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「中国の古くて新しい戦略」の最新分析を読む2010/05/01 13:10

大国政治の悲劇 米中は必ず衝突する! ジョン・J. ミアシャイマー (著), John J. Mearsheimer (原著), 奥山 真司 (翻訳)


<関連記事引用>

China's new strategy By Stephen M. Walt
http://walt.foreignpolicy.com/posts/2010/04/25/chinas_new_strategy

▼優れた日本語解説

中国の新しい戦略
http://geopoli.exblog.jp/13227468/

●過去15年くらい常に話題になっているのは、米中が衝突するかどうか、ということだ。

●たとえばリアリストたちは中国が経済的に力をつけてくれば、米中が安全保障をめぐる争いに出ることが確実であると論じている。

●そしてもう一方の人々(ほぼリベラルたち)は、経済の相互依存状態の実現や、中国がいくつもの国際制度に参加して「社会化」することによってトラブルは避けられるようになると考えている(ビル・クリントンが中国をWTOに参加させた論理はこれだった)。

●そしてもし中国が段々と民主制を採用しはじめるとすれば、「民主制平和理論」が発動して心配することは何もなくなる、という風に議論は続くのだ。

●先週の土曜日にニューヨークタイムズではこのリアリストの視点を支持するような重要な記事が載っていた。この記事では中国が海軍力を急速に発展させており(大国としての地位を表すための古典的なやりかただ)これに見合うようなさらに野望的な戦略を説明していた。

●短期的には中国が海外の原料資源(石油等)へのアクセスを確保する動きに出るのであり、実際的には中国の新しい「遠洋防衛」では(インド洋やペルシャ湾を含む)カギとなる海域に兵力を投射できるだけの能力を得つつも、他国が中国周辺で自由に動き回るのを阻止することが狙われている。

●言うまでもないことだが、これこそがリアリズムの理論の予測していることなのであり、著名なリアリスト(たとえば私の共著者であるジョン・ミアシャイマーなど)たちの何人かはこのような予測が出てくるメカニズムをかなり明確にしている。

●そしてアメリカはこのようなことに驚くべきではない。なぜなら中国が今やっているのはアメリカが19世紀後半に行っていたこととほぼ同じだからだ。もっと具体的にいえば、北京政府は経済を発展させ、それから軍事力を拡大し、地域で支配的な立場を手に入れ、他の大国を周辺地帯から排除するのだ。

●アメリカの場合、まず北米で拡大し(明白な天命)、それから他の大国が西半球に手を出さないようにしている(モンロードクトリン)。

●モンロードクトリンを実行できるまでにはかなりの時間がかかっているが、アメリカは最終的にこれを達成できる力を持っていたのであり、実際に達成している。そしてこのポジションは戦略的にかなりの優位をもたらしたのであり、(近くに大国がいないために)外からの侵攻を心配せずに自国を守るために労力を割くこと無く、世界中に武力介入できるようにしたのだ。

●もしあなたが中国の戦略家だったら、このようなポジションを狙いたいと思わないだろうか?理想的なのは、東アジアで最強の大国になり、(アメリカのような)他の大国が大きな役割を果たすのを阻止することだ。

●もちろんこの目標を達成するのは簡単ではない。なぜなら中国の周辺には日本、インド、ベトナムなどの強力な隣国があり、多くのアジアの国々はすでにアメリカと緊密な安全保障の関係を結んでいるからだ。

●そこで、この先数十年間に起こることの私の予測をここで行っておきたい。

●私は中国が(ほぼ常に)「やさしく語り」、大きなこん棒を持とうと努力しつづけると思う。もし彼が本当に賢ければ、彼らは周辺国(とアメリカ)に強力なバランシングを起させないように行動するだろう。

●また、中国は自国周辺の海域でアメリカが介入できないようにするだけの軍事力の開発を継続し、最終的には機動投射能力を発展させてわれわれが展開している(ペルシャ湾のような)重要な他の地域での作戦行動を難しくさせるようなことをしてくるはずだ。

