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ブラッドリー効果が引き起こす「投開票パニック」2008/10/21 13:12

オバマと「ブラッドリー効果」


日本のテレビでも「ブラッドリー効果」をチラホラ取り上げてきたようです。

そこで、本ブログは先行予測をします!(笑)

それは、「2008年大統領選、さらなる投開票パニックが発生する!」というもの。

現在のブッシュ大統領が民主党のアル・ゴアを小差で破った2000年の大統領選。
フロリダ州の再集計などで混乱したことは記憶に新しいですね。
そして、この時以上の混乱がまもなくやってくるかもしれない。

これも「ブラッドリー効果」の影響があるからです。

ブラッドリー効果は、ワイルダー効果、ディンキンズ効果とも呼ばれています。
いずれもアフリカ系政治家3人の名前が使われています。

ブラッドリー効果(Bradley effect)→トム・ブラッドリー(Tom Bradley)
ワイルダー効果(Wilder effect)→ダグラス・ワイルダー(Douglas Wilder)
ディンキンズ効果(Dinkins effect)→デービッド・ディンキンズ(David Dinkins)

この3人に共通するのは民主党員であることと、
いずれも事前の世論調査より実際の選挙における得票が下回ったということ。

大きな違いは、ブラッドリーは敗れましたが、ワイルダーとディンキンズは勝利したということ。

ワイルダーは1990年に米国史上初の黒人知事(バージニア州)に、
ディンキンズも同じ1990年にニューヨーク市初の黒人市長に、それぞれ就任します。

この2人のことを考えれば、オバマだって逃げ切る可能性はある。

また、1990年代前半まで黒人候補の得票率は事前世論調査よりも平均2・7ポイント下回っていましたが、
90年代中頃以降の知事選や上院議員選での差はなくなっているとの調査報告もあります。
(ハーバード大ダニエル・ホプキンス研究員)

「ブラッドリー効果なんてもう過去のこと。気にすることないよ」との見方ですね。

とはいえ、知事選や上院議員選と大統領選とは重みが違う。

現に今年の民主党指名候補を決定するための予備選挙でも怪現象が相次いでいました。

一例として、テキサス州予備選挙を振り返りましょう。

選挙前日にロイターとゾグビーが発表した世論調査の支持率は、
オバマ47%、クリントン43%。その差4ポイント。
投票日の出口調査でもオバマ50%、クリントン49%だった。
ところが、開票結果はクリントン51%、オバマ47%。
これによりヒラリー・クリントンが勝利します

白人人口比率が高いニューハンプシャー、カリフォルニア、ロードアイランド各州でも、
同じような怪現象でも起きていた。

サウスカロライナ、アラバマ、ジョージアなど黒人が多い州では、
世論調査よりオバマの得票が多くなるという「逆ブラッドリー効果」が生じたことは、
先日の記事で取り上げたとおり。

複雑化した「ブラッドリー効果」の存在が浮き彫りになっています。

それではどうして「投開票パニック」が起こるのかを説明しましょう。
これはディンキンズが示してくれる。

1989年11月7日。
ニューヨーク市長選の開票状況を伝えるテレビ局のリポーターが、
動揺した口調でこう言います。

「まだ結果は出ていません。私たちも意外な進展に驚いています」

開票が始まると同時に「当確」を打ったはずのディンキンズの票が伸び悩み、
深夜になっても決着がつかなかったからです。

手堅いことで知られるニューヨーク・タイムズも、
開票が進むにつれ、「大勝」から「接戦」へと見出しが変わっていきます。

結果はディンキンズが50%、共和党対立候補のルドルフ・ジュリアーニが48%。票差わずか4万2000余。

どうしてこういうことが起こったのか。

白人有権者の中に、出口調査で嘘をついちゃった人がいたからです。
この嘘のために米メディアの予測が混乱したのです。

米国の選挙結果予測は、通常投票所から出てきた有権者への出口調査で行われます。
白人候補者に票を投じたのに、「人種差別者」と受け取られたくないために、
「黒人候補者に投票した」と嘘をついた白人有権者がいたということ。

