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豚に群がるメディアの免疫力2009/05/01 00:00

英BBC:Outbreak map: How flu is spreading


最新の英BBCマップを貼り付けておきます。

ここでメキシコの数値に注目。

▼昨日、本ブログに貼り付けたBBCマップの数値

新型インフルエンザによる死亡が確認された人数・・・7人
新型インフルエンザによる感染が確認された人数・・・26人(死亡者含む)

この数値は世界保健機関(WHO)発表数値と一致します。

Swine influenza - update 5
http://www.who.int/csr/don/2009_04_29/en/index.html

29 April 2009 -- The situation continues to evolve rapidly. As of 18:00 GMT, 29 April 2009, nine countries have officially reported 148 cases of swine influenza A/H1N1 infection. The United States Government has reported 91 laboratory confirmed human cases, with one death. Mexico has reported 26 confirmed human cases of infection including seven deaths.


メキシコの死者が150人を突破していると思っている方も多いはず。

ロイターも本日4月30日16時1分配信記事でこう書いています。
「メキシコでは豚インフルエンザの感染が原因とみられる死者が159人に増えた」

ところが、29日にWHOが発表した死亡者は7人。
BBC最新マップでようやく8人。

この差はなぁに?

私はこれまで毎日BBCマップをチェックしてきました。
これはどうも変だと。

おそらくメキシコ政府が発表している数値は信憑性に欠けるのではないかと。
きっとメキシコ政府は通常と新型(豚)との区別ができていない。

いや、むしろ、メキシコ政府は意図的に煽っている可能性もある。
その意図とは・・・あれとこれか。

毎日新聞が一部を種明かし。
また、‘良識ある’記事もあわせて引用させていただきます。

やはり、今の時代、表と裏を見抜く能力が試されているということ。
見抜く能力がなかった世界中の記者たちはメキシコ政府に振り回されて今や大混乱。

毎回毎回ウイルスに群がるメディアの免疫力を問いたい。
むしろ、こちらの方が大問題なのかもしれません。


<関連記事引用>

▼新型インフルエンザ:メキシコ、死者7人に修正
2009/04/30毎日新聞朝刊3ページ

 ◇「20人」を撤回、152人に「疑い」

 【メキシコ市・庭田学】メキシコで新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)による死亡が確認された人数について同国のコルドバ保健相は28日、これまで発表していた20人から7人へと下方修正した。新型ウイルス感染が確認されたのは死亡者7人を含め26人。他に152人が死亡した疑いがもたれているが、新型インフルエンザウイルスではない細菌などを原因とする「異型肺炎」の可能性も含めて調査を進めているという。

 これまで、メキシコ政府が独自に死者数を公表してきたが、世界保健機関(WHO)が発表している感染者26人、うち死者7人という統計にメキシコ政府が合わせた格好だ。

 感染が確定した死亡者7人は、いずれもメキシコ市の患者。これまで感染確定死亡者とされていた他の13人については、再度検査をしているという。

 メキシコ政府によると、新型インフルエンザの感染が疑われる重い肺炎患者は同日現在2498人。入院しているのは1311人。


▼通常のインフルエンザ、死者は年間3万6000人と 米国
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200904300020.html

(CNN) 世界中で感染拡大が判明する豚インフルエンザへの警戒が強まる中、米国では冬季に流行する通常の季節性インフルエンザでも年間3万6000人が死亡している実態を認識するべきだと、専門家が呼び掛けている。

ニューヨーク市ブロンクスにあるモンテフィオーレ医療センターのブライアン・キュリー博士によると、米国では毎年平均して約3万6000人が、通常のインフルエンザにより死亡。全世界ではその数は、推定で25─50万人に達するという。

