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今蘇るシルビオ・ゲゼル2009/02/02 06:18

キームガウアー(the chiemgauer)


こりゃ、えらいこっちゃ。えらいこっちゃ。

なんとあの英エコノミスト誌がゲゼルを取り上げました。
続いて、カナダのトロント・スター紙も。

いずれの記事もヴェーラとキームガウアーを取り上げています。

キームガウアーにはシュタイナーも関係しています。
これはミヒャエル・エンデつながりですね。

きっと日本にもゲゼルの波は押し寄せてくるはず。
森野さんの講演会がますます盛り上がりそう。
皆さん、一緒にお勉強しましょう。


<関連記事>
Depreciating currencies
The money-go-round
Jan 22nd 2009 | MUNICH
Will old-fashioned scrip make a comeback?
http://www.economist.com/finance/displaystory.cfm?story_id=12998254

A cure for depression? Try funny money
A challenge in any economic downturn is getting people to part with cash. One solution from the 1930s: 'scrip,' a currency that's taxed if it isn't spent
January 31, 2009
Lynda Hurst
http://www.thestar.com/News/Insight/article/580076

In the Land of the Euro, Small Towns Adopt Alternative Currencies
By CARTER DOUGHERTY
Published: February 9, 2007
http://www.nytimes.com/2007/02/09/business/worldbusiness/09currency.html?ex=1171602000&en=b29cd4fc806e1074&ei=5040&partner=MOREOVERNEWS

<「ヴェーラ(the wära)」について>
地域通貨の歴史をちょっと(1)森野栄一
http://www.grsj.org/colum/colum/rekishi.html
S・ゲゼルの資本理論
http://libw01.kokushikan.ac.jp/RING/data/1000785/0000/registfile/ajj_003_07.pdf

<「キームガウアー(the chiemgauer)」について>
CHIEMGAUER Aktuell
http://www.chiemgauer.info/
キームガウアー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%AC%E3%82%A6%E3%82%A2%E3%83%BC
Rolf F. H. Schröder ドイツにおける地域通貨
http://www.olccjp.net/CCinD_JP.pdf

森野榮一氏緊急懇話会開催のお知らせ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/02/21/4071783

森野榮一氏講演会の見所
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/210130.htm

日本版キームガウアーの提案2009/02/02 08:29

キームガウアー(the chiemgauer)


キームガウアーを取り上げた日本の新聞記事がなんと0。
こりゃいかん。
新聞記者さんも森野さんの講演会に来てもらって、一緒にお勉強しましょう。

わかりやすく説明したものはないものかと探していると、
ドイツ在住の美濃口坦さんのコラムを発見!
美濃口さん、さすがですね。

仲良しの美濃口さんに御一報した上で、下記引用させていただきます。


森野さんにも助けてもらって、私はここで大胆提案!

日本版キームガウアーを財務省マネーとして発行し、
まずは政治家や役人の給与の一部にあてる。

このアイデアは定額給付金よりずっと効き目があるはずです。


▼引用開始
欧州どまんなか
August 8, 2006
「キームガウアー」ってなあに
http://www.geocities.jp/tanminoguchi/20060808.htm

話しているうちに、反対したり賛成したりするだけで、本当は現実べったりの自分が少し恥ずかしくなる。忙しいのに私の相手をしてくれているのは、今までドイツで一番成功した地域通貨の「キームガウアー」を立ち上げたクリスティアン・ゲレーリさんである(写真下)。

地域通貨とはなにか。この説明はややこしくなりそうなのでゲレーリさんがしたことを順番通りに書く。今から4年前の2002年に彼はプリーンのシュタイナー学校に「経済」と「情報工学」の課目の先生として就職し、授業で貨幣をテーマにとりあげた。「お金がなんのためにあるのか」からはじまって、利子があるために資本として投下されたお金を殖やす経済成長が不可避になることや、またその弊害を防止するために別のタイプの貨幣が考えられることなどを生徒たちに議論させたという。

そのうちに熱心な生徒(写真下)が会員の間だけで通用する通貨をつくろうといいだす。

このシュタイナー学校があるプリーンは、ミュンヘンからザルツブルクへ向かう途中の「キームゼー」という大きな湖の畔の町で、この地域は「キームガウ」とよばれる。こうして2003年にはじまった学校の課外プロジェクトの通貨が「キームガウアー」になったのもこの地域名に由来する。

