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中国誘う「1984」 - 華為技術(ファーウエイ・テクノロジーズ)の国民監視網2011/11/01 08:21

中国誘う「1984」 - 華為技術(ファーウエイ・テクノロジーズ)の国民監視網


<関連記事引用>

WSJ-イランを支援する中国大手テクノロジー企業
2011/10/28 ダウ・ジョーンズ中国企業ニュース

(ウォール・ストリート・ジャーナル)イラン政府による2年前の市民弾圧を受けて西側企業が撤退した後、その穴を埋めたのは中国の通信大手となった。

現在、華為技術はイラン政府の支配下にある携帯電話業界に大きく進出している。この一環として、同社は国家セキュリティ網の実現に一役買っている。

華為技術は最近、同国最大の携帯電話事業者と同社システムの機器導入契約を交わした。これは警察による携帯電話を利用した人々の位置追跡を可能にすることを、イラン内外の通信会社の従業員のコメントやウォール・ストリート・ジャーナルが閲覧した企業入札文書は示した。また、同社はイラン2位の事業者でも同サービスを支援している。華為技術は、米国を含むほぼすべての国が警察による携帯電話網へのアクセスを義務づけていると指摘した。

華為技術のイランでの役割は、国家が検閲や監視を通じて反体制派を鎮圧するために外国技術を容易に入手できることを示す。位置情報サービスなど華為技術がイランでサポートする技術の多くは西側のネットワークにも存在する。違いは、抑圧的な政権の手中に収まると、これが反対意見の鎮圧に貢献する肝要なツールとなり得ることにある。

昨年には、エジプト公安当局が英企業の提供したシステムを利用して民主主義活動家のスカイプを通じた会話を傍受した。リビアでは、カダフィ大佐の下で働く工作員がフランス企業の技術を用いて電子メールやチャットメッセージを傍聴した。エジプトやリビアでは今年に入って政権転覆が続いたが、イランの高度なスパイ網は今なお健在だ。

イランではインタビューに応じた学生活動家2人が通話後間もなく逮捕された。イラン政府はコメント要請に応じていない。

イランでは、2009年の波紋を呼んだ選挙戦を経て国内で数十年ぶりの大規模な反政府運動が発生したことを受けて、国民監視体制が強化された。当局は個人の自由や反対意見を大々的に取り締まるようになった。イラン系人権団体によると逮捕者は6,000人を超え、数百人が現在も投獄されているという。

華為は今年に入るとイラン2位の携帯電話事業者MTNイランセルへのモバイルニュースサービス向け機器販売のために政府高官に売り込みをかけた。この会合に参加した関係者によると、華為の代表は、ニュースの検閲には専門力を備えていると説明したという。

同社は契約を勝ち取り、事業者はサービスを立ち上げた、とこの関係者は述べた。MTNイランセルは「モバイルニュースペーパー」サービスの発表に際して検閲には言及していない。しかし、イランは定期的に高度なフィルタリング技術を用いてインターネットの検閲を行っている。ウォール・ストリート・ジャーナルは6月に、イランは独自の国内インターネットを設けることで西側の思想や文化、影響に対抗する計画をもつと伝えた。

イランで契約を獲得するために華為はしばしばエレクトロニクス会社Zaeim Electronic Industriesと組んでいる。同社のウェブサイトによると、イラン企業の顧客には情報、防衛当局や同国の特殊任務部隊であるイラン革命防衛隊が含まれる。今月には米国がイラン革命防衛隊の支部に対し、在米サウジアラビア大使の暗殺を計画したと追求した。イランはこの主張を否認している。

華為の広報トップ、ロス・ガン氏は「あらゆる国連の経済制裁措置、中国の規制、輸出規制にかかる当該国家の規制を厳格に順守するのがわが社の使命だ。われわれのイランの業務部門はあらゆる当該規制を完全に満たしているものと確信している」と述べた。

ワシントンで華為の渉外担当バイスプレジデントを務めるウィリアム・プラマー氏は、同社の位置情報サービスは合法的傍受機能を義務づける「グローバル仕様」を順守していると述べた。「われわれのイランでの業務は他のすべて市場と同様だ」とプラマー氏は述べた。「われわれの目標はコミュニケーションを通じて人々の生活を豊かにすることにある」。

華為のイラン部門には従業員が1,000人前後いる、と同社のイラン業務に詳しい関係者は述べた。中国でのインタビューでは、華為の幹部は同社のイラン携帯電話業界における活動について、技術者らは華為の機器、主にルーターのサービスを提供するまでにとどまると述べた。

しかし、華為の中東業務に詳しい関係者は、同社の役割ははるかに大きく、政府が過半数株を保有するMTNイランセルとの「マネージドサービシズ」契約がこれに含まれると述べた。これはネットワークの一部を管理する業務にかかる。この関係者によると、09年に行われたデモンストレーションでは、華為は顧客であるMTNイランセルのために、イラン政府がMTNや他の通信事業者に命じたテキストメッセージの停止、インターネット電話サービス「スカイプ」の阻止を披露したという。これらは反体制の間で人気がある。華為のプラマー氏は同社がこうしたサービスを阻止したことは認めていない。


<関連サイト>

華為技術有限公司(ファーウエイ・テクノロジーズ Huawei Technologies Co. Ltd )
http://www.huawei.com/tc/
http://www.huawei.com/en/
http://www.huawei.com/jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%AF%E7%82%BA%E6%8A%80%E8%A1%93


Chinese telecom firm tied to spy ministry
CIA: Beijing funded Huawei
By Bill Gertz
The Washington Times
8:38 p.m., Tuesday, October 11, 2011
http://www.washingtontimes.com/news/2011/oct/11/chinese-telecom-firm-tied-to-spy-ministry/
http://www.washingtontimes.com/news/2011/oct/11/chinese-telecom-firm-tied-to-spy-ministry/print/

China's spies: State-sponsored fronts
http://www.pittsburghlive.com/x/pittsburghtrib/opinion/s_761690.html

Digital Dao: Here are the Facts about Huawei and the Chinese Government
http://jeffreycarr.blogspot.com/2011/10/here-are-facts-about-huawei-and-chinese.html?m=1

Digital Dao: Huawei's Chairwoman Worked For Chinese Intelligence Before Joining Huawei
http://jeffreycarr.blogspot.com/2011/10/huaweis-chairwoman-worked-for-chinese.html?m=1


Can we trust China's internet companies?
China’s telecoms giant Huawei is upset after it was shut out of the race to build a new wireless network for the emergency services in the US because of “national security” concerns about Huawei’s links to China’s People’s Liberation Army (PLA).
http://blogs.telegraph.co.uk/news/peterfoster/100110693/can-we-trust-chinas-internet-companies/


中国の華為技術、イラン携帯電話業界を独占―国民監視も支援か
2年前のイラン政府による国民弾圧を受けて、西側企業がイランから撤退した際、その空白を埋めたのは中国の通信機器大手・華為技術だった。華為は、今や、イラン政府が深く関わる携帯電話産業を独占し、同国の国家安全保障上のネットワークを機能させる役割を担っている。
http://jp.wsj.com/World/China/node_333247

Chinese Tech Giant Aids Iran .
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204644504576651503577823210.html


初の大規模サイバー国際会議、ロンドンで開催へ
会議にはクリントン米国務長官、ビルト・スウェーデン外相ら各国政府代表や、インターネット検索サービス「グーグル」や会員制交流サイト「フェイスブック」、中国の「華為技術(ファーウェイ)」などの情報技術(IT)関連企業幹部など約700人が参加。知的財産権の保護やサイバー空間での言論の自由のあり方などについて意見交換。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111031-OYT1T01140.htm

Panda Huggers vs. Dragon Slayers2011/11/02 07:01

Panda Huggers vs. Dragon Slayers


<関連記事引用>

ワシントン駐在編集特別委員・古森義久
2011.11.2 03:15
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111102/amr11110203160001-n1.htm

 ■対中衝突回避へ抑止力強調

 米国のメディアでは中国の軍事力についての記事や論文がまた一段と目立つようになった。しかも「中国は核兵器を何基、保有しているのか」(ウォールストリート・ジャーナル)とか「中国との最終戦争を避けるには」(外交雑誌フォーリン・ポリシー)というような、どきりとするタイトルが多い。米中軍事衝突の可能性に触れる緊張した内容なのだ。

