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日経:日本株2.5兆円保有、「OD05」の正体は…2011/06/17 08:10

日経:日本株2.5兆円保有、「OD05」の正体は…



<関連記事引用(画像も)>

日本株2.5兆円保有、「OD05」の正体は…-見えぬアジア勢の真意、企業に危機感
2011/06/17 07:00 日本経済新聞電子版ニュース

 外国人株主の存在感が高まっている(東京・丸の内のシティグループ証券 日本企業の株主が変わり始めた。外国人保有比率が3割に上昇し、新興国の政府系ファンドなどが存在感を増している。株式持ち合いが崩れるなかで、企業は新たな対応を迫られる。

 推定保有額は2兆5300億円。「OD05」という名前の株主が、日本株を次々と買っている。

 どんな企業に投資しているのだろう。上場企業の株主名簿(2011年3月末)をもとに、保有先をたどってみた。上位10株主に「OD05」の名があるのは123社。保有額が多いのはメガバンク、キヤノン、三菱商事など。新日本製鉄などの大株主にも浮上した。

 有力大企業だけではない。昨年上場した半導体ベンチャー、テラプローブの9位株主にも登場するなど、投資対象は幅広い。

 「OD05」は信託名義で、真の姿はわからない。保有比率が5%以上になれば実名を開示する義務があるが、巧みに5%未満に抑えている。

 株主調査会社ジェイ・ユーラス・アイアールの岩田宜子社長はこう推測する。「OD05の別名はオムニバス・チャイナ。中国の政府系ファンドではないか」。ちなみに「OD05」は東京電力の第8位株主。東日本大震災の直後、「中国政府系ファンドが東電株を保有」と現地紙が報じている。

 潤沢な外貨準備を運用する新興国の政府系ファンドは、着々と日本株を買っている。シンガポール政府投資公社は三井物産やオリンパスなど15社の大株主。保有時価は推定1500億円だ。サウジアラビア通貨庁(SAMA)も、50社近い日本企業に投資しているとみられる。

 銀行や生命保険が保有株を売り、外国人が買い向かう。これが東京市場の基本的な図式だ。3月末時点で主要300社の外国人持ち株比率は29.9%に上昇し、リーマン・ショック前の世界景気拡大局面だった08年3月の水準に接近した。今年5月まで29週間連続で日本株を買い越したのも、外国人パワーを物語る。

 問題は投資の「真意」が読みづらいことだ。

 原子力発電所の圧力容器部材で世界シェア8割を握る日本製鋼所。福島原発の事故後、急落した株を買い集めたファンドがある。米トレードウィンズ・グローバル・インベスターズ。持ち株比率は10.39%に達し、筆頭株主となった。

 今月14日。日本製鋼所はトレードウィンズ側の求めでテレビ会議を開いた。「原発事業の先行きをどうみているか」といった質問を受けたものの、経営陣への具体的な注文や増配要求などは一切なかったという。だが、突然躍り出た大株主に「危機感がないと言えばウソになる」と同社幹部は困惑する。

 外国勢の「日本買い」は3局面に分けられる。1980年代までの成長株投資、90年代のカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)などによる議決権行使、そしてスティール・パートナーズなどが企業と衝突した2000年代の「物言う株主」ブーム――。続々と登場する新興株主は、第4の波を起こそうとしているのかもしれない。


<関連記事>

中国のSWFは大型株がお好き? 「OD05オムニバス」の日本株保有比率上昇中
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/06/15/5914474

ソーラー・ポピュリズムの陰に隠れて、追い風でも回らぬ風車2011/06/17 09:05

ソーラー・ポピュリズムの陰に隠れて、追い風でも回らぬ風車


太陽光は補助金と買い取りがあるからおいしい。
風力にも補助金と買い取りがあれば、きっとあの人がやってくる。

孫正義、菅を持ち上げ、次に狙うは風力か。
ガンバレ、商売人! ガンバレ、ビジネス・リアリスト!

