Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

漁民を装う「海上民兵」さんの記事を集めていたら産経だらけになっちゃったの巻2012/07/19 09:16



<関連記事>

防衛省、対中有事シナリオ判明 尖閣占領から奪還想定
2011/05/09 産経新聞 東京朝刊

 ■監視・指揮・機動展開態勢など強化へ

 防衛省が、昨年12月に策定した新たな「防衛計画の大綱」に基づき、自衛隊の警戒監視・機動展開態勢などの強化策を検討するにあたり、沖縄県・尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成していたことが8日、分かった。偽装漁民の不法上陸に始まり、宮古・石垣両島への武力侵攻までを想定、自衛隊の奪還作戦に踏み込む。対中有事シナリオの全容が明らかになったのは初めて。

                   ◇

 新大綱策定を受け、防衛省は「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」を設置。検討グループに陸海空3自衛隊の「統合による機能強化・部隊のあり方検討」を設け、機動展開態勢と指揮統制、警戒監視を課題に挙げた。

 これらの課題検討にあたり、今年に入りモデルケースとして尖閣占領シナリオを秘密裏に作成した。

 シナリオは大別すると3つの局面で構成される。

 《(1)偽装漁民が不法上陸》

 漁民を装った中国の海上民兵が尖閣諸島に上陸後、中国は「漁船が難破した」と主張。沖縄県警の警察官が尖閣に乗り込み、入管難民法違反の現行犯で逮捕。海上保安庁の巡視船も周辺海域に展開する。

 《(2)海上警備行動で自衛隊出動》

 中国はこれに対抗して国家海洋局の海洋調査船「海監」を派遣。海監は大型・高速化が進み、海保の巡視船では排除できないと判断し、海上警備行動発令により海上自衛隊の艦艇や航空機が出動する。これに中国は「日本が不当な軍事行動を仕掛けてきた」と国際社会にアピールする。

 《(3)南西諸島に武力攻撃》

 中国が海軍艦艇を投入する。海自艦艇などは武力衝突に発展するのを恐れ海域を離脱。警察官も撤収する。間隙(かんげき)を突くように中国は米空母の介入も防ぐため宮古島や石垣島に武力侵攻する。この段階に至り防衛出動を発令、海・空自の艦艇や航空機を集結させ、米軍も展開する。陸自部隊は奪還作戦に入る。

 このシナリオに基づき、3自衛隊は態勢を見直す方針。東日本大震災への対応でも適用された「統合運用」の態勢強化に主眼を置く。「統合任務部隊」も編成されるが、陸自の西部方面総監や海自の自衛艦隊司令官が指揮官を務めるのは困難とされ、オールジャパンの部隊を指揮する司令部機能をどう担保するかが課題になる。

 また、シナリオに対処するには、警戒監視機能の向上や、陸自部隊を展開させる海・空自の輸送力強化が不可欠だ。無人偵察機の導入も主要な論点となる。陸自が駐屯していない石垣島など先島諸島では弾薬・燃料も常備されておらず、事前集積拠点の確保策も詰める必要がある。

 防衛省は6月までに、早急に対処すべき課題と中長期で取り組むべき課題に整理し、平成24年度予算案概算要求に反映させる方針。


陸海空3自衛隊 尖閣奪還作戦を策定 「中国が占領」連携対処
2012.5.9 07:01
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120509/plc12050907030002-n1.htm

 陸海空3自衛隊が昨年11月の統合演習で、沖縄・尖閣諸島が中国に占領されたと想定し、詳細な奪還作戦を策定していたことが8日、分かった。擬装漁民の不法上陸をきっかけに周辺海域まで中国に占領されるというリアルなシナリオで構成され、中国の弾道ミサイルの命中精度向上を踏まえ、陸海空3自衛隊の「統合運用」による迎撃能力の強化策も検証していた。