●また同時に、彼らはアメリカの伝統的な「影響圏」に浸透して、アメリカがその地域にかかりきりになるようにするはずだ。

●さらに、私は彼らが周辺地域で「分断統治」を行い、いくつかの周辺国にワシントン政府とは距離を置くようにさせるはずだと考えている。

●その他にも、北京政府はアメリカがアフガニスタンのような場所で泥沼にはまったり、イランの核兵器開発計画についての紛争、そしてパレスチナのような終わりのない問題で気を散らせ、世界中の反米意識を煽ってアメリカが大きな視点を持てなくなることを大歓迎するはずだ。

●よって、アメリカがこれらの問題について中国から協力が得られるとは考えないほうがよい。

●これについては三つの教訓がある。

●第一は、ニューヨーク・タイムズの記事でも明らかなように、現在の中国はアメリカよりもたしかにまだ弱いままでありつづけるであろうし、本物の「競争相手」になるにはまだまだ時間がかかるはずだ。よって、われわれはパニックになる必要はなく、適時に慎重な対応をすればいいだけだ。

●幸運なことに、中国の勃興は現在のアジアにある同盟国と良い関係を継続させることを比較的容易にしてくれるのだ

●第二に、中国の経済成長は数年以内に鈍化する可能性が大きく、これには人口の平均年齢が上がり、中産階級が社会保障を要求する声が高まることが原因となりそうだ。

●このおかげで北京政府は対外と国内の政策の優先順位をつけるという難しい選択をしなければならなくなるのであり、経済力を軍事力に変換したり海外へ展開するスピードが遅くなるかもしれないのだ。

●第三に、そして最も重要なのは、私が上で言ったことは「中国とアメリカが戦争を起すことが不可欠だ」と言っているわけではない、ということだ。

●核抑止のおかげで米中の競争はある程度限定されるだろうし、慎重かつ良識ある外交によって双方の国益の衝突の可能性を制限したり無くしたりできるかも知れないのだ。

●それでも中国が上記したようなコースを進むとすれば、ワシントン政府と北京政府の間でこの先何十年間はかなり激しい安全保障競争が始まることが予測できる。それ以外のことを予測するのは・・・非現実的であろう。

Chinese Military Seeks to Extend Its Naval Power
http://www.nytimes.com/2010/04/24/world/asia/24navy.html?ref=asia


中国海軍動き活発に――日本、淡々と備え急ぐ時(ニュースの理由)
2010/04/30 日本経済新聞 夕刊

 中国海軍の日本近海での動きが活発になっている。今月中旬、潜水艦や補給艦を含む艦艇10隻が沖縄本島と宮古島の間の公海上を南下。情報収集中の海上自衛隊の艦艇に中国軍のヘリが異常接近する事態も起きた。

 今回の訓練の軍事的な意味合いは、沖縄から台湾、フィリピンなどを結ぶいわゆる「第1列島線」の外側で一定期間にわたり機動できる部隊を中国が持ったことを日米などに誇示した点にある。

 訓練に参加した駆逐艦や潜水艦は、迎撃がきわめて難しい超音速の艦対艦ミサイルを搭載。1996年の台湾海峡危機では米海軍が空母部隊を2個も投入し一帯の制空・制海権を確保したが、中国は同様の事態を繰り返さないよう今回の艦隊をはじめとする軍事力増強を続けてきた。

 心理戦としての側面もある。普天間基地問題をめぐって日米関係が動揺し、ワシントンでの米中首脳会談90分に対し日米会談はわずか10分だったまさにその時期に、かつてない規模の中国艦隊が日本近海で活動を活発化させている報が伝わり、多くの日本人が言いようのない違和感を覚えた。

 「日本では平時と有事、あるいは軍事と経済活動は別個のものと認識されがちだが、中国は一体不可分ととらえている」(中国軍事専門家)。平時に活動範囲をじわじわ広げて既成事実化し、訓練名目で強力な装備を誇示して相手の対抗意識をなえさせる。経済交流の形で相手の軍民両用技術を吸収する。経済面での一体化を進め相手を自国の勢力下に組み込む。「戦わずして勝つことこそ上策」とする兵法書「孫子」を実践する動きだ。

