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祝!=燃料電池車、国際基準に日本案、国連部会で正式合意2013/06/28 06:58



<関連記事>

安全基準に日本案、燃料電池車、米欧など採用、国連部会で各国合意へ。
2013/06/23 日本経済新聞 朝刊

 日本や米国、欧州連合(EU)など33カ国・地域は今週、燃料電池車の安全性の国際基準で日本案を採用する。日本車メーカーは国内仕様のまま輸出できる。政府は走行実験の手続きを簡素化してトヨタ自動車や日産自動車などメーカーの開発を促す。約10年で3兆円に拡大すると見込まれる世界市場のシェア獲得に向け日本メーカーが攻勢に出る。(関連記事3面に)

 燃料電池車は燃料電池で酸素と水素を反応させて電気を作ってモーターを回し、それを動力にする。走行中の排ガスはゼロで次世代自動車のなかでも環境性能が高い。電気自動車(EV)より走行距離も長いと期待されている。普及に向けては水素の爆発を防ぐ安全基準が課題だった。

 このほど国連が示した燃料電池車の安全基準は最終案の大部分に日本の提案が盛り込まれた。24~28日にスイス・ジュネーブで開く国連の作業部会で各国が正式に合意する。中国やインドなど新興国も合意する。

 日本は2005年に主要国で最も早く安全基準を作り、当初から日本案を軸に交渉が進んでいた。国際基準が決まると各国は国内法を制定・改正して国内基準もそろえる。

 日本案の安全基準は、車に搭載する燃料電池から水を排出する配管内の水素濃度の上限を4%にする。4%に達すると水素の注入を遮断し爆発を防ぐ仕組みを義務付ける。容器内の圧力を高めたり、低くしたりする作業を2万2千回繰り返しても容器が変形しないよう耐久性も検査する。

 トヨタや日産、ホンダなど各社は日本で15年に本格的な販売を計画している。トヨタは15年に米国でも販売を始める計画だ。

 日本案が国際基準になると輸出先の国・地域に合わせて仕様を変える必要がなくなる。トヨタは「国際基準が明確になれば量産体制を確立しやすくなる」としている。各社は10年前に1台1億円だった燃料電池車の価格を500万円程度に引き下げて普及させる考えだ。

 政府は規制緩和で燃料電池車の普及を後押しする。国土交通相の認定が必要な公道での走行実験で、手続きにかかる期間を8週間から6週間に短縮。自動車メーカーの技術革新を後押しする。


燃料電池車、国際基準に日本案 国連フォーラムが採択
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013062701001890.html

 【ジュネーブ共同】自動車の安全対策などに関する国際基準を策定する国連欧州経済委員会のフォーラムは27日、ジュネーブの国連欧州本部で会合を開き、燃料電池車の安全基準案を全会一致で採択、基準の大部分に日本の案が採用された。

 燃料電池車は温室効果ガスをほとんど排出せず、環境に優しい「究極のエコカー」と注目されている。日本の基準採用で、国内各メーカーは輸出が容易になり、国際的なシェア獲得で優位に立てそうだ。

 各社は2015年ごろに量産車の市販開始を目指しており、世界販売台数は25年でも130万台程度の見通し。日本政府は今月、「世界最速普及」方針を閣議決定した。2013/06/27 21:14 【共同通信】


燃料電池車に日本の安全基準採用 国連部会で正式合意
2013/6/27 22:39
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF27017_X20C13A6EE8000/

 日本や米国、欧州連合(EU)など33カ国・地域は27日、スイス・ジュネーブで国連の作業部会を開き、燃料電池車の安全性を規定する国際基準に日本案を採用することで正式合意した。日本車メーカーは国内仕様のまま輸出できるようになり海外市場の開拓に追い風となる。

 水素を燃料とする燃料電池車は1回の補充で走行できる距離がガソリン車並みで利便性が高い。各社は2015年をめどに本格的に販売を始める方針で開発競争が激化している。

日経:巨樹の神威仰ぎ撮る―巨樹写真家高橋弘氏2013/06/28 10:05

日経:巨樹の神威仰ぎ撮る―巨樹写真家高橋弘氏


<記事引用>

巨樹の神威仰ぎ撮る―巨樹写真家高橋弘氏(文化)
2013/06/28 日本経済新聞 朝刊

 出合うと、まず手を合わせる。私なりの挨拶(あいさつ)である。そして周囲を何度も回る。1人では抱えきれないほど幹が太くて、てっぺんも容易に見えない巨木は、初対面ではなかなかいいアングルを教えてくれない。納得いく写真は2度、3度と訪れてようやく、撮れる。