                   ◇

 対中有事に関し、防衛省は平成22年12月の「防衛計画の大綱」策定直後にも態勢強化に向けた尖閣占領シナリオを策定。今回はこれをより具体化させ、対処要領をまとめた。

 統合演習は、沖縄近海の特定海域を尖閣諸島に見立てて実施。事態は(1)平時での不法行動(2)武力攻撃予測事態(3)武力攻撃事態と認定しての着上陸作戦-の3段階をたどると想定した。

 まず中国側は漁民を装った「海上民兵」が尖閣に不法上陸すると想定。これをきっかけに中国海軍が尖閣周辺海域に艦艇を派遣、水陸両用・空挺(くうてい)部隊も展開するとした。中国の戦闘機は九州周辺の日本領空にも波状的に侵入するとした。

 これに対し、自衛隊は(1)陸自部隊の統合輸送・機動展開(2)防空作戦(3)対艦攻撃(4)自衛隊と米軍の施設防護(5)尖閣での着上陸作戦-の5つの作戦で応戦する。

 具体的には、中国の不法上陸後、中国海・空軍の動向から「国家意思」を確認した段階で、島嶼(とうしょ)防衛の中核部隊と位置付けられる陸自「西部方面普通科連隊」(長崎)が佐世保(同)から海自輸送艦で緊急展開。着上陸作戦により、中国の水陸両用部隊や空挺部隊を尖閣から排除する。

 防空作戦・対艦攻撃では、海自佐世保基地の艦艇、空自の築城(ついき)(福岡)・新田原(にゅうたばる)(宮崎)・那覇(沖縄)3基地の戦闘機を投入。防空作戦では、中国によるミサイル攻撃に備え、陸自高射特科(砲兵)部隊だけでなく、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などによる広域防護を担う空自高射部隊との連携拡大に重点を置いた。

 いずれも自衛隊による単独作戦を想定したが、実際の有事では米軍も参加し、より強力かつ重層的な作戦が可能になるとみられる。

 一方、問題点も浮かび上がった。尖閣占領が民兵上陸に端を発するならば、海上保安庁や警察が初動対応を担うが、自衛隊との連携強化は進んでいない。陸自部隊の輸送力強化など機動性を重視した防衛力整備も急務となる。

                   ◇

【用語解説】自衛隊統合演習

 昨年11月14~18日の間、約3万5千人が参加した大規模演習。九州南西・沖縄方面を主な訓練場所として武力攻撃事態での自衛隊の対処を訓練した。主要訓練事項は「島嶼部の防衛を含む各種行動」と発表している。


尖閣付近に「軍事演習区を設置すべきだ」中国軍人が過激論
2012.7.9 23:27
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120709/chn12070923280004-n1.htm

 【北京=川越一】沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権に絡み、中国人民解放軍関係者の中から、同諸島付近に「軍事演習地区を設けるべきだ」との意見が出ている。日本政府の国有化方針に対する反発と同時に、強硬な対抗策を控えている中国政府への不満もうかがえる。

 過激論を展開しているのはタカ派として知られる羅援少将。中国軍事科学学会の副秘書長を務める羅氏は、9日付の国際情報紙、環球時報に掲載された寄稿の中で、「釣魚島の主権が中国に属することを、行動で示さなければならない」と強調した。

 その具体例として挙げたのが、同諸島付近での軍事演習区や実弾試射区域の設置だ。同諸島周辺海域で操業する漁船に民兵を乗船させることや、中国が建造を進めている空母に「釣魚島号」と命名することも提案している。

 中国外務省の劉為民報道官は7日に「中国の神聖な領土は何人たりとも売買できない。釣魚島および周辺諸島の主権を維持するため、必要な措置を取り続ける」との談話を発表したが、羅氏の目には「空漠なスローガン」としか映っていないようだ。


【正論】「尖閣」危機 防衛大学校教授・村井友秀 海監も漁政も中国海軍の手駒だ
2012.6.7 03:35
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120607/plc12060703360003-n1.htm

 尖閣諸島周辺の日本領海内に最近、中国漁船に続いて、中国政府の漁業監視船や海洋調査船が徘徊(はいかい)・漂泊するようになった。中国では、漁船も海上民兵として海軍の指揮下で行動することがある。それでは、中国公船と海軍との関係はどうなのか、考察する。