 研究機関の調査や研究となると、さらに身を引き締まらせる。戦略研究では伝統のある「ランド研究所」が10月中旬に発表した「中国との衝突」という報告は、ずばり米中戦争の可能性を研究していた。中国の軍事を専門に調査する「国際評価戦略センター」は「西太平洋での中国と米国の軍事競合」という詳細な分析を公表した。

 アジアの安全保障を研究する「プロジェクト2049研究所」は米国を標的とする中国の戦略ミサイル部隊の報告を出した。首都の大手シンクタンク「AEI研究所」は「米国は中国の膨張に対応できるか」という米中軍事バランスについてのセミナーを、つい10日ほど前に開いた。

 中国に対してまだまだ関与や対話という政策標語を語るオバマ政権下のワシントンでなぜこんな警戒の動きが表面に出てきたのか。簡単にいえば、海や空や宇宙、サイバーという広い領域での中国の軍事活動の攻勢が米側に威圧を与えるようになったからだろう。最近まで米軍統合参謀本部議長だったマイク・マレン提督は「私が中国の軍事動向に対してずっと抱いてきた好奇心はもはや真の懸念へと変わった」と述懐した。

 米国の中国軍事専門家には長年、「赤組」と「青組」、「パンダ・ハガー(抱く人)」と「ドラゴン・スレイヤー(退治する人)」というユーモアを交えての区分があった。前者は中国の軍事戦略が台湾攻略能力保持にとどまるというソフトな見解なのに対し、後者は中国軍が台湾有事を超えて米国と対決する意図だというハードな見方の持ち主を指していた。

 ところがこの1、2年間にこの区分がすっかり薄れ、「パンダをハグする人」はほとんどいなくなってしまった。理由はひとえに中国の軍事面での現実の言動がその長期戦略を守勢、協調、抑制という言葉で特徴づけることを難しくしてしまったことだった。だから米国の対中姿勢も軍事面では強固になったわけである。

 では米中戦争がありうるのか。どの研究報告も「確率はきわめて低い」と予測する。米国の軍事能力がまだ優位にあることに加え、両国は経済での交流や対テロ闘争での協力など協調の分野も堅持する。中国が全世界の共産化などを唱えない点も冷戦時のソ連とは異なる。米中関係はなにしろ複雑多岐なのである。

 しかしランド研究所の「中国との衝突」報告は米中戦争が起きにくい展望の前提として「米国側が強固な抑止力を保持する限り」という条件を強調した。だが北朝鮮、台湾、サイバー、南シナ海、日本、インドという要因で中国が軍事行動を取った場合、米軍との衝突もありうる、とも指摘した。そして中国への実効性ある抑止体制には日本や台湾、韓国など米国の同盟パートナーがそれぞれ堅固な防衛態勢を保つことが欠かせないと述べていた。

 となれば日本にも中国の軍拡の実態を認識するだけでなく、抑止のための防衛態勢を固めるという課題が迫ってくるといえそうだ。


<画像引用>

Panda Huggers and Dragon Slayers
http://en.radio86.com/chinese-media/panda-huggers-and-dragon-slayers

米国主導の経済ブロックに潜む毒饅頭、それに伸るか反るかの大博打 - 「野口悠紀雄&佐藤優&伊藤元重」論争を読む2011/11/03 09:58

米国主導の経済ブロックに潜む毒饅頭、それに伸るか反るかの大博打 - 「野口悠紀雄&佐藤優&伊藤元重」論争を読む


野口悠紀雄は「TPPとは、アメリカの対中国太平洋戦略の一環であり、中国を排除することこそが目的」と断言。その上で、経済ブロック化協定に対しては、一般的に反対としつつも、どうしてもやりたいのなら、貿易協定を結ぶ相手は「アメリカではなく、中国である」と語る。さらに「日本のTPP参加は、日本の製造業にとって自殺行為としか考えられない」と。

佐藤優も「TPPの本質は、日米を基軸とするアジア太平洋地域における経済ブロックを構築することだ」と明言。「日本も中国と米国のいずれかと手を握り、帝国主義的再編に対応するかを迫られている」としながら、「日本に残されている現実的なシナリオは、TPPに参加し、政治・安全保障分野のみならず経済面においても日米同盟を深化させるしかない」とのご意見。

ここで伊藤元重も参戦。戦前の大恐慌の時代のブロック経済化に言及しながら、こうした保護主義は結局その経済を停滞させることになった」と警告しつつも、なぜか結論は「TPPはいずれアジア太平洋地域全体の経済連携へつながる可能性があるし、これが起爆剤になって世界全体の貿易自由化がさらに進むだろう」とバラ色の未来へと導いていく。

伊藤はついでに野口をチクリ。「日本が貿易を拡大しているのは中国だから、米国などとTPPを結ぶよりも中国との経済連携を模索した方が好ましいのではとも言われた」などと語りながら、「問題の本質はそうしたすぐに数字に出るような利益ではない」と。さらに米国陰謀論もチクリ。「TPPに参加すれば米国の言うなりになってしまうなどという古いマルクスボーイみたいな話」と彼らの本質を見事に突いたご指摘。

米国主導の経済ブロックに潜む毒饅頭の存在に気付きながらも、それに伸るか反るかの大博打。その一方で、やはり出てきた中国やロシアからのブロック崩し。これでブロックめぐる大国間ゲームがいよいよスタート。それぞれに保護主義抱えた醜い罵り合いが勃発。これぞまさに「ブロック化の連鎖反応」。

確かに野口に代表される経済のみからのアプローチは視野が狭く近視眼的。そこに極めて危ない要素を抱えている。では伊藤はどうか。今のEUの現状を見れば、バラ色の未来には到底思えない。TPPに待っているのは茨の道。交渉段階で見事決裂。TPP消滅の事態もありと見る。

時代はまさに1930年代。ゲームに負ければ、待っているのは1940年代の主役の座。勝つと思うな、思えば負ける。しかし、指をくわえて見ているわけにもいかない。今はひたすら負けないように立ち回るしかないだろう。

日本が取るべき現実的なシナリオは限られている。中国が民主化シナリオを前向きに表明するなら話は別だが、現時点では考えられない。今はまだジョン・ミアシャイマーの言葉を噛み締めながら、多少のお付き合い程度は容認。「TPP交渉には参加し、しばし様子をうかがう」あたりが落としどころになるだろう。


ジョン・ミアシャイマー 「アジアで米中の覇権争いが起き、いずれかを選択しなければならない場合、答えは米国しかない」



<関連記事引用>

▼経済・メディア・情報を捌く 「超」整理日記 Number 584 
TPPによる輸出増加 効果はたった0・4%
2011/11/05 週刊ダイヤモンド
早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問●野口悠紀雄

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加が論議されている。「TPPが日本経済にとって必要」との考えは、「TPP参加によって日本の輸出が増える」という期待を基としている。そして、その期待は、TPPをめぐる議論で当然のように前提されている。しかし、以下に示すように、そうした効果は期待できない。

 TPP参加候補国のうち、日本からの輸出が最も多いのはアメリカだ。2010年の輸出額は10・4兆円であり、輸出総額の15・4%を占める。では、TPPに参加してアメリカの輸入関税がゼロとなれば、日本の対米輸出は増加するだろうか? そうとは考えられない理由を述べよう。

 日本の対米輸出中の最大の項目は乗用車だが、この輸入関税率は2・5%と、すでに非常に低い。仮にそれがゼロになっても、日本からの輸出にはほとんどなんの効果もないだろう。

 その半面で、為替レートの変化は、ずっと大きい。10年の春頃と比べると、為替レートは1ドル90円程度から77円程度へと15%近く変化した。これは、2・5%の関税などまったく問題にならないほどの変化だ。今後さらに円高になれば(その可能性は高い)、2・5%の関税がゼロになることの効果など、完全に吹き飛ばされてしまう。

 他の品目はどうか。エレクトロニクス製品や家電製品に対する関税率はほとんどがゼロなのだが、かかっているものだけ取り上げても3%程度である。高くても5%程度だ。だから、これらに対してもTPPは影響を与えないだろう。

 トラックに対する関税率は25%と、他の品目よりは高い。これがゼロになれば、影響があるだろう。しかし、日本からの輸出額は、ごく少ない。バス、トラックを合わせても、対米輸出額の0・5%にならない。だから、仮にトラックの輸出が増加しても、日本の総輸出に与える影響は微々たるものだ。