特に気になるのは女性だったりして。
女性は表と裏を使い分けるのがうまいからなぁ(ポロリ)

リベラルを自称する知的な白人女性でも、
裏では「黒人に投票なんて、できるわけないわよ」などと漏らしているかもしれません。

よって、この時とまったく同じことが、まもなく起こる可能性が非常に高い。

米メディアも今頃対策に頭を抱えているはず。

嘘発見器がバカ売れするのでしょうか・・・


<引用記事>
心変わりする?白人有権者の動向懸念 米大統領選
2008/10/12産経新聞
核心 米大統領選 民主予備選 結果と事前調査にズレ
2008/03/07東京新聞朝刊
黒人首長続々誕生、米国政治の主流に N・Y市長、バージニア知事も
1989/11/21AERA

<画像説明>
写真の選定はen.wikipedia.orgに掲載されているものを基本としました。
(オバマ支持を表明したパウエルも追加しておきました)

コメント

_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/10/21 20:56

仮にマケインが勝利した場合、ブラッドレー効果というよりはvote fraudのように思います。投票装置に細工がしてあるということ。

ただ、前回はそういうこともあったようですが、今回は世界エスタブリッシュメント層がオバマを望んでいるようですから、そういうことはないと思います。

事実上、バイデン大統領だと考えれば良いんじゃないでしょうか。

_ Y-SONODA ― 2008/10/22 07:39

アルルさんへ

確かに今回もまたまた不正投票が話題になるかもね。

「世界エスタブリッシュメント層がオバマを望んでいる」との見方は、
正直私にはよくわかんないです(汗)

_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/10/22 08:14

そういえば、日本ではこの映画が公開もされなかったし、DVDにもならないですね。

ワグザドッグと同じ監督なんですけど。

Man of the year
http://www.imdb.com/title/tt0483726/

この映画は、ボウティング・マシーンの不具合が発覚したけど、マシーン会社が欠陥を公表させず利益を優先させてしまったために、出馬表明した政治コメディアンが大統領になってしまうと言うもの。プロットとしてはできが悪いんですが、ボウティング・マシーンの問題をやりたかったものと見られます。

CNNや田中さんのところで投票機械の問題については取り上げられはじめていますね。

_ Y-SONODA ― 2008/10/22 09:12

アルルさんへ

結局、オバマ優勢の中で
ブラッドリー効果にしても投票機械問題にしても、
米メディアはオバマが負ける要素を必死で探しているように見えますなぁ。

有権者の意識を刺激することでオバマにとってプラスになればいいのですが、
正直何が起こるかわからない。

全く視点が異なるけど面白い記事を見つけたので貼り付けておきますね。
オバマを勝たせたい勢力の存在が見えてくるかも。

Mixing of US Election Politics with Crude Oil
http://news.goldseek.com/GoldSeek/1224601440.php

_ 紫竹庵人 ― 2008/10/22 13:42

夏ごろから、「非常事態宣言」で「投票延期」などという説も浮上しているのですが。

_ 猿田彦愛亭命 ― 2008/10/22 19:14

猿田彦です。
今回、愛亭命(IT命=アイティのみこと)と、私の名の一つを明かしたのは、ボウティング・マシーンについて語るためです。
ITは私の専門分野でして、35年以上この世界に居り、プロ中のプロを自任しております。

私は選挙を司る某政府機関にも勤務していたことがあり、その当時内部に在って、「電子投票は身体を張ってでも止めさせる」と公言しておりました。

理由は2つあって、1つは電子機器を使う限りいくらでもごまかしができるということ。もう1つは、「選挙」というものはやり直しができないものであるということです。

電子機器(ボウティング・マシーン)のごまかしの手口をここで披露するのは差し障りがありますが、その手口は星の数ほどあるということ、さらに痕跡を跡形もなく消すことができるということ。こんな特性を持つ以上、信頼できる投票手段にはならないということです。

