ウィレム・ブイターの警告:「デフォルト」の恐怖、欧州から日米に波及へ ― 2011/01/08 09:26
<関連記事引用>
「デフォルト」の恐怖、欧州から日米に波及へ-シティのブイター氏
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aQNKCg6RqkEA
1月7日(ブルームバーグ):欧州ではソブリン債のデフォルト(債務不履行)への懸念が「顕著」となっているが、この恐怖感は近く日本と米国にも広がると、米銀シティグループのエコノミスト、ウィレム・ブイター氏はみている。日米とも政府が赤字抑制に苦しんでいると同氏は指摘する。
イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)委員も務めたブイター氏らシティのエコノミストは7日の調査リポートで、「最近の展開にもかかわらず、ドラマはまだ第2幕までしか進んでいないと考えている」とし、安全なソブリン債というものは「絶対に存在しない」と書いている。
欧州ではデフォルトリスクに直面したギリシャとアイルランドが昨年救済されたほか、今年もポルトガルなどをめぐり懸念がくすぶり続けている。米議会は先月、減税の延長を決めた。現在は債務の法定上限引き上げに向け議論が進んでいる。日本の公的債務残高は国内総生産(GDP)の2倍を超えようとしている。
エコノミストらは「米国と日本は財政の持続可能性の問題を無視し続けられなくなる公算が大きい」とした上で、米政府が「大幅に高い金利を支払わなければ」国債を発行できなくなるのは「時間の問題だ」と付け加えた。
欧州については、ユーロ圏の幾つかの国が今後2、3年に債務再編に追い込まれるだろうとし、現行の流動性供給システムはこれを阻止するには不十分だと指摘した。ギリシャ政府は「明らかに支払い不能」に陥っているとも書いている。
ポルトガル
リポートはまた、恒久的な解決策としてはソブリン債危機と同時に銀行システムの脆弱性も是正する必要があると分析。アイルランド救済パッケージは時間稼ぎにはなるものの銀行システム問題の解決にはならず、欧州全体での対策が必要であることを示していると解説した。
さらに、次にはポルトガルが近いうちに救済を求める可能性が高いと予想した上で、ほぼ1兆ドル(約84兆円)規模の支援システムはスペインへの投機的攻撃を防ぐには不十分だろうとの見方を示した。
JPモルガン・チェースのエコノミスト、デービッド・マッキー氏もこの日のリポートで、スペインが救済を要請した場合、現在の仕組みでは危機拡大を抑えることができないだろうとし、債務再編なしには財政の持続可能性が回復できないとの懸念が去らず、問題はイタリアとベルギーに波及するだろうと予想した。
<関連記事>
European Default Concern Will Spread to U.S., Japan, Buiter Says
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aR3UYUsfKdSY
ガイトナー米財務長官、連邦債務は3月末にも上限に到達と警告
連邦債務の上限引き上げが承認されなければ、米国のデフォルト(債務不履行)を招き、最悪の経済的結果をもたらすことにもつながりなりかねない、と警告した。
http://jp.wsj.com/US/Politics/node_167728
Greenspan Warns of Risks From U.S. Debt
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704739504576067832461529192.html
国家財政は一刻の猶予もならない。断崖絶壁に来ている=仙谷由人官房長官
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-18899720110106
仙谷氏:日本の財政は断崖絶壁に、予算編成も困難-会見(Update1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aCNvpXQh9IUQ
Japan's Fiscal Situation `Approaching the Edge of a Cliff,' Sengoku Says
http://www.bloomberg.com/news/2011-01-06/sengoku-says-japan-s-finances-near-edge-of-a-cliff-.html
絶妙タイミングでルノー・スパイ・スキャンダル発覚、遠のいたEUの対中国武器禁輸解除 ― 2011/01/08 11:25
昨日は深夜からルノー・スパイ・スキャンダル発覚でCHINAをキーワードに記事検索。しかし、信憑性の高そうな記事は見つからず。
ところがその後仏フィガロ紙の報道をきっかけに事態は一変。出るわ出るわ中国の関与を疑う記事。今や中国は犯人扱い。
EUの対中国武器禁輸解除目前と見られていた中での絶妙タイミング。本ブログはこの点に注目。
対中国武器禁輸解除に向けて熱心にロビー活動を繰り広げてきたのはフランスとスペイン。
そのスペインを訪問した中国の李克強副首相がスペイン国債の購入継続の表明と73億ドル相当の大型商談の調印をしたばかり。
李克強はスペインに続いて現在ドイツを訪問中。ここでも“自動車事業を軸に”総額113億ドルに上る商談契約を正式締結。そして次に向かうは英国。
なぜかフランスは訪問先から外されていた。パンダはルノー・スパイ・スキャンダル発覚の臭いを嗅ぎ付けていたのか。「文句あるならドイツに行くぜ」ということか。
昨年はノーベル賞委員会に続いてバチカンにも噛み付いたパンダちゃん。そしてついにはルノー・スパイ・スキャンダル。お行儀の悪いパンダちゃんにおフランスの面目丸つぶれ。これではフランスとて動くに動けない。
これで対中国武器禁輸継続はほぼ決まり。昨年に続いて今年も世界中を引っ掻き回しそうなパンダちゃん。その足元はバブルの泡に玉乗り状態。
笑うに笑えぬパンダの曲芸。パンダこけたら皆こける。誰もがバブル崩壊がもたらす衝撃を懸念し始めている。
<関連記事引用>
ルノー、3幹部は「重要な地位」 中国に流出の可能性と仏紙
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011010701000232.html
【パリ共同】フランスの自動車大手ルノーは6日発表した声明で、電気自動車(EV)に関連する機密を外部に漏えいしたとの疑惑が報じられた幹部3人について「社内の戦略上重要な地位にいた人物」とし、「企業財産を故意に危険にさらしたことを示す複数の証拠が集まった」として調査していることを初めて認めた。
フィガロ紙(電子版)は複数の関係者の話として、機密情報が最終的に中国に渡った可能性があるとみて、ルノーやフランス当局が調べていると報じた。
幹部3人は、3日から無期限の停職処分となっているが、ロイター通信は、ルノー関係者の話として、数日中に解雇される公算が大きいと伝えた。ルノーの法務責任者は、3人に対して「法的措置を取ることが避けられないだろう」とした。