 したがって、TPPに加盟したところで、日本の対米輸出にはほとんど効果がない。

FTAの輸出増効果はデータで認められない

 TPPへの参加が予定されている他の国への輸出はどうか。このうち、シンガポール、マレーシアはすでに日本とFTAを締結ずみなので、TPPの影響はないと考えてよい。

 問題は、FTA未締結国への輸出がどの程度増えるかだ。その予測は容易でないが、次のように考えてみよう。

 01年から10年までの期間における日本からの輸出の変化を見ると、アジア全体では1・92倍になった。他方で、日本とFTAを締結した国は、シンガポール1・24倍、マレーシア1・16倍だ。

 つまり、FTAを締結した国への輸出の増加率は、アジア全体より低いのである。貿易はさまざまな要因に影響されるから、このことだけから「FTAは貿易増大効果を持たない」とは言えない。しかし、「FTAが貿易に対して絶大な増加効果を持つわけでない」とは言えるだろう。

 日本との2国間協定ではないが、「日本・ASEAN包括的経済連携協定」に含まれている国として、タイとベトナムがある。前記の期間における貿易増加は、タイが2・08倍、ベトナムが3・31倍だ。アジア全体の伸び率に比べると、タイは8・2%、ベトナムは72・5%ほど高い。タイとベトナムの数字を貿易額で加重平均すれば、アジア全体の伸び率に比べて16・7%高い。

 言うまでもないことだが、これにはさまざまな要因が関係しており、そのすべてが経済連携協定の影響ではない。しかし、FTAの影響について最大限に好意的な見方をして、このすべてが経済連携協定の効果だとしよう。

 そして、TPPへの参加が予定されているがこれまで日本と貿易協定を結んでいない国(オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ)に対する日本の輸出が、TPP締結によって16・7%増加するものと考えよう。

 これらの国に対する輸出額は、10年において日本の輸出総額の2・5%を占める。これが16・7%増えれば、日本の輸出は0・4%増える。

 つまり、TPPによる貿易拡大効果とは、たかだかこの程度のものなのだ。これまで述べたことからわかるように、これは貿易協定の効果を非常に好意的に見た場合の数字である。それでもこれだけの効果しかないのだ。これは、ほとんど無視しうる効果である。

 そして、現実の世界においては、輸出は為替レートの変動によって絶大な影響を受ける。韓国の輸出増も、ウォン安による。07年には、100ウォンが13円近くしたが、最近では、6・5円程度にまで安くなっている。10年春と比べても、25%程度のウォン安だ。韓国の輸出が伸びるのは当然である。

中国こそ日本にとって重要 その出方次第では輸出激減

 日本にとって重要な輸出相手国は、TPP参加予定国でなく、不参加国である。とりわけ中国だ。

 10年において、中国への輸出は13・1兆円であり、日本の総輸出の19・4%を占める。中国は日本の最大の輸出先であり、しかも、関税率も高い。

 したがって、もし貿易協定を結ぶのであれば、相手はアメリカではなく、中国である(私は、TPPやFTAのような関税同盟、すなわち経済ブロック化協定に対しては、それらが自由貿易を阻害することから、一般的に反対である。もし「どうしてもやりたいのなら」という意味である)。

 しかし、日本がTPPに入れば、アメリカは日中FTAを許さないだろう。なぜなら、TPPとは、アメリカの対中国太平洋戦略の一環であり、中国を排除することこそが目的であるからだ。

 したがって、日本のTPP参加は、中国の反応を惹起するだろう。実際、日本がTPPに加盟すべきだという主張の理由として言われるのは、「韓国がEUやアメリカとFTAを結ぶから、日本もやらないと乗り遅れる」というものだ。ブロック化協定は、「そこから排除された国が別のブロック協定に走る」という「ブロック化の連鎖反応」を引き起こすのである。

 だから、TPPに対抗して、中国がTPP非加盟国と積極的なFTAを求めることは、十分考えられる。その相手はEUだろう。なぜなら、輸出・輸入両面においてEU(なかでもドイツ)は、中国にとって重要だからだ。そうでなくとも、経済危機後のユーロの減価によって、中国市場でのドイツの存在感は大きくなっている。

 仮に中国とEUのFTAが締結されるなら、中国市場はドイツに席巻されるだろう。したがって、日本の対中輸出は激減する。それは、日本の製造業にきわめて大きな影響を与えるだろう。日本の対中輸出は、機械や部品などの中間財が中心だ。そして、今後の日本の輸出は、新興国に対する中間財の輸出をこそ中心にすべきなのである。

 そして、この分野においては、日本と似た産業構造を持つドイツがライバルだ。日本にとってもドイツにとっても、中国に対する中間財の輸出を増やせるかどうかが、貿易上の大きな課題なのである。

 中国以外に日本の輸出先として重要なのは、韓国、台湾、香港である。台湾、香港が中国と同じ行動を取れば、日本の輸出は壊滅的な打撃を受けるだろう。日本のTPP参加は、日本の製造業にとって自殺行為としか考えられない。


▼闘論席
2011/11/08 週刊エコノミスト
第89巻 第50号 通巻4199号
佐藤 優 Sato Masaru

 野田佳彦首相が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に参加する意向を表明した。本件をめぐる真実の争点は、自由貿易を推進すべきか、農業をはじめとする国際競争力の弱い産業を保護すべきか、という問題ではない。TPPの本質は、日米を基軸とするアジア太平洋地域における経済ブロックを構築することだ。

 現下の国際秩序は、急速に帝国主義的なブロック化を強めている。既に欧州には欧州連合(EU)という経済ブロックがある。ロシアのプーチン首相はユーラシア同盟を形成することで旧ソ連地域に経済ブロックを作ろうとしている。このような国際環境の中で、日本も中国と米国のいずれかと手を握り、帝国主義的再編に対応するかを迫られている。

 中国が訓練用空母ワリャーグの試験航海を行い、海洋覇権確立の動きを本格化している状況で、日中を基軸とする東アジア共同体の創設は非現実的になった。

 日本に残されている現実的なシナリオは、TPPに参加し、政治・安全保障分野のみならず経済面においても日米同盟を深化させるしかない。農業を含め、日本の国益に死活的に重要な分野について、政府が毅然と自己主張をすれば、米国と折り合いをつけることは可能だ。

 それとともに、沖縄の民意を考えれば実現可能性が皆無である米海兵隊普天間飛行場の辺野古移設をこの機会に断念すべきである。TPPと沖縄問題を一つのバスケットに入れて、日米同盟を深化させる現実的方策を考えるべきだと思う。


▼【日本の未来を考える】
東京大・大学院教授、伊藤元重
2011.11.3 03:13
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111103/fnc11110303130005-n1.htm

 ■TPPは対症療法ではない

 市場を閉鎖して健全な経済発展をした国は歴史的には皆無である。何十年も国際経済学の世界で仕事をしてきた研究者としての私の実感である。アダム・スミスの重商主義批判から現代にいたるまで、保護主義と経済学の論戦は何百年も続いている。経済学の側に保護主義が優れているという議論が主流となったことはないが、政治の世界では保護主義は何度も頭をもたげてくる。戦前の大恐慌の時代のブロック経済化、1950年代に多くの途上国がとった輸入代替政策などが、その典型である。こうした保護主義は結局その経済を停滞させることになった。人類は保護主義の問題点を学んだはずであるが、しばらくたつとまた保護主義が頭をもたげてくる。

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をめぐって、日本を開くか閉ざすかの大論争が続いている。これは小手先での政策運営の話ではなく、日本をどういう国にしたいのかという意思の問題である。TPP反対派の国会議員の方と対談したとき、TPPに参加したらいったいどれだけ日本のGDPが上がるのかと問われた。また、日本が貿易を拡大しているのは中国だから、米国などとTPPを結ぶよりも中国との経済連携を模索した方が好ましいのではとも言われた。

 しかし、問題の本質はそうしたすぐに数字に出るような利益ではない。TPPに参加すればGDPを押し上げる効果はあるだろう。しかし重要なことは即効性の効果ではない。例えてみれば、熱が出ているから熱を下げるというような薬ではなく、免疫を高め体質を強化する漢方薬のようなものだ、とその対談ではお答えした。そうしたらその方は「伊藤はTPPが漢方薬のようなもので、効果は30年も50年も先になると言っていた」と発言していると側聞した。漢方薬の効果はもっと早いだろうから30年も先というのは漢方医に失礼な話ではある。

 私たちの健康に例えてみればよい。熱や痛みが出たときの対症療法ではない。私たちの体を健康に保つためにどういう生活習慣を定着させるのか。食事、運動、そして必要があれば漢方薬やサプリメントの摂取があってもよい。TPPの交渉に参加するか否かも、日本が開かれた国という姿勢を積極的にとるのか、それとも市場を閉ざして閉塞(へいそく)感を高めていくのかの選択の問題である。