 ≪軍の意向が党通じ国家動かす≫

 中国共産党政権は「鉄砲から生まれた」といわれるように、戦争の中で軍の力によって成立した政権であり、中共政権における軍の影響力は絶大である。現在の中共政権の政治構造をみると、共産党が最高権力機関であるが、軍の最高機関である中央軍事委員会は、共産党の最高機関である政治局と並立する機関である。中央軍事委員会主席は胡錦濤氏、政治局のトップも、党総書記にして国家主席の胡氏である。軍と党が並立し、党の下に政府が存在する構造である。政府(国務院)は党の決定を実行する機関に過ぎない。

 中央軍事委員会は、10人の軍人と2人の文民(胡主席と習近平副主席)で構成されている。軍人の委員の内訳は、副主席2人、国防部長、総参謀長、総政治部主任、総後勤部長、総装備部長、海軍司令官、空軍司令官、第二砲兵(ミサイル)司令官である。

 胡主席と習副主席は軍事専門家ではなく、中央軍事委での軍事に関する議論では軍人が強い影響力を持つ。毛沢東やトウ小平は文民指導者であると同時に実戦で軍隊を指揮した経歴があり、軍人に対し強いカリスマ性を持っていた。胡氏の前任の党総書記兼国家主席の江沢民や胡氏には軍歴がなく、軍人への影響力は限られる。

 他方、政治局では胡氏は最大の影響力を持つ。したがって、軍人の強い影響下でなされた中央軍事委決定は、胡主席の意向として政治局内で強い影響力を持つ。つまり軍の意向が党の意向として国家を動かしているのである。

 ≪外交部などは軍に逆らえず≫

 政府の一機関である外交部や国家海洋局も、政府を通じた党決定に従って行動する。中国では、党と並ぶ権力を持つ軍が、党の下にある政府の一機関である外交部を無視することはあっても、外交部が軍の意向に逆らうことはあり得ない。同様に、政府の一機関の国家海洋局が軍の意向を無視して行動することもあり得ない。

 国家海洋局は1964年、「国防と国民経済建設に服する」機関として創設され、制度上は政府の管轄下に置かれながら、海軍が実質的に管理してきた。82年に国連海洋法条約が採択されると、中国は海上保安機関を強化して、90年代には、国土資源部国家海洋局中国海監総隊(海監)、農業部漁業局(漁政)、公安部公安辺防海警総隊(海警)、交通運輸部中国海事局(海巡)、海関総署密輸取締局(海関)を組織した。

 海警は海軍のミサイルフリゲート艦を改造した巡視船を保有し、漁政は、海軍の潜水艦救難艦を改造した「漁政311」やヘリコプターを2機搭載できる「漁政310」を保有する。漁政は南シナ海でインドネシア、ベトナム、フィリピンの漁船、巡視船や海軍の艦艇を威嚇し発砲している。

 海監は国家海洋局の命で、中国の管轄海域を巡視し、中国の海洋権益に対する侵犯、海洋資源と環境を損なう違法行為を発見し排除することを任務とする。「海軍の予備部隊として、平時は違法行為を取り締まり、戦時は軍に編入される」ことになっている。

 ≪防衛力の縮小は侵略を誘う≫

 2009年には、中国海軍、中国公船、漁船が共同して、米海軍調査船の活動を妨害するという事件が発生した。国家海洋局海監総隊常務副総隊長は、「国際法上、係争海域に関して2つの慣例がある。第一はその場所が有効に管理されているか否かであり、第二は実際の支配が歴史による証明に勝るということだ」「中国海監は管轄海域内で必ず自身の存在を明示し、有効な管轄を体現しなければならない」と述べている。

