園田義明めも。

カナダ・トロントで開かれていた２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議（サミット）は首脳宣言を採択して閉幕。焦点となっていた財政健全化については「先進国は２０１３年までに財政赤字を少なくとも半減させ、２０１６年までに政府債務の対国内総生産（ＧＤＰ）比を安定もしくは低下させる」との目標を明記。各国の裁量の余地を認める方向とも。

ギリシャの財政危機を受けて財政再建を優先する欧州と、景気刺激策の維持を主張する米国との間で亀裂が生じたものの、持続的な成長のために景気刺激を継続すると同時に各国の状況に応じて財政再建を進めるという両立案で玉虫色決着。

決め手となったのは世界経済の回復がまだまだ脆弱との認識の共有。世界が恐れているのは各国が同時に財政再建に踏み切ることによる二番底。「二番底＝double-dip recession」の文字が今また踊り始めた海外メディア。インドのシン首相の二番底リスク言及にも大いに反応。

さて、日本はどうか。ガイトナー米財務長官から「経済成長と財政再建を両立すべき」と釘を刺された模様。実際にはＧ２０を控えていたから菅首相は消費税増税言及で予防線。Ｇ２０が終わったことでたちまち選挙モード突入。参院選に向けて「消費税」隠しに一転か。

二番底に怯えて動けぬ世界。その一方でヘッジファンドは次の獲物を求めて世界中を飛び回る。ギリシャ同様、動きが鈍い労組依存の左寄り政権の国が狙われるだろう。一歩先に抜け出た英国はお見事と言うしかない。


＜関連記事引用＞

▼WRAPUP1:世界経済には依然深刻な課題、回復は一様でなくぜい弱＝Ｇ２０首脳会議
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK042231420100627

各国が同時に財政再建に踏み切れば経済の二番底に至るとの懸念を、新興国とも共有したためで、その結果、財政景気回復の強化を最優先課題とし、成長を損なうことなく公的財政の健全化を進めることを各国に求める玉虫色の表現に落ち着いた格好だ。


▼各国が同時に刺激策解除すれば二番底のリスク＝インド首相
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS867657820100627

インドのシン首相は２７日、各国が同時に歳出を削減した場合、世界経済が二番底に陥る恐れがあると指摘し、公的債務の問題には慎重に取り組む必要があるとの認識を示した。

　首相は当地で開催中の２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議（サミット）で「引き締め的な政策は、多くの先進国が同時に実施した場合、景気の二番底をもたらす恐れがある」と指摘し、「回復を強固にするとともに、ソブリン債問題に慎重に対応するよう要請する」と述べた。


＜関連記事＞

G20 recognizes risk of double-dip recession-Canada
http://www.reuters.com/article/idUSWNA437720100627

US warns Europe and Japan of risk of double-dip recession
http://www.inthenews.co.uk/news/world/us/us-warns-europe-and-japan-of-risk-of-double-dip-recession-$21380848.htm

Interactive chart of how the rich world's debt has stacked up　（画像引用）
http://www.economist.com/blogs/buttonwood/2010/06/indebtedness_after_financial_crisis

民主党が一転して「消費税」争点隠しへ　みんなの党に秋波？
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100628/stt1006280112000-n1.htm