 TPPの側にとっても、日本が参加するかどうかは大きい。もし日本が参加すれば、世界のGDPの約40%を占める大きな自由貿易地域が形成されることになる。EUを超える規模である。TPPはいずれアジア太平洋地域全体の経済連携へつながる可能性があるし、これが起爆剤になって世界全体の貿易自由化がさらに進むだろう。将来的にはTPPがEUなど他の地域との経済連携に発展する可能性だって否定できない。

 世界の潮流を大きく変える可能性がある流れに背を向けるのか、日本が新しい経済秩序の形成に積極的に取り組む姿勢を見せるのか。海外諸国は日本の選択をじっと見守っているのだ。TPPに参加すれば米国の言うなりになってしまうなどという古いマルクスボーイみたいな話をしていないで、そろそろ世界に向けて打って出る外交を真剣に論じる時期なのだ。(いとう もとしげ)



▼中国 G20サミットで 保護主義に反対表明
2.11.2011, 19:33
http://japanese.ruvr.ru/2011/11/02/59781202.html

 カンヌG20サミットで、中国の胡錦涛国家主席は、数々の国際経済問題の中でも貿易投資における保護主義台頭に特に注目する意向。

 1日、パリを訪問した胡錦涛国家主席は、「フィガロ」紙のインタビューにおいて、先が見えない不況、経済面および金融面における不安定かつ予測不能な要素の増加、先進国経済成長の低迷、先進国の債務危機および、国際金融市場の破綻などの世界経済をとりまく最も重大な問題を列挙した。

 これらの深刻な問題に対処するために、G20のメンバーは経済における最重要課題に集中し、「確実で安定していてかつバランスの取れた」世界経済に到達すべく、一致団結しなければならないと胡国家主席は述べた。

 G20サミットは国家負債あるいは原料資源価格の状況のような当面の問題を多面的に検討しなければならないだけでなく、国際通貨金融システムの改変に刺激を与えなくてはならない。

 胡国家主席はその他にも、国際金融機関および経済機構における発展途上国の発言権拡大が不可欠で、「国際経済行政の分野における決議」にも途上国は参加するべきであると述べた。


▼<南シナ海>関係国+日米印豪の連合を阻止せよ、中国は個別対応で反撃を―中国紙
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=55644&type=

2011年11月1日、中国紙・環球時報は中国現代国際関係研究院の林利民(リン・リーミン)研究員の寄稿記事「南シナ海問題の関係国が日米と連合して中国を抑え込もうとしている、中国は個別に対応を」を掲載した。以下はその内容。

米パネッタ国防長官はインドネシアを訪問した際、南シナ海問題の行動規範を早急に策定し、11月に行われる東アジア首脳会議(EAS)に提出するよう求めた。日本メディアも故事成語「合従連衡(がっしょうれんこう)」を引用し、中国を当時の強大国・秦に、ベトナやフィリピン、そして日本・米国・インド・オーストラリアを周辺6カ国に例え、南シナ海情勢を分析している。

こうして見ると、南シナ海問題はもはや単なる領有権争いの範疇を超え、アジア太平洋地域さらには世界の平和問題にまで発展していると言える。今のところ、この「合従論」はマスコミや学者らが騒ぎ立てているだけで、どこかの国が明確に戦略を打ち立てたわけではないが、決して根拠のない作り話ではない。

彼らが唱える「合従論」とはベトナムとフィリピンを主体とし、その延長戦上に日本・インド・オーストラリア、さらに米国が「大ボス」として控え、中国に対抗しようとしているというもの。こうした構図が出来上がってしまえば、南シナ海問題の平和的解決はさらに困難となり、戦争勃発の可能性も高まる。中国の平和的台頭にも直接影響が出るだろう。

そのため、中国はこの6カ国と個別に同盟関係を築く「連衡」作戦を講じる必要がある。そのカギを握るのが米国だ。米国が「合従」に参加しなければ、リーダー不在となった彼らの行動力は限られてくる。

実はベトナムやフィリピンも中国の実力と「隣国は変えられない」という現実を分かっているはずだ。その場しのぎで外の力を借りたとしても、長続きはしない。米国がリーダーの座から降り、この2カ国に「中国に刃向ってもなんの得にもならない」ことを思い知らせることに成功すれば、日本・インド・オーストラリアも拠りどころがなくなる。そうすれば、彼らの「合従」も自然に瓦解していくだろう。(翻訳・編集/岡田)

林利民:以“连横”破南海“合纵”阴谋
http://opinion.huanqiu.com/roll/2011-10/2128335.html


▼日印接近が意味するもの
2.11.2011, 03:00
http://japanese.ruvr.ru/2011/11/02/59732488.html

10月末から11月初めにかけて、日本とインド両国指導部間のコンタクト活発化が目立っている。28・29両日クリシュナ外相が東京を訪問、今月2日にはアントニ―国防相も訪日する。 この二つの閣僚訪問は、両国内でも又国外でも、様々な反応を呼んでいる。

 ハイレベルでの日印協力の活性化という事実自体、何も特別なことではなく、警戒すべきものでもなんでもない。インドはダイナミックに発展を遂げる南アジアの大国で、先端技術を差し迫って必要としており、日本は、その点で、世界のリーダー国だ。すでに終わったクリシュナ外相の訪日、そして2日から始まるアントニー国防相の訪日に、観測筋が警戒感を抱いているのは、交渉内容だ。

 外相は主として、原子力エネルギー領域での協力プランについて討議した。インドの原発向けに日本の技術を供与する合意は、近く調印されるだろう。日本は、今年3月の大地震と津波により引き起こされた原発事故の後遺症からまだ立ち直っていない。福島原発事故により、日本政府は、原発推進プログラムの一時停止を余儀なくされた。しかし、原子力エネルギー技術の輸出停止決定はとられなかった。

 ロシア戦略調査研究所のボリス・ヴォルホンスキイ研究員に意見を聞いてみた―

 「原発輸出については、すでにかなり激しい意見が交わされている。日本は実際、西欧の先進諸国の大部分同様、福島のような事故の再発を懸念して、自国内では原発推進プログラムを中止したり、一時停止したりするようになっている。 同時にその一方で、原発を他国に勧めているわけで、特にインドに対する立場は矛盾していると言わざるを得ない。インドのタルミナド州では、すでに3ヶ月に渡り現地の人々が、すぐそばに集落があるという理由で、クダンクラム原発(写真上)反対運動を続けているからだ。」

 国内ではほとんど石油やガスが産出せず、急速な経済発展のため、エネルギーが今後ますます必要となってゆくインドが、原発を放棄する事がないのは明白だ。原子力エネルギー自体、チェルノブィリ、福島と大事故があったものの、今も最も環境にクリーンなエネルギーとしての評価は残っている。 日本での例を引くまでもなく、地震多発ゾーンに原発を建設しないことばかりでなく、原発の安全問題への注意を高めることは確かに重要だろう。

  しかし、今回指摘されている日印接近への危惧は、原発協力の中に、かなり政治的な意味合いが隠されていることから生じているもので、それは放射能漏れに勝るとも劣らないような大きなリスクを生み出す恐れがあるように思える。 ここで再び、ヴォルホンスキイ研究員の意見を御紹介する―

 「インドの外相訪日中に話された問題、そしてインドの国防相訪日の際、話されるであろう問題の中に、日印両国海軍の合同演習の活発化、軍事技術協力の拡大が含まれている。クリシュナ外相は、両国の協力は第三国に敵対するものではないと主張しているが、その事自体、すでにはっきりと何の事かを示している。

 東京訪問後クリシュナ外相は、まもなく開かれる日印米3カ国対話についても言及し、そこでは3カ国の懸念を呼び起こしているグローバルかつ地域的諸問題が話し合われるだろうと述べたが、すべては全く明白だ。 日印接近は、アジアにはっきりと反中国的方向性を持つブロックを作り固めようというアメリカ政府の試みの一環なのだ。  こうした緊張を高める試みは、新しい原発建設よりもっと破壊的な結果を、ついにはもたらすのではないか。」

プーチンの「ユーラシア連合」構想が単なる経済連合にとどまらない兆候あり2011/11/04 08:07

プーチンの「ユーラシア連合」構想が単なる経済連合にとどまらない兆候あり


産経には産経のバイアスあり。今回紹介の記事にも産経ならではの「煽り」がないとは言えない。

しかし、プーチンの「ユーラシア連合」構想が単なる経済連合にとどまらない兆候もあるとの指摘は的を射たもの。経済ブロックが軍事ブロックに発展しないなどと誰が断言できようか。

