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AIGとプルーデンシャルとケナックと松田竹千代2008/10/05 11:39

AIGとプルーデンシャルとケナックと松田竹千代

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が売却を決めたアリコジャパン、AIGエジソン生命保険、AIGスター生命保険の入札は今後2週間以内に行われるようです。

注目を集めているのが米アリコ(ALICO:American Life Insurance Company)。世界の55以上の国・地域で生命保険事業を展開しています。その支店にあたるアリコジャパンの08年3月期の保険料収入は約1兆4600億円、アリコグループ全体の保険料収入の7割を占めている。

現在、売却の仲介を狙ってゴールドマン・サックスなどが国内外の保険会社に働きかけているようです。

関心を示している企業として、日本勢では東京海上ホールディングスと日本生命保険、海外から米メットライフ、英HSBC、英アビバ、英プルーデンシャル、仏アクサ、独アリアンツ、蘭エイゴン、蘭ING、中国の中国人寿保険や中国平安保険、それにカナダのマニュライフなどの名前があがっています。

やはり東京海上ホールディングスと日本生命保険が本命、すでに資産や財務内容の調査に入っているとの情報があります。

昨日の記事でAIGが上海創業、しかも、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の元最高経営責任者(CEO)だったモーリス・ハンク・グリーンバーグも米中関係全米委員会 (National Committee on US-China Relations,NCUSCR)の副会長だったことから、中国企業(中国人寿保険や中国平安保険)が買収する可能性もあると書きました。

実はグリーンバーグ以外にもAIGの歴代取締役には中国寄りの有名人が多いのです。
その代表的な人物は、カーラ・A・ヒルズ(住宅都市開発長官や通商代表部USTR代表を歴任)とウイリアム・S・コーエン(クリントン政権の国防長官)など。

しかも、ヒルズは米外交問題評議会(CFR)の共同会長で米中関係全米委員会の会長も務めています。

コーエンもCFRのメンバーで、自身が創業したコンサルティング会社「コーエン・グループ」は現在中国ビジネスに熱中しております。

中国企業が買収したいと思えば、グリーンバーグ家やヒルズやコーエンに接触するのではないかと見ています。

これ以外に気になるのは英保険大手のプルーデンシャルの存在。

ドナルド・P・ケナック(Donald P. Kanak)という人物が関わっているからです。

ケナックは日本・韓国事業の統括責任者として、破綻した旧千代田生命保険(現AIGスター生命保険)や旧GEエジソン生命保険(現AIGエジソン生命保険)の買収などを手掛け、日本大手生保に迫るほど日本事業を拡大します。

その功績が評価され、グリーンバーグが後継候補の一人に指名していました。

ところがグリーンバーグは不正会計疑惑浮上により更迭。混乱の中、後継トップに任命されたのは、ケナックではなくマーティン・J・サリバンでした。

ケナックはエグゼクティブ・バイスチェアマン兼COO(最高執行責任者)に選任されますが、2006年1月に辞任。

その後、ハーバード法律大学院の国際金融システム部主任研究員として、香港を拠点にアジアの気候変動や持続可能な代替エネルギー、排出権市場などに関する調査に従事していました。

そして2008年4月、ケナックはプルーデンシャル・コーポレーション・アジア会長(非常勤)に就任。英国プルーデンシャルグループのアジア事業を担うことになります。

ケナックも外交問題評議会(CFR)、それに米国の世界自然保護基金(WWF)の評議会、WWF香港、WWF中国の顧問、アジア協会、日米協会、金融サービス専門家協会などのメンバーを務め、米中ビジネス評議会(the US-China Business Council,USCBC)、日米経済協議会(the U.S.-Japan Business Council, USJBC)の理事、米韓経済協議会(the U.S.-Korea Business Council)の執行委員会メンバー、在日米国商工会議所(the American Chamber of Commerce in Japan,ACCJ)の会頭などを歴任してきました。

ケナックのパワー溢れるアジア人脈形成には奥様の存在も見逃すことができません。

ケナックの奥様の佐藤玖美は米マッキンゼー勤務などを経て、現在はコスモ・ピーアール代表取締役社長兼CEO、そして在日米国商工会議所特別顧問も務めています。

佐藤玖美の母は日本ホームズを設立し、住宅産業界の大御所的存在へ。現在は生涯学習開発財団理事長などを務めている松田妙子です。

佐藤玖美の祖父(松田妙子の父)は衆議院議長を務めたこともある松田竹千代。クリスチャンの賀川豊彦や三木武夫らと日米同志会を結成し、「テキサス無宿」と呼ばれた人物です。この家系は日米間のブリッジですな。