また、死亡者の9割が65歳以上の高齢者で、インフルエンザをきっかけに持病が悪化しており、通常のインフルエンザが非難されるべきだと指摘している。

米疾病対策センター(CDC)の統計によると、通常のインフルエンザから引き起こされた合併症などによる死者は今年1月からだけで、1万3000人を超えている。また、1月1日から4月18日までの統計では、インフルエンザ関連の死者数が800人を下回った週はない。

キュリー博士は、多くの人々の死亡診断書には直接、インフルエンザとは書かれていないが、インフルエンザが死に関係していることは間違いないと話している。

豚インフルエンザの感染状況を確認しているロサンゼルス郡保健局のジョナサン・フィールディング博士も、「心配されるべき状態だが、過剰に警戒するほどでもない」「ロサンゼルス郡の面積や、メキシコ間での移動人数を考えれば、感染例がない方が驚きだ」と述べ、平静を保つよう呼び掛けている。

フィールディング博士によれば、CDCは同郡で28日までに、豚インフルエンザ感染例を10件確認しているが、通常のインフルエンザに関連した死者数は年間1000人を超えていると指摘。「もしも豚インフルエンザによる死者がでたとしても驚かない。通常の季節性のインフルエンザに近いパターンで広まっていると考えられる」と話している。

Regular flu has killed thousands since January(原文記事)
April 28, 2009 -- Updated 2258 GMT (0658 HKT)
By Doug Gross
http://edition.cnn.com/2009/HEALTH/04/28/regular.flu/?iref=mpstoryview


▼新型インフル:ほとんど軽症…投薬せずに回復 感染研推定
http://mainichi.jp/select/science/news/20090501k0000m040128000c.html

 国立感染症研究所は30日、今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)による感染者数の状況を推定した。感染者数が今後増加しても、多くが軽症ですみ重症例は少ない可能性が高いとしている。

 同研究所の岡部信彦・感染症情報センター長らは4月29日深夜、米疾病対策センター(CDC)やメキシコ、カナダ、イギリスなどによる世界保健機関(WHO)の電話会議に参加。米国ではほとんどの感染者が軽症で、毎年流行するインフルエンザと同じ気道症状にとどまり、タミフルなどの治療薬を投与しなくても回復しているという。また、メキシコの重症患者は、10代から特に50代が中心で、薬による免疫低下や体力が弱まっていることなどが原因とみられるという。

 一方、ウイルスの性質について、米国の疫学調査から弱毒性と判断した。これらから、今後、軽症者が増加しても死者や重症者は一定数にとどまると推測。日本では感染者が確認されておらず、メキシコと米国での重症者と軽症者の現状と、今後の状況を推測するグラフも公表した。

 岡部センター長は「牙をむいたような致死性の高いウイルスが国内に飛び込んでくるのとは違う。だが、過去の新型は罹患(りかん)率20~40%で、季節性を超える規模のインフルエンザがやって来るかもしれない」と対策を求めた。【関東晋慈】

<関連記事>

BBC NEWS Americas Swine flu mapping the outbreak(画像引用)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8021547.stm

豚インフルの最初の死者、複数の病院で原因分からず
2009年 04月 30日 16:01 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-37791820090430
メキシコでは豚インフルエンザの感染が原因とみられる死者が159人

WHO、新型インフルに警戒度「5」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090430-OYT8T00728.htm
メキシコの死者は疑い例を含めて176人

メキシコ、政府業務停止へ 新型インフル「民間も一時休業を」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090430AT2M3002W30042009.html
メキシコ政府は同日、メキシコでの新型インフルエンザによる死者数が176人に達したことを明らかにした。

クライスラー・モデルはGM・トヨタへ?2009/05/01 08:31





オバマはクライスラーが連邦破産法11条の適用を申請し、フィアットと提携すると発表。
本ブログではすでにクライスラー破綻は織込み済み。
私が「クライスラーはフィアットで大丈夫なのでしょうか?」と指摘したことも覚えておいてくださいね。