EV漏えい、仏情報機関が捜査か ルノー産業スパイ
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011010701001028.html
【パリ共同】自動車大手、日産・ルノーグループの電気自動車(EV)技術情報がルノー幹部により漏えいしていた問題で、フランスのサルコジ大統領は同国の情報機関、国内中央情報局(DCRI)に捜査を命じた。ロイター通信が7日、政府当局者の話として伝えた。
フランス政府は、ルノー株の15%を保有する大株主。ベッソン産業・エネルギー・デジタル経済相は今回のスパイ事件を「経済戦争」と表現しており、政府として真相究明に本腰を入れる構えとみられる。
当局者は同通信に対し「大統領府はDCRIに捜査を命じた。中国(企業など)の手掛かりがないか追跡している」と情報の流出先として中国を疑っていることを示唆した。
仏ルノーの産業スパイ事件、狙いは電気自動車
2011年 1月 7日 7:54 JST
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_167654
【パリ】フランス自動車メーカー、ルノーの最高顧問弁護士は6日、同社倫理規定に違反した3人の幹部は同社の「戦略的資産」に脅威を与えており、3人には法的措置が取られるだろうと述べた。同国のエストロジ産業担当相は倫理規定違反は電気自動車(EV)に関連したもののようだとしている。
ルノーの法務・倫理担当の最高責任者であるクリスチャン・ユッソン氏は、数カ月にわたる調査の結果、3人がルノーの倫理規定に違反する行為をし、意図的に社の資産を危険にさらしたことを示す証拠が得られたと述べた。
経営委員会のメンバー1人を含む3人は停職処分となった。ユッソン氏は、戦略的、知的、技術的資産を直ちに保護するための措置だと語った。同氏は声明で、「これらの行為は、社の極めて戦略的地位にある人たちに関連した深刻なものだ」とし、「われわれは全ての法的選択肢を検討しており、この結果社は3人に法的措置を取ることになるだろう」としている。
関係筋によると、3人はEVプロジェクトに関する情報を外部に漏らした疑いが持たれている。今回の措置は、伝統的内燃機関とは全く異なる技術開発の競争にしのぎを削る中で、同社が産業スパイの危険性をいかに深刻に考えているかを示すものだ。
EVは石油依存を減らす可能性があるため、その技術は有望視されている。ただ、電池が大きな問題となっている。電池のコストは高く、その結果、車全体の価格も高くなる。電池は最低1万ドル(約83万円)程度で、少なくとも車の価格の3分の1になる。EVを成功させる上での重要なポイントの一つは安くて長持ちする電池を作ることだ。
ルノーは日産自動車と提携して、EVプロジェクトに40億ユーロ(約4340億円)を投じ、今後1、2年で4モデルを発売する予定だ。今年中にセダン「フルエンス」と業務用「カングー」のEV版を売り出す。日産は昨年末に「リーフ」を米国で発売した。両社の最高経営責任者(CEO)を務めるカルロス・ゴーン氏は、10年後には世界の自動車販売の10%はEVになるとみている。
日産のある幹部は匿名を条件に、特にリチウムイオン電池の技術の大部分は日産のものだとして、ルノーから情報が流出したことに怒りをあらわにした。同幹部は「流出したものが何であれ、それはわれわれのものだ」と述べた。また、「彼らには独自のリチウムイオン電池技術はない。必要な技術は全て日産が提供している。バッテリーのセルもパックも供給している」と強調した。
記者: David Pearson, Sebastian Moffett and Inti Landauro
<関連記事>
仏ルノー:機密漏えい 日産、最重要事業に暗雲 情報収集急ぐ
http://mainichi.jp/select/world/news/20110108ddm008020067000c.html
Le Figaro - Espionnage chez Renault : la piste chinoise (画像引用)
http://www.lefigaro.fr/societes/2011/01/06/04015-20110106ARTFIG00787-espionnage-chez-renault-la-piste-chinoise.php
France to probe 'Chinese link' in Renault spy case
http://www.france24.com/en/20110107-govt-studying-chinese-role-renault-spying-case-media-say-france-electric-cars
UPDATE 4-France probes China link in Renault spy scandal
http://www.reuters.com/article/idUSLDE7060RP20110107
French intelligence in Renault spy probe
http://www.ft.com/cms/s/0/f933b1ac-1a5a-11e0-b003-00144feab49a.html#axzz1AOzyP5DZ
Suspicions fall on China in Renault spying case
http://www.guardian.co.uk/business/2011/jan/07/renault-spying-investigation-china-sarkozy?CMP=twt_gu
Nicolas Sarkozy orders French 'MI5' to probe China over 'espionage' at Renault
http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/transport/8247128/Nicolas-Sarkozy-orders-French-MI5-to-probe-China-over-espionage-at-Renault.html
French Said to Be Looking at Possible China Tie in Renault Case
http://www.nytimes.com/2011/01/08/business/global/08renault.html
Renault Studying Chinese Linkage
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704055204576068022897234898.html
中国仕掛ける米欧分断作戦:いよいよEUの対中武器禁輸解除へ、人権問題に勝るは実利なり
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/12/31/5616259
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