 ただ、そんな中国に日本が過剰反応するのも禁物だろう。「都市と地方の間の大きな格差など根深い矛盾を抱える中国の現状を考慮すると、軍の勢力圏拡大は今が一つのピークなのではないか」(日本の安全保障当局者)との分析もある。国内のまとまりを保つため「外に敵を求める」現象は世界史上多くあった。今回の動きに露骨に対抗すれば、中国側がそれをとらえて「日本の軍事脅威」を国内に宣伝し、結果的に利用されかねない。

 日本としては表面上は淡々としつつも、先々、領土や資源問題で不本意な形で中国の意思を強制されないよう、海上警備・防衛体制を入念に再点検する時機にある。中国海軍が戦略的に勢力圏を拡大してきたことを指摘する専門家は以前からいたが、日本の当局や国民がそうした警鐘に鈍感だったことは否めない。

 海上自衛隊や海上保安庁は近年、慢性的な定員不足の中で遠隔地での海賊対策など任務激増に直面し、疲弊が著しい。海自と海保の連携にも改善の余地がある。米軍基地問題をめぐる混乱で揺らいだ日米同盟の修復も急がれる。

 平時と有事、経済と軍事を密接に関連づける中国と向き合っていることに常に留意し、そんな中国のしたたかな側面をむしろ参考にしながら、和して同ぜず、すきのない安保体制を組むことを考える時にきている。


【新聞に喝!】ジャーナリスト・伊豆村房一 国家安全保障の認識が足りない
2010.5.1 07:54
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100501/plc1005010755009-n1.htm

 沖縄の普天間飛行場移設問題をめぐって鳩山由紀夫政権が迷走し、日米同盟がぎくしゃくしているさなかに、中国海軍の艦載ヘリが公海上で海上自衛隊の護衛艦に異常接近する事態が2度にわたって起こった。

 「日本の安保意識試す中国軍」と題して日経社説(4月23日付)は、「日米同盟がきしむなか、鳩山政権や自衛隊がどこまで強気の姿勢を見せるのか。中国側はそれを瀬踏みしたのでは」とし、日本側の対応について、「鳩山首相は日中首脳会談で、この問題を取り上げなかった。友愛の政治家らしい対応は、中国側への誤ったシグナルとなりかねない」と懸念してみせた。

 朝日社説(同24日付)は「中国海軍-疑惑をあおってどうする」と題して「こんなことが続けば、日本国民の中国への脅威感や疑心暗鬼が深まり、日中関係全体を損なうことになりかねない」と中国側に苦言を呈する一方、「日本政府の姿勢にも問題がある」とし、鳩山首相が日中首脳会談でヘリ接近問題に触れなかった点を突き、「これでは誤ったシグナルを送ったことになる。極めて遺憾だ」と日本政府を非難する側に回った。

 今回の遠洋訓練について中国解放軍は、メディアを利用し既成事実を積み重ねる「世論戦」、相手の士気を低下させる「心理戦」、法律を駆使して国際的支持を得る「法律戦」の「3戦」の訓練と位置づけているという。海軍力増強を至上命題とする人民解放軍にとって、友愛を掲げるトップをいただく日本など怖くも何ともない。

 「駐留なき安保」を持論とする鳩山首相がいかに現実離れした夢想家であろうとも、日米同盟が盤石で揺るぎなければ、中国海軍もこういう行動には出まい。政権交代でもそれを揺るがせてはならない。鳩山政権の迷走は同盟国の信頼が問われる次元にまでになり、日本および東アジアの平和と安全を脅かしかねない。

 鳩山首相は、在日米軍基地の7割以上が集中する沖縄県民の負担を少しでも和らげたいという。その思いはひとり鳩山首相だけのものではない。戦後の日米安保体制の下で日本に米軍基地が存在することはまぎれもない現実である。それを見直すには憲法改正を含め、日本自ら国家安全保障政策を固め、そのうえで日米間の協議を進めなければならない。

