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鳩山怯える「雇用」という名の置き土産2009/09/25 08:47

雇用保蔵の推計


8月の失業率がまもなく発表される。
7月に続いて大変な数値になるとの予測が飛び交っている。

鳩山内閣に託された雇用という名の置き土産。
雇用対策に全力を挙げる決意を示した鳩山首相も怯えるばかりか。

読売社説から日本の厳しい現実が見えてくる。


<関連記事引用>

鳩山経済政策 安定成長への道筋を示せ(9月22日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090921-OYT1T00921.htm

 景気を着実に回復させて、安定した経済成長にどうつなげるか。鳩山内閣の経済成長戦略がいまひとつ見えてこない。

 鳩山首相は就任記者会見で最優先課題を問われ、子ども手当など当面の家計支援策を挙げた。しかし、中長期の経済成長をにらんだ戦略は語らなかった。

 日本経済の将来像がおぼろげでは、不安が残る。成長軌道に乗せる道筋を明確に示してほしい。

 ◆雇用確保を最優先に◆

 日本経済は、急降下からやっと水平飛行に戻ったが、操縦を誤れば再び失速の恐れがある。

 鳩山内閣は、大事な場面で政策のかじ取りを担う。まず、失業率が5・7%と、過去最悪になっている雇用の改善を図るべきだ。

 失業者は1年前より100万人増え、うち3人に2人はリストラなど会社の都合で職を失った。

 公約した雇用政策のうち、職業訓練中に手当を支給する求職者支援制度の創設など、失業の痛みを和らげる施策の具体化を急がねばならない。新卒の求人も激減している。就職氷河期の再来を防ぐ手立ても考えてもらいたい。

 民主党の雇用政策には気がかりな項目もある。正社員にもリストラが広がる中、製造業の派遣労働などを原則禁止すれば、失業者がさらに増えないか。

 最低賃金も性急に引き上げれば中小企業が追い詰められ、人員整理が加速しかねない。格差是正は大切だが、実行できる環境かどうか、見極めが肝要だ。

 企業が抱える過剰雇用が600万人にのぼるとする政府の推計もある。「企業内失業」が実際の失業とならないよう、景気回復に万全を期さねばならない。

 ◆危うい補正予算見直し◆

 実質国内総生産(GDP)は4~6月期、5四半期ぶりにプラス成長を回復した。

 とはいえ、主な要因はエコカー減税や省エネ家電のエコポイントの効果などで増えた消費と、海外経済の持ち直しによる輸出の回復で、持続力は頼りない。

 日本経済の需要不足は、年換算で40兆円もある。公共事業などで内需を支えないと、来年にかけて政策効果が薄れ、景気が息切れする懸念がある。

 ところが、鳩山内閣は、麻生内閣が編成した補正予算の一部を凍結する方針だ。公約した政策の財源に充てるためという。

 今年度の後半に政策の空白が生じかねない。景気腰折れの引き金をひくような、財源優先の緊縮政策は好ましくない。

 ◆内需産業をどう育てる◆

 危機対応と並行し、成長の基盤作りも忘れてはならない。

 まず、行き過ぎた外需頼みの経済構造を改める必要がある。

 鳩山内閣が、子ども手当などで内需拡大を図るというのも、外需依存を弱める狙いだろう。

 だが、予算配分を家計に手厚くするだけで内需全体のパイは大きくなるまい。生活不安が強い中で手当を給付すれば、多くが貯蓄に回り、効果も低くなろう。

 将来の不安を和らげ、収入が消費に回る割合を増やすには、年金など社会保障の充実が肝要で、その財源確保にも道筋をつけねばならない。安定財源と期待される消費税の引き上げ論議を早く始めることは、子ども手当の効果も高めるのではないか。

 成長性のある新たな産業の育成も重要だ。環境・省エネなど日本が得意とする分野は有望だ。脱炭素社会をリードするため、技術革新を促してほしい。

 高齢化時代に需要が高まる医療や介護分野は、雇用と成長をもたらす基幹産業に育てるためのテコ入れが求められよう。

 ただし、外需から内需への移行を進めても、内外需の「双発エンジン」がバランスよく回り出すには、かなり時間を要する。

 天然資源に乏しい日本が成長するには、外需で利益を稼ぎ、それを活用していかねばならない。

 このため急成長が期待できるアジアなど新興市場の需要を取り込めるかどうかが焦点となる。

 電気製品などは、中国や韓国などの低価格品が世界で販売を伸ばす一方、高機能だが価格も高い日本製品は苦戦気味だ。勝ち抜くにはコストを下げ、競争力を高めねばならない。

 このため経済界には、国際的に高い法人税率の引き下げなどを求める声が多い。

 しかし民主党の公約は、温室効果ガスの「25%削減」をはじめ、逆に企業に負担を強いるものが目立つ。企業を追い込めば、リストラや賃金カットで、やがて家計にもツケが回る恐れがある。

