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2012年~2013年日本国債暴落説(17) 郵政改革サルカメ合戦に見る亀井必死の暴落回避作戦2010/03/28 11:50

「郵政事業の財務状況、営業状況等 平成22年2月17日 郵政改革推進室」より


2012年~2013年に起こるであろうことが見えているのは亀井静香だけかもしれない。


<関連記事引用>

完全民営化路線と決別=郵貯改革の骨格発表(3月24日)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032400144

 亀井静香金融・郵政改革担当相と原口一博総務相は24日記者会見し、郵政改革の骨格を発表した。金融2社への間接的な政府出資の維持や、郵便貯金の預入限度額引き上げなどが柱。金融2社は小泉純一郎元首相が推進した完全民営化路線と決別する。
 亀井氏は「全国一律サービスを日本中に張り巡らせ、国家、国民のために機能させるにはどうしたらいいかとの視点から案を練った」と強調。政府はこうした骨格を盛り込んだ郵政改革法案(仮称)の策定を急ぎ、4月中旬をめどに国会に提出する予定だ。
 日本郵政グループの再編では、現在の持ち株会社である日本郵政と郵便局会社、郵便事業会社(日本郵便)を統合して設置する新たな親会社の株式について政府が経営上の重要事項の決議に対する「拒否権」を握る3分の1超を保有。親会社にはゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式3分の1超の保有を義務付ける。また、郵便貯金の預入限度額を2000万円(現行1000万円)、簡易保険の加入限度額を2500万円(同1300万円)にそれぞれ引き上げる。(2010/03/24-12:46)


<サル・カメ問答>

亀井静香郵政改革・金融相(3月24日)
 「ユニバーサルサービスをきちっと行える体制をどう作るか。職員が生き生き働けるよう、非正規雇用の職員、最大で10万人を正規化する形態を、どう考えるかで時間がかかった」
「非正規社員10万人の正規化にかかるコストは4000億円くらい。ファミリー企業の整理など業務の効率化と、限度額を引き上げる郵便貯金と簡易保険からの収益でまかないたい。これからは郵便局員が預金集めも保険販売も再びできるようにするので、さらなる効率化は可能。資金運用も、国債だけに依存しないで株式や社債、米国債も選択肢として入れる」
「もともと一つだった会社だが民営化で分断されたことで、その子会社間の取引に、消費税が年間500億円もかかるようになった。今回で組織を変えるのだし、ユニバーサルサービスをお願いするのだから、税制上の優遇措置は当たり前。メガバンクに『山奥に支店を出せ』といっても出さないでしょう」
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100325/mca1003250501002-n1.htm

鳩山由紀夫首相(3月24日)
「閣議で決まったわけではない。これから閣内でも議論する必要がある」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032400895

亀井静香郵政改革・金融相(3月25日朝)
自らが24日に発表した郵政改革法案の骨子に閣内から異論が出ていることについて、「私は鳩山由紀夫首相に(改革案を)了承されたから発表した。もう決めていることだ」と反論。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100325/plc1003251031005-n1.htm

鳩山由紀夫首相(3月25日夕)
亀井氏から23日に電話で報告があったことを紹介したものの、「いろいろとお尋ねをした。了解したと伝えられているが実際には了解ではないと理解してほしい。これから閣議において調整をされるべき事項だ」と述べた。
亀井氏が24日に案を発表したことについて首相は「閣内でまだ議論する前に、あたかもすべて決まったかのように発言をされた。調整前に発表したということはまずかったと思っている」と苦言を呈した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aWSZ7BcJWUlI

亀井静香郵政改革・金融相(3月25日夕)
鳩山首相が「了解していない」と言っている件について、25日午後6時ごろ、記者団に対し、「そんなことあるわけないよ。もう一度聞いてみなよ。全部OKって言ったんだから」と述べ、鳩山首相の判断も聞いて了解を得た上で発表したものだと強調した。
http://news24.jp/articles/2010/03/25/06156008.html

