Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

中国の「人口ボーナス終焉」にらむ米国、エコノミストたちが注視するのは中国の人口動態(日経より)2010/10/04 08:15

中国の「人口ボーナス終焉」にらむ米国、エコノミストたちが注視するのは中国の人口動態(日経より)


触らぬカミにタタリなし。対中国は放置プレイでOK。
これは本ブログで再三繰り返してきたこと。

その理由のひとつは中国の人口動態にあり。
タイミングよく日本経済新聞が取上げているので紹介しておきたい。



<関連記事引用(画像も)>

中国の「人口ボーナス終焉」にらむ米国(グローバルOutlook)
編集委員 滝田洋一 2010/10/4 7:03
http://s.nikkei.com/dBHW01

 世界第2位の経済大国となり、軍事面の海洋進出を鮮明にする中国にどう向き合うか。日本が尖閣ショックに見舞われる前から、米国の姿勢は微妙に変化していた。

 オバマ政権は9月16日、5年間で米国の輸出を倍増するための「国家輸出戦略」の報告書を発表した。商務省をはじめ関係各省と政権顧問で組織した「輸出促進会議」による報告書は、A4判で68ページにのぼる。

 コロンビア、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、ベトナム――。報告書で目を引くのは、ブラジル、インド、中国の「次の列(next tier)」にある国々の重要性を繰り返し、強調している点だ。

 ゴールドマン・サックスの用語を借りれば、BRICsからネクスト・イレブンに輸出振興の軸足を置き始めたということだ。報告書は米輸出入銀行が選んだ9つの高い潜在力を持つ国々も挙げている。

 それは、メキシコ、ブラジル、コロンビア、トルコ、インド、インドネシア、ベトナム、ナイジェリア、南アである。そこに中国の名はない。

 1月の一般教書演説で輸出倍増計画を打ち出した際、オバマ政権が真っ先に念頭に置いていたのは中国市場だった。米中間選挙を控え、議会による人民元の切り上げ圧力は増しているが、一般教書演説から8カ月たった今、政権の輸出先開拓の戦略は中国一点張りではない。中国べったりだったビル・クリントン元大統領と異なり、ヒラリー・クリントン国務長官が、東南アジア諸国連合(ASEAN重視をうたうのも、むべなるかな。

 政権の風向きの変化を受けて、ウォール街も中国投資一辺倒ではなくなっている。エコノミストたちが注視するのは人口動態だ。

 国連の推計によれば、中国の生産年齢人口(15~64歳)の全人口に占める比率は今年2010年がピークで、今世紀半ばにかけて急速に低下する。一人っ子政策の後遺症というべきだろうが、比率の低下ピッチは日本と同じくらい速い。

 反対に、生産年齢人口の比率が20年に向けて増加し続けるのが、トルコ、ブラジル、インドネシア、メキシコなど。比率のピークがさらに先にあるのが、インド、マレーシア、フィリピン、南アなどだ。ここまで見れば、米国がなぜ中国にばかりこだわらないかが理解できるだろう。

 人口ボーナスの時代が終焉(しゅうえん)を迎えつつある。そんな中国が経済成長を維持するには、技術を導入し生産性を向上させる必要がある。ところが、レアアース(希土類)の突然の輸出停止で見せた横紙破りは、米欧の対中警戒論を高めるに十分だった。「世界貿易機関(WTO体制の最大の受益国が、自由貿易の基本を踏みにじるとは何事か」という訳だ。

 日本の企業にとっても、尖閣ショックは中国ビジネスでにっちもさっちも行かなくなるなる前の良い警告だった。「1つのバスケットにすべての卵を入れてはいけない」。投資と事業の分散の大切さを教えてくれた中国に、心から「感謝」しようではないか。


<関連サイト>

White House Releases Report to the President on the National Export Initiative
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2010/09/16/white-house-releases-report-president-national-export-initiative
http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/nei_report_9-16-10_short.pdf
http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/nei_report_9-16-10_full.pdf



Counting from one to two in China—a bigger leap than it seems
http://blogs.cfr.org/asia/2010/09/27/counting-from-one-to-two-in-china/
http://twitter.com/YS_KARASU/status/25840227658

インドの強み(人口要因) 
http://www.03trade.com/study/manabo/tokusyuu/backnumber/month_section_090424_01.html
http://twitter.com/YS_KARASU/status/25593345405