 アメリカ合衆国連邦政府の最重要課題は国家安全保障と教育と民主主義である。それは党派を超えたものだ。日本では新聞を含めて国家安全保障の認識が足りない。

ネパールでも毛派「赤シャツ」軍団大集結、中国ドミノにご用心2010/05/01 22:08

ドミノ理論 Domino theory WIKI 



<関連記事引用>

毛派数十万人がデモ、ネパール 首相退陣を求める
http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010050101000688.html

 【カトマンズ共同】立憲君主制から連邦共和制に移行し民主化を目指しているネパールで、制憲議会第1党ながら昨年下野したネパール共産党毛沢東主義派は1日、首都カトマンズで、支持者数十万人を動員して大規模な抗議デモを実施し、現政権のネパール首相の退陣を求めた。

 昨年5月、毛派トップのダハル首相(当時)は、毛派兵士の政府軍への統合に反対する陸軍参謀長を解任。これに反発した連立参加政党が離脱し、毛派政権が崩壊した。その後「反毛派」連立政権ができたものの、毛派との対立が続いている。

 毛派は全国から支持者を集め、国民からの支持率の高さをアピールすることで政府に圧力をかける狙い。毛派は2日から全国規模の無期限ゼネストも計画している。

 デモ参加者らは「ダハル書記長を首相に」などと叫び、毛派中心の政権樹立を求めた。毛派はデモ参加者は約50万人としている。

 角材を持ってデモ行進する参加者が多く、警察当局は参加者の暴徒化を懸念し、警官約1万5千人を配置、厳戒態勢を敷いた。

 同国では、5月下旬が新憲法制定の期限になっているが、毛派と他政党の対立で和平プロセスは進展していない。


ネパールでも「赤シャツ」毛派が50万人デモ 全国ゼネスト決行へ
2010.5.1 20:39
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100501/asi1005012049004-n1.htm

 【カトマンズ=森川潤】ネパール制憲議会の最大野党、ネパール共産党毛沢東主義派が1日、首相のネパール氏の辞任などを求め、カトマンズで約50万人によるデモを行った。王制廃止後の反政府抗議活動としては最大規模。首相側は辞任の意思を見せておらず、毛派は2日から全土で無期限のゼネストを決行する構えだ。対立が深まれば、毛派と警察など治安部隊が衝突する可能性もある。

 ネパールでは2008年の王制廃止後、新政府が2年以内に憲法を公布することを決定した。今月28日が期限だが、連邦共和制の枠組みや毛派元兵士の政府軍への統合問題で与野党の対立が続いており、実現は絶望的な情勢となっている。

 政府側に要求の受け入れを迫る毛派は、ネパール全土の党員らを招集し、1日午前、赤シャツを着た党員らによるデモ集会をカトマンズ中心部で決行した。

 2日以降、全国規模のストライキが実施されれば、主要道路は封鎖され、交通機能がまひするほか、ほとんどの商店やオフィスの営業が中止される見通しだ。毛派は「平和的なデモ」としているものの、一部過激派から火炎瓶や手榴(しゆりゆう)弾が押収されている。



<速報>鳩山首相の腹案本命はテニアンか!2010/05/02 19:53

Togetter - まとめ「普天間問題でなぜ日本は米国を振り回すのかについて、@YS_KARASUさんとの1問11答+α」


詳しくはこちらを(YS_KARASUとは当然私園田義明でございます)


Togetter - まとめ「普天間問題でなぜ日本は米国を振り回すのかについて、@YS_KARASUさんとの1問11答+α」(画像引用)
http://togetter.com/li/18107

tkatsumi09jさんの詳細プロフィール
http://blogs.yahoo.co.jp/jnicc_org_tk05/46533850.html

「黄色いかりゆし」の向こう側2010/05/03 08:48

「黄色いかりゆし」の向こう側


昔と変わらぬいつもの光景といえばそれまでですが、それにしても赤いこと。


<画像引用>

Facebook I Oppose the Expansion of US Bases in Okinawaさんの写真アルバム - Okinawa Solidarity Rallies
http://www.facebook.com/photos.php?id=284362951818#!/album.php?aid=165364&id=284362951818