亀井静香郵政改革・金融相(3月27日)
「それはもう決めちゃったんだから。これは総理も了解して、関係閣僚で決めたことですから。今、鳩山政治のやり方はそうなっている。関係閣僚で協議して決めていくことになっているんで、全閣僚が協議して、それでということじゃないわけです」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00174338.html

亀井静香郵政改革・金融相(3月27日)
前原国交相が求めていた、郵貯やかんぽの資金を国債に偏らない運用を行うことに理解を示し、30日の閣僚懇談会で議論したい考えを示した。
http://news24.jp/articles/2010/03/28/04156165.html


<サル語録>

菅直人副総理兼財務相(3月24日)
日本郵政グループ会社間の業務委託にかかる年間500億円規模の消費税を免除するという改革案の内容について、「担当の政務三役からは、そういう主張はしていないと聞いている」と疑問を呈した。
http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY201003240516.html

仙谷由人国家戦略相(3月24日)
「ちゃんと議論せずに既成事実が積み上がっていいとは思わない。閣内(での)議論をお願いしようと考えている」
郵貯と簡保の資金運用について、「今だってほとんど国債だ。それが日本の経済全体の縮みを生んでいる。そんなことをやっていたら、大変危ういことになる」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010032400895

野田佳彦財務副大臣(3月25日)
預入限度額の引き上げについて「経営の自由度と民業圧迫の懸念がある中で、どの辺が妥当なのか、これから議論していくことになる」としながら、「(限度額引き上げは)民業圧迫の可能性がある。よほど注意しなければならない」と慎重な対応が必要との見解を示した。
日本郵政のグループ内取引に対して消費税の課税を減免する案に対しては「(法案の)たたき台が財務省に示されたが、消費税の規定は入ってなかった。事実と違う」と否定した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14511820100325

古川元久内閣府副大臣(3月25日)
ゆうちょ銀行が貸し出しのノウハウを十分に持たない中で、預金限度額を引き上げた場合、その運用について「ほとんどが自動的に国債に回り、財政に対する信認を揺るがすようになってはいけない」と述べ、運用という「出口の議論がされなければならない」と指摘した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aJGhUlQnYsiw

前原誠司国土交通相(3月26日)
26日の閣僚懇談会でゆうちょ銀行の資金を使って「国家ファンド」を立ち上げ、高速鉄道や原子力発電所などインフラ輸出を後押しする独自の構想を披露。「亀井(静香)大臣も『まさに一番のポイントだ』と話した」と「手応え」を口にした。
「(ゆうちょ銀行の預け入れ)限度額を上げて国債の引き受けに使われるのは愚の骨頂だ」と指摘。そのうえで「国家ファンドとして資源外交やインフラ輸出に活用できれば、生きたお金になる」と、条件次第では限度額引き上げに賛同する考えを示した。
http://www.asahi.com/business/update/0327/TKY201003270121.html


<旧サル語録>

谷垣禎一総裁(3月25日)
「鳩山由紀夫首相のリーダーシップが欠落していることを白日の下にさらした。政権担当能力の欠如を露呈している。かじ取りを任せては国民生活は混乱するばかりだ」と批判。
「民から官への再国有化法案となる暴論だ。郵政票を見越しての行きすぎた選挙至上主義の表れだ」と指摘。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100325/stt1003251644007-n1.htm

大島理森幹事長(3月27日)
「(政府は)官の大きな銀行をつくるようなことを考えているようだ。世界から笑われる」と批判。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010032700359&j1


<画像引用>

郵政事業の財務状況、営業状況等 平成22年2月17日 郵政改革推進室
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/youseikaikaku/dai5/shiryou1.pdf


<シマウマも登場の関連記事>

近聞遠見:「シマウマみたいな政党」=岩見隆夫
http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/news/20100327ddm002070047000c.html

郵政改革:閣内対立激化 鳩・菅・仙VS社・国の構図に
http://mainichi.jp/select/today/news/20100326k0000m010105000c.html

【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 むなしい郵貯引き上げ論議
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100328/fnc1003280817000-n1.htm

不況は国債引き受けるゆうちょのせいか? 郵政改革案への仙谷氏のおかしな批判に疑問
http://www.pjnews.net/news/490/20100325_7

