米中G2構想と地球温暖化問題 ― 2009/05/11 09:22
産経の古森さんが珍しく冷静に米中G2論を論評しています。
最近まで共和党政権への未練たっぷり。
オバマ批判を繰り返していたように見受けられましたが、
任期が4年という現実に気付いたのでしょうか。
本ブログでお馴染みのブレジンスキーやファーガソンも登場。
そして、最後にG2反対論の圧巻として紹介しているのは、
外交問題評議会(CFR)のエリザベス・エコノミーとアダム・シーガルの「G2幻想」。
本ブログで再三繰り返しているように私も米中G2構想に懐疑的。
当然CFRの「G2幻想」も読んでいたのですが、
それほどいい出来栄えだとは思わなかった。
その理由はこの論文が米中の対立点として気候変動を重視している点にあり。
石油などの資源囲い込みとそのための海軍力増強に邁進する中国。
地球温暖化問題を活用しながら、これをなんとか阻止したい米国の意図が見え隠れ。
米中は世界最大の二酸化炭素排出大国。
それにも関わらず、これまで両国は行動を起こさなかった。
その口実を双方が利用しあってきた。
公約通り、オバマ政権が積極的に地球温暖化問題に取り組むのであれば、
対中国で日本やEUと協調することもできる。
しかし、実際には米国世論は地球温暖化問題に無関心かつ懐疑的。
この先、アンチ・地球温暖化を旗印にG2が結束する可能性もあるわけです。
CFRが語り始めた中国を封じ込めるための地球温暖化活用戦略。
うまく機能するかどうかは米国次第。
米国の宗教が地球温暖化問題に深く関わっている以上、
米国内部に大きな落とし穴を抱えていると言わざるを得ません。
足元の問題を棚上げしているCFR。
米国の黄昏を象徴しているようにも見えます。
<関連記事>
【緯度経度】ワシントン・古森義久 米中2極G2論の適否
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090509/amr0905091119007-n1.htm
The G-2 Mirage
Elizabeth C. Economy and Adam Segal
http://www.foreignaffairs.com/articles/64946/elizabeth-c-economy-and-adam-segal/the-g-2-mirage
http://www.viet-studies.info/kinhte/g2_mirage.htm
「中国救世主論」を信じるな!(エリザベス・エコノミー)
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/01/02/
エヴァンゲリオンの地球温暖化問題殲滅計画
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/19/4255285
地球温暖化と宗教(white evangelicalsという存在)
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/07/08/3615708
<画像引用>
Climate change: The carbon atlas
http://www.guardian.co.uk/global/interactive/2008/dec/09/climatechange-carbonemissions
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