上の写真は1、2、5、10、20、30キームガウアーのお札と会員カードをしめす。1キームガウアー=1ユーロで、会員は交換所で100ユーロを渡すと100キームガウアーをもらい、会員になった業者から物を買ったりサービスの提供を受けたりするとその代金をキームガウアーで支払う。

過去三年間で購買者会員が1000人に、業者会員が500人に増え、現在7万キームガウアー(邦貨で約1030万円)が流通し、2006年は財とサービスの売上げの総額が140万キームガウアー(約2億6百万円)に達すると予想されている。こうしてプロジェクトは学校の放課後活動の枠を超えて、ゲレーリさんも今では教師を辞めて通貨制度運営に専念している。

はじめは業者会員も自然食品店とか本屋さんだったのが、現在では幅がひろがり、食料品や雑貨など日常に必要なものはだいたい購入できるだけでなく、キームガウアーを受けとる弁護士、電力会社まで出現している。

この通貨の厄介なのは、ユーロにもどそうとすると5%失う点にある。ということは100キームガウアーをもっていくと95ユーロしかもらえないことになる。これが5%の上納で、その2%が通貨制度の運営に、3%が幼稚園、スポーツクラブ、音楽教室などの地域の非営利事業団体(NPO)に寄付される。

キームガウアーがひろまった大きな要因は、人々が自分と関係のある事業団体を援助したいと思い、そのような団体のほうも寄付が欲しいために関係者にキームガウアーの会員になることを勧めるからである。会員登録申請用紙には支援する非営利事業団体名を記入できる。このような団体から寄付を求められて困る人は少なくないので、どうせ必要なパンやお肉や野菜を買うことで寄付できるのなら、これはけっこうな方式ともいえる。

ところが、会員業者がキームガウアーをユーロにもどさなくなったら上納も止まり、この通貨の運営も非営利団体事業支援も不可能になる。そうならないのは、本屋を例にとれば、卸や出版社には仕入れた書籍の代金をユーロで払わなければいけないからである。ということは、この会員制地域通貨はユーロが機能していることから得していることになり、これは寄生関係である。

でもゲレーリさんたちのこの現実主義によって、地域外に出て行くお金がへり、その分だけ経済の活性化に役立っている以上、地域通貨はその目的を達していることになる。ユーロ導入で各国通貨の障壁がなくなり、グローバル化で資本は一番殖える場所に流れるようになった。この結果今度は国家でなく、以前より小さな単位の地域でとばりをつくり、その流れをわずかでも阻止しようとしているのは、健気な振る舞いである。

キームガウアーのもう一つの重要な特徴は「賞味期限」をもつ通貨である。というのは、この貨幣は発行後3ヶ月経過するたびに価値の2パーセント分に相当する延長スタンプを購入して貼り付けないと無効になるからだ。この措置のお陰で、昔から日本でも「金は天下のまわりもの」といわれるが、この会員制通貨はユーロの二倍のスピードでまわる。これも、もちろん地域経済活性化に寄与することになる。

この措置がとられているのは、キームガウアーをはじめたゲレーリさんたちがシルビオ・ゲゼル(1862年-1930年)の「自由貨幣」論の信奉者だからである。この人の理論よると、貨幣が蓄財でなく交換のために手段として役立つことこそ、より自然に機能する経済秩序の実現につながることになり、だから利子の存在を否定する。

ここで冒頭の私の感想にもどる。私はゲレーリさんと話しているうちに少し自己嫌悪を覚えた。というのは、私は戦争ばかりあった20世紀の人間であるためか、右か左かとか、革命か反革命かとかいったことばかりを問題にして、けっきょく自分が今まで身近な現実を変えようともしないで、旗振りばかりしてきたような気がしてきたからである。

▲引用終了

<関連記事>

政府紙幣とゲゼルマネー
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/01/14/4056389

<参考記事>

それにしても山本一太さんの言ってることって、産経の田村秀男さんそのまま。

【新報道2001抄録】 「非常に興味ある」政府紙幣で自民・菅氏
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090201/stt0902011937003-n1.htm

山本氏「中身悪くなかった。具体的な数字も出たが、これから何を打ち出すかで(施政方針演説に)説得力をもたせていかなければならない。要は政治が今までやったこともないことを、リスクを負ってどう決断するか。例えば、相続税免除の無利子国債や政府紙幣、米国債を円建てで引き受けるとか」

「政府紙幣」発行 自民・菅氏「非常に興味」
http://www.asahi.com/politics/update/0201/TKY200902010122.html