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ケネス・ロゴフ「次なる危機の震源は中国かもしれない」2011/06/21 07:12



EUも米国も中国もグラグラ。
どこが震源地になってもおかしくない状態。

それに備える動きなど日本政界では皆無。
またもや無防備のまま津波に襲われる可能性も。

自分の身は自分で守るしかない。
生き抜け、日本人!


<関連記事引用>

過剰債務、経済への影響――ハーバード大学教授ケネス・ロゴフ氏(月曜経済観測)
2011/06/20 日本経済新聞 朝刊

米、危機前回復に4年半

 金融危機以降、世界の先進国が過剰債務に苦しんでいる。米経済は成長が再び鈍化し、欧州はギリシャを巡る協議がもつれる。共著「国家は破綻する」(邦題)などで債務問題の研究家として知られるハーバード大学のケネス・ロゴフ教授に見通しを聞いた。

 ――米経済の減速が再び目立ってきました。

 「金融危機を経験した経済の標準的な回復過程だ。債務問題のために成長が抑えられ、回復の足取りは緩慢。我々の研究では、1人当たり国民所得が危機前に戻るには平均4年半を要する」

 「政府の期待ほど成長は加速せず、雇用拡大は緩やかだろう。ただこれ以上の悪化も考えにくい。住宅価格はまだ5%程度は下がりそうだ。差し押さえ防止や融資支援を懸命にやった分、価格が下がりきってない」

 ――量的緩和第2弾(QE2)が終わります。

 「QE2は必要だった。ただ、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は失敗を2つした。説明が不十分で、他国から強い反感を招いてしまった。また株価を支えると公言し、投資家の期待を不要に押し上げた」

 「今の米国には年3~4%の物価上昇が望ましい。住宅市場を支え、公的・民間の過剰債務への対処になる。必要なら3弾、4弾があっていいが、QE2の際の失敗が手足を縛り、打つべき時にすぐ動きにくくなった」

税控除が問題

 ――米国の財政論議をどう見ますか。

 「改革議論の方向は評価できるが、道のりは遠い。米国は膨大な税控除が問題だ。消費を課税ベースとするシンプルな税制が改革の理想だが、政治はまひ状態。来年の大統領選が終わるまで何も起きないだろう。債務不履行(デフォルト)の可能性は極めて低い。回避する手立てを米国は多く持っている」

 ――欧州債務問題は。

 「ギリシャは債務再編をいつ、どうやるかの問題だ。欧州各国や国際通貨基金(IMF)は今後数年で景気が上向けば対処しやすくなると期待しているが、それは誤りだ。景気はなお厳しく、今すぐやる方が影響は少なくて済む」

 「やるときはアイルランド、ポルトガルの債務再編も同時にすべきだ。スペインやイタリアへの伝染を防ぐためには、ドイツが残りを保証する必要がある。極めて難しい判断だと思うが、他にリスクの少ない方法は現時点で見当たらない」

 ――ユーロの将来は。

 「いくつかの国がユーロから脱退するなど、さらなる危機も否定できない。しかし、それを乗り越え、財政や金融制度など統合が進むと思う」

日本は改革必要

 ――日本経済への見方を聞きたい。

 「多くの構造改革が必要なのに、政治が機能していない。今回の震災が変革へ動き出す転機になればとの期待はあるが、変われなければ厳しい。脆弱な経済の上に、復興に必要な債務がさらなる負担になる。最大の問題は高齢化であり労働人口の減少だ。女性の労働参加や移民受け入れなど手を打つ必要がある」

 ――日本の債務問題の解決策は。

 「日本の政府債務は突出して多い。税制や年金の抜本改革にすぐ取り組むのが理想だ。今の状況は10年以上持たない。高齢化がさらに進み、貯蓄の取り崩しが始まれば国債の買い手を失う。長期金利の急騰など危機は突然訪れ制御不能になる」

 ――10年後の世界経済をどう予測しますか。

 「世界は今の危機を抜け出し、新たなブームを見るだろう。次なる危機の震源は中国かもしれないが、長期的な世界経済の成長性には楽観的だ」

(聞き手は米州総局 編集委員 藤田和明)

 元IMFチーフエコノミスト。20歳代にはチェスの世界最高位に。58歳


June 15, 2011
After the Scandal, More of the Same at the I.M.F.
By KENNETH S. ROGOFF
http://www.nytimes.com/2011/06/16/opinion/16rogoff.html

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