八百万の神々こそ民主主義の原点、民主主義の本質でもある2010/05/05 09:36



「八百万の神々こそ民主主義の原点、民主主義の本質でもある」

昨夜の飲み会で森野榮一先生の口から飛び出たこの言葉。私にとってこの日一番の収穫。

日本の民の底力を信じたい。日本の民主主義が今試されている。
そんな今こそ、WAになっておどろう。







<そんなことはここにちゃんと書かれておる=森野先生の解説>

第七講 村邑

一、八種の天罪

 日本人は農業の民で有つた、故に太古に於て最も罪悪視せられたるものは、農業を妨害することであつた、左記八種(やくさ)の天罪(あまつみ)といふものは、古事記にも日本書紀にも、延喜式の「大祓の詞」にも、古語拾遺にも、すべて古書といふ古書には必ず記して伝へられて居るのである。

 第一 毀畔(あなはち)(阿那波知)とは、耕田の畔(くろ)を毀つこと

 第二 溝埋(みぞうめ)(美曾宇女)とは、灌漑の溝を埋むること

 第三 放樋(ひはなち)(斐波那知)とは、溝洫(こうきょく)の樋を放開して、耕田に溢れしむること

 第四 重播(しきまき)(志伎麻伎)とは、他人の耕種せる田に、重ねて種を播くこと

 第五 串刺(くしさし)(久志作志)とは、他人の耕田を冒認して、自己の耕田の如くに標識すること

 第六 生剥(いきはぎ)とは、耕田に用ひる牛馬の類を虐待すること

 第七 逆剥(さかはぎ)[六に同じ]

 第八 屎戸(くそへ)とは、新穀の祝典たる新嘗の祭日を汚すこと

 此八種の天つ罪が、日本人の最も初めに罪として認めたもので、後に仏教の感化に依りて高唱せられたる殺生、愉盗、妄語、邪淫、飲酒の五戒よりも、深く厳しく戒飭せられた所のものであつた。

 古神話に驚天の大変として伝へられたる、天照大神の「岩戸隠れ」は、素盞嗚尊が此の八種の天つ罪を、悉くその一身に犯したることが原因で有つたといふことである。而して当時日本の政体は、八百萬神の合議を用ひたので有つた。謂ゆる「八百萬神、天安之河原(あめやすのかわら)に神集(かんずまりましま)して」といふは、是れである。

 是れは誠に自然である。人の生命、自由、財産、名誉に対する福利は、奴隷の境遇にあるものゝ外、其人の得心なくして、他より侵さるべき者でない。人は固より群居するものであるから、共存の必要上、個人と個人との関係、並に集団と集団との関係に依り、規律ある行動に出るのであるが、是れは各人の福利を犠牲にするのでなく、その福利を保護するのである。各人の発言権を停止するのでなく、その発言権を障碍なからしめるのである。日本国民の総員、即ち八百萬の神には、貧の神も福の神も、凡べて、平等の発言権を以て「天安の河原」に集まつたといふ神話は、純朴なる日本の古俗を想像せば、如何にも斯くありしならんと首肯せらるるのである。

 農業的の国民(八百萬神)が、農業侵害者(素盞嗚尊)に対する処置を決するために集会を開いた。是れは恰も自治の運用である、自治を推し広めた協和制、一層適切にいへば国民投票であつた。

 我が神世の洪謨(こうも)は、全く此の如き自然の民性に忓(さから)はざる方針であつた神武天皇東征の詔に「蒙以て正を養ふ」とあるのはそれである。此の詔の語は、周易蒙卦(しゅうえきもうけい)の衆伝を引いて、日本書紀の作者たる舎人親王(とねりしんのう)の文飾せられたものではあるが、其意味は正しき神武天皇の詔旨で有つたに相違ないのである。蒙以て正を養ふとは、蒙は童蒙である、民性自然の発達を以て、童蒙の次第に智恵づくに譬へ、其の啓発すべき時機には之を啓発し、其時機に至らざれば其儘に差し置き、たゞ成るべく邪悪に陥らぬ様に、成るべく正しき心を養ふやうに、之を指導して行くといふことを云ふのである。此詔を以て、我が太古の皇謨を察すれば、決して或国の王者の如く、国民を以て私有財産と同視し、生殺与奪たゞ王者の意欲に任ずるといふのではない。国民自体の機能をして、成るべく智恵と徳義の方面に進ましむべく、無干渉の間に静かに摂理せられたのである。