 尖閣諸島周辺を遊弋(ゆうよく)し、中国の実効支配を誇示することは、海監の重要な任務なのである。

 中国の末端組織はバラバラに行動しているように見えることがあるが、それは右手と左手の動きの違いにすぎず、頭は一つだ。中国の頭は共産党であり軍である。中国軍は合理的な組織で、コストが利益を上回ると判断すれば行動を止める。日本の防衛力が強化されれば中国軍のコストは上昇し、軍事行動に出る動機は小さくなる。逆に日本の防衛力が縮小すれば、中国軍のコストは低下し軍事行動の魅力は増大する。日本の防衛力縮小は中国に軍事行動を取るよう挑発しているようなものだ。

 侵略を撃退できる十分な軍事力に支えられた、「尖閣諸島は日本の核心的利益である」という日本政府の強い決意表明は、中国軍の思考回路に影響を与える。

 「大きな棍棒を持って、静かに話す」(セオドア・ルーズベルト米大統領)というのが、古今東西の外交の基本なのである。(むらい ともひで)


【主張】憲法施行65年 自力で国の立て直し図れ 今のままでは尖閣守れない
2012.5.3 03:23
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120503/plc12050303230005-n1.htm

 憲法改正の動きが広がりを見せつつある。自民党が憲法改正草案をまとめたのに加え、みんなの党やたちあがれ日本も改正の考え方や大綱案を発表した。

 占領下で日本無力化を目的に米国から強制された格好の現行憲法では、もはや日本が立ちゆかなくなるとの危機感が共有されてきたためだ。

 憲法施行65年の今日、はっきりしたことがある。それは自国の安全保障を他人任せにしている憲法体系の矛盾であり、欠陥だ。

 ≪自衛権の制限は問題だ≫

 本紙は新たな憲法が不可欠との認識に立ち、「国民の憲法」起草委員会を発足させ、来年5月までに新憲法の礎となる要綱を策定する作業を進めている。その要諦は、日本人自らの力で国家を機能させ、危難を克服できるように日本を根本的に立て直すことだ。

 本紙とFNNの世論調査で、「憲法改正が必要」は58%に達した。国民も国家の不備を是正すべきだとしている。従来のような先送りは許されない。

 国の守りが危殆(きたい)に瀕(ひん)していることを指摘したい。2日も中国の漁業監視船が尖閣諸島周辺の日本の接続水域を航行した。問題は、日本の領海を侵犯しても、現行法では海上保安庁が退去を求めることしかできないことだ。

 仮に中国側が漁民を装った海上民兵を尖閣諸島に上陸させ、占拠しても、現行法の解釈では、自衛隊は領土が侵されたとして対処することはできない。代わりに警察が出動し、入管難民法違反などで摘発するしかないのだ。

 これは政府が自衛権の発動に厳しい枠をはめているためだ。「わが国に対する急迫不正の侵害」など、自衛権発動には3要件がある。それも「他国」による「計画的、組織的」な「武力攻撃」に限定している。

 漁民に偽装した海上民兵の行動はこれに当たらないという解釈だ。これが尖閣防衛を阻害しているとは何と奇妙なことか。

 戦争放棄や戦力の不保持、交戦権の否定などをうたった9条の下で、政府は固有の権利である自衛権を極力、行使しないように躍起だったためである。

 今日まで自衛隊に国際法上の軍隊としての機能と権限を与えていないことも、同じ文脈だ。

 領空侵犯の恐れがある外国機に対する航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)回数は、昨年度425回で過去20年で最も多かった。これは、空からの情報収集活動を活発化させている中国機への対処が、前年度より60回多い156回に急増したためだ。

 空自は対領空侵犯措置として、外国機に対して無線での警告、警告射撃など段階を踏んで退去や強制着陸を命じる。だが、許されているのはそこまでだ。

 ≪審査会は改正の論議を≫

 空自の措置は警察行動と位置付けられ領空を守る任務が与えられていない。相手はそうしたことを知悉(ちしつ)している。日本の不備は「力の空白」を生んでいるのだ。

 世論調査で、7割の人が憲法に自衛隊の位置付けを明文化すべきだと答えたことは当然である。

 注目したいのは、米国内でも日本の憲法改正や集団的自衛権の行使容認などが、日米同盟の強化に資するという見解が広がっていることだ。日本が国の守りを自力で行わなければ、日米共同防衛の実は上がらない。