クライスラー・モデルはGM(ゼネラル・モーターズ)にも適用されるのでしょうか。
その場合、GMを救えるのはトヨタしかない。

トヨタ周辺の動きが慌ただしくなってきました。
はたしてトヨタは逃げ切ることができるのでしょうか。


<関連記事>

米自動車メーカーへの追加支援反対が7割突破
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/03/22/4196586
GM破綻を覚悟している米国人
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/12/02/3988007
恐竜4匹のラスト・クリスマス
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/29/3981573


トヨタ:オバマ直属の自動車作業部会と会合へ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/03/05/4152759
「GM・ホラー・ショー/The GM horror show」に怯えるトヨタ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/03/06/4156324

新型インフル騒動と地球温暖化の手口が似ていると書いた理由2009/05/02 09:08

ロシュ→フランツ・フーマー←WBCSD


簡単に書くとこうなります。

タミフルのロシュ→ フランツ・フーマー ←地球に優しいWBCSD

WBCSD=
The World Business Council for Sustainable Development
持続可能な発展のための世界経済人会議


<関連記事>

FTに見る豚インフル活用のビジネス戦略
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/30/4276068
WBCSDに関する過去の私のコラム
http://www.yorozubp.com/0105/010520.htm
http://www.yorozubp.com/0106/010628.htm

<画像引用>

Franz Humer
http://www.nndb.com/people/044/000163552/

Key Projects - Energy & Climate (WBCSD)
http://www.wbcsd.ch/templates/TemplateWBCSD5/layout.asp?type=p&MenuId=NjY&doOpen=1&ClickMenu=LeftMenu

<WBCSDの活動内容とフルメンバーリストが見たい方はこちらをどうぞ>

WBCSD Annual Review 2008
http://www.wbcsd.org/DocRoot/gUpFO6N8whsB1rFquh4k/rapport_annuel_08.pdf

東京電力に関西電力、中部電力も出てくるよ

メキシコ、少量の麻薬所持合法化へ2009/05/02 20:33

英BBC:新型インフルマップ(5月2日)


5月2日世界保健機関(WHO)発表のメキシコの数値。
(英BBCマップもWHO数値反映)

インフルエンザA型(H1N1)による死亡が確認された人数・・・16人
インフルエンザA型(H1N1)による感染が確認された人数・・・397人(死者含む)

5月1日から感染者が大幅増加。
とはいえ、インフルエンザA型(日本では新型インフル)の感染が確認された死者は16人。

一方でメキシコの麻薬カルテルの縄張り争いによる死者は今年だけで約2000人。

16人と2000人。
なぜか話題は今なお16人に集中。

4月16日にはオバマ米大統領がメキシコを訪問。
カルデロン大統領との会談でメキシコ政府の麻薬組織撲滅作戦を全面支援する意向を表明したばかり。

その2週間後になんとメキシコ議会は少量の麻薬所持を合法化する法案を可決。
5グラムまでのマリファナ、500ミリグラムまでのコカイン、
それに少量のヘロインやメタンフェタミンの持ち運びが合法化。

今メキシコに必要なのはインフルエンザA型用のドラッグだと思いますが・・・。

これはいったいどういうこと?


<関連記事>

Mexico passes bill on small-scale drugs possession
Fri May 1, 2009 8:39pm EDT
http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSN01336313?sp=true

MEXICO CITY, May 1 (Reuters) - Mexico's Congress has passed a bill decriminalizing the possession of small amounts of drugs, from marijuana to methamphetamine, as President Felipe Calderon tries to focus on catching traffickers.

The bill, proposed by Calderon after an attempt by the previous government at a similar bill came under fire in the United States, would make it legal to carry up to 5 grams (0.18 ounces) of marijuana, 500 milligrams (0.018 ounces) of cocaine and tiny quantities heroin and methamphetamines.

The lower house of deputies passed the bill late on Thursday. It already has been approved by the Senate and is expected to be signed into law by Calderon in the days ahead.

