天皇皇后両陛下と新渡戸稲造、カナダの地にて (猿田彦さんより) ― 2009/07/09 00:00
天皇皇后両陛下がブリティッシュ・コロンビア大学構内にある新渡戸記念公園をご訪問されるとのこと。
そこには「太平洋の架け橋とならん」と刻まれた新渡戸博士の石碑があることを知る人は少ない(画像上)。
「国を思ひ世を憂ふればこそ何事も忍ぶ心は神ぞ知るらん」
その晩年にこう詠んだ新渡戸博士と昭和天皇の心の交流を、今上陛下はきっとご存知なのでしょう。
沖縄へ、サイパンへ、慰霊の旅を続けられる両陛下のお心は、こんなところにも現れておられるのです(画像下ーサイパン)。
しかしながら田母神俊雄氏をはじめとする右よりの方々の言動、行動を見ていると、まさに「親の心子知らず」と言わねばならない。上のような両陛下のお心をきめ細かく学ぼうとする意識はないようにみえるのである。
その様相は、明治維新以降天皇を現人神と奉る一方で、影では天皇を「玉」と呼んでいた心根に相通ずるものがある。その浅薄さが、維新から敗戦までわずか77年という短い間に大きな戦争をいくつも起こすという結果に繋がっていよう。
長い日本の歴史の中でこの77年は極めて異例な状態であったと言わねばならない。日本という国の本来のあり方を深く考えもせず、浅薄な国際関係に流されてしまった結果、危うく国を損なうようなことになったのではないか。
心を鎮めてそのことに思いを致すことが必要である。
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