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ミサイル防衛(MD)の悲観論の帝王が産経紙面に登場2009/03/27 00:00

産経:北ミサイル迎撃、MD計画の過信は禁物 コイル米元国防次官補に聞く


経済分野のドクター・ドゥーム(Dr. Doom、悲観論の帝王はヌリエル・ルービニ(Nouriel Roubini)。

それでは、ミサイル防衛(MD)分野のドクター・ドゥームといえば誰か。
おそらくフィリップ・コイル(Philip Coyle)はその一人ではないかと。
そうなるとコイルはネオコンの天敵ともいえる存在なのかも。

コイルはクリントン政権時代の国防次官補としてミサイルなどの実験プログラムを指揮。
先日紹介した外交問題評議会(CFR)のミサイル防衛再考論文にもコイルの名前が登場しています。

朝日や毎日が好みそうな人物なのですが、
ここにきて産経紙面に二度登場でびっくり仰天。
しかも26日の朝刊にはインタビュー記事を掲載。

ネオコンの対日広報部長的存在で今なおオバマに牙むく古森義久氏はどこへやら。
産経さん内部もいろいろあるのでしょう。

それではインタビュー記事を全文引用させていただきます。


▼引用開始

北ミサイル迎撃、MD計画の過信は禁物 コイル米元国防次官補に聞く
2009.3.25 23:56
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090325/amr0903252359014-n1.htm

 北朝鮮が「人工衛星」と称し長距離弾道ミサイルを発射した場合、日米のミサイル防衛(MD)は機能するか。キーティング米太平洋軍司令官が24日の下院軍事委員会公聴会で「大統領が命令すれば、米領土と同盟国を守る準備はできている」と述べるなど、米軍高官からは対応に自信を示す発言が相次いでいる。これに対し、クリントン元政権下でミサイルなどの運用実験・評価を担当したフィリップ・コイル元国防次官補は「不確かなシステムに頼り切るべきでない」と強調する。コイル氏にその理由を聞いた。(ワシントン 有元隆志)

 --発射前にミサイルか人工衛星の打ち上げかの見分けはつくのか

 「衛星ならば、ミサイルの弾頭より大きい。形状をみればわかる」

 --発射前に確認ができない場合、発射後どの時点で判別ができるか

 「ロケットでも弾道ミサイルでも打ち上げ当初は地球の自転に沿って上昇するので見分けはつかない。1分後ぐらいにロケットとミサイルでは上昇角度が変わってくる」

 --北朝鮮が夜間に発射した場合の探知は

 「早期警戒衛星は発射を探知できるが夜間や悪天候では感度は高くはない。より性能の高い宇宙空間赤外線システム(SBIRS)衛星などの配備は計画より遅れている。仮に衛星なら、米国などのように好天候で実施するだろう」

 --日米のイージス艦に配備されている海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で迎撃する可能性は

 「日米が迎撃するとは想像できない。イージス艦による迎撃の問題点はミサイルの速度が遅いことだ」


 --キーティング司令官は実験の成果を強調した

 「このシステムはもともとイージス艦自身やその周辺を防御するために開発されており、迎撃可能範囲は狭い。実験ではよい確率を残しているが、標的にあたるよう『台本』が設定されていた。迎撃するには、飛行するミサイルの近くにいないといけない」

 --ミサイルが軌道を外れ、日本の領土に落下してきた場合、迎撃は可能か

 「2001年初頭、発射に失敗し、回転しているミサイルの一部を迎撃する実験が計画されたが、いまだに実現されていない」

 --アラスカ州とカリフォルニア州に配備されている地上配備型迎撃ミサイルが、迎撃する可能性は

 「これまで14回迎撃実験を行い7回成功した。成功の確率は5割といえるかもしれないが、過去5年間でみると、6回の実験で4回は事実上失敗だった」

 --キーティング司令官らは迎撃に自信を示した

 「20回以上実験に成功しなければ、MDが効果的ということにはならない」

 --日本は米国のMD計画に積極的に参加してきた。見直す必要があるか

 「日本の人たちがMDがあるから大丈夫と安心してしまうことを懸念する。日米がMD計画に協力していること自体は同盟関係にとってもよいことだと思う。ただ、計画に巨額の費用をかけすぎないことだ」