なお、洋上風力を手掛けている日本の某大企業担当者に直接質問。
「洋上風力はベース電源になり得るか?」

その答えは「不安定でまだまだ非力。ベース電源などとてもとても無理です」。


<関連記事引用>

風力発電伸び悩み、昨年度、新設3年ぶり減、補助金停止、経営厳しく。
2011/06/17 日本経済新聞 朝刊

 国内で風力発電所を新たに建設するペースが減速している。日本風力発電協会(東京・港、永田哲朗代表理事)の調査では、2010年度に稼働した風力発電の設備能力(新規導入量)は26万キロワットと、3年ぶりに前年度実績を下回った。福島第1原子力発電所の事故を受け、風力など再生可能な自然エネルギーへの期待が膨らんでいるが、足元では停滞が続く。

 10年度の新規導入量は前年度比13%減で、ピークだった06年度に比べ約35%減の水準。従来、風力発電所の建設費用の3分の1を国が補助していたが、10年度から新規案件への適用を停止したことが響いた。

 今国会に提出された再生可能エネルギーの買い取りを電力会社に義務付ける法案も成立のメドが立っていないことも、伸び悩む原因となっている。

 風力発電専業業者の経営は厳しい。日本風力開発は和歌山県の発電所を大阪ガス子会社に売却。九州で風力発電所を運営するジャネックス(福岡市、川上繁幸社長)は新設を見合わせている。

 日本の風力発電の設備能力は10年度末で244万キロワット。日本風力発電協会は20年度までに1100万キロワットに高める目標を掲げているが、現状は原発2基分程度にとどまっている。


日本風力発電協会代表理事永田哲朗氏、風力発電普及の条件
(ECO焦点インタビュー)
2011/06/15 日経産業新聞

日本風力発電協会代表理事(ユーラスエナジーホールディングス社長) 永田哲朗氏

稼働率上げ採算改善

 東京電力福島第1原子力発電所の事故後、再生可能エネルギーに注目が集まっている。環境省が4月にまとめた調査では風力発電の開発余地が最も大きい。ただ、政府の普及策が決まらず、風力発電所建設時の環境規制も強化される見通しで、足元の事業環境は厳しい。業界団体である日本風力発電協会の永田哲朗代表理事(ユーラスエナジーホールディングス社長)に普及の条件を聞いた。

 ――電源確保に向け風力発電への期待は大きい。

 「事故後、一般の人の見方が随分変わったと感じる。風力発電といえば『町おこしの風車』というイメージがあったようだが、海外の導入状況も目にするようになりマイナーな発電設備ではないという認識になった。風力発電を増やせば原発を代替できるかと質問されるが、全ては無理でも一定程度は可能だ」

 ――国内の普及状況は。

 「2010年度から風力発電所の新規建設に国の補助金がつかなくなり、12年度に導入するとしている再生可能エネルギー全量買い取り制度に関する法案の国会審議も始まっていない。このため風力発電事業の収益性を見極められない状況だ。与野党は政局の材料にせず、早く法案を成立させて欲しい。協会では2020年度に累積で1100万キロワットの導入目標を掲げている。昨年末時点で約230万キロワットにとどまっている」

 ――買い取り制度が決まれば導入は進むか。

 「模様眺めだった発電所建設の動きが一気に顕在化してくるだろう。昨年、東北電力が27万キロワットの枠で風力発電事業者を募集したところ、約257万キロワットの応募があった。応募した事業者は発電所建設予定地の周辺住民との調整をある程度済ませているとみられる」

 「大型風力発電所の建設に参画する米グーグルのような異業種参入の動きが国内でもあるかもしれない。地域の中小企業も積極的だろう。風力発電のための震災特区をつくる話も官庁などから出ている。風況が良い土地に集中的に建てるために建設手続きを簡素化するアイデアだ」

 ――買い取りの価格や期間も収益を左右する。

 「2月に経済産業省の委員会が出した報告書には、風力発電の電気の買い取り価格は1キロワット時あたり15~20円とある。買い取り期間は15年間を軸とするという。協会の主張は20円・20年間だったが、『満額回答は無理』と言われ買い取り期間の方で譲歩することにした」