▼衝突か協調か 中国とインド 世紀のライバル
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/23/5303264

中国では間もなく生産年齢人口が収縮し始めるのに対し、インドはアジア各国で継続的な活況の原動力となってきた人的資源の急増を享受している。インドの成長がかなり長期にわたって中国を超える可能性は、もはや絵空事ではなくなった。

コメント

_ とら猫イーチ ― 2010/10/04 15:38

>「1つのバスケットにすべての卵を入れてはいけない」。投資と事業の分散の大切さを教えてくれた中国に、心から「感謝」しようではないか。

 言われてみれば、そのとおりですね。 中国のみに傾斜した政治・経済は危険です。 
 「一つのバスケット~」の格言は、投資をする際には、鉄則ですが、欲に釣られて忘れることがあります。 株式市場が熱を帯びている折でも、債権市場や実物市場に留意しながらアセット・マネージメントをしないと、(私のように)赤字を抱えることになります。 トホホ。。。

_ Y-SONODA ― 2010/10/05 08:21

とら猫イーチさんへ

>「一つのバスケット~」の格言は、投資をする際には、鉄則ですが、欲に釣られて忘れることがあります

これは鉄則なんですよね。特に相手が中国だとなおさら。
ビジネスで中国とお付き合いを始めたのは20年程前。
中国各地に足を運びましたが、その時に中国の本質を知りました。
戦略的互恵関係なんて幻。見た目は似ていますが価値観が違いすぎる。
ただしマーケットはでかい。これは大いに利用すべき。今のうちに儲けよう!
今やほとんどの企業もマーケットとして割り切っているのではないでしょうか。

_ ロッキーホラーショー ― 2010/10/05 15:46

高度の製造技術は依然として日米欧(あと韓国の一部企業。必死に頑張りすぎて出生率が激減)が独占、ローエンドは国外に逃げていく焦りがレア・アース騒動の背景なのかも。でも一番の問題は、今後は中国ですら製造業からサービス業に産業の重心が移動することなのでは。造船をやってる国営企業(というか解放軍の会社)が高齢化に備えた社会福祉サービスに乗り出す、とかいろいろあるようです。サービスというのは、グローバル化し辛い分野だったのですが、ITを武器に米国の巨大サービス産業が世界を席巻しつつあるように見えるのです。製造業だけを見ると米国は衰退しつつあるように見えるかもしれませんが、儲からないのは余所に任せたまで。耕地面積、高度技術者の移民受け入れ能力、英語国際化の進展を考慮すると、結局、今後考え得る限り、総合的な国力で米国を凌ぐ国なり国家連合が現れるとは思えません。ただ、日本のお守りをしなきゃならない必然性などさほど感じてないでしょうから、距離感の取り方は微妙になってくるでしょうね。

_ Y-SONODA ― 2010/10/06 06:40

ロッキーホラーショーさんへ

>結局、今後考え得る限り、総合的な国力で米国を凌ぐ国なり国家連合が現れるとは思えません。

この点を冷静に見ないといけないのですが、なぜか日本の評論家は反米志向。
希望的観測は禁物ですよね。

>日本のお守りをしなきゃならない必然性などさほど感じてないでしょうから、距離感の取り方は微妙になってくるでしょうね。

日本のためというよりこれはもう完全地政学でしょう。
今日紹介したフォーリン・アフェアーズも大いに参考になります。
戦前の日本のように中国が海を荒らすようなことをすれば、結局ボコボコにされると思いますよ。

_ むむ~ ― 2012/01/09 07:11

都会と農村部の余剰労働人口をどのように見積もるかで人口ボーナス曲線は変わる。さらに、社会ストックの大きさで、ピークを迎えた後の国の経済状態は異なるだろう。どの国家も同じ運命では無い。延命措置の得手不得手でも結果は異なる。

_ Y-SONODA ― 2012/01/09 08:57

むむ~さんへ

>都会と農村部の余剰労働人口をどのように見積もるかで人口ボーナス曲線は変わる。さらに、社会ストックの大きさで、ピークを迎えた後の国の経済状態は異なるだろう。どの国家も同じ運命では無い。延命措置の得手不得手でも結果は異なる。

確かにそうした見方もありかと。
ついでに中国が「一人っ子政策」などの人口抑制策緩和に乗り出す理由も考えてみましょう。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/10/04/5382770/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。