Mexico's Congress passed a similar proposal in 2006 but the bill was vetoed by Calderon's predecessor, Vicente Fox, after Washington said it would increase drug abuse.

The United States recently pledged stronger backing for Calderon's army-led war on drug cartels, whose turf wars have killed some 2,000 people so far this year in Mexico, as the drug violence is starting to seep over the border.

The new bill also allows Mexican states to convict small-time drug dealers, no longer making it a federal crime to peddle narcotics, a move that should speed up those cases.

U.S. President Barack Obama praised Calderon's drug war efforts in a visit to Mexico last month and promised more agents and southbound border controls to curb the flow of guns and cash to the cartels.

米ストレステスト公表直前情報:シティは資本調達1兆円必要か2009/05/02 23:18

米WSJ:米シティグループ「資本調達1兆円必要」


米大手銀行19行を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果は5月7日午後に公表。
はたしてどこまで公開されるのでしょうか。

これに先立ち米ウォールストリート・ジャーナルは複数の関係者の話を匿名でスクープ。
米金融当局がシティグループに対し最大で100億ドル規模の資本増強を求める可能性があるとのこと。

昨年金融危機発生直後の9月15日の本ブログの「ウォール・ストリート・メルトダウン」で、
「まさか、次はあそこの銀行だったりして」などと書いたのですが、
これはまさにシティグループのことを指していたのです。

シティはリテールを強化してきたのですが、これが裏目に出ると思った。

「シティが潰れて困る民衆はいても、困る大企業やエスタブリッシュメントはいない」

このあたりでJPモルガン・チェースとの大きな違いがあるのではないかと。

この違いがストレステストの結果にも反映されると予測しています。


<関連記事>

MAY 2, 2009
Citi Said to Need Up to $10 Billion
Bank Disputes 'Stress Test' Result; U.S. to Let Lenders Convert Loans to Common
By DAVID ENRICH and DAMIAN PALETTA
http://online.wsj.com/article/SB124118983425877399.html

米シティ「資本調達1兆円必要」 米紙報道、健全性審査受け
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090502AT2M0201602052009.html

▼この記事に注目!

米銀の黒字決算が「うまく作り上げた」とされるこれだけの理由
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10069/

「豚ファイター」で空飛ぶ豚をやっつけろ!2009/05/02 23:57

heyzap.com - embed games


Swinefighter - The Swine Flu Game - Beat the Virus!
http://www.swinefighter.com/

新型インフルで日本メディアも総懺悔2009/05/03 15:03

新型インフルで日本メディアも総懺悔へ


4月30日午後のこと。
私は「国内外のニュースや写真、記事関連のデータを全国の新聞社、NHK、民間放送局を中心に提供・配信する非営利の通信社」に在籍する知り合いに電話しました。

まず、私の4月29日付ブログ記事を紹介。
4月29日時点の英BBCマップではメキシコの死者は7人になっている。
これは世界保健機関(WHO)発表数値と一致する。
しかもBBCマップは公開当初(26日か27日)からWHOの慎重数値でした。

それにも関わらず、
日本のメディア各社はメキシコ政府の発表を鵜呑みにして死者176人などと伝えている。
これはどう考えてもおかしいのではないかと。
危機を煽っているとしか思えないと。

その知り合いは同僚に内容を伝えたそうですが、
「そんな少ないはずがない」と一笑に付されたとのこと。

あのね。報道に携わっている者なら真っ先にWHOのサイトをチェックしようよ。
次に見るべきニュースサイトの中で、英BBCは5本の指に入るはず。
こんな基本的なこともできないのなら、報道に携わらないで欲しい。

