アナキン鳩山「親指」自爆、それでも続く暗黒面での最終決戦 ― 2010/06/03 09:54
おそらく鳩山由紀夫は早くから辞意を胸に秘めていた。だからこそ無謀ともいえる最後の賭けに挑んだ。普天間移設先を「名護市辺野古」と明記した方針を示すことで、社民党の福島瑞穂党首を罷免。
福島罷免は社民票をあてにしていた民主党内の輿石東参院議員会長や高嶋良充参院幹事長ら参院選改選組をグサリと刺したようなもの。当然「鳩山降ろし」が吹き荒れる。ここで民主党の暗黒卿ことダース・シディアス小沢の登場。役者が揃うことになる。
アナキン鳩山とダース・シディアス小沢の最終対決。そのクライマックスは6月1日に行われた2度目の鳩山、小沢、輿石の3者会談。ここでも鳩山は勝利するかのように見えた。「私が辞めてもいいが、その時は小沢さんも当然お辞めになりますよね」との脅しが効いていた。しかし、会談終了後に見せた不用意なしぐさが鳩山の致命傷となる。
不用意なしぐさとは親指を上げたサムアップのこと。これで情勢は一変。小沢の逆鱗に触れる。小沢は労組関係者に電話をかけ鳩山包囲網を拡大。鳩山を辞任へと追いやる。
鳩山の「親指」自爆。しかし、約束は約束。小沢の幹事長辞任を引き出す。「小鳩」の最後は道連れ、共倒れ。刺し違えたかのようにも見えるが、実はまだ火種を残している。
「私が辞めてもいいが、その時は小沢さんも当然お辞めになりますよね」
鳩山の「辞める」とは議員辞職を視野に入れたもの。アナキン鳩山とダース・シディアス小沢の最終決戦は議員辞職をめぐって今なお続いている。
鳩山が辞任表明で北教組の政治資金規正法違反事件などに絡んだ小林千代美衆院議員に議員辞職を要求したのもこのため。そして、この日の夕方には記者団に「次の総選挙には出馬はしない」と述べ、今期限りで政界を引退する意向を表明。まずは政界引退のカードを切った。
はたして鳩山に議員辞職のカードを切る覚悟はあるのか。このカードを切ることで小沢の影響力が一掃され、民主党らしいクリーンな政治を実現できるかもしれない。新内閣発足後を睨んで唯一手にした武器が議員辞職。
ここで気になるのは小沢の発言。2日昼の民主党役員会終了後の記者団のやりとりで参院選への展望を聞かれた小沢は「私はもう皆さんと会うのも最後でございます。私が答える立場ではない。これは新しい人に聞いて下さい。」と答えている。
あくまでも幹事長として記者団と会うのは最後の意味だと思われるが、見方によってはかなり意味深。議員辞職の覚悟も暗に示した可能性がある。
むしろダース・シディアスはダース・ベイダーにもなれなかったひ弱なアナキンをあざ笑っているのかもしれない。「議員辞職のカードを切りたければ切りなさい。君にその根性があるのかね。」と。
無敵に見えたダース・シディアスとて衰えは隠せない。水面下ではジェダイによる強力な包囲網。今はまだジェダイを結集させたのは韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件とだけ書いておこう。
<関連記事>
「みなさんと会うのは最後」小沢氏、記者団への発言全文
http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY201006020286.html
皆さんと会うのも最後でございます…小沢発言2
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100602-OYT1T00655.htm?from=y10
最近のコメント