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鳩山民主党政権誕生で日本はゾンビ・パラダイス2009/08/26 08:38

日経:特集――日本創造会議、会員番号007、米カリフォルニア大サンディエゴ校星岳雄氏。


本ブログで以前紹介した星岳雄氏が日経紙面に登場。
労組大好きの鳩山民主党政権誕生で日本はゾンビ・パラダイスとなるのか。
「日本が日本自身の失敗から何も学んでいないことだ」との指摘が重くのしかかる。


<日経記事引用(画像引用)>

特集――日本創造会議、会員番号007、米カリフォルニア大サンディエゴ校星岳雄氏。
2009/08/25日本経済新聞朝刊

破壊こそ経済の活力源

 経済学者の星岳雄氏(49)は1980年代半ばに渡米して以来、米国から日本経済を観察してきた。その経験から現在の世界的な金融危機への対処法として「競争的な創造的破壊」の必要性を強調する。文・宮田佳幸

失敗に学べていない日米、ゾンビがまん延

 日本のバブル崩壊後、米国の経済学の専門家の間では日本に対する学問的関心が高まった。金融危機とデフレにどう対処すべきかという点で、1990年代の日本は絶好のケーススタディーとなったからだ。にもかかわらず「米国は日本から十分学んだとはいえない」と見る。

 「昨年9月以降の世界的な金融危機がこれだけ大きくなったのは、世界が日本の90年代の失敗からあまり学んでいなかったから。特に金融規制の問題では米国は何も学んでいなかった。米国は日本とは違う、日本のようなことは米国では起きないと考えたのだろう」

 「米リーマン・ブラザーズの破綻によるショックは、どうやって破綻処理するかを事前にきちんと考えていなかったために起きた。日本で北海道拓殖銀行や山一証券が破綻したときに大きな混乱が生じたのと同じだ。ただ、危機が深刻化したあとの米連邦準備理事会(FRB)の対応は、過去の日本から学んで積極的に色々なことをやっていると思う」

 「むしろ心配なのは、日本が日本自身の失敗から何も学んでいないことだ。追い貸しでかろうじて生き延びる“ゾンビ企業”を助けようとするだけでなく、民営化に向かうはずだった政策金融も以前より“政策”色が強くなっている。かつての産業再生機構は政府のカネを企業につぎ込んだが、経営者を交代させて徹底的なリストラをした。いま、政府はカネを出しても経営に直接介入しない。これは政治的な問題が大きい。日本の政治家は90年代のことを忘れたような政策を取っている。いまこそ過去の失敗から学ぶべきだ」

 経済学者として星氏の名前が世界的に知られるきっかけとなったのは、90年代の金融機関の「貸し渋り」について研究した論文だ。貸し渋りはなぜ起きるのか。その原因として「ゾンビ仮説」を提唱した。

 「当時、『貸し渋り』が話題になった。銀行は『良い貸出先がない』という。『良くない貸出先』を助けて延命させることで、本当なら『良い貸出先』になるはずの企業が拡張する意欲を失っているのではないか。大学院時代の同級生2人と議論していて、そんな結論になった」

 「映画『ゾンビ』では、死者がゾンビとなってほかの人間を襲い、襲われた人間もゾンビになってしまう。同じことが経済でも起こりうる。『ゾンビ企業』が健全な企業と競合することで、健全な企業の活動や新規参入を阻害してしまう。結果として経済が停滞する。そのような状況がバブル崩壊後の日本で実際に起きたことを実証した」

 「現在の世界でも同じことがいえる。米ゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーへの支援は、日本や欧州のメーカーの活動を阻害するという問題を引き起こしている。日本でも『ゾンビではないか』と思われる企業を90年代より直接的に政治が介入して助けようとしている。経済の活性化のためには、市場から退出すべき企業は退出してもらう必要がある」

競争は有効 上を目指せ

 日本の著名な経済学者は、米国留学で学位を取った人が多い。ところが最近、米国に留学してくる「経済学者の卵」が減っているという。

 「海外の大学院に留学して研究者を目指すのは、ある程度リスクもある。そういうリスクを取って海外で学ぼうという学生が減っているのは残念だ。若者の海外旅行離れが進んでいるという話なども聞くと、グローバル化に逆行した動きが日本で起きているのかもしれない。日本人の競争に対するアレルギーが高まっていることもある。米国は競争社会だと思われているから、そこで勉強したり仕事をしたりするのは大変だと考える人が増えているのではないか」

 「日本では小中学校の全国学力テストの結果が都道府県単位でしか公表されない。本来なら学校単位で結果を公表し、結果が良くなかった学校には頑張ってレベルを上げてもらい、それによって全体のレベルを上げる。そんな競争が必要だ。経済の活性化にも競争は不可欠。『競争的な創造的破壊』を起こして日本に活力をもたらすことが、長期的に安心して暮らせる社会をつくるためにも必要だ」

「フラガール」にリストラの本質

 1960年代半ば、福島県常磐市(現在のいわき市)の常磐炭鉱は大幅な事業縮小に乗り出し、同時に「常磐ハワイアンセンター」(現在のスパリゾートハワイアンズ)を立ち上げた。その成功物語は、2006年に公開され大ヒットした映画「フラガール」で取り上げられた。その年、日本に一時帰国していた星氏は映画を見て強い感銘を受ける。「経済のリストラクチャリングというものの本質をついている」と感じたからだ。

 日本で「リストラ」といえば「解雇」の同義語としても使われ「破壊」のイメージが強い。しかし本来のリストラの意味は「事業の再構築」であり、古くて非効率な生産体制を新しく効率的な生産体制に置き換えることだ。いわゆる「創造的破壊」であり、破壊だけでなく創造を伴う必要がある。

