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豚に群がるメディアの免疫力2009/05/01 00:00

英BBC:Outbreak map: How flu is spreading


最新の英BBCマップを貼り付けておきます。

ここでメキシコの数値に注目。

▼昨日、本ブログに貼り付けたBBCマップの数値

新型インフルエンザによる死亡が確認された人数・・・7人
新型インフルエンザによる感染が確認された人数・・・26人(死亡者含む)

この数値は世界保健機関(WHO)発表数値と一致します。

Swine influenza - update 5
http://www.who.int/csr/don/2009_04_29/en/index.html

29 April 2009 -- The situation continues to evolve rapidly. As of 18:00 GMT, 29 April 2009, nine countries have officially reported 148 cases of swine influenza A/H1N1 infection. The United States Government has reported 91 laboratory confirmed human cases, with one death. Mexico has reported 26 confirmed human cases of infection including seven deaths.


メキシコの死者が150人を突破していると思っている方も多いはず。

ロイターも本日4月30日16時1分配信記事でこう書いています。
「メキシコでは豚インフルエンザの感染が原因とみられる死者が159人に増えた」

ところが、29日にWHOが発表した死亡者は7人。
BBC最新マップでようやく8人。

この差はなぁに?

私はこれまで毎日BBCマップをチェックしてきました。
これはどうも変だと。

おそらくメキシコ政府が発表している数値は信憑性に欠けるのではないかと。
きっとメキシコ政府は通常と新型(豚)との区別ができていない。

いや、むしろ、メキシコ政府は意図的に煽っている可能性もある。
その意図とは・・・あれとこれか。

毎日新聞が一部を種明かし。
また、‘良識ある’記事もあわせて引用させていただきます。

やはり、今の時代、表と裏を見抜く能力が試されているということ。
見抜く能力がなかった世界中の記者たちはメキシコ政府に振り回されて今や大混乱。

毎回毎回ウイルスに群がるメディアの免疫力を問いたい。
むしろ、こちらの方が大問題なのかもしれません。


<関連記事引用>

▼新型インフルエンザ:メキシコ、死者7人に修正
2009/04/30毎日新聞朝刊3ページ

 ◇「20人」を撤回、152人に「疑い」

 【メキシコ市・庭田学】メキシコで新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)による死亡が確認された人数について同国のコルドバ保健相は28日、これまで発表していた20人から7人へと下方修正した。新型ウイルス感染が確認されたのは死亡者7人を含め26人。他に152人が死亡した疑いがもたれているが、新型インフルエンザウイルスではない細菌などを原因とする「異型肺炎」の可能性も含めて調査を進めているという。

 これまで、メキシコ政府が独自に死者数を公表してきたが、世界保健機関(WHO)が発表している感染者26人、うち死者7人という統計にメキシコ政府が合わせた格好だ。

 感染が確定した死亡者7人は、いずれもメキシコ市の患者。これまで感染確定死亡者とされていた他の13人については、再度検査をしているという。

 メキシコ政府によると、新型インフルエンザの感染が疑われる重い肺炎患者は同日現在2498人。入院しているのは1311人。


▼通常のインフルエンザ、死者は年間3万6000人と 米国
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200904300020.html

(CNN) 世界中で感染拡大が判明する豚インフルエンザへの警戒が強まる中、米国では冬季に流行する通常の季節性インフルエンザでも年間3万6000人が死亡している実態を認識するべきだと、専門家が呼び掛けている。

ニューヨーク市ブロンクスにあるモンテフィオーレ医療センターのブライアン・キュリー博士によると、米国では毎年平均して約3万6000人が、通常のインフルエンザにより死亡。全世界ではその数は、推定で25─50万人に達するという。

また、死亡者の9割が65歳以上の高齢者で、インフルエンザをきっかけに持病が悪化しており、通常のインフルエンザが非難されるべきだと指摘している。

米疾病対策センター(CDC)の統計によると、通常のインフルエンザから引き起こされた合併症などによる死者は今年1月からだけで、1万3000人を超えている。また、1月1日から4月18日までの統計では、インフルエンザ関連の死者数が800人を下回った週はない。

キュリー博士は、多くの人々の死亡診断書には直接、インフルエンザとは書かれていないが、インフルエンザが死に関係していることは間違いないと話している。

豚インフルエンザの感染状況を確認しているロサンゼルス郡保健局のジョナサン・フィールディング博士も、「心配されるべき状態だが、過剰に警戒するほどでもない」「ロサンゼルス郡の面積や、メキシコ間での移動人数を考えれば、感染例がない方が驚きだ」と述べ、平静を保つよう呼び掛けている。