 尖閣への侵攻についても自衛隊がまず対処すべきだ。そうでなければ米軍が自衛隊とともに行動することにはならないだろう。

 北朝鮮の弾道ミサイルから国民を守るため、沖縄本島や石垣島などにも自衛官や装備を展開した迎撃態勢について、一部に反対があった。国民の間にある「軍事アレルギー」の克服も課題だ。

 このほか、現行憲法には非常時対処の規定が著しく不備であることや、日本の歴史や文化・伝統がみられないことなど、問題点は山積している。

 昨年10月に始動した衆参両院の憲法審査会が、有識者の意見聴取や選挙年齢などの議論にとどまり、本格的な改正論議に入っていないのは残念だ。憲法改正への具体的な方針を決めていない民主党の消極姿勢が大きな原因だ。

 これまでは「米国任せ」で安住していたことも否定できない。日本人が誇りを持てる国づくりをどう実現できるか。問われているのは日本国民自身である。


○白書「2010年中国の国防」(5)
2011/05/02 新華社ニュース(中国通信社)

 五、国防動員と国防予備兵力の建設

 中国は、平時と戦時を結び付け、軍隊と民間を結び付け、軍需産業を民間産業と融合させる方針を堅持し、国防動員と国防予備兵力の建設を強化し、国防動員能力の向上と国防における実力を増強させている。
 
 国防動員組織の指導体制

憲法および関連の法律に基づいて、全国人民代表大会常務委員会は、全国総動員あるいは局部的動員を決定する。国家主席は、全国人民代表大会常務委員会の決定に基づき、動員令を発布する。国務院、中央軍事委員会はともに全国の国防動員の仕事を指導し、国防動員の方針、政策と法規を制定し、全国人民代表大会常務委員会の決定と国家主席が発布した動員令に基づき、国防動員の実施を組織する。国家の主権、統一、領土保全と安全が、直接的な脅威を受けた場合は直ちに対応措置をとり、その際、国務院、中央軍事委員会は、応急措置の必要性に応じて必要な国防動員措置をとり、同時に全国人民代表大会常務委員会に報告することができる。

地方人民政府は、国防動員の仕事の方針、政策と法律・法規を貫徹、実行し、当該行政区域での国防動員の実施を組織する。県クラス以上の人民政府の関連部門と軍隊の関連部門は、それぞれの職責の範囲内で、関連ある国防動員の仕事の責任を負い、職責に基づいて国防動員計画と国防動員実施予備案を遂行する。

国、軍区と県クラス以上の地方人民政府は、いずれも国防動員委員会を設立する。国の国防動員委員会は、国務院、中央軍事委員会の指導のもとで、全国の国防動員活動の組織、指導、協調の責任を負い、主任と副主任は、国務院と中央軍事委員会の指導者が兼任し、委員は、国務院の関連ある各部・委員会と軍隊各総部に関係のある指導者によって構成される。主要な任務は、積極的な防御軍事戦略方針を貫徹し、国の国防動員の仕事を組織し、実施することである。国防動員活動における経済と軍事、軍隊と政府、人力と物力の関係の協調をはかる。各軍区と県クラス以上の地方人民政府の国防動員委員会は、それぞれの地域の国防動員活動の組織、指導、協調に責任を負っている。国防動員委員会は、事務機構を設置し、そのクラスの国防動員委員会の日常的な仕事を担っている。現在、国の国防動員委員会は、人民の武装動員、国民経済の動員、人民防空、交通面での戦争への備えと国防教育などの事務機構を設立し、軍区と地方の各クラスの国防動員委員会はそれ相応の事務機構を設立する。

2010年2月、全国人民代表大会常務委員会で審議された『中華人民共和国国防動員法』が採択され、国防動員の平時の準備と戦時における実施の基本的内容が規範化され、国民と組織の国防動員の仕事の中での義務、権利が規定され、国防動員の基本制度を完備した。
 
