーガソンあたりを日本に招いて聞き出して欲しいものです。

_ とおる ― 2009/12/11 13:19

ジム・ロジャースが吠えてます。
中国を推奨しているにも関わらず、中国に住まずに、シンガポールに住んでいるのは、なかなかです。

http://blog.nikkeibp.co.jp/money/gold/toshima/2009/12/fx_1.html
http://www.cnbc.com/id/15840232?video=1355548632

_ Blondy ― 2009/12/11 17:13


園田さんへ

チャイナついては、金融自由化と元安是正を先延ばしにして金融面の舵取りを上手くやれば目先は成長路線を続けられるとしても、巨大な人口が経済成長を果たして、生活水準を維持・向上させ続けようとすれば、必要とされるエネルギーと資源が壮大な規模となるので、中期的には資源・エネルギー制約の壁に直面し、成長期待が剥げてバブル部分は調整されるのではないでしょうか。

あと、中国の統計の正確性には定評がありますが、最近は日本の経産省や日経もそれにあやかるべく相当がんばっているようですw 
これについては、21世紀中国総研の中村 公省氏の分析が秀逸です。

2008年中国の省レベル一人当たりGDP異聞
―日本経済新聞「ゼミナール」と『通商白書』2009年版への疑問―
21世紀中国総研 中村 公省氏
http://www.21ccs.jp/china_watching/KeyNumber_NAKAMURA/Key_number_53.html


バブルについては、法人・個人の投資先が国内の株と不動産に集中しているのでどうしてもこのセクターでバブルが起きやすい体質ですね。


【その他資料等】

地方でGDP水増し横行、元凶は政府幹部の評価法
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0808&f=business_0808_004.shtml

中国“統計の怪”…地方別GDP合計、全国値19兆円超過
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0803&f=business_0803_068.shtml


[PDF] 中国 31 省・行政区別での 2030 年長期エネルギー需給予測
http://eneken.ieej.or.jp/data/pdf/1265.pdf

中国都市部の住宅事情と消費者意識
財団法人自治体国際化協会
http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/jimusyo/192PEKIN/index.html

ダイヤモンドオンライン ChinaReport中国は今

住宅ローンの焦げ付き急増!?  でも「借金は踏み倒す」が中国

http://diamond.jp/series/china_report/10013/

不動産価格高騰がもたらす上海社会のマイナススパイラル
http://diamond.jp/series/china_report/10036/




とおるさんへ

ジム・ロジャースさんの情報ありがとうございました。このCNBC見逃してたのでたすかりましたw

彼は娘さん(5歳と3歳)の中国語習得のために中国に住もうと上海や香港をあたりましたが、大気汚染がひどいのでシンガポールにしたと言ってました。

_ Blondy ― 2009/12/12 09:53

追伸

FTでも紹介されましたが、PIVOTは来年1Qには市場は中国の成長懸念で動揺する可能性が高いと言ってます。

PIVOT Capital Management
China’s Investment Boom: the Great Leap into the Unknown
http://www.pivotcapital.com/reports/Chinas_Investment_Boom_the_Great_Leap_into_the_Unknown.pdf

_ Y-SONODA ― 2009/12/12 16:00

★とおるさんへ

ジム・ロジャースはヘッジファンド界のトリックスターではないかとw
直感で生きているような感じがする。
この直感がたまに大当たりするからすごいですね。
何のためにチャイナ・バブルを膨らまそうとするのか。
このあたりの視点が重要かも。

★Blondyさんへ

>中国の統計の正確性には定評

ぎゃははは、そういえばCFRの連中も相当疑っていますね。
しかし、数字のトリックによるバブル封じもあるかも。
それに今頃ドバイに人を送り込んでさらに高度な「借金踏み倒し」作戦を学んでいるかもしれませんね。
それにしてもPIVOTの記事はさすがー。
紹介いただいたフォーブスの記事も妙に気になってきました。

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