 「ただ、15年間だとすると風力発電設備の減価償却期間である17年間より短い。再生可能エネルギー導入を加速させるなら、現行案より条件を良くすべきだ」

 ――買い取り制度は電力料金上昇と背中合わせだ。

 「日本の風力発電設備の平均稼働率は現在18%くらいで、報告書の条件では採算が合わない。そこで稼働率を22%程度に引き上げる考えだ。風車は部品が1つでも故障すると止まるので、部品在庫を持つなど維持管理を徹底する。事業者側もこうした自助努力をするので、買い取り価格は(採算ラインの)20円にして欲しいと要望している。普及が進めば風力発電の設備費も低減する」

 ――代表理事が社長を務めるユーラスは東電の子会社だ。東電が資産圧縮の一環でユーラス株を売却する可能性はないか。

 「今のところ東電からそうした話はない。推測になるが、原子力に頼れない状況で再生可能エネルギーを推進するべきだということになれば、東電にとってユーラスが核になる。ただ、これから第三者機関が入って資産査定をすることになっており、どのような判断になるか分からない」

記者の目

導入進む海外 日本は出遅れ

 世界風力エネルギー会議(GWEC)の調べでは、2010年の世界規模での風力発電の導入量は約1億9000万キロワットと09年に比べて22%増えた。なかでも中国は政府の導入促進策などで1年間で導入量は6割も増え、送電網が不足するほどだ。国土が狭い英国は大規模な洋上風力発電プロジェクトを進めるなど、風力開発は陸から海にも広がっている。

 各国がそれぞれ風力発電の導入に本腰を入れる一方、日本の出遅れ感は否めない。普及策の柱となる再生可能エネルギーの全量買い取り制度の内容を巡っては、政府と発電事業者の意見の隔たりはなお大きい。原子力依存が難しくなるなか、第一歩でつまずいていると電源確保シナリオの具体化も遅れることになる。(相模真記)


風力発電覆う停滞感――追い風でも回らない風車(NewsEdge)
2011/06/03 日経産業新聞 (画像引用)

補助金削減、投資難しく 全量買い取り、内容見えず 環境保護へ規制強まる

 原子力発電所の事故後、安全なエネルギーとして注目が集まる風力発電の普及に黄信号がともっている。菅直人首相が2020年代の早い段階で再生可能エネルギーの導入割合を2割に引き上げると表明するなど、追い風が吹くはず。ところが、風力でつくった電力を割高な価格で買い取る制度は施行が不透明。環境規制が追加され、コスト負担も重くなる見通しだ。ソフトバンクの孫正義社長のような旗振り役まで現れた太陽光発電とは対照的に、風力業界は停滞感に包まれている。

 「数年後に風力業界が笑っているか、死に絶えているか。この数週間で決まる」。5月30日、業界団体の日本風力発電協会の会合で、業界3位の日本風力開発の塚脇正幸社長は危機感をあらわにした。

 塚本社長が懸念するのは、風力を含む再生可能エネルギーの全量買い取り制度の審議入りが遅れ、制度内容が見えないためだ。同制度は、風力発電業者などから割高な価格で電力を買い取り、電力会社が企業や家庭に課す電力料金に費用を転嫁する仕組み。国民で広く薄く負担し、再生可能エネルギーを普及させる目的がある。

 政府は12年度の導入を目指しており、4月5日には法案が開催中の通常国会に提出された。ところが自民党がエネルギー政策の見直し案の提示を求めて事実上、審議を拒否。2日には菅首相が退陣を表明するなど、国会を巡る状況は混迷が続いており、「いつ審議に入れるか全く分からない」(経済産業省新エネルギー対策課)。

 法案が可決されても、風力発電事業者の不安は消えない。買い取り条件によっては、採算が厳しくなるからだ。経済産業省が2月にまとめた報告書によると、太陽光以外の再生可能エネルギーの1キロワット時当たりの買い取り価格は15~20円、この価格での買い取り期間を15~20年で検討する。