フィールディング博士によれば、CDCは同郡で28日までに、豚インフルエンザ感染例を10件確認しているが、通常のインフルエンザに関連した死者数は年間1000人を超えていると指摘。「もしも豚インフルエンザによる死者がでたとしても驚かない。通常の季節性のインフルエンザに近いパターンで広まっていると考えられる」と話している。

Regular flu has killed thousands since January(原文記事)
April 28, 2009 -- Updated 2258 GMT (0658 HKT)
By Doug Gross
http://edition.cnn.com/2009/HEALTH/04/28/regular.flu/?iref=mpstoryview


▼新型インフル:ほとんど軽症…投薬せずに回復 感染研推定
http://mainichi.jp/select/science/news/20090501k0000m040128000c.html

 国立感染症研究所は30日、今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)による感染者数の状況を推定した。感染者数が今後増加しても、多くが軽症ですみ重症例は少ない可能性が高いとしている。

 同研究所の岡部信彦・感染症情報センター長らは4月29日深夜、米疾病対策センター(CDC)やメキシコ、カナダ、イギリスなどによる世界保健機関(WHO)の電話会議に参加。米国ではほとんどの感染者が軽症で、毎年流行するインフルエンザと同じ気道症状にとどまり、タミフルなどの治療薬を投与しなくても回復しているという。また、メキシコの重症患者は、10代から特に50代が中心で、薬による免疫低下や体力が弱まっていることなどが原因とみられるという。

 一方、ウイルスの性質について、米国の疫学調査から弱毒性と判断した。これらから、今後、軽症者が増加しても死者や重症者は一定数にとどまると推測。日本では感染者が確認されておらず、メキシコと米国での重症者と軽症者の現状と、今後の状況を推測するグラフも公表した。

 岡部センター長は「牙をむいたような致死性の高いウイルスが国内に飛び込んでくるのとは違う。だが、過去の新型は罹患(りかん)率20~40%で、季節性を超える規模のインフルエンザがやって来るかもしれない」と対策を求めた。【関東晋慈】

<関連記事>

BBC NEWS Americas Swine flu mapping the outbreak(画像引用)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8021547.stm

豚インフルの最初の死者、複数の病院で原因分からず
2009年 04月 30日 16:01 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-37791820090430
メキシコでは豚インフルエンザの感染が原因とみられる死者が159人

WHO、新型インフルに警戒度「5」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090430-OYT8T00728.htm
メキシコの死者は疑い例を含めて176人

メキシコ、政府業務停止へ 新型インフル「民間も一時休業を」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090430AT2M3002W30042009.html
メキシコ政府は同日、メキシコでの新型インフルエンザによる死者数が176人に達したことを明らかにした。

コメント

_ ゴンベイ ― 2009/05/01 00:20

警戒レベルを引き上げたWHOの田代委員も早くから弱毒性と言ってましたね。

新型インフルエンザ:田代・WHO緊急委委員、ウイルス「弱毒性」 変異の恐れも(毎日新聞)
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20090430ddp001040002000c.html
>感染が広がる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)への警戒レベル引き上げを討議した世界保健機関(WHO)緊急委員会委員の田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長は28日、記者会見し、今回のウイルスは「弱毒性」との見解を示した。強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが新型に変異した場合に比べ「それほど大きな被害は出ない」とみられ、「全く同じ対策を機械的に取るのは妥当でない」と述べた。

この28日段階での田代「弱毒性」発言も他紙はフェーズの引上げばかり注目して積極的に伝えていないようです。

メキシコは元々自国で豚インフルウイルスかどうかを特定できずカナダの研究機関に依頼してはじめて判明したとのことで、現在も検査能力は低いままでしょうし、豚インフル感染をあまりに深刻と発表すると他国の経済封鎖が強化されることもあり、それもあってWHO基準に合わせたんでしょうか。

_ Y-SONODA ― 2009/05/01 07:39

ゴンベイさんへ

やはりメキシコの検査能力は低いのか。
それにしても大袈裟に発表すると経済的損失につながることは、
誰でも予測可能だと思うのです。
それを敢えてWHOを無視してまで繰り返していたメキシコ政府の対応が不思議。
5月1日から5日まで政府機関業務停止というのもなんとも気になる。
この5日間で何かたくらんでいるのでしょうか。