これが日本メディアの現状。
下記引用の記事からもメキシコ政府の発表をそのまま垂れ流していた読売新聞さんの反省の弁は聞こえてきません。


<WHO発表のメキシコ数値(感染者には死者含む)の推移>

27 April 2009
Swine influenza - update 3
http://www.who.int/csr/don/2009_04_27/en/index.html
死者7人、感染者26人

28 April 2009
Swine influenza - update 4
http://www.who.int/csr/don/2009_04_28/en/index.html
死者7人、感染者26人

29 April 2009
Influenza A(H1N1) - update 5
http://www.who.int/csr/don/2009_04_29/en/index.html
死者7人、感染者26人

30 April 2009
Influenza A(H1N1) - update 6
http://www.who.int/csr/don/2009_04_30_a/en/index.html
死者7人、感染者97人

1 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 7
http://www.who.int/csr/don/2009_05_01/en/index.html
死者9人、感染者156人

1 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 8.1
http://www.who.int/csr/don/2009_05_01a/en/index.html
死者9人、感染者156人

2 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 9
http://www.who.int/csr/don/2009_05_02/en/index.html
死者16人、感染者397人

2 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 10
http://www.who.int/csr/don/2009_05_02a/en/index.html
死者16人、感染者397人


<引用記事>

メキシコの死者数下方修正、外国医師団頼りの確認が原因
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090503-OYT1T00110.htm?from=navr

 【リオデジャネイロ=小寺以作】メキシコ政府が、新型インフルエンザ感染による死者数をたびたび下方修正しているのは、検査体制の不備により、最終確認を外国医師団に頼っていることが原因で、今後もこうしたトラブルが続きそうだ。


 コルドバ保健相は1日の記者会見で4月以降、同日までに感染が疑われる死者数は101人(感染による死亡が確認されたのはうち16人)と発表した。

 それまでの発表では176人としていたが、「一部は動脈りゅう破裂や肝硬変など、死因は別の病気だった」として下方修正した。

 下方修正は4月28日に続いて2度目。この時は、それまで20人としていた感染確認済みの死者数を7人と半分以下に減らし、「残る13人については再検査を行っている」と釈明した。

 これは27日に世界保健機関(WHO)が死者数を7人と発表したことを受け、急きょ、見直し始めたとみられる。メキシコ政府は当初、ウイルスの検出を米国やカナダの検査機関に頼ったが、確認作業は現在も外国から派遣された医師団に頼っているのが現状だ。

 30日以降は、外国の医師団の支援で国内5か所に試験所を増設、確認作業のペースを上げているが、正確な死者数を突き止められる可能性は低い。

 感染が広がっていた当初、何人もの患者が、季節性インフルエンザや風邪と「誤診」され、検体も取らないまま、埋葬されたからだ。同国内では政府の初期対応を巡っても非難の声が上がっている。

(2009年5月3日01時26分 読売新聞)


<関連記事>

豚インフル:米国初の死者はテキサスの幼児
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/29/4275612

FTに見る豚インフル活用のビジネス戦略
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/30/4276068

豚に群がるメディアの免疫力
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/01/4278031

新型インフル騒動と地球温暖化の手口が似ていると書いた理由
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/02/4282169

メキシコ、少量の麻薬所持合法化へ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/02/4282917

米ストレステスト公表直前情報:「負債評価益」ってなぁに?2009/05/04 09:07

fas159

5月4日時点で「負債評価益」が新聞に登場したのは下記3記事のみ。
いずれも日経新聞です。

ネットでもさまざまな情報が飛び交っていますが、
適切な解説と呼べるようなものはまだ見当たらないといった感じでしょうか。


<「負債評価益」記事引用>

米大手金融6社、純利益1.2兆円――「負債評価益」利益かさ上げ。
2009/04/23日本経済新聞朝刊

シティなど3社で5200億円 本業の収益力反映せず

 好転が伝えられる米大手銀行の一―三月期決算を巡り、特殊な会計処理の結果生じる「負債評価益」という項目が、各社の利益水準を大幅にかさ上げしているとの指摘が金融専門家の間で出ている。シティグループなど大手三社が計上した同評価益は計五十三億ドル(約五千二百億円)と、三社の純利益の六七%に達する。合法だが本業の収益力を反映しないため「財務の実態が見えにくくなる」との批判がある。

