Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

新型インフルで日本メディアも総懺悔2009/05/03 15:03

新型インフルで日本メディアも総懺悔へ


4月30日午後のこと。
私は「国内外のニュースや写真、記事関連のデータを全国の新聞社、NHK、民間放送局を中心に提供・配信する非営利の通信社」に在籍する知り合いに電話しました。

まず、私の4月29日付ブログ記事を紹介。
4月29日時点の英BBCマップではメキシコの死者は7人になっている。
これは世界保健機関(WHO)発表数値と一致する。
しかもBBCマップは公開当初(26日か27日)からWHOの慎重数値でした。

それにも関わらず、
日本のメディア各社はメキシコ政府の発表を鵜呑みにして死者176人などと伝えている。
これはどう考えてもおかしいのではないかと。
危機を煽っているとしか思えないと。

その知り合いは同僚に内容を伝えたそうですが、
「そんな少ないはずがない」と一笑に付されたとのこと。

あのね。報道に携わっている者なら真っ先にWHOのサイトをチェックしようよ。
次に見るべきニュースサイトの中で、英BBCは5本の指に入るはず。
こんな基本的なこともできないのなら、報道に携わらないで欲しい。

これが日本メディアの現状。
下記引用の記事からもメキシコ政府の発表をそのまま垂れ流していた読売新聞さんの反省の弁は聞こえてきません。


<WHO発表のメキシコ数値(感染者には死者含む)の推移>

27 April 2009
Swine influenza - update 3
http://www.who.int/csr/don/2009_04_27/en/index.html
死者7人、感染者26人

28 April 2009
Swine influenza - update 4
http://www.who.int/csr/don/2009_04_28/en/index.html
死者7人、感染者26人

29 April 2009
Influenza A(H1N1) - update 5
http://www.who.int/csr/don/2009_04_29/en/index.html
死者7人、感染者26人

30 April 2009
Influenza A(H1N1) - update 6
http://www.who.int/csr/don/2009_04_30_a/en/index.html
死者7人、感染者97人

1 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 7
http://www.who.int/csr/don/2009_05_01/en/index.html
死者9人、感染者156人

1 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 8.1
http://www.who.int/csr/don/2009_05_01a/en/index.html
死者9人、感染者156人

2 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 9
http://www.who.int/csr/don/2009_05_02/en/index.html
死者16人、感染者397人

2 May 2009
Influenza A(H1N1) - update 10
http://www.who.int/csr/don/2009_05_02a/en/index.html
死者16人、感染者397人


<引用記事>

メキシコの死者数下方修正、外国医師団頼りの確認が原因
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090503-OYT1T00110.htm?from=navr

 【リオデジャネイロ=小寺以作】メキシコ政府が、新型インフルエンザ感染による死者数をたびたび下方修正しているのは、検査体制の不備により、最終確認を外国医師団に頼っていることが原因で、今後もこうしたトラブルが続きそうだ。


 コルドバ保健相は1日の記者会見で4月以降、同日までに感染が疑われる死者数は101人(感染による死亡が確認されたのはうち16人)と発表した。

 それまでの発表では176人としていたが、「一部は動脈りゅう破裂や肝硬変など、死因は別の病気だった」として下方修正した。

 下方修正は4月28日に続いて2度目。この時は、それまで20人としていた感染確認済みの死者数を7人と半分以下に減らし、「残る13人については再検査を行っている」と釈明した。

 これは27日に世界保健機関(WHO)が死者数を7人と発表したことを受け、急きょ、見直し始めたとみられる。メキシコ政府は当初、ウイルスの検出を米国やカナダの検査機関に頼ったが、確認作業は現在も外国から派遣された医師団に頼っているのが現状だ。

 30日以降は、外国の医師団の支援で国内5か所に試験所を増設、確認作業のペースを上げているが、正確な死者数を突き止められる可能性は低い。

 感染が広がっていた当初、何人もの患者が、季節性インフルエンザや風邪と「誤診」され、検体も取らないまま、埋葬されたからだ。同国内では政府の初期対応を巡っても非難の声が上がっている。

(2009年5月3日01時26分 読売新聞)


<関連記事>

豚インフル:米国初の死者はテキサスの幼児
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/29/4275612

FTに見る豚インフル活用のビジネス戦略
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/30/4276068

豚に群がるメディアの免疫力
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/01/4278031

新型インフル騒動と地球温暖化の手口が似ていると書いた理由
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/02/4282169

メキシコ、少量の麻薬所持合法化へ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/02/4282917

コメント

_ とおる ― 2009/05/03 16:01

園田様
> こんな基本的なこともできないのなら、報道に携わらないで欲しい。
> これが日本メディアの現状。

豚インフルエンザの報道だけで無く、他のニュースでの報道姿勢も、ほとんど同じです。
「(国民の)知る権利」と「報道の自由」を盾に、他からの批判を受けず、無知・傲慢になっています。
金融危機と景気悪化が神風になっているのか、報道機関の経営悪化・信用低下が、ボディーブローのように効いてくれることを祈っています。
朝日・毎日は酷いことで有名ですが、最近は、NHKが突っ走っています。