 「フラガール」のストーリーのなかでは、炭鉱で働く大勢の人々が仕事を失う一方、フラダンスのダンサーとしてまったく新しい仕事を見つける少女もいる。暗い側面もあるけれど、明るい側面もある。「そういうリストラの本質を理解するのに『フラガール』はうってつけの映画だ」と考える星氏は、大学の日本経済の授業で学生たちにもこの映画を見せている。

 昨年末に一時帰国した際は、いわゆる『派遣切り』など非正規雇用の問題を巡るマスコミ報道に疑問を感じたという。「政府がセーフティーネットを整備する必要はあるが、企業の責任を問題にするのはおかしい」と考えるからだ。必要なのは「雇用維持」ではなく「雇用創出」。いずれはダメになっていく仕事を維持するのではなく、新しい仕事を作る。その面で「フラガール」に学ぶべき点は多いのだ。


 ほし・たけお 東大教養学部で計量経済学を学び、1983年卒。88年、米マサチューセッツ工科大大学院でPh.D.の学位を取得。米カリフォルニア大サンディエゴ校助教授、准教授を経て2000年から現職。カシャップ米シカゴ大教授との共著『日本金融システム進化論』で02年の日経・経済図書文化賞を受賞。06年には第1回円城寺次郎記念賞を受賞した。山形県出身。


<星岳雄関連記事>

「失われた10年」の日米比較研究
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/01/28/4084845

鳩山政権外相候補・寺島実郎を“買ってはいけない”2009/08/26 08:47

週刊金曜日:鳩山政権外相候補・寺島実郎を“買ってはいけない”


先週行われたある会合で鳩山新政権の財務相に榊原英資氏、外相に寺島実郎氏の名前があがっているとの情報が飛び込んできました。

この件について、鳩山由紀夫代表が官房長官、財務相、外相の3主要閣僚は議員からの登用を表明したことから、毎日新聞は民間からの両氏起用が消えたと報じていますが、はたしてどうなることやら。

さて、その寺島氏がこれまた毎日新聞でなんとも恐ろしい発言をしています。

「日本に求められているのは、米国、中国と適切な距離を取ることだ」と主張。
「外国の軍隊が国内に駐留し続けるのは異常だという常識に立ち返れ」との理想論で締め括る。
なにやら「鳩山さん、外相ポストよろしくね♪」の思惑まで読み取れる。

確かに米国一極から多極化、無極化に向かうとの説はある。
すでに始まっているとの見方もある。

しかし、今こそ冷静な分析が必要。
勝手な決め付けや希望的観測で動く時ではない。
日本には希望的観測で米国の衰退を語る左派が多過ぎる。

北東アジアの現実を見れば、今はまだ「米国についていくしか選択肢はない」はず。

しかも、敵に回した時の米国の怖さを一番知っているのは我々日本人。
米国の不気味な底力を侮れば、またもやボロボロにされる可能性もあるわけです。

寺島氏は「週刊金曜日」の佐高信インタビューにも「リベラル保守の論客」として登場。
「社会主義という対抗勢力を失ったことのおごりとゆるみが資本主義の歪みをもたらした」との珍説を披露したとか。

リベラル保守は社会主義にも歩み寄る。(そもそもリベラル保守ってなぁに?)

そんな甘い人をそう簡単に“買ってはいけない”。


<関連記事引用>

◇米中と適切な距離を--日本総合研究所会長・寺島実郎氏
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090825ddm002010047000c.html

 日本外交の基軸が日米同盟であることは論をまたない。

 だが現在の日米関係は、軍事的な側面に過度に傾斜したゆがんだ状況にある。今回の衆院選を経て誕生する政権には、「多極化・無極化」という21世紀初頭の国際情勢を踏まえ、日本外交の基軸である日米関係の再設計が求められている。

 冷戦後の90年代に国内政治が不安定化したことにより、日本は対米関係を再設計できないまま、中国の台頭や米国の同時多発テロ(01年)を迎えた。日本外交は「米国についていくしか選択肢はない」として、米国との軍事面の関係を強化し、中国と対峙(たいじ)する路線を選択して今日に至る。

 だが米国は中国との関係において「対決」ではなく「建設的関与」を志向している。従って米国にとっての日本の存在価値は、中国を含むアジア諸国から日本が信頼を得た形で存在することにある。

 日本に求められているのは、軍事面に傾斜した形での対米関係の強化ではなく、自らの立場を明快に主張しながら、米国、中国と適切な距離を取ることだ。そのためには、日本は北東アジアに軍事的空白を作らない形で、在日米軍基地の段階的縮小、日米地位協定改定の構想を示さなければならない。

 冷戦構造は終わり、戦後64年がたった。外国の軍隊が国内に駐留し続けるのは「異常」だ、という常識に立ち返ることが我々に求められている。

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 ■人物略歴

 ◇てらしま・じつろう
 米国三井物産ワシントン事務所長を経て、同社戦略研究所会長、多摩大学長も兼任。62歳。


’09衆院選:投票まで5日 自民・民主、両党幹部「明暗」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090825ddm001010012000c.html

 鳩山氏は、官房長官、財務相、外相の3主要閣僚は議員からの登用を表明。財務相や外相を念頭に民間からの起用が有力視されていた榊原英資・早大教授、寺島実郎・日本総合研究所会長の芽が消え、議員同士が思惑をめぐらす余地が広がった。


<画像引用>

週刊金曜日公式サイト
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=738