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日本経済新聞:防衛大学校長五百旗頭真氏(民主主義を考える)2010/10/16 22:35


<関連記事引用>

識者の意見1、防衛大学校長五百旗頭真氏(民主主義を考える)
2010/10/16 日本経済新聞 朝刊

 ――民主主義がもっている強さや難しさをどうみますか。

 「冷戦が始まったころ、民主主義はソ連のような権威主義に太刀打ちできないんじゃないか、という心配があった。世論を気にかけない独裁国は駆け引きの面で有利だが、国民の支持という正統性を得ていない点で脆弱(ぜいじゃく)だ。長い目で見たら崩れたのはソ連だった」

 「民主主義はおそらく唯一の持続可能な政治制度だろう。ただ民主主義を効果的に機能させるのは容易ではない。民主主義下でリーダーシップが失われれば、その国は衰退するほかはない」

 「民主主義にもいろいろあり、良いときと悪いときがある。世界経済危機の下で各国とも国民のいらだちが強くなり、おしなべて弱い政府になっている。強い政府であることは容易ではない」

エラーに臆病

 ――日本は首相が頻繁に交代し、政治のリーダーシップが発揮できないとの指摘があります。

 「政権交代や政局に興奮するのは易しいが、生まれた政府によい仕事をさせるのは難しい。日本の民主主義は伝統的に権力の悪をチェックするものという理解が強いから、強権を避けて無為無果に堕しやすい。エラーを恐れてダイビングキャッチを試みない。国民益を増進するために戦う政治を見失っている」

 「それを超えたのが小泉純一郎元首相だった。国民の共感を得て思ったところに連れて行くのは大変な技術だ。日本の民主主義がだめだというより、民主主義の中でどんなリーダーシップを発揮するかだ」

民意は神でない

 ――政権は民意の影響力も無視できません。

 「民意は神様じゃない。民意に基づく政治は民主主義の基本だが、国民に教えを請う政治家は必ず破綻する。国民の多数は政策はこうあるべきだなどと考える立場にない。指導者が国家戦略を持って国民に問いかけ、同意を得て共に歩むことだ」

 ――中国の台頭についてどうみますか。

 「中国は〓小平以来30年も高度成長を続けてきた。国民を豊かにできる政府は強い。世界危機を下支えするほどの力を持つに至ったことは喜ばしい。しかしその経済力をもって軍拡を進め、自国の利益になるならその力を使おうとする」

 「そういう中国ではなく、相互依存時代にふさわしい行動様式を学ぶことを求めたい。必要なのは中国ナショナリズムを相対化するための世界知識だ。それを習熟する中で一定の民主主義を手にすることを望みたい」


識者の意見1、防衛大学校長五百旗頭真氏――記者も考える(民主主義を考える)
2010/10/16 日本経済新聞 朝刊

 民主主義のもとでは政治家は民意を気にしがちだ。しかし多くの国民は政治の専門家ではなく、常に正しい判断をするとは限らない。

 五百旗頭氏は民意の意向に従うだけでは、真の支持は得られないと説く。政治信念を持ち、必要なことを国民に粘り強く語りかける政治指導者を育てるのは、我々有権者の課題でもある。(政治部 中山真)

自民党関係者必読=毎日:「ティーパーティー」支えは「左派」組織論2010/10/16 22:58



ティーパーティーの柔軟さを学ばなければ、政権奪還は困難。


<関連記事引用>

米中間選挙:「ティーパーティー」支えは「左派」組織論
http://mainichi.jp/select/world/news/20101016k0000m030045000c.html

【ドイルズタウン(米東部ペンシルベニア州)で古本陽荘】米国の中間選挙で民主、共和両党の勢力が伯仲し接戦の様相のペンシルベニア州・下院第8選挙区では、保守派の草の根運動「ティーパーティー」(茶会運動)が、共和党候補者の支援に熱を入れている。「米国が誤った方向に進んでいる」と考える無党派層に照準を定め、政党さながらの組織選挙を展開。効率的な運動を支えるのは、意外にも左派運動から導入した組織論だった。

 同区は民主党現職のマーフィー氏に共和党元職のフィッツパトリック氏が挑む構図。フィッツパトリック氏は毎日新聞の取材に「次の連邦議会には難しい政治決断が待っているが、茶会運動は難しい決断の後押しをしてくれるものと考えている」と述べ、運動との連携を重視する姿勢を強調した。

 支援する茶会運動の団体「キッチン・テーブル・ペイトリオッツ」は、運動の組織化に最も成功したモデルケースとして全米で知られる。設立者の主婦、アナスタシア・パーベルスキさん(38)は、今月9日の集会でボランティアらを前に「戸別訪問が一番大事。人的な触れ合いで人々は投票する」と訴えかけた。

 この日、集まった約80人のボランティアらは2人一組に分かれ「米国の将来を心配している地元の茶会のメンバーです」と自己紹介しながら投票を呼びかけ、住宅街を歩いた。手にするのは「標的リスト」と呼ばれる住所録。公開されている選挙人登録名簿を基に事前に電話調査を実施。医療保険制度改革に「反対」し、米国が誤った方向に向かっていると「思う」と回答した無党派層を中心にリストアップしたものだ。

 政治活動をしたことがなかったパーベルスキさんが組織作りで参考にしたのが左派系の住民運動の理論家、ソール・アリンスキー氏の「過激派のルール」だ。パーベルスキさんは左派系の思想的内容は無視し、「相手が経験したことのない領域に入れ」「あざけりは効果的な武器」など、技術論だけを導入してきた。茶会運動を支援する団体フリーダムワークスも、指導者らを集めた研修会でアリンスキー理論を紹介し、茶会運動指導者の間で「必読書」と言われている。

 アリンスキー氏はオバマ大統領が過去にシカゴでアリンスキー系の住民運動に携わっていたことから注目を集めた人物。パーベルスキさんは「今年1月からアリンスキー氏の技術を広めてきた。左派はもう40年もやってきたというのに」と語る。


Rules for Radicals (Vintage) Saul Alinsky
http://t.co/X46R3OV