中国の台頭。そして「ユーラシア連合」率いて復活目指すロシア。こうした勢力にどうやって対峙していくのか。日本も備えておく必要がある。

すでにサイバー空間では米中露三つ巴の戦争状態。日本中枢もその戦争に巻き込まれているではないか。

「中国が大変な力で発展する時に、米国と組むことも考えなければならないが、それがTPPなのか。まだ材料が少なすぎる」と語ったのは自民党の谷垣総裁。

材料が少なすぎるというなら、なぜ自ら情報を取りにいこうとしないのか。TPP以外に方法が見いだせるのなら大いに歓迎。それを堂々と示して欲しいと切に願う。

自民党もまた国益よりも農業票抱えた議員たちの私益優先で身動きが取れないだけではないのか。


<関連記事引用>

旧ソ連圏、再統合へ加速 独裁・強権国の「異様な連合体」に
2011.11.3 20:53
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111103/erp11110320530006-n1.htm

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアの最高実力者、プーチン首相が「ユーラシア連合」創設の構想を打ち出したのを受け、旧ソ連諸国で再統合に向けた動きが加速している。

 来年1月、ロシアなど3カ国では人、モノ、カネの移動を自由化する「単一経済圏」が始動するほか、8カ国は一部商品を除く域内関税を撤廃して「自由貿易圏」を発足させることに合意した。ロシア周辺諸国の独裁・強権政権が、政治・経済の両面でロシアに接近する利点を見いだし始めたことが弾みとなっている。

 旧ソ連諸国11カ国で構成する独立国家共同体(CIS)のうちロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国はすでに「関税同盟」を形成しており、来年1月には単一経済圏に移行する。これにウクライナ、キルギス、モルドバ、タジキスタン、アルメニアを加えた8カ国が10月、自由貿易圏を創設する条約に調印した。

 自由貿易圏は域外共通関税を伴う関税同盟への移行段階と位置づけられており、ロシアは2015年頃に共通の経済・通貨政策をとる「ユーラシア連合」を発足させたい考えだ。

 自由貿易圏に関する条約は1994年にも締結されたが、当時はソ連崩壊で独立したばかりの各国が「主権」問題を懸念し、批准されなかった。CIS諸国が改めてロシア主導の経済統合に踏み出したのはまず、域内障壁の撤廃で市場規模が拡大することの効果を認識し始めたためだ。

 一方のロシアは、自国の「勢力圏」と考える旧ソ連地域で欧米や中国の影響力が強まっている現実を苦々しく思ってきた。プーチン氏は欧米の経済が債務問題で苦境にある状況も見越し、一気に親露的な旧ソ連諸国の糾合に動いた形だ。

 欧州連合(EU)への接近路線をとっていた地域大国ウクライナがティモシェンコ前首相の拘束問題でEUとの関係を悪化させた時機をとらえ、安価な資源供給という“餌”をちらつかせて同国を自由貿易圏に引き込むことにも成功した。

 今回は自由貿易圏条約への調印を見送ったウズベキスタンなど残る3カ国も加われば、CISには11カ国の人口2億7700万人、経済規模では1兆9000億ドル(約148兆2000億円)とブラジルを超える市場が生まれる。

 ただ、独裁・強権国を中心とする「ユーラシア連合」は、EUとはほど遠い異様なものになることが確実だ。透明かつ効率的な市場が形成されるかは疑問視されている上、プーチン氏の構想が単なる経済連合にとどまらない兆候もある。

 たとえば、ロシアは2020年までに20兆ルーブル(約50兆4000億円)もの国防費を支出して軍備を増強する方針だ。9月には自国と中央アジア諸国を舞台に大規模な合同軍事演習を行うなど、旧ソ連地域での軍事的存在感を高めることにも力を入れている。

 ロシア周辺諸国の政権がロシアにすり寄るのは、一つには、中東・北アフリカ地域のように民主化運動が高まった場合に、強大な軍事力を持つロシアの庇(ひ)護(ご)を受ける思惑からでもある。


<関連記事>

中露がネットで経済スパイ活動 米報告書
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111104/amr11110401030000-n1.htm


U.S. blames China, Russia for cyber espionage (画像引用)
http://www.reuters.com/article/2011/11/03/us-usa-cyber-china-idUSTRE7A23FX20111103

TPP交渉は日本外交の失敗…谷垣総裁
「中国が大変な力で発展する時に、米国と組むことも考えなければならないが、それがTPPなのか。まだ材料が少なすぎる」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111103-OYT1T00553.htm

菅首相(当時)がTPP交渉への参加検討を表明した平成22年10月1日の所信表明演説から数日後、経済産業省幹部のもとに1本の電話、相手は中国政府高官だった。(朝日新聞より)2011/11/04 20:50



<関連記事引用>

首相「TPPは消費税とは違うんだ」 菅外交、正念場続く 関税撤廃に力点、異論も
2010/10/28 朝日新聞 朝刊

 27日、民主党の山田正彦前農林水産相ら衆参65人が国会内に集まった。例外なき関税撤廃を目指す環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に慎重な面々だ。山田氏は「TPPは単なる農業問題ではない。国のかたちを変える大きな問題ではないか」と、反対論をぶった。

 一方、「参加検討」を打ち上げた菅直人首相の意欲はなお、なえていない。最近も周辺にこう繰り返した。

 「TPPは消費税とは違うんだ」

 7月の参院選では自ら打ち上げた「消費税10%」発言が党内外で唐突と批判され、大敗後すっかり引っ込めた。だが、TPPなど市場開放に前向きな動きについては、明治維新、太平洋戦争の敗戦に次ぐ「第3の開国」(仙谷由人官房長官)と位置づけ、推し進めようとしている。

 とはいえ、先の内閣改造でそろえた自前の閣僚メンバーの間ですら、深刻な対立が続く。24日、首相公邸に全閣僚が集まったTPPの勉強会。農業分野も含めて原則関税を撤廃するTPPに、鹿野道彦農水相が「強引に進めれば内閣が倒れる」と唱えると、推進派の仙谷氏はすかさず「後ろに引けば内閣が倒れる」とやり返した。

 首相は「結論」を先送りする言葉で議論を引き取るしかなかった。

 「10年後の農業をどうするかと、内閣が掲げる『国を開く』ことの両立は可能だと考えなければならない」

      ◇

 10月末の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議から11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にかけて、菅政権は「外交の季節」を迎えた。TPPを通して政権の外交戦略を追った。

 首相交代、TPPの潮目 対米関係、足かせからテコに

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をめぐる問題は菅政権で突然浮上したわけではない。胎動は鳩山政権時代からあった。

 昨年11月に来日して日米首脳会談を行った米国のオバマ大統領は東京都内のホールで講演した際、「米国は環太平洋パートナーシップ諸国とも21世紀の貿易協定にふさわしい、高い水準を備えた地域的合意をつくるという目的で関与していく」と表明した。それまでシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国連合に過ぎなかったTPPが、米国主導の一大経済連合に変わる瞬間だった。

 この頃、鳩山政権は貿易自由化交渉にかかわる財務、外務、経済産業、農林水産の4閣僚委員会を発足させた。今年3月下旬になり、この問題は国家戦略室が主導する方針を決め、当時の仙谷由人国家戦略相が加わった。政府関係者は「退陣直前の5月には、11月までに内閣として経済連携に関する基本方針をまとめることで一致した」と語る。

 前政権は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、移設先の選定が進まずに日米関係を冷え込ませていた。3月、知日派の元米政府高官が来日した際、都内で鳩山前首相の側近秘書官と会談。関係者によると両氏は普天間移設問題のほか、郵政民営化見直しの動きと米国産牛肉の輸入制限も取り上げ、こんなやり取りをした。

 米側 「ワシントンは誠実な対応を求めている」

 日本側 「郵政は内政問題だ。民主党政権への非難ばかり言わないでほしい」

 米側 「非難ではない。日本が誠実に対応すれば文句は言わない」

 米側は暗に民営化加速と輸入拡大を求め、会談は険悪な雰囲気のまま終わったという。米国が交渉参加を表明したTPPも米国に歩調を合わせることはできなかった。当時財務相だった菅氏は、G7など国際会議に参加した感想について「日本の存在感が薄くて本当にへこむ」と周辺に漏らしていた。