 けれども人民は、智巧の進むに従つて、太古の純撲をいつまでも維持しては居らなかつた。既にして強者が弱者を併呑して、其福利を榹(うば)ひ去つたのである。是れ其詔の末文に「邑に君あり、村に長あり、各自ら彊を分ち用て相凌轢す」とある所以である。天皇には深く之を歎息せられて、竟に東征の御決行となつた。

(出典:権藤成卿『農村自救論』公同の概念)

時計の針が逆戻り、ギリシャ炎上とその背後に見えるもの2010/05/06 09:32

時計の針が逆戻り、ギリシャ炎上とその背後に見えるもの、共産党系活動家は首都アテネの古代遺跡アクロポリスにあるパルテノン神殿前に「欧州の人民よ、立ち上がれ」との横断幕を掲げ抗議の意思


ここまできたら慎重に。今はこの一言で済ませておきましょう。

「もー、しっかりしてよ、オバマさん」


<画像引用>

Picasa ウェブ アルバム - KKE International
http://picasaweb.google.com/lh/photo/_RfgHcD3vBd6DjiCM-k-6A?feat=twitter


<関連サイト>

Communist Party of Greece
http://inter.kke.gr/

General strike hits indebted Greece over new cuts
http://www.thestate.com/2010/05/04/1271885/greek-protesters-drape-banners.html

The end of the party
http://www.economist.com/world/europe/displayStory.cfm?story_id=16055623

ヘッジファンドの熱い視線はギリシャから日本へ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/02/23/4900520


<関連記事引用>

火炎瓶で銀行炎上、3人死亡=赤字削減計画に抗議のゼネスト-ギリシャ
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2010050600046

 【パリ時事】ギリシャの首都アテネ中心部で5日、増税や年金カットなどを盛り込む政府の財政赤字削減計画に抗議するデモ隊と警官隊が衝突、火炎瓶が投げ込まれた銀行支店が炎上し、建物内にいた行員3人が死亡した。同国ではこのところ、政府計画に反対するデモが連日発生しているが、衝突で死者が出たのは初めて。

 ギリシャの官民労組はこの日、政府計画に抗議するゼネストを断行し、首都では数万人が街頭に繰り出した。一部の参加者が、6日に赤字削減法案の採決が予定される議会に突入を試み、警備の警官隊と激しく衝突。催涙ガスを発射した警官隊に対し、デモ隊は道路の敷石や火炎瓶を投げて抵抗した。

 英BBC放送によると、銀行内には火災発生時に約20人がおり、死亡した3人は屋根伝いに逃げようとして煙に巻かれたもよう。また、数人が建物上階のバルコニーから救助された。このほか少なくとも建物2棟で火災が起きた。(2010/05/06-06:29)


パルテノン神殿に横断幕=増税反対で公務員スト-ギリシャ
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010050400463

 【パリ時事】財政危機に見舞われているギリシャで4日、政府が進める増税や公務員給与削減に反対し、公務員労組が48時間のストに突入した。共産党系の活動家は同日早朝から、首都アテネの古代遺跡アクロポリスにあるパルテノン神殿前に「欧州の人民よ、立ち上がれ」との横断幕を掲げ、抗議の意思を示した。

 現地からの報道によると、ストには公立の学校教員や病院職員のほか、航空会社の職員組合も参加し、国内便を中心に欠航が相次いだ。民間大手労組も5日のスト入りを宣言しており、国内情勢はさらに混乱する見通しだ。(2010/05/04-19:52)

世界の終わり - 虹色の戦争2010/05/06 19:39



高校一年生の娘から教えてもらった「偽物の自由、偽物の平和」の歌。
いまどきの高校生の方が余程大人かもしれない。