財政・外交・防衛「悪い方向」増加…社会意識調査
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100327-OYT1T00664.htm?from=y10

グリーンスパンと炭鉱のカナリア(canary in the mine)2010/03/28 13:42




米国、EU、中国、それに日本。それぞれが抱える爆弾が同時期に炸裂するような予感。
それが起こるのはやはり2012年~2013年。
引き金となるのは2012年頃の中国バブル崩壊か。
日米はまんまと逃れることができるかも・・・。


<関連記事引用>

Greenspan Calls Treasury Yields ‘Canary in the Mine’ (Update4)
By Joshua Zumbrun and Craig Torres
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601010&sid=a9Q2kWv97Yys

March 26 (Bloomberg) -- Former Federal Reserve Chairman Alan Greenspan said the recent rise in Treasury yields represents a “canary in the mine” that may signal further gains in interest rates.

Higher yields reflect investor concerns over “this huge overhang of federal debt which we have never seen before,” Greenspan said in an interview today on Bloomberg Television’s “Political Capital With Al Hunt.”

“I’m very much concerned about the fiscal situation,” said Greenspan, 84, who headed the central bank from 1987 to 2006. An increase in long-term interest rates “will make the housing recovery very difficult to implement and put a dampening on capital investment as well.”

The yield on 10-year Treasury notes was 3.85 percent at 3:08 p.m. in New York, down three basis points from late yesterday and up from 3.69 percent at the end of last week.

U.S. interest-rate swap spreads declined to the lowest levels on record this week, reflecting investor concerns about the ability of nations to finance rising fiscal deficits.

The rate to exchange floating- for fixed-interest payments for 10 years fell below the comparable-maturity Treasury yield for the first time on March 23. The swap spread reached as low as negative 10.19 basis points yesterday before reaching negative 7.63 basis points.

Record Deficit

The U.S. budget deficit reached a record $1.4 trillion for the fiscal year that ended Sept. 30 amid falling tax revenue from the recession, a bailout of the banking and auto industries, and the $787 billion economic stimulus package.

“I don’t like American politics and what’s happening,” Greenspan said.

Historically, there has been “a large buffer between the level of our federal debt and our capacity to borrow,” he said. “That’s narrowing. And I’m finding it very difficult to look into the future and not worry about that.”

Greenspan said in an interview last year that a consumption tax was a likely response to a widening budget deficit. That may not be sufficient when the gap is caused by a failure to cut spending, he said today.

“I’m not convinced by any means that we can succeed in stabilizing this long-term outlook strictly from a value-added tax,” Greenspan said.

2001 Tax Cut

Greenspan in 2001 supported the first round of tax cuts under President George W. Bush. At the time, the federal government operated with a surplus, and Greenspan told Congress he didn’t think the cuts would lead to a deficit.

He told the Senate Budget Committee on Jan. 25, 2001, that “having a tax cut in place may, in fact, do noticeable good.” The next year he said it would be unwise to unwind the tax cut. As deficits returned, he became an opponent of further tax cuts, telling Congress in 2003 that “fiscal stimulus is premature.”

In today’s interview, the former Fed chairman said the U.S. economic recovery has been driven “to a very large extent” by a resurgence of stock prices. The Standard & Poor’s 500 Index has jumped 73 percent since its low on March 9, 2009. The index was little changed at 1,165.29 at 3:08 p.m. in New York.

“You can see the whole blossoming of finance,” Greenspan said. “As these stock prices have gone up, debt became far more valuable, and you can see this huge issuance, especially of junk bonds.”

A continued rally in share prices could help sustain the expansion, Greenspan said. Still, the unemployment rate could remain “not terribly far from where it is” at 9.7 percent as people re-enter the labor force to take advantage of job openings in a growing economy.

Company Earnings

The U.S. economy expanded at a 5.6 percent annual rate in the fourth quarter of 2009, and corporate profits climbed, figures from the Commerce Department showed today in Washington. Company earnings increased 8 percent, capping the biggest year