 こんな状況を変えたのが鳩山前首相の退陣と、菅氏の首相就任だった。

 菅内閣は普天間移設問題について、米側の意向を受けて沖縄県内への移設を盛り込んだ5月末の日米合意の踏襲を明言。その後、参院選、9月の民主党代表選を経るなかで、7月29日にTPPの関係閣僚委員会を再開していた。

 隣国の動きも菅政権をせかした。韓国は欧州連合(EU)とのFTA合意に動き、10月には正式署名にこぎ着けた。すでに米国とはFTAに合意済みで、来年前半には中国との交渉も本格化させる。自動車や電機など日本企業が得意としてきた分野で、韓国に市場を奪われてしまうとの危機感が強まっていた。

 政府内では、閣僚委再開を受け、「米国主導のTPP協議で自由化交渉の行き詰まった状況を打開し、一気にEUとの交渉も進む」(経産省幹部)との期待が膨らんだ。菅改造内閣の発足直後の先月19日には、大畠章宏経産相がテレビ番組で「(TPPを)菅政権として前進させていきたい」と表明。水面下では首相が自ら主導して所信表明に盛り込む検討を進めていた。

 ただ、所信表明が現実性を帯びるのに合わせて表面化した反対論は広がりを見せる。

 27日の民主党農林水産部門会議で、TPP交渉への参加反対を掲げる山田正彦前農水相は自ら委員長を務める衆院農林水産委員会で委員会決議をめざす方針を表明した。自民党など野党理事にも呼びかけ、与野党で「TPPへの参加は慎重に検討すべきだ」と決議するとの提案だ。

 米国側の受け止めも一様ではない。TPPは原則関税を撤廃するなど、二国間のFTAよりも高いレベルの自由化が求められる。政府関係者は「米政府内には、自由化のレベルを下げるぐらいなら日本に入ってもらわなくていい、という思いもある」と指摘している。

 ●日本の本気度、探る中国 「進めるのか」、官僚に電話

 首相がTPP交渉への参加検討を表明した1日の所信表明演説から数日後、経済産業省幹部のもとに1本の電話が入った。相手は経済交渉でなじみの中国政府高官だった。

 「本当に日本はTPPへの参加を進めるのですか」

 鳩山前政権は「東アジア共同体構想」を掲げ、アジア太平洋地域でもアジア側の経済連携に関心を置いていた。1月にあった施政方針演説では、日米同盟の深化よりも先に3項目を割き、東アジア共同体の必要性を力説した。これに対して、TPPは米国の存在感が際だった経済連合であり、中国にしてみれば「菅政権が鳩山政権当時から立ち位置を変えようとしている」と映ったのだ。

 普天間移設問題をいったん棚上げし、「蜜月」に向けた様相さえ見せる日米を横目に中国も動き始めた。

 TPP交渉に参加している米国、豪州、シンガポールなど9カ国は来月9日、APEC首脳会議前に事務レベル会合を開催する。まだ正式な参加表明をしていない日本、カナダ、フィリピン、中国の4カ国を招き、それぞれ個別に姿勢を確認する方向だ。

 関係国は一様に、中国が招かれたことに驚きをみせている。外務省幹部は「中国が関税をゼロにすることなどあり得ない。TPP入りを真剣に考えているとは到底思えない」と指摘。経産省幹部も「日本、カナダ、フィリピンの3カ国はTPP参加を模索しているが、中国ではこれまで主だった動きは伝えられていない。情勢の偵察が目的なのではないか」と話す。

 9月上旬に発生した尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をきっかけに、日中関係は冷え込んだ。TPPをめぐる議論はこの渦中に生じた。とはいえ、日本側も中国との関係を冷やしたままでいいとは思っていない。

 首相周辺は「今回は図らずも二つの黒船が同時に来た。中国とTPPだ」と指摘する。「戦後これまで奇跡的な繁栄を遂げてきた日本が新たな航路を迫られている」

 東シナ海や南シナ海で海洋権益の拡大を図る中国と折り合うことはできるのか。世界で進む市場のグローバル化の流れについていくことはできるのか。政権の立ち位置が問われている。

 (鯨岡仁、山本精作、山口博敬)



▼該当所信表明演説(抜粋)

第176回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説
平成22年10月1日(金)
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201010/01syosin.html

(東アジア地域の安定と繁栄に向けて)
 この秋は、我が国において、重要な国際会議が開催されます。生物多様性条約に関するCOP10では、議長国としての重要な役割を果たします。また、私が議長を務めるAPEC首脳会議では、米国、韓国、中国、ASEAN、豪州、ロシア等のアジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境を整備します。架け橋として、EPA・FTAが重要です。その一環として、環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します。東アジア共同体構想の実現を見据え、国を開き、具体的な交渉を一歩でも進めたいと思います。


<関連社説引用>

社説:TPP反対論 米国陰謀説は的外れ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111031k0000m070104000c.html

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に対する議論が熱をおびてきた。このなかで、根拠に乏しく必要以上に不安をかきたてる反対論を少なからず見聞する。それには懸念を表明せざるをえない。

 「TPPによって日本は一方的な被害国になる」「米国の陰謀だ」と主張する人が多い。しかし、主権国家が日本を含めれば10カ国集まり、相互の複雑な利害を調整する場である。日本だけが一方的に不利益をこうむるはずがない。

 そもそも米国はTPPに日本が参加することを想定していなかった。菅直人首相(当時)が成長戦略の一環として、自らの発案で参加したいと言ったのだ。米国は日本に参加要請していない。

 米国はアジア市場で米国抜きの自由貿易圏が形成されるのをおそれ、TPPによってアジア関与を強めようとしている。数カ国で開放度の非常に高い自由貿易圏を作り、それを広げ、最終的には中国も含めたアジア太平洋経済協力会議(APEC)諸国全体を包み込む狙いだ。

 その過程で、日本の参加は歓迎に違いない。しかし、包括経済協議で数値目標を迫った頃とは違い「日本たたき」する経済的、政治的メリットはもうない。米国のビジネス界、政界は停滞する日本への関心を失っているのが実情だ。

 交渉分野は24もあり、最近の反対論は農業以外に懸念を広げている。

 混合診療解禁、株式会社の病院経営などを要求され、日本の医療制度が崩壊するという論もある。だが、公的医療制度が通商交渉のテーマになった例はなくTPPだけ違う交渉になることは考えられない。

 TPPでは投資家が投資先の政策で被害を受けた場合、その国を訴えることができるという制度(ISDS)が議論される。それを「治外法権」などと攻撃する声がある。

 だが、今後、日本企業はどんどん途上国への展開を加速する。してみれば、外資系企業に対し差別的扱いがあった場合、企業側に対抗手段があることは、全体として日本にメリットが多いと考えるべきだろう。

 また、遺伝子組み換え食品について米国で安全と認定された食品は、食品表示に遺伝子組み換え食品であることを表示する必要はない、というのが米国の態度だ。これを押しつけられるのではないかという懸念があるが、豪州もニュージーランドも米国に反対であり、米国の主張が通ることは考えられない。

 政府の態度表明までに残された時間は少ないが、国民にはまだあまたの懸念がある。不利な情報が仮にあったとしても、隠さず丁寧に説明していくことが理解を得る早道だ。

朝鮮日報:ロシアの研究機関が「2020年代に北朝鮮は存在しない」と予測、旧体制支持者約100万人が中露に脱出2011/11/04 23:06

朝鮮日報:ロシアの研究機関が「2020年代に北朝鮮は存在しない」と予測、旧体制支持者約100万人が中露に脱出


<関連記事引用(画像も)>

ロシアの研究機関が「北朝鮮崩壊」を予測
ロシア最高の権威誇る国策研究機関「IMEMO」が見る北朝鮮の未来
本紙が単独入手
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/04/2011110400435.html

 ロシアで最高の権威を有する国策研究機関「世界経済・国際関係研究所(IMEMO)」が、最近発行した特別報告書で北朝鮮の崩壊を既定事実化し、韓国主導の韓半島(朝鮮半島)統一がロシアの国益に有利になるとの結論を下していたことが、3日までに確認された。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、ロシア訪問直前にこの報告書を読み「興味深い」と述べ、関連内容をさらに把握するよう指示したという。

■「2020年代に北朝鮮は存在しない」

 本紙が外交消息筋を通じて入手したIMEMOの特別報告書『2030年戦略的世界展望』は計480ページで構成されており、このうち韓半島関連の記述は5ページにわたる。

 この報告書は、北朝鮮の状況について「崩壊の勢いが加速している。本報告書が展望する時期(2011‐30年)の後半には、韓半島は統一に至らないまでも、統一過程の実質的段階に差し掛かり、最終的に北朝鮮は現在のような形では存在しないだろう」との見通しを示している。20年代には事実上、統一がなされているというわけだ。