 国防動員能力の建設

中国が、国防動員建設を強化する根本的な目標は、国防安全の必要性と互いに適応しあい、経済社会の発展と互いに協調しあう、突発事件への応急メカニズムと結びついた国防動員システムを確立し、それを健全なものにし、国防動員能力を増強することにある。数年来、国は、統一的な指導、全人民の参与、長期にわたる準備、重点的建設、統一的に計画し各方面に配慮した秩序のある高効率の原則を遵守し、国防動員の建設を経済社会の発展に組み入れ、動員を加速させ、平時から戦時への転換をさせ、保障を持続させ、総合的な防御能力を逐次向上させることに努めている。

人民の武装動員の建設は新たな進展を遂げた。戦時の部隊動員計画と保障計画を完璧なものにし、現役部隊時の員数を揃えて編成する仕事を実行し、予備役部隊の建設を強化する。民兵は、戦時に担うことになるかもしれない任務に基づき、非戦時軍事行動における任務の必要性を結び付けて完遂し、動員メカニズムの建設を加速させる。2010年8月に新たに改正された『中華人民共和国予備役将校法』は、国が国防動員の実施を決定した後に、予備役将校を召集する権限、手続、やり方に対する新しい規定をうち出している。

国民経済動員の建設が着実に推し進められている。重要なインフラ施設を建設する中で、国防の要求も重視し、重要な技術と製品に関する軍需産業と民間経済の相互融合の度合いを絶えず高めている。重点業種と中堅企業をよりどころとし、重要な製品と技術を結び付ける国民経済動員の中心部分の建設配置が初歩的に確立された。重点地域、重点業種、重点的な技術・製品の潜在力調査では、重要な進展が見られ、国防の需要に立脚し、経済建設のために奉仕し、応急と戦時対応を結び付けた戦略的物資貯蔵構造をさらに最適化した。

人民の防空建設の歩みを加速させている。長期の準備、重点的建設、平時と戦時を結び付けるという方針を貫徹し、情報化の条件のもとでの、空襲に対する戦時への準備を立派に推し進める。軍隊と政府の合同会議と軍隊と地方との合同公務制度を完備し、県クラス以上の各レベル人民政府の人民防空機構の設置を最適化し、人民防空機関の準軍事化の建設を推進している。合同防空と区域防空の要求に基づいて、各クラスの人民防空指揮所の建設に力を入れる。人民防空システムの防災機能を完璧なものにし、防空と防災を結び付ける作業メカニズムを健全化する。重要な経済目標の防衛の仕事を展開し、重要な経済面の防衛目標を選定し、応急緊急措置と応急補修についての案を制定する。人民防空プロジェクトの建設を都市のトータルな企画に組み入れ、法律に基づいて、民用建築物の防空地下室を修築し、都市建設の中で、人民防空・防御の要求を結実させ、人民防空と都市建設の協調的な発展を促進している。各省・自治区・直轄市で、防空防災についての広報教育と技能育成訓練を幅広く展開し、防空防災知識や自らの身を守り、互いに助け合う技能や人々を緊急疎開させる方法などを普及させる。

国防交通動員の建設をしっかりと秩序立てて行う。交通面における戦時への備えの建設を、国の交通システム建設に組み入れ、戦略的なルートの保障能力、戦略的な投下・輸送保障能力、交通面の緊急輸送、応急補修能力を向上させる。軍隊と民間を融合する一連の発展項目を重点として推進し、これにより国防交通の戦時への備えとしての活動のトータルなレベルの向上を率先して促している。関連する業種をよりどころとし、編成、システム化した交通専門保障隊をつくり、戦略的なルートに沿って、交通業種保障隊列の建設を強化する。交通重点目標保障案と部隊の戦時への備えのための輸送保障案の制定または改正を行い、軍事関連の輸送施設と国の交通運輸施設を同時に企画し、同時に建設することを実現するように努めている。
 