 これに対し、日本風力発電協会は補助金なしで採算をとるには、1キロワット時20円で20年間の買い取りが最低ラインだと主張する。

 電力会社が風力発電などを買い取る電気の義務量を定めた「新エネルギー利用促進法(RPS法)」に基づく買い取り価格は平均10・1円。国の補助金を加味すると約16円に相当する。少なくともこれを上回らなければ採算は厳しい。

完成件数半分に

 住宅以外の太陽光発電は買い取り価格が1キロワット時20~48円で検討されるなど、「太陽光を優遇している」(日本風力発電協会)のも風力業界が現行案に反発する理由だ。発電量の地域差が大きく、法規制など発電所建設のハードルが高い風力発電に比べ、太陽光は設備が設置しやすい。買い取り制度について国と発電業界が折り合うまでには、曲折が予想される。

 では、買い取り制度の条件がよければ、風力発電は一気に普及するか。「事業モデルが描けるようになり、新規参入が増える」(風力発電大手)との見方もあるが、不透明感を指摘する声が多い。10年度に発電所建設費用の3分の1を補助する国の制度が事実上なくなったからだ。

 12年度からの全量買い取り制度を見越した措置だが、発電事業者は制度のはざまで新規投資が難しくなった。10年度の風力発電所の完成件数は15件程度とこれまでの半分。補助金削減で発電事業者の業績や財務も厳しくなった。

 東京電力と豊田通商の共同出資会社で最大手のユーラスエナジーホールディングス(東京・港、永田哲朗社長)は、昨年2月に両社から250億円の追加出資を受けた。資金は十分で「当面の投資計画に変更はない」(ユーラス)とするが、今後は東電からの出資は望みにくい。

 2位のJパワーは4月末の投資家向け説明会で、国内の風力発電設備の出力を現在の35万キロワットから70万キロワットに増強する計画を明らかにしたものの、足元では風力発電所を運営する地域子会社で赤字になっているところもある。風力事業の明確な収益計画が示せないと、株主の理解は得にくい。

 日本風力開発にいたっては5月末に「継続企業の前提に重要な疑義が生じている」と発表した。同社の11年3月期連結決算は、最終赤字が56億円と売上高の52億円を上回った。発電事業の低迷のほか、風力発電機の販売事業がつまずいた。

 風力発電への期待感から、東証マザーズに上場する同社株は5月9日には21万4500円と震災前の約5倍に跳ね上がった。2日の終値は10万6500円。「長期的に見れば再生可能エネルギー銘柄は期待できるが、政治の混迷による不透明感はある」(大手証券)という。

国が評価基準

 環境に優しいはずの風力発電の普及を阻むもう一つの壁は、意外にも環境法制だった。風力発電は近年、風車に鳥が当たって死ぬ「バード・ストライク」や、近隣住民の頭痛や耳鳴りの原因となる低周波音の発生が問題視されている。環境影響評価については、これまで国の基準が存在しなかった。

 このため環境省は昨年秋「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」を設置。風車を環境影響評価法(環境アセスメント法)の対象とする方向で議論を進め、早ければ年内にも法令を改正する予定だ。

 この結果、風車の設置には建設工事に伴う環境への影響の事前調査や、環境配慮型計画への改善が求められることになり、風力発電事業者は1カ所当たり数百万~1000万円規模の追加の費用負担を迫られることになる。ある業界関係者は「本来自然エネルギー普及を後押ししてくれるべき、環境省に足を引っ張られている」と恨み節をもらす。

 環境省が4月下旬に試算した再生可能エネルギーの潜在的な導入可能量を見ると、風力発電は19億キロワット。風力の潜在力は高いが、国立公園や港湾など、十分な風量を得られるにもかかわらず、風車の設置が制限されている地域も多い。これらの立地規制を含め、事業化の条件が緩められなければ、原子力発電の穴を埋めるのはますます難しくなる。(相模真記、松井基一)