 IMEMOは、2012‐20年の間に起こり得る金正日(キム・ジョンイル)総書記の権力移譲が、北朝鮮の崩壊を促進するだろうと分析した。金総書記退陣後、方向性喪失の危機に直面した政権の実力者が、海外に政治・経済的コネを持つ「官僚集団」と、「軍・保安部署関係者」に分裂し、主導権争いを繰り広げるとの見通しを示した。

 報告書には、混乱が増幅する中、20年代になると、北朝鮮が韓国の統制下に入るまで、国際社会の監視下で臨時政府が樹立され、北朝鮮軍の武装解除と経済の現代化に向けた作業が本格化する―という展望も示されている。IMEMOは、この過程で「北朝鮮経済は徐々に韓国経済に吸収されるだろう。北朝鮮内部の旧体制支持者約100万人は中国やロシアに脱出するものとみられる」と予想した。


李竜洙(イ・ヨンス)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


「2020年代に北朝鮮は存在しない」 露研究機関が報告書
2011.11.4 18:50
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111104/kor11110418510001-n1.htm

 【ソウル=加藤達也】ロシア政府に対外政策を助言する「世界経済・国際関係研究所(IMEMO)」が9月にロシア政府に提出した報告書で、「2020年代に北朝鮮は存在しない」と分析していたことが分かった。4日付の韓国紙、朝鮮日報が伝えた。

 報告書は2011~30年の朝鮮半島情勢を展望。北朝鮮が現在「崩壊に向け勢いを加速させている」と指摘し、「金正日総書記から正恩氏への権力委譲が崩壊を促進する」と分析。また20年代には「(南北は)統一へ向けた実質的な段階に入っており、北朝鮮は現在のような形態では存在していない」と結論づけた。

 北朝鮮崩壊への道筋については「金総書記退任で国家の方向性が失われ、官僚集団と軍・保安機関勢力に分裂し権力争いが起きる」と予測。混乱の中(1)韓国統制下で臨時政府樹立(2)軍の武装解除と経済の現代化の進行(3)経済の韓国への吸収-の3段階で進むと指摘、その過程で「100万人の特権階級が中国やロシアに逃れる」としている。

今蘇るボナー・フェラーズ、日本にとって最も繊細な歴史の瞬間がハリウッド映画に2011/11/05 07:47

今蘇るボナー・フェラーズ、日本にとって最も繊細な歴史の瞬間がハリウッド映画に


日本にとって最も繊細な歴史の瞬間がハリウッド映画に。
いろんな意味で話題を振りまくことにはなるだろう(意味深)。
現時点でそれ以上のことは私には言えない。


<関連情報引用>

野村祐人、奈良橋陽子出演、ハリウッドで太平洋戦争終結後の日本を映画化!ピーター・ウェーバーが監督
2011年11月3日 17時34分
http://www.cinematoday.jp/page/N0036721


[シネマトゥデイ映画ニュース] 映画『真珠の耳飾りの少女』のピーター・ウェーバー監督が、太平洋戦争終結後の日本を描く映画を監督することになった。

 ハリウッド・リポーター紙によると、この映画は『エンペラー(原題) / Emperor』というタイトルで、日本の降伏後、アメリカのダグラス・マッカーサー元帥が昭和天皇を戦犯として追及しない決定をしたことなど、戦後の史実をもとにして描くドラマ。プロデューサー陣には、映画『ラスト サムライ』の奈良橋陽子、『シュアリー・サムデイ』の野村祐人が加わっている。

 映画は、マッカーサー元帥の部下として天皇制や昭和天皇の処遇についての任務を任された日本専門家、ボナー・フェラーズを中心に描き、フェラーズの日本人女性との恋愛も織り込まれていく。ウェーバー監督は、「知的で人間的で、感情豊かな脚本に魅了された。ひとつの時代が変化し、古い政治制度への報復を求めるという時代だった。これは現代にもよく似た時代だといえる。映画は、政治スリラーのなかに壮大なラブストーリーが組み込まれていて、とても魅力的なんだ」と語っている。撮影は2012年1月から日本とニュージーランドで開始される予定。キャスティングはまだ決まっていないが、『ラスト サムライ』や『硫黄島からの手紙』に続き日本人俳優のハリウッド作品への出演が期待できそうだ。(竹内エミコ)


太平洋戦争直後の日本の物語をハリウッドで映画化。奈良橋陽子らがプロデュース
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/gossip/2011/11/11584/

『ハンニバル・ライジング』、『真珠の耳飾りの少女』のピーター・ウェーバー監督が終戦直後の日本を描く映画の製作準備が始まり、日本から『ラスト サムライ』、『SAYURI』などのキャスティングを担当した奈良橋陽子、彼女の息子で俳優の野村祐人がプロデューサーとして参加していることが明らかになった。

「The Hollywood Reporter」紙によると、『Emperor』という仮題で準備は進められている本作は、日本が降伏した第二次世界大戦終結直後の混沌とした日々を史実を基に描く政治スリラー。アメリカのダグラス・マッカーサー元帥の部下で日本専門家であるボナー・フェラーズが昭和天皇の処遇を検討するという重責を負いながら、かつて愛し合った交換留学生の日本女性を探すラブストーリーの要素もあるという。

プロデューサーには奈良橋さんらのほかに『ゴーストライダー』『デアデビル』などのゲイリー・フォスターも名を列ねる。『コレクター』、『ワイルド・タウン/英雄伝説』などのデヴィッド・クラス、『ウーマン・オン・トップ』のヴェラ・ブラシが脚本を担当。現在キャスティングが進められており、撮影は2012年1月から日本とニュージーランドで行われる予定。


<関連記事>

Peter Webber to Direct WWII Love Story EMPEROR; Filming Begins January 2012 (画像引用)
http://collider.com/peter-webber-emperor/124293/

Peter Webber to Direct Japanese World War II Epic 'Emperor'
http://www.hollywoodreporter.com/news/peter-webber-will-direct-japanese-emperor-256788

Gary Foster to Produce Alongside Yoko Narahashi and Eugene Nomura
http://www.shootonline.com/go/index.php?name=Release&op=view&id=rs-web3-6617693-1320347047-2

番犬の孤独、目ン玉つながりのお巡りさんの孤独:韓米FTAにみる反米最新事情2011/11/06 08:09

番犬の孤独、目ン玉つながりのお巡りさんの孤独:韓米FTAにみる反米最新事情


日本政府は「混合診療の解禁や営利企業の医療参入については、TPP協定交渉において議論の対象になっていません」と何度も何度も繰り返してきた。また、「公的医療保険制度はTPP協定交渉の議論の対象になっていない」とも繰り返してきた。

政府の説明が信じられない人の多いこと。日本とて相手が米国だから過剰反応。そこに反米感情はないのか。反米左翼勢力のデマはないのか。韓国との共通点はないのか。

世界の警察官の孤独。番犬の孤独。大義なきイラク戦争以後、すぐにドンパチ始める「目ン玉つながりのお巡りさん」とも揶揄され、今も米国嫌いは世界中に渦巻いている。

しかし、「目ン玉つながりのお巡りさん」であろうとも、いないよりはいた方がマシ。冷めてそう考えるのが「利米・活米という作法」。

日本のツイッターなどで飛び交うTPP米国陰謀説。そこに見えるは自意識過剰と被害妄想。残念ながら米国は日本をそれほど重視していない。今や中国とインドに夢中。

その単純な米国をいかに利用し、活用するか。米国を使って台頭する中国をけん制するという日本独自のTPP戦略があってもいいと思う。



<関連記事引用>

▼韓米FTA:左翼勢力、ツイッターでデマ流布
3年前の狂牛病騒動の再現狙う
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/04/2011110400509.html

 先月13日、「韓米FTA(自由貿易協定)履行法案が米議会で正式に可決」「李明博(イ・ミョンバク)大統領が米議会で演説し、45回の拍手を受ける」などのニュースが新聞やテレビをにぎわせていたころ、ツイッターなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)には民主労働党が公表した「韓米FTAの12の毒素条項完全整理」が広まっていた。