 予備役部隊の建設

予備役部隊は現役の軍人を中堅とし、予備役の将兵を基礎とし、軍隊の統一された体制・編制で編成された武装力であり、軍隊と地方の党委員会、政府の二重指導制を実施している。予備役部隊の各クラスの軍隊・政府の主要責任者、部門の主要指導者、一部の公務員と中堅となる専門技術者は、現役軍人がその任にあたる。予備役将校は、主に条件に符合した退役軍人、地方幹部、人民武装部隊の幹部、民兵幹部、民間の軍事専門技術に関係する人たちの中から選び配置される。予備役兵士は、主に条件に符合した退役兵士、訓練を受けた基幹民兵、民間の軍事専門業種と対応しうる人たちの中から選ばれ編成される。

ここ数年来、予備役部隊に関する様々な建設と改革には、新たな進歩がみられる。地域の編成組織形態を完璧にし、ハィテク技術業種をよりどころとしたシステム化と編成化した、人員と装備を結び付け、広域の共同編成や区域に跨る抜き取りによる編成など、多岐にわたる編成形態を模索している。戦時に担うことになるかもしれない任務に基づき、予備役部隊の軍事訓練と考査大綱を改正し、完璧なものにし、現役部隊との連携訓練、合同訓練を強化し、基地化、シミュレーション化、コンピュータネットワク作戦訓練の展開をしている。予備役将兵は一般的には、毎年240時間の軍事・政治訓練を受けている。予備役部隊は、平時には緊急対応ができ、戦時には応戦できるという目標を中心に建設し、数量や規模を重視することから質や効率を重視することへの転換、直接戦闘に参加することから支援・保障作戦を主とすることへの転換を加速させ、また、一般兵員の補充から技術兵員の補充を主とすることへと転換し、それによって現役部隊の有力な助けとなり、国防予備兵力としての力となるよう努める。
 
 民兵の建設

民兵は、中国の武装力の重要な構成部分であり、人民解放軍の予備兵力である。ここ数年来、民兵の建設において調整、改革を深化させ、構造の配置の調整、訓練の改革と装備の建設などの面において、新たな進展が見られた。現在、全国の基幹民兵数は800万人である。

国境警備・海上防衛戦闘部隊、軍・兵種の各種勤務保障部隊、応急部隊の建設を重点的に強化し、農村から都市と重要な交通ルート沿線へ、一般地域から重要な方向と重点地域へ、在来の業種からハイテク業種へ広げていくことに力を入れ、民兵の構造、配置をさらに合理的なものにしていく。新しい『民兵の軍事訓練と考査大綱』の要求に基づき、軍事訓練の改革を推進し、現役部隊との合同訓練や合同演習を行い、各クラスの民兵訓練基地のシステム建設を強化し、重点分隊の訓練に力を入れ、民兵の応急時には緊急対応し、戦時には応戦する能力が目に見えて増強された。防空戦と緊急・安定維持の装備確保のための建設を強化し、新型の防空兵器や装備を配備し、既存兵器の技術のグレードアップと改造を行い、兵器・装備の完全率、組合せ率が著しく向上した。

民兵は反テロ・安定維持、災害救援、国境の防衛・警備、治安の共同防衛などの活動に積極的に参加し、多様化した軍事任務を完成させる中で、特色のある優位性を発揮している。毎年9万人以上の民兵が、橋梁、トンネル、鉄道線路などの警備に参加し、20万人以上の民兵が軍隊・警察・民兵による共同防衛バトロールに参加している。また、90万人以上の民兵が、甚大自然災害の緊急救援活動に参加し、200万人近くの民兵が都市と農村の社会治安の総合的維持・管理活動に参加している。(続く)