おそらくグリーンバーグはケナックと連絡を取り合っていることでしょう。そうなるとプルーデンシャルに買収させる可能性も浮上。

ひょっとしたら、プルーデンシャルはこの事態を予測していたのかもしれないなぁ。英国って情報早いからなぁ。

東京海上ホールディングスと独アリアンツが連合を組む可能性もありですね。なんといっても両社をつなぐあの人がいる。あの人も今頃大忙しだろうなぁ。



<関連記事>
Kumi Sato Is the Bride Of Donald P. Kanak Jr.
http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9407E1DA1F38F93AA15756C0A965948260

コメント

_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/10/05 17:41

クリコ(人寿保険)の替え歌が流行っているらしいです。
実現したら笑えます。

=====

現在:い~な~い~な♪ アリコ、アリコ♪!

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

買収後:い~ない~な♪ クリコ、クリコ♪! or い~ない~な♪ チャイナ、チャイナ♪!

http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/cm/1221552455/l50

===

あの人って、ミノル・マッキーですね。

_ 野蛮な来訪者 ― 2008/10/05 18:24

今回の記事モロにそれでしたね(笑)。
微妙なリード、大変失礼いたしました。
そうですね、おそらく政治が絡むだけに今回の決着は見物ですね。
さて、今回のAIGの資産整理において、大手町の日本本社ビルはどうなるのでしょうか。
園田先生はあの物件(というか土地)の取得経緯ってご存知でしょうか?
面白いストーリーがあるだけに、整理対象となるのか、行方が気になるところです。
このあたりは、既にアルルの男・ヒロシ先生が調べてらっしゃるかもしれませんが。。。
2日連続での野蛮な来訪、大変失礼いたしました!

追伸:ちなみにK氏は、前総理F氏と懇意です。では。

_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/10/05 20:59

土地についてのいわく。

http://amesei.exblog.jp/8717232/

_ Y-SONODA ― 2008/10/06 10:04

野蛮な来訪者さんへ

今日の記事上でのお願い、宜しくお願いしますね。

「大手町のAIGビルの取得経緯」と「K氏と前総理F氏との関係」が気になって、
最近寝不足なんですけどぉーw

_ Y-SONODA ― 2008/10/06 10:07

アルルさんへ

いつもいつもサポートありがとね。
AIGの追加情報、期待しています。

お互い電車に乗る時とか、
後ろから押されないように充分気をつけましょう(汗)

_ piston ― 2008/10/20 11:50

はじめまして!
2週間ほど前に
情報収集中にたどり着き
勉強させていただいてます m(__)m
AIG情報に飢えてるものです (^^)
いよいよK氏関連動きが表にでてきましたが
関係者(AIGジャパン)にとってまたコテコテにされるのかっ!
ていやな感じになる人も多いかなぁ!
あとはアリアンツとの大相撲(八百長)するのかな
て感じがしますけど・・・・・・。

_ Y-SONODA ― 2008/10/21 12:51

pistonさんへ

どうもはじめまして!
AIG情報が止まっていましたが、
K氏関連で動きが出てきましたね。

AIGとプルーデンシャルの間には、
K氏以上の大物もいますよ。
おそらくこの大物が旗振り役かもね。

大物とはこの人です。
Barry Stowe
http://www.prudential.co.uk/prudential-plc/media/newsreleases/archive2006/2006-09-22/

_ SHIJIMI ― 2008/10/24 16:22

初めまして。
アリコの行方が気になってロクに睡眠も取れてない者です。
こちらはコアな情報が山盛りで嬉しいです。
グリーンバーグ氏が暗躍しているであろう事は気づいていましたが、ケナック氏の存在を忘れていました。。。
それにしても二週間前ぐらいまで、しきりに買収を宣言していたカナダのマニュライフが、パタッと無言になりましたね。
どうしちゃったのかな・・・

_ Y-SONODA ― 2008/10/25 10:39

SHIJIMIさんへ

どうもはじめまして。
夜も眠れないということはアリコ契約者の方なのでしょうか。
だったら、気になって仕方ないですよね。

売却先に関する情報も現在止まっています。
世界中の株価が急落している中にあって、買い手捜しも難航。
10月中の入札は見送られるとの見方も出ています。

おそらく先行きが見えない状況が今年いっぱい続くと思うのです。
そうなると買いたい側も手が出せない。

その間、AIGはすでに政府融資枠の75%を借り入れちゃった。
更なる追加支援がないと年末までもたないでしょうね。
厳しい状況が続くと思いますよ。

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