_ ゴンベイ ― 2009/05/04 02:59

読売の記事は、メキシコ並みに感染が発生しているわけでもないのに周章狼狽、パニックっている舛添厚労相への援護射撃でしょうかw

_ Y-SONODA ― 2009/05/04 08:00

★とおるさんへ

新聞各社も主義主張が異なるための見解の違いというのはありますよね。
例えば憲法問題とか中国問題。
これは仕方がないというか、色があった方がおもしろいと思っているのです。

ただし、今回の問題は主義主張とか色以前、国民生活に関わる非常に繊細な問題。
できるだけ事実を正確に伝える必要があるはず。
それなのに事実追求の基本原則を忘れているように見えるのです。

ロイターなどの報道姿勢も相当煽りがあったので、
日本のメディアだけの問題ではないとは思いますけどね。

★ゴンベイさんへ

確かに舛添さんは相当浮き足立っていますよね。

一部に新型インフルエンザの感染拡大を解散・総選挙に利用したいという思惑まで見え隠れする中で、
舛添さんも妙に必死になっているように見えますね。

_ とおる ― 2009/05/04 09:42

園田様
主義主張が違うのを問題にしているのではなく、「できるだけ事実を正確に伝える必要があるはず。」をしていないから問題にしています。
主義主張を言うために、事実を捏造したり、歪曲したり、誤解を生むようにしています。

_ とおる ― 2009/05/04 10:30

園田様
> それなのに事実追求の基本原則を忘れているように見えるのです。
忘れていると思いますよ。

_ Y-SONODA ― 2009/05/05 22:40

とおるさんへ

主義主張を言うための事実の捏造、歪曲、それに偏向。
これは左系に限ったことではなく、右系にもありますよ。

私なんかはそれもまた楽しんで眺めるようにしていますw
とはいえ朝日大好き人間は超苦手ですけどね。

今に始まったことでもないかもしれませんが、
ますます新聞やテレビもおかしくなってきましたねー。
嫌なムードが漂ってきました。

_ 紫竹庵人 ― 2009/05/06 09:09

難しいのは、WHOだって、世界各国に医師網を張り巡らせているわけではなく、当該国の発表に依存せざるえない状況にあるということです。
だから、WHOの集計と当該国の集計がとんでもなくかけ離れていることは信じ難いのです。逆にWHOは何をもとに集計しているのか不可解です。

_ とおる ― 2009/05/06 10:31

園田様
> 主義主張を言うための事実の捏造、歪曲、それに偏向。
> これは左系に限ったことではなく、右系にもありますよ。

本当ですね。
昔なら、純情にニュースを信じていたのですが、眉に唾をつけながらニュースを読まなくてはなりません。

> ますます新聞やテレビもおかしくなってきましたねー。
> 嫌なムードが漂ってきました。

で、しょう。
そのお陰で、大本営発表のようなニュースを信じない人が増えてくるのは、皮肉ですが、良い状況なのかもしれませんが。少々、情けないような気も。

別件ですが、3月末~4月初に、中国メディアの一切を仕切っている李長春氏が日本を訪問した時の話ですが、次のニュースを当時、日本で報道していたのは、時事通信だけでした。日本の主な報道機関の首脳が呼ばれて集まったのを、ほとんど報道しない不思議さ。(というより、異様さを感じます)
(1)李長春常務委員、日本の主要メディアの首脳と面会
 http://j.peopledaily.com.cn/94474/6627092.html
 ⇒よほど、成果があったと考えたのか、動画まで載っています。
(2)李長春委員、14社の日本メディアの責任者と会談
 http://japanese.cri.cn/881/2009/03/31/1s137915.htm

_ とおる ― 2009/05/06 11:54

追加です。
時事通信の記事は、
(3)日本メディア14社首脳と初懇談=「良好な世論を」と李長春氏-中国
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200903/2009033000990

_ とおる ― 2009/05/06 23:35

こんなのも出てきました。

「“地デジカ”著作権侵害は許さない」と言っていた民放連が著作権侵害か
http://news.livedoor.com/article/detail/4140894/

著作権を侵害しているか否か微妙ですが、話題を提供してくれます。

_ Y-SONODA ― 2009/05/06 23:53

★紫竹庵人さんへ

WHOは各国政府、各国保険省庁と連絡を取り合いながら数値を発表しているようです。
そのため最新ニュースの内容から半日~1日程度遅れ気味。
最新のアップデート17にテキサスの二人目の死者が反映されていないのもそのため。
また当初のメキシコ政府の発表値を鵜呑みにしていなかったことを考えれば、
WHO独自に内容確認を行っているのではないでしょうか。

日本のメディア各社はWHO数値に最新情報を追加して紹介していると思われます。
ただし、最新情報というのが曲者。
この曲者があるために各社バラバラ状態を生んでいると見ています。

必ずしもWHOが正しいというわけでもないと思いますが、
WHOが不可解というなら、日本の各社バラバラ状態はもはやトンデモ系。

各社ともWHO数値を紹介した上で、
最新情報を伝えるという方法に統一すべきでしょう。

数を競うことに何の意味があるのかわかりません。


★とおるさんへ

いぁー。日本人の大半はまだ「純情にニュースを信じている」と思いますよ。
突っ込んで考える人のほうが少ないでしょう。

李長春の件に見られるように
日本の報道の偏り具合がわかるのは中国の扱いですね。
親中と反中が完全分裂。
扱い方も無視に誇張に偏向などいろいろ。
このあたりを結構引いた立場で楽しみながら読んでいます。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/03/4284041/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。