次に、選挙は一度開票結果が出て、その結果に問題が発生し、やり直しをするとしても、有権者が前回と全く同じ投票行動を取るとは限らないからです。結果を見て心理状態に変化が起きること、前回仕事などで棄権した人が、やり直し選挙には投票に来る、またその逆もあることなど、前回の結果を正確に再現できることはあり得ないからです。

今回の大統領選で、全米の投票手段がどうなっているのかはわかりません、各州などでそれぞれ異なる方法がとられているでしょうが、電子機器を使っているなら、いくらでもクレームできる余地が残っていると考えて良いでしょう。。

マスコミ論調で絶対有利が伝えられているオバマ氏が敗れるようなことがあれば、結果に対する問題があちこちで発生する可能性があります。
また、単純にオバマ勝利を信じて疑わなかった黒人層から暴動が起こる可能性もあるのではないでしょうか。

ブラッドリー効果というのは、どんな事前調査によっても予測ができないものなのです。投票当日、投票所に行って候補者を選択する直前まで迷った結果の作業であり、そこに誰にも言えない深層心理が働くのです。

電子投票の持つ危険性と相俟って、オバマ敗戦となった場合には米国社会に大きな混乱が起きることが懸念されます。

_ コバケン ― 2008/10/22 21:17

園田さん、以下の記事もなかなか面白いです。

http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,585563,00.html

参考まで

_ 日本人inUSA ― 2008/10/23 04:01

こちらのTalk Radioもついにオバマが勝ちそうだと言い始めました。
ニュース番組のレーティングがかなり下がってきたので国民は判断を下して選挙戦への興味を失ったようだ、ということです。

日本での報道やコメントは、米国メディアの論調とほぼ同じですね。
アメリカを知るにはキリスト教の影響がどれほど大きいかを知らないと本質が見えません。そして宗教を土台にした保守とリベラルのせめぎ合いが本質だとひしひしと感じています。
メディアはほぼリベラル一辺倒で偏りすぎです。

不正投票ですが、オバマ派のACORNの問題は日本ではどうなっていますか?こちらではあのCNNでさえ無視できずにわりと公平に報道していました。

Wという映画のことは知りませんでした。あまり映画に興味がないので。オリバーストーン、偏りすぎですね。しかもこの映画は中国資本だそうではないですか。
ますますそのまま受取る気になれません。

ほとんどの日本人はブッシュが大嫌いでアメリカ許せん!的な意見をよく聞きますが、オバマになったら改善させるといいですね。

_ Y-SONODA ― 2008/10/23 09:12

★紫竹庵人さんへ

どうも情報ありがとうございます。
早速ネットで探して今日の記事にしてみました。

私の陰謀説の方がほんの少しだけ現実味ありませんかぁ?(笑)


★猿田彦愛亭命さんへ

プロ中のプロのご意見を参考にさせていただいて、
今日のブログを書いちゃいました。

それにしても白人の心の奥底に潜む人種偏見に気付かない日本人がいることを
このブログの反応から知りました。
これも結構ショックです。

私も向こうにいる時に嫌なものを見ましたし、嫌な経験もありました。
何よりも肌というか空気で感じることが多かった。

頭でっかちになっちゃって、
日本人の感性も衰えつつあるのでしょうか。


★コバケンさんへ

面白い記事、紹介してくれてありがとう。
早速画像を使わせていただきました。

確かに肌の色などまったく気にしない白人もいますが、
それでもちょいと刺激すると本音がポロッと出ちゃうこともあったりする。
なかなか複雑ですよね。


★日本人inUSAさんへ

確かに米国の保守とリベラルを理解するには宗教が不可欠となってきましたね。
中公新書で『アメリカの宗教右派』という本が今年9月に発刊されたのですが、
筆者の飯山雅史さんが冒頭でこのことを取り上げていますよ。

ACORN問題は日本のメディアも結構取り上げていました。
比較的冷静に伝えていたと思います。

今私の関心はイスラムに向かっておりまして、近く取り上げる予定です。
イスラム金融が中心になると思いますけど、
こちらの方もぜひご意見お願いしますね。

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