 藤井財務相ら民主党内の「円高容認論」も気がかりだ。急激な円高は輸出産業に打撃となる。

 野党時代とは受け止められ方が違う。不用意な発言で市場を混乱させてはならない。


<画像引用>

雇用保蔵の推計
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/09f13210.html

●企業の雇用保蔵は過去の景気後退局面と比べても大規模
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/09b01030.html

 それでは、現在、どの程度の企業がどの程度の雇用者を生産に見合わない形で「保蔵」しているのだろうか。ここでは、「雇用保蔵」を実際の常用雇用者数と生産に見合った最適な雇用者数の差として把握する。最適な雇用者数とは、「適正」な労働生産性を、平均的な労働時間で達成できるような雇用者数である。ここでは「適正」な労働生産性として、2通りのケースを用いよう。一つは、稼働率が最も高いときの労働生産性である(ケース1)。もう一つは、最近時点で雇用過剰感がゼロであった2005年当時の稼働率に対応する生産性である(ケース2)。その結果を見ると、次のようなことが分かる(第1-3-21図)。

 第一に、全産業、製造業とも、2008年10-12月期になって雇用保蔵が急速に増加している。これは、リーマンショック後に生産活動が大幅に低下したことに対応している。なお、全産業では製造業に先立って2008年4-6月期から急速な増加が始まっており、非製造業を中心として常用雇用者を確保しておこうという動きが強かったことが示唆される。

 第二に、今回の雇用保蔵は過去と比べても大規模である。具体的な数については幅を持って見る必要があるが、2009年1-3月期で全産業607万人(ケース1)又は528万人(ケース2)、製造業369万人(ケース1)又は328万人(ケース2)の規模となった。特に、全産業では、すでに80年代以降で最大の水準に達している。

 このように、今回の後退局面では雇用保蔵の増加テンポが速く、結果として規模も大きくなっている。雇用保蔵は当面の生産との対比では過剰雇用と捉えられることもあるが、必ずしも不合理なことではない。スキルを持った人材を社内に確保し、人的資本の毀損を防ぐことは、需要が回復したときに機会を逃さないために必要な面もあり、そうした長期的視野から意図的な雇用保蔵が行われている可能性がある。

 なお、2009年4-6月期は、生産が持ち直す一方、現実の雇用者数がさらに減少していると考えられ、雇用保蔵は1-3月期と比べ減少することが見込まれる。

<関連サイト>

技能協 労働者派遣法規制強化に関する緊急アンケート調査
「製造派遣の代替策 大手メーカーほど海外への生産移転を検討」
~産業空洞化の加速で中小企業へしわ寄せ、新たな雇用不安の恐れ~
http://www.js-gino.org/jouho/JSLA_enquete2.pdf

日本航空:3年で6800人削減、国際線20~30路線を廃止 有識者に説明
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090916ddm001020053000c.html
日本航空:公的資金の資本注入を要請 前原国交相と会談
http://mainichi.jp/select/today/news/20090925k0000m020071000c.html

アイフル、グループで2000人の希望退職募集、最終赤字3110億円に
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090924/183000/
クレジット市場動向=消費者金融SBに売り、CDS指数165bpにワイド化
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities2/idJPnTK030632320090915

失業率「本当は8・8%」? 助成金にひそむ“隠れ失業者”
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090801/biz0908012023015-n1.htm
「本当」の失業率は14%に達しているという試算も
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090908/179697/?P=2

15~24歳の「失業率9.9%」、OECDが「日本の若者が苦境に陥っている」と警告
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090917AT2M1603516092009.html

Employment Outlook 2009 Country Notes: Japan
http://www.oecd.org/dataoecd/62/33/43707098.pdf

Since the so-called “lost decade” of the 1990s, youth have faced great difficulties in gaining a secure foothold in the labour market, a situation which has been exacerbated by the current economic downturn. The unemployment rate for 15-24 year olds rose by 2.4 percentage points over the past 12 months, reaching 9.9% in July 2009. Analysis presented in the OECD Employment Outlook 2009 shows that across OECD countries, the employment of young people is more than twice as sensitive to business cycle fluctuations as that of adults. Young people who seek to enter the labour market without secondary or tertiary qualifications are particularly vulnerable, so measures that encourage youth to stay at school or participate in training are vital to prevent the current cohort of school leavers from becoming another lost generation.