_ ゴンベイ ― 2009/05/01 13:22

豚じゃない?新型インフル感染源でWHO見解 : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2598027/4089326

豚インフルを「インフルエンザA型」に変更、食肉産業に配慮=WHO | Reuters.co.jp
http://special.reuters.co.jp/contents/flu_article.html?storyID=2009-05-01T090930Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-378050-1.xml

今度の騒動はひょっとしたら疫学的には全く逆の過程であるのかもしれません。
「インフルエンザ検査キットではA型、B型の区別ができますので、新型であっても弱毒性で致死率が低く従来のA型インフルエンザ流行として処置してきたものが、メキシコでの死者を伴うエピデミック感染のため精密検査したところ新型と判明。エピデミック発生場所に管理の悪い養豚工場があったため、そこが流行発生源とみなされた」という見方です。

>メキシコ政府の対応が不思議。
自国に検査体制が無く疾病対策が進んでいないメキシコがパニックになるのは不思議じゃないでしょう。

時事通信:「飛行機、地下鉄乗らないで」=副大統領の不用意発言で物議-米
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009050100191

アメリカでも副大統領は同じような発言をしていますw

_ Y-SONODA ― 2009/05/02 07:05

ゴンベイさんへ

豚から新型になったりA型になったりこれまたメディア泣かせですね。

>自国に検査体制が無く疾病対策が進んでいないメキシコ
そんなにひどかったんですかねー。
そうだとすれば、「今まで政府は何をしておったのだ」とそれこそメキシコ国民は騒ぎ出すような。
やはりメキシコ国内の動きが気になるなぁ。

_ 松野 ― 2009/05/02 15:03

新型インフルエンザの感染源となったとされるSmithfield社は関係を完全に否定しています。しかし、メキシコは鶏のインフルエンザワクチンで前科があり、今回も人為的にインフルエンザを作りだしてしまった可能性があります。

_ Blondy ― 2009/05/02 22:04


春に前座に上がった豚が、秋には特急で真打に昇格し、いっきに名跡"1918"の襲名披露をするかもしれないという見方の先生が現われました。

Dr. Henry Niman Commentaries

http://www.wpxi.com/video/19313969/index.html

http://flutracker.rhizalabs.com/


[ニーマン医博コメント要旨]

豚ウィルスの人への感染は極めて稀であり、1918年以来初。
H1N1と豚のH1N1のコンビネーションであるという点で1918年パンデミックと今回のパンデミックは基本的に同様という立場で、感染拡大パターンやハイリスクグループが同様になる可能性もあるとの見解。
(一般的には1918は人のH1N1と鳥インフルエンザの混合と言われている。)

1918年のパンデミックでは、ウィルスは晩春にマイルドなものでスタートし、夏に消えたが、秋に戻ってきてそこで多くの死者が出た。今回も同時期のスタート。

今回のメキシコでの死者の大半は抵抗力の強い25歳から44歳の若い成人層。抵抗力の弱い幼児や高齢者の被害は少ない。これらは1918年型と同じである。
ハイリスクグループの若い成人層では2~3日症状が出たあと典型的な肺炎に急悪し、その場合の死亡率は約10%。

メキシコと米国でのウィルスはほぼ同様であるが、死者数に違いがでている理由は感染拡大のタイミングの違いで、メキシコは1、2月の時点で現在のアメリカのような状態になっていたのではないか。
現時点でのメキシコの肺炎患者数は2千人、死者は約150人で死亡率は約10%弱。

メキシコもアメリカも感染者数はおそらく肺炎患者数の百倍はあるであろう。

ワクチンは現在鋭意開発中。

既存の抗ウィルス剤ではタミフルとリレンザが有効。しかし、これから豚ウイルスは南半球で季節性のH1N1のタミフル抵抗型の遺伝子を取り込んでいくだろうから、秋にはタミフルは効かなくなっている可能性がかなりあるだろう。

_ Y-SONODA ― 2009/05/03 10:05

★松野さんへ

ネットでもいろんな可能性が浮上しておりますねー。
これまた免疫力が備わっていないということかもしれませんよ。

★Blondyさんへ

この問題でも悲観論と楽観論の両方が渦巻いていますね。
今米国で楽観論の人気者といえばサンジェイ・グプタ(Sanjay Gupta)医師。
メキシコに入ってレポートしていたようです。

今流行りのTwitter
http://twitter.com/sanjayguptacnn
http://edition.cnn.com/2009/HEALTH/04/27/gupta.qanda/

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