 そこには例えば「狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)にかかった牛肉の輸入で狂牛病の猖獗(しょうけつ、悪いことがはびこる)を阻止できず」「米国による貿易報復で韓国経済は追い詰められる」「ISD(投資家対国家間訴訟)で韓国は公共政策を放棄」「水道料金や光熱費の高騰で庶民経済は破綻」などの内容が含まれていた。複雑な通商交渉の結果を「狂牛病」「追い詰められた経済」「公共政策の放棄」「庶民経済の破綻」などのキーワードに単純化し、扇動を始めたのだ。

■狂牛病第2弾を狙う「恐怖の伝染」の構造

 韓米FTAに対する「作られた恐怖」は、2008年の狂牛病問題と同じような形で出回り始めている。当時はMBCの『PD手帳』というテレビ番組が米国産牛肉の危険性をいたずらにあおり、その内容は個人のブログなどを通じて広まった。これに一部の野党や左翼系のマスコミが呼応し、大規模な狂牛病問題に発展した。今回のFTA問題の震源地も、オンラインとオフラインの一部左翼系メディア、ネットユーザー、民主労働党など、FTAに全面的に反対する勢力だ。狂牛病デマとの違いは、今回のデマが広まったルートがツイッターなどのSNSだったという点だ。

 最近出回っている「ボリビア・デマ」も、このような流布の構造を持つ典型的なケースだ。先月29日に「マルクス主義進歩左派」と名乗るあるネットユーザーがツイッターで「米国とFTAを締結したボリビアの上水道は、多国籍企業のベクテルに売却され、水道代も4倍に跳ね上がった。貧しい人たちは雨水をためて飲んでいるが、ベクテルはこれにより上水道事業で損失が出たとして、ボリビア政府を訴えた。これを受けてボリビア警察は雨水をためるタンクを取り締まり、税金まで賦課している」などのデマを広めた。米国とボリビアはFTAを締結していないが、このデマはツイッターを通じて一気に広まった。

 国会外交通商統一委員会で民主党側の幹事を務めるキム・ドンチョル議員は、あるメディアとのインタビューでこの内容について言及し、左翼系のある新聞はキム議員のインタビュー記事を1面に掲載した。

■芸能人や政治家も加勢

 最近は「米国とNAFTA(北米自由貿易協定)を推進したメキシコの交渉代表団15人が銃殺された」という根拠のないうわさも、ツイッターを通じて広まっている。ところが今月2日に民主党の趙培淑(チョ・ベスク)議員はこのデマを基に「李明博(イ・ミョンバク)大統領や政府与党も、この事実を深く胸に刻まなければならない」と述べた。狂牛病問題が発生した際には、芸能人などが「狂牛病にかかった牛の肉を食べるのなら、青酸カリを口に入れたほうがまし」などと発言し、デマの拡大を後押しした。さらに民主党など政治家も街頭に出てデマに油を注いだ。今回はツイッターのフォロワー数トップ(100万人)の小説家・李外秀(イ・ウェス)氏が、韓米FTAについて「あまりにも多くのものを失った」と書き込み、同じく小説家の孔枝泳(コン・ジヨン)氏(フォロワー数22万人)もこれに加勢した。

 しかし今回のFTAに関するデマが、2008年の狂牛病問題ほど深刻なレベルにまで拡大する可能性は低い。「韓米FTAは韓国にとって必要」という世論が60%前後と優勢である上、一般の国民にとって「食の問題(牛肉)」ほど切実ではないからだ。ソウル大学言論学科のハン・ギュソプ教授は「流言飛語や虚偽が“表現の自由”という名を借りて広まり、これに対するネットの自浄能力が低下している」「この問題に対する社会的な規範が確立されない限り、同じような現象が繰り返されるだろう」とコメントした。

趙儀俊(チョ・ウィジュン)記者 , 朴国熙(パク・ククヒ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


▼韓米FTA:反対の背景に反米意識
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/31/2011103100853.html

 韓国国会は今年5月4日、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)の批准同意案を民主党など野党が欠席する中、物理的な衝突なしにわずか1分で可決した。しかし、韓米FTAの批准同意案は全く異なる扱いを受けている。韓米FTAに対して野党は「断固阻止」を叫び、退路を断っている。

 EUとのFTAは、2007年の交渉初期にEU側が「基本的に韓米FTAと同水準とすべきだ」と主張したため、開放水準は韓米FTAとほぼ同じだ。韓米FTAより踏み込んだ開放水準が盛り込まれたのは、衛星通信、環境など一部サービス分野だけだ。例えば、下水処理事業の入札で、EU企業は韓国で差別を受けない。EUの衛星事業者は韓国の通信会社を経由せず、韓国の放送局と直接契約が可能だ。これらは韓米FTAにはない内容だ。

 専門家は韓米FTAの反対論には、FTAの内容ではなく、政治的論理が背後に潜んでいる側面が大きいと指摘する。LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員は「同じ経済的被害が発生するとしても、米国から受ける被害により強い疑いの視線を送る。政治的な問題があるからだ」と述べた。左派の政党、団体の反米意識に押され、野党が尻込みしている格好だ。

 野党は韓米FTAが韓・EUのFTAより被害が大きい根拠として「投資家対国家紛争仲裁制度(ISD)」を挙げる。これは企業が投資先の国を相手取り、契約違反などの理由で、国際仲裁機関に提訴できる制度で、韓米FTAには含まれるが、韓・EUのFTAには盛り込まれていない。このため、野党は韓米FTAからISDを削除すべきだと主張している。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


▼韓米FTA:「相手が『米国』だから反対する」
市場開放の程度はEUとのFTAの方が大
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/04/2011110400559.html

 韓国と欧州連合(EU)が締結した自由貿易協定(FTA)と、韓米両国が締結しようとしているFTAは、内容的に大きな差はない。韓国とEUによるFTAは、2007年に交渉を開始した当初から、EU側が「韓米FTAと同等の水準にすべきだ」と主張したため、市場開放の水準を韓米FTAの基準に合わせた。むしろ、衛星通信や環境など一部の分野では、韓米FTAよりも開放幅が大きい。

 今年5月にEUとのFTAの批准同意案が国会で可決されたときには、民主労働党など一部の議員が反発したが、民主党が採決に参加しなかったため、大きな衝突は起こらなかった。一方、今回の韓米FTAの批准同意案の審議をめぐっては、連日のように取っ組み合いや座り込みが行われている。専門家たちは「二つのケースの違いは、協定の相手国が米国か、そのほかの国かという点だけだ」との見方を示している。

 民主党は、EUとのFTAの批准同意案を審議した際にも、与野党と政府による合意文を最高委員会議で否決したが、国会での処理を実力で阻止することはなかった。朴智元(パク・チウォン)院内代表(当時)は「政府と与党がわれわれの要求を百パーセント受け入れ、国民の70%がFTAを支持しているのに、ただやみくもに反対する理由はない」と語った。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権下でFTAの締結交渉を主導した外交通商部(省に相当)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)元通商交渉本部長は、講演の席上で「(韓米FTAに)反対する人たちは『韓米』が問題なのか『FTA』が問題なのかを深く考えるべきだろう。市場開放の程度はEUとのFTAの方が大きいのに、韓米FTAだけ反対デモが起こる。中国の船員たちが韓国の海洋警察に向かって刃物を振り回した事件を見ていて『あれが米国人だったらどうだっただろうか』とも思った」と語った。

 LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究員も「同じ経済被害が発生しても、米国から受けた被害に目を向けようとするのは、結局のところ政治的な理由によるものだ」と指摘した。こうした政治的な背景があるために、2002年と08年に「米国」が大規模なろうそくデモのターゲットになったというわけだ。

権大烈(クォン・デヨル)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


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【社説】国会乱入デモは民主主義の不正暴挙
欧州や他の国とのFTAは大丈夫で米国とはできないという論理も詭弁だ。韓米FTAを口実に反米感情を広めようとするものにすぎないとわれわれはみる。
http://japanese.joins.com/article/097/145097.html?servcode=100&sectcode=110


【社説】根拠のないISD怪談で国民を惑わすな(1)
社会保険はISDの紛争対象にならない」と耳が痛くなるほど説明しても、相変わらず「米国保険会社が韓国健康保険を提訴する可能性がある」と主張する。目をつぶって耳をふさいでいる傍証だ。反米や党利党略に没頭しているという意味でもある。国益はこの人たちの眼中にはない。
http://japanese.joins.com/article/228/145228.html?servcode=100&sectcode=110


<画像引用>

目ン玉つながりのおまわりさんを丸裸! - 赤塚不二夫公認サイト これでいいのだ!!
http://www.koredeiinoda.net/honkanten.html