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『隠された皇室人脈』には隠された読み方があったりする!2008/05/23 18:59

『隠された皇室人脈』というタイトルからして、
新著もまたタブーに挑戦した暴露本と思われるかもしれません。

確かにそういう構成になってしまったのですが、
ここで新著の隠された読み方を紹介したいと思います。

私としては新著をインナー・サークル・シリーズ第二段と位置づけています。
もう30年近く取締役兼任制度から欧米インナー・サークルを追い続けてきたのですが、皇室とはまさに日本のインナー・サークルそのものです。

よって、
前著『最新アメリカの政治地図』が「米欧インナー・サークル最新情報」だとすれば、皇室という日本の奥の院に集う人脈を描いた新著『隠された皇室人脈』は、「昭和天皇のインナー・サークル」が裏タイトルになります。その中心にいたのが牧野伸顕であり、その娘婿の吉田茂だったわけですね。

マイケル・ユシームの『インナー・サークル』(東洋経済新報社)の監訳者であり、米国金融資本研究の第一人者だった故松井和夫先生は私の恩師です。

松井先生が生きておられたらさぞかし驚くだろうと思いますが、
ユシームのインナー・サークル論を改良し、
宗教分野にまで踏み込んだのが、
園田流インナー・サークル論ということになります。

またこの宗教分野で何をもちあげ、何を問題視したという点で読み比べると、これまでのシリーズ二冊がつながっていることも気付くはずです。

社外取締役制度同様、
インナー・サークルの人脈形成に、
宗教が大きく関わっていることを気づかせてくれたのが、
米国キリスト教右派の存在でした。

911からイラク戦争に至る過程で、
キリスト教右派やネオコンを問題視したコラムを逸早く発表してきましたが、日本に目を向けるとよく似た集団がムクムクと復活。
これが新著の第五章につながっていきます。

宗教で結びつく集団はその性格故に密集度が高く、内部分裂も大得意。
しかし、外敵による攻撃にさらされたりすると、
気持ち悪いほどに強く結束します。
これはもうコンラート・ローレンツの動物行動学の世界ですね。
そして、時に暴走を始める。
いや、むしろに利用されて暴走させられるのかもしれません。
日米の選挙を見てもわかるように、
この集団は「誰かさんたち」にとっては利用しやすい対象なのです。

さらに面白いのは一触即発の危機的状況になると、
異なる集団間の橋渡しをするブリッジという存在がヒョッコリ登場します。
「太平洋の橋」を目指した新渡戸稲造などはまさにその典型ですね。
このブリッジの力量によっては、歴史が変わることもある。

宗教界では新渡戸が信仰したクエーカー、ブリッジ・チャーチこと聖公会、それにカトリックなどはブリッジ役に進み出るのがお好きみたいです。

また国連、それにビルダーバーグ会議にトライラテラル・コミッションなどは意見&利害調整の場としてのブリッジ機能が備わっています。
このあたりに「誰かさんたち」たちが潜んでいるのでしょう。

身近にもブリッジみたいな人はいますよね。
異なる企業間や企業内部の異なる部署間とかね。

いずれこのあたりもまとめたいですねー。
「タテ社会の人間関係」に挑戦して、
「タテ・ヨコ社会の国際関係史」がいいかなぁ w