 日本の巨樹・巨木を撮り続けている。28歳のころから、25年になる。

 カメラメーカーに勤めていたこともあり写真は昔から趣味で、国内の史跡によく出掛けていた。そんな中、福島県・会津で幹の直径が3メートルに及ぶスギに出合った。その圧倒的な重量感、存在感が忘れられなかった。調べると、日本には7万本近くもの巨樹がある。それを一つ一つ訪ねるところから、撮影は始まった。

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 世界屈指の多種多様さ

 巨樹とは環境省の定義に従えば、高さ1・3メートルのところで幹周りが3メートル以上の樹木を指す。現在7万本弱というのは、確認されたものという意味で、実際にはまだまだあるはずだ。スギ、クスノキ、ケヤキ、イチョウ、カツラ、イチイ、モミ……。日本は巨樹の数と、その多種多様さにおいて、世界で屈指だ。

 これまで3100本ほどを撮影した。延べで1万本になる。現在は東京・奥多摩町の日原森林館で解説員をしながら、各地で撮り歩いている。8年前からは環境省の巨樹のデータベースの管理もしており、新発見の情報も入る。数年前には熊本県で、日本で2番目に大きいイチョウが世に出た。幹の直径は5メートル、幹周りが16メートルもある。

 巨樹は、山奥にあるとは限らない。熊本県のイチョウもそうだが、むしろ人里の方が多い。よく見つかるのは、神社や寺の境内だ。ある地域の「神木」となれば、伐採されることなく大きく育つ。その木を、地元の人は見慣れているがゆえに、巨樹としての価値をなかなか認知しないのだ。

 巨樹のあるところは、人が暮らしやすい場所だともいえる。南からの日差しと水があり、強風があたらない土地。例えば北側に山のある、山と平地のきわのあたりでよく発見される。いわゆる里山と呼ばれる場所は、巨樹の宝庫でもある。巨樹は、日常風景の延長線上に存在するものなのだ。

 山間部まで日本中を徹底的に調査すれば、もっともっと現れるだろう。現在では幹周りが25メートルほどのものが日本最大とされているが、それ以上の木もあるはずだ。

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 失礼を働くとバチが

 数百年から千年以上の樹齢を持つ巨樹はいわば地球で最大・最長寿の生命体である。人間の常識を超越した存在、神が宿るもののように感じられる。出合ってしばらく、放心状態になることも多い。撮影の際は、半日はねばる。晴れの日よりむしろ、曇りや霧雨の日の方がいい写真が撮れる。

 うっかり失礼を働くと、バチが当たると思っている。撮影前に手を合わせるのを忘れたり、直接実や葉を採取しようとしたりするとケガをしたり、体調を崩したりするのだ。こうした巨樹は伝承のあるものも多く、ヤマトタケルや空海、親鸞、平家の落人、八幡太郎(源義家)らの「お手植えの木」だと伝えられるものも少なくない。

 山中を2時間もさまよって、遭難しかかったこともある。ようやく見つかった一本道の先に、日本一のヒノキはあった。東京都の御蔵島は巨樹が多い土地だが、海が荒れて船が接岸できない日が多い。しかし台風の合間に1日だけ上陸でき、念願だったシイの巨木に出合うことができた。

 巨樹には蛇のようにうねった木、あちらこちらに伸びて暴れているような木も多く、私はそうしたアクの強い木が特に好きだ。カメラと共にメジャーや樹高計も25年前から持ち歩き、幹周りや高さを測る。

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 震災、大半が無事

 東日本大震災後は、東北の巨樹も見て回った。大半が無事に残っていた。多くが高台の神社や寺の境内にあったためだろう。石段の最上段まで津波が来た、という話もよく聞いた。境内のすぐ下で水が止まったというのだ。やはり巨樹は、人が安全に暮らせる場所を示しているのだろう。

 国内の巨樹を探しつつ、少しずつ海外でも撮影したい。例えば台湾にあるタイワンヒノキは、幹周りが25メートルを超えるものが数多く存在する。そして世界最大の巨樹、セコイアデンドロン。米国・カリフォルニアに多いが、幹周りは30メートルを超え、日本の巨樹たちの3倍はありそうな印象だ。世界の巨樹も、私にいいカメラアングルを教えてくれるだろうか。(たかはし・ひろし=巨樹写真家)

【図・写真】筆者が撮影した宮崎県・諸和久のカツラ