 各社の決算資料によると、特に金額が大きいのがシティ(二十七億ドル)とバンク・オブ・アメリカ(二十二億ドル)。仮にこの評価益がなければシティは十一億ドルの最終赤字に、バンカメも利益が半減していた計算だ。JPモルガン・チェースの評価益は四億ドルだった。

 負債評価益とは、社債など企業の負債の市場価値(時価)が下落した場合に、企業から債権者への支払い義務も同時に減少したとみなしてその分を利益に計上するもの。米会計基準「FAS159」がこうした処理を認めているが、米銀がこれだけ多額の負債評価益を計上したのは今回の決算が初めてという。

 一―三月期は信用不安の高まりで米金融機関の株価や社債価格が急落。シティは社債関連で約二億ドル、デリバティブ(金融派生商品)関連の負債に絡んで約二十五億ドルの評価益を計上した。自社の信用度が下がれば会計上は逆に利益が積み上がる仕組みで、本業の好調を映したとはいえない。

 専門家の間では「合法とはいえ会計処理が決算にこれだけ大きな影響を与えると銀行の収益力が読みづらくなる。決算内容への不信を招きかねない」(藤岡宏明・大和証券SMBCクレジットアナリスト)との声が上がっている。
(国際部 森安圭一郎)


FRB、資産査定結果通知、「問題行」に資本増強圧力、2年先の健全性要求。
2009/04/26日本経済新聞朝刊

抜本的なリストラも

 【ニューヨーク=松浦肇】米連邦準備理事会(FRB)など米金融当局が米大手金融機関十九行に実施した資産査定(ストレステスト)を受け、米金融機関は今後追加的な資本拡充策が必要となる可能性が出てきた。資本不足を指摘された金融機関は身売りや部門売却など抜本的なリストラを迫られる。十九行は全米の銀行が抱える資産の三分の二、融資残高で半分を占めるだけに、結果次第で大手銀の経営が混乱すれば、米景気全体に影響を与える可能性がある。

 ストレステストの結果は二十四日から各行へ通知され始めたもよう。FRBは「(経済・金融情勢の悪化で)いくつかの銀行の資本が著しく減少した」とすると同時に「損失が想定より膨らむ場合に備え、追加の自己資本を手当てするのが賢明だ」と指摘した。結果は来月四日にも公表される見通しだ。

 米銀は通常、融資先が元利金払いを遅延したといった事実の発生に伴って、融資の焦げ付きリスクを引き当てる格好で貸倒引当金を積み増す。米政府は証券化商品など流動性の低い金融商品への時価会計の適用を一部緩和したが、もともと融資に関しては時価会計は適用されていない。

 しかし、今回のストレステストは現時点での融資の健全性でなく、二年先の経済シナリオに応じて融資など保有資産の損失可能性を計算させる「先読み型」。今後二年間で計上するはずの貸倒引当金を事実上の含み損としてカウントし、十分な資本増強を求める点で従来の会計原則より厳しい資産査定となる。

 米政府は「金融機関は景気回復の妨げになるのではなく、(逆に)信用供与への資金流入など景気回復の手助けをしなければならない」(ガイトナー米財務長官)。単に経営破綻を回避できる基礎体力だけでなく、融資を拡大するなど、有効需要創出に貢献できる余力をストレステストの対象となる米大手金融機関に求めている。

 一―三月期決算ではシティグループ、バンク・オブ・アメリカなど米大手金融機関六社のうち、モルガン・スタンレーを除く五行が黒字となった。だが、ウェルズ・ファーゴなど時価会計の一部適用緩和や負債評価益など特殊要因の恩恵を受けて収益をかさあげした例も目立った。

