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揺らぐ極とAIGの行方2008/10/04 16:28

9月の世界株式市場動向(スタンダード・アンド・プアーズ)

昨日、ハラハラドキドキしながら米副大統領候補者討論会を見ていましたが、
なんとかペイリンは土壇場で踏ん張ったという感じですね。
オンライン先物取引市場「イントレード」のペイリン指名辞退確率も一気に4%前後に急落しています。

金融安定化法案は米下院本会議でも賛成263―反対171で可決し、ブッシュ大統領の署名を経て成立。

修正法案は公的資金を使った金融機関救済に対する国民の反発を考慮し、不良資産買取を当初は2500億ドルに限定、大統領判断で1000億ドルを追加、残り3500億ドルは議会承認を条件とする3段階に分けたものとなっています。

なにやら日本でも混乱しておりますが、この金融安定化法案の正式名称は「2008年緊急経済安定化法(EESA)」(Emergency Economic Stabilization Act of 2008、EESA)。すでに一部の日本メディアは「緊急経済安定化法」と表記していますね。

米国発の金融危機が世界にどれほどの影響を与えたのかを調べていたところ、
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がまとめたものをみぃーつけた!

S&Pが時価総額から算出した「株価指数変動率」によると、9月は調査対象の52カ国・地域すべてがマイナスとなっており、全市場で下落するのは調査開始以来初めてとのこと。

国別では、アイスランドが39・14%で下落率トップ。次いでルクセンブルク33・79%、ノルウェー31・90%。

BRICsはどうかといえば、ブラジル23.42%、 ロシア24.07%、インド18.10%、中国20.76%となっており、下落率上位組。

こうした中で、なぜか金融危機震源地である米国は9・29%(48位)。ちなみに日本は11・64%(40位)。

震源地である米国よりも欧州や新興国に大打撃を与えた結果となっています(詳しくは画像参照)。

米国がこけて、みんなこけちゃったといった感じ。

この数値だけを見ると、米国一極以後の多極化を担うと見られているロシアや中国や欧州の経済基盤はまだまだ脆弱。多極化などというのは絵空事ではないかと思っちゃいますね。

それでも米外交問題評議会(CFR)のセバスチャン・マラビー(Sebastian Mallaby)が中心となって、今回の金融危機がアメリカン・パワーに及ぼす影響に関する議論を始めています。

なんといっても、経済力衰退とともに英国の時代が幕を閉じたという先例がありますから、米国とて必死。

この議論の内容を見ると、米国が脅威と感じているのはむしろ中国。今や1・5兆ドルにまで膨らんだ中国のドル建て資産。これを中国がいひひひと手放す事態を最も恐れているようです。

中国からすればドル建て資産を武器に使えるってこと。さてどんな風に使うのでしょうか。

セバスチャン・マラビーといえば、CFR傘下のモーリス・R・グリーンバーグ地経学研究センター(Maurice R. Greenberg Center for Geoeconomic Studies)の所長さん。

グリーンバーグといえば、米政府の公的管理下に置かれたアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の元最高経営責任者(CEO)。

こうした中で、AIGは日本のアリコジャパン、AIGエジソン生命保険、AIGスター生命保険の生保3社の株式を売却すると発表。

こっちの方が皆さん興味ありますよね。

この生保3社の買収先として、英HSBC、英アビバ、英プルーデンシャル、仏アクサ、独アリアンツ、蘭エイゴン、蘭ING、日本生命保険、東京海上ホールディングスなどの名前があがっていますが、AIGに未練たっぷりのグリーンバーグも資産買収を提案しており、気になるところ。

AIGはそもそも上海創業。グリーンバーグも米中関係全米委員会 (National Committee on US-China Relations,NCUSCR)の副会長で中国大好き。

グリーンバーグが中国企業と組む可能性だってあるのでは・・・。
そうなると、アリコジャパン、AIGエジソン生命保険、AIGスター生命保険の買収先として中国人寿保険や中国平安保険などの名前があがってくるかも。

そんなことを思いつつ、調べてみるとそういう記事があったりする(汗)

中国企業が買収なんてことになると、日本は大騒ぎだろうな。


<関連記事>
Financial Turmoil and U.S. Power
http://blogs.cfr.org/forum/2008/09/29/financial-turmoil-and-us-power/#more-2
AIG launches asset sell-off to repay bailout loan
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/banking_and_finance/article4878472.ece
AIG statement today on sale
http://news.asiaone.com/News/Latest%2BNews/Business/Story/A1Story20081003-91295.html
52カ国・地域で株価下落 9月 全世界で12%超
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/121404.html
株価、新興国中心に全世界でマイナス NYも大幅安
http://www.asahi.com/business/update/1002/TKY200810020304.html
9月の株式相場 新興国・欧州に大打撃
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20081002mh03.htm

コメント

_ 野蛮な来訪者 ― 2008/10/04 21:14

いつも楽しく読ませていただいております。
さて、日本におけるAIG生保各社の売却先についてです。
個人的には、ハンクがAIG会長を務めていた時期の副会長がキーマンかなとも思っております。
その彼、現在は、競合他社のアジア・パシフィック地域のトップを務めております。
今回キーだと判断するところは、その地位だけでなく、彼のバックグラウンドがモノをいうかも知れないからです。
奥様は日本人であり、しかも…。

_ Y-SONODA ― 2008/10/05 12:03

野蛮な来訪者さんへ

はじめまして!
ひょっとしてキーマンとは今日の記事の主人公のことですか?w
書こうとしていることが先読みされているようで怖いんですけど(汗)

やっぱりAIG問題には相当政治が絡むと思うのです。

米国は日中を接近させることを目論んで
地経学の観点から中国企業に買収させることも考えているのではないかと。
現在日本の政治家は必死でこれを阻止しているのではないかと。
結局は日本企業かプルーデンシャルあたりに落ち着くんでしょうけどね。

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