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アイマイ・パワーと新世界秩序2009/07/06 09:21

「日本の曖昧力」呉善花 (著)


北朝鮮の直接的な脅威にさらされているのは日本のはず。
ところがせいぜい敵基地攻撃論止まり。
内緒でこそこそ米国と「核の傘」の確認中。

「いざとなったら、米国が守ってくれるよね。北をやっつけるよね。」などと言い出す始末。

ところが米国は自国が報復されるリスクまで犯して、日本を守るかどうかはわからない。

結局何もかもが曖昧。

真の独立を求める勇ましき人たちはこの曖昧が大嫌い。
とはいえ曖昧には日本的な風情も感じる(チクリ)。

今世界を眺めてみると・・・。

ブッシュのイラク戦争の大義は曖昧確定。
米中関係はすでに曖昧。
オバマの核廃絶はきっと曖昧。
世界の多極化と無極化は曖昧の極み。

ジャパニーズ・アイマイ・スタイルが新世界秩序を担い始めたのか。

歴史を振り返れば、日本的曖昧さは曲者。
使い方を間違えて一国を滅亡寸前にまで追い込むパワーを発揮した。

やはり曖昧も作法が決め手ということか。

今日本で語られる曖昧力や曖昧戦略、ついでに曖昧効果の行方に注目したい。



<関連記事引用>

【くにのあとさき】東京特派員・湯浅博 あいまい戦略に効用あり
2009.7.2 03:02
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090702/mds0907020303001-n1.htm

 米海軍第7艦隊の拠点、横須賀基地に米艦船が入るたびに、基地を担当する新聞記者が発するお決まりの質問がある。

 「横須賀に入港する米艦船は核を搭載しているのか否か」

 対する米海軍側の答えはいつも決まっていて、「核搭載の有無はイエスともノーともいわない」でおしまい。米海軍の広報官も書面で答えているから、かねて用意の文書なのである。

 この「核がありそうな、なさそうな」というボンヤリが大事で、これをもって曖昧(あいまい)戦略という。おそらく半世紀の間、少しも変わらぬ米側の回答だろう。近年では、クリントン政権下の対台湾政策でも「曖昧戦略」という言葉を聞いた。中国が台湾侵攻をした際の対応について、当時のナイ国防次官補は「米軍が介入するともしないとも言わない」と述べていた。

 この場合は、曖昧にすることで中国を刺激しないよう配慮し、同時に抑止力を維持する意図があった。含意は、米軍が応戦することになるから武力攻撃はやめておいた方がいいということである。

 有名な曖昧戦略はイスラエルの政策で、核兵器について「持っているともいないとも言わない」というだけで、アラブの敵対勢力はヘタに手出しできないと思いとどまる。おかげで、イスラエルは核開発が阻止されるNPT(核拡散防止条約)に入らずにすみ、世界に対しては「核があるから怖い」と思わせることができた。

 実のところ、北朝鮮のような犯罪国家が核を持つと、この曖昧戦略では心もとない。それでも日本には、「唯一の被爆国」という微妙な感情があるから、米国といえども核搭載の明言を避ける曖昧戦略に終始する。

 ところが、日米間の「核持ち込み密約」に対する政府答弁では、相変わらず「存在しない」と完全否定してしまう。この場合は曖昧戦略ではなく、国内向けに「核はなし」とごまかすことになる。

 この政府答弁を素直に受けとれば、せっかくの核抑止力をぶち壊すことにならないか。逆に、河村建夫官房長官のいう「事前協議がない以上は核持ち込みがない」というのは不誠実である。

 元外務次官、村田良平氏の昨年の著作『村田良平回想録』や最近の発言は、そういう不誠実な政府見解はやめにして、まともな核論議をすべきではないかとの提起である。一部メディアは次官経験者の村田氏による「核兵器の持ち込みについて日米間に密約があった」との発言だけを取りあげ、「政府のウソ」と矮小(わいしょう)化した。

 しかし、誰もが政府見解を信じていないだろうから、実は抑止力がそのまま働いているという皮肉を見落としている。この密約は1960年代終わりの沖縄返還交渉で、佐藤栄作首相の密使だった京都産業大学の若泉敬教授(96年に死去)が、著書『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』(94年刊)の中ですでに明らかにしている。

 むしろ問題は、佐藤首相が68年の施政方針演説で公約した非核三原則にある。核を「作らず、持たず」に加え、「持ち込ませず」を入れて柔軟性がなくなってしまった。いまや米艦船だけでなく、中国、ロシアの核搭載艦までが航行しているから、「持ち込ませず」がいかに時代遅れであることか。

 やがて、北朝鮮が「核保有国」をかさに荒っぽい行動をするだろう。日本が「独自核」を持てないのなら、せめて三原則を棚上げして曖昧戦略に舵(かじ)を切ろう。


<画像書籍>

「日本の曖昧力」呉善花 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%9B%96%E6%98%A7%E5%8A%9B-PHP%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%91%89-%E5%96%84%E8%8A%B1/dp/4569708293/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1246838732&sr=1-1

コメント

_ アルルの男・ヒロシ ― 2009/07/06 11:43

曖昧戦略はありだと思いますね。欧米は「AかAではないか」。近代社会とはそういうものですが、これからランドパワーの時代になるにつれて、日本の曖昧力よりももっと曖昧な気質が世界を支配するんじゃないでしょうか?海の勢力はこれは困る、彼らは契約社会だから。

_ とおる ― 2009/07/06 13:46

善悪二元論の世界に慣れた人には、曖昧は居心地の悪い世界かもしれませんが、量子力学の世界では、「ある時は粒子、ある時は波動」として見える世界も分かって来てからは、曖昧の理解者も増えているかも。

_ えの ― 2009/07/07 01:36

「斎藤発言」のなぞに迫る 台湾主権問題とは何か
http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_05.html
『「相互信頼を確立し、争点を棚上げし、小異を捨て大同に就き、共同利益をともに創造する」(建立互信、擱置爭議、求同存異、共創雙贏)』
これも曖昧力。
国内経済と治安問題で手一杯でそれどころではないか。

_ Y-SONODA ― 2009/07/07 08:08

★アルルの男・ヒロシさんへ

曖昧なんて言うと、確信的海派の岡崎久彦氏から怒られちゃうのかもねw
そういえば穏やか海派の川勝平太氏が静岡県知事に当選。
日本のアイマイ勢力を率いるのはいったい誰になるんだろう・・・。
やはり経済界かなぁ。

★とおるさんへ

あはは。確かに曖昧で居心地の悪い人がたくさんいるかもね。
これから骨太勢力vs曖昧勢力の構図になるのかな~w

★えのさんへ

台湾もアイマイ・パワーですね。
日本より一枚上手かな。
日本と台湾、それにシンガポールや英国あたりもアイマイ国家になるのかも。
そうやって考えるとなかなかおもしろいですね。

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