コメント

_ 奔放な旅人 ― 2012/07/19 10:25

中国の尖閣占領を想定したシナリオ。
あり得ない事では無く、今では現実に近いのではないだろうか。
これで自衛隊が出動するとなっても、憲法九条擁護派は違憲だの何だのと叫き立てるのでしょうね。
その前に政府の連中が決断できず、事態を悪い方向へ進め、やっと決断できたとしても手続きの問題で実際に自衛隊が出動できるまでにどのぐらいの時間を要するのか!
自国の領土が他国によって占領されようが、どうでも良いのか!と言いたくなるし、この様な人達の行動を中国は見逃さない。
シミュレーションの如く八重山を経由して沖縄まで侵攻してくる可能性も高まる。
しかし沖縄本島にはアメリカ軍基地があるので、慎重に来るだろうけど。
それでも自衛の為に出動する自衛隊に対して九条擁護派は叫き立てるでしょうね。
そうなれば日本国内は内乱にも発展しかねない。
中国にとっては思う壷であり、九条擁護派を利用してくるでしょう。
それでなくても中国は日本国憲法九条の内容を理解していますから、武力行使となれば中国が有利に働くでしょう。
もしこうなった場合、如何に憲法九条が自滅条項だと気付く人がどのぐらい出て来るのか。

_ KS ― 2012/07/19 20:57

私なんぞは、この奪還作戦公表で、ますます中国の尖閣侵攻の可能性が低くなったと思ってしまう。

産経は改憲って言いたくって煽りすぎな気も。。。

勿論、より早い段階で自衛隊が動ければ、被害が少なく戦局的に有利になるのは間違いないんですが。

_ Y-SONODA ― 2012/07/20 07:25

★奔放な旅人さんへ

>中国は日本国憲法九条の内容を理解していますから、武力行使となれば中国が有利に働くでしょう。
もしこうなった場合、如何に憲法九条が自滅条項だと気付く人がどのぐらい出て来るのか。

うーーん、どうなんでしょうね。
いずれは憲法九条改正も必要とは思いますが、それが今なのかはちと疑問。
この10年で中国の方向性が見えてくると思うので、やるとすればその後でしょうね。


★KSさんへ

>産経は改憲って言いたくって煽りすぎな気も。。。

あはは、産経にとっては悲願ですからね。
そのために煽りありと思うとどこからどこまでが本当なのか疑っちゃいますよね。

_ きたがわ ― 2012/07/20 07:48

憲法九条を改正せずとも、法的解釈でやったほうが
簡単に対処できると思うけどね。
自民党も徐々にそういう路線になっているでしょう?

改憲原理主義者じゃなくて、改憲現実主義者。
たとえ、現行の憲法九条改正せずとも、実質的に安全保障に
対処できるようにすれば良いだけだから。

かつては、自衛隊のことを軍隊ではない、戦車のことを特車だと言ったぐらいなんだからw
そういう感じで行けばよい。

また、憲法九条は都合によって使い分ければよいw
たとえば、アメリカによる戦争に巻き込まれそうになったら
憲法九条を理由に最低限の協力でごまかし
中国が尖閣を占拠するときだけ、海保の看板で武力を使うとかw

_ ななし ― 2012/07/20 14:46

わたしも、のらりくらり行けるうちは、行ったほうがいいと思っているクチです。

問題は、白黒はっきりさせないとイヤ!、という人たちが増えている(ように見える)ことでしょうか。つい最近も、ふだんは理性的な知人が、憲法九条改正はもちろん、戦勝国が作ったなんの意味もない国連なんか脱退すべき、とか言い出して、ぎょっとしました……

_ Y-SONODA ― 2012/07/23 05:58

★きたがわさんへ

>憲法九条を改正せずとも、法的解釈でやったほうが簡単に対処できると思うけどね。

現状、集団的自衛権を見てもそのような方向で進んでおりますね。
ここでも一番左の方から大クレーム。
東京新聞の社説、読んでやってください。

東京新聞社説:集団的自衛権 解釈変更は認められぬ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012071402000126.html


★ななしさんへ

>問題は、白黒はっきりさせないとイヤ!、という人たちが増えている(ように見える)ことでしょうか。

あはは、白黒傾向は確かに強まってきたかも。
すっきりしてわかりやすいとは思いますが、世の中それほど単純ではありませんよね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2012/07/19/6516010/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。