 各行で住宅だけでなくカード、消費者、商業用不動産などの多様なローン債権で貸倒引当金が急増している。シティ、バンカメなど大手四行が今年一―三月期決算で計上した貸倒引当金の合計額は約三百七十億ドルと前年同期の倍の水準。今後二年間も景気低迷が続くならば、収益源の拡充か、予想される貸倒引当金計上の増加に備えた資本強化が必要となる。

 市場では、全米の金融機関で数千億ドル規模の資本不足を予想する向きもある。大手銀は追加増資が必要ないことが判明する「健全行」、増資が必要となる「懸念行」、株価急落などで増資が困難となり事業の統廃合や債務整理などの抜本的なリストラを迫られる「問題行」といったように分類され、今後選別色が強まるとの見方が多い。

 結果次第で当局が公的資金を活用した資本増強を促すこともありうる。ただ、銀行側としては政府管理が強まることに抵抗感が根強い。当局と銀行は見解のずれなどを最終調整するとみられるが、銀行側は公的資金を受け入れるかどうか判断を迫られている。

【表】米政府が公的資金を資本注入した主な金融機関   
   注入額(億ドル)
シティグループ   450
バンク・オブ・アメリカ   450
JPモルガン・チェース   250
ウェルズ・ファーゴ   250
ゴールドマン・サックス   100
モルガン・スタンレー   100
(注)不良資産の政府保証などは含まない   
【図・写真】米政府はシティグループ(写真上)、バンク・オブ・アメリカ(同下)だけで900億ドルを注入した(ニューヨークの両社の店舗)=いずれもAP


負債の時価評価なぜ利益?――社債の市場価格下落、負債減とみなす(Q&A)
2009/04/26日本経済新聞朝刊

 米国の大手金融機関が一―三月期決算で「負債評価益」という特殊な利益を計上したことが注目されている。シティグループなど大手三社が計上した負債評価益は計五十三億ドル(約五千百億円)に上る。負債評価益とは何か。要点をまとめた。

 Q 負債を時価評価する理由は。

 A 米国の会計基準は金融資産や金融負債について時価評価の対象を増やしている。時価評価することでバランスシート(貸借対照表)がより適正になるとの考え方から、借入金などの負債も二〇〇七年から時価評価を認めるようになった。時価評価は毎期行う。

 Q 負債の時価評価でなぜ利益が出るのか。

 A 企業や金融機関は自ら発行した社債などを返済義務のある負債としてバランスシートに計上する。社債の市場価格が下落した場合、発行企業はその分負債が減ったとみなして利益として計上できる。一般的に社債価格の下落は信用力の低下を意味し、資金調達が厳しくなるなど経営にはマイナスだが、帳簿上は社債価格の下落で利益が出るという奇妙な現象が起こる。負債の評価益は現金の流入を伴わない。

 Q 本当に利益といえるのか。

 A 疑問の声がある。市場で社債価格が下落しても、償還時に発行体が実際に返済する金額が減るわけではないからだ。百億円の社債の時価が六十億円に下がり、帳簿上で四十億円の評価益が発生しても、償還時に百億円を返済する義務は変わらない。
 企業側に裁量の余地が大きいことも不透明感を強める要因だ。シティグループは負債を時価評価して二十七億ドルの利益を出す一方、値下がりした保有資産の一部は逆に時価評価を見送り、約六億ドル分の評価損計上を回避した。利益押し上げに都合の良いように利用しているとの見方もある。

 Q 米国企業しか認められないのか。

 A 国際会計基準には同様のルールがあるが、日本では現在は認められていない。ただ、国際的に会計基準を共通化する過程で、日本でも採用するか否かを含めて議論が始まっている。
(証券部 佐久間庄一)


▼日経ネタ元

Citigroup: Did It Really Earn $1.6 Billion? Not Really.
http://blogs.wsj.com/deals/2009/04/17/citigroup-did-it-really-earn-16-billion-not-really/



<画像引用>

fas159
http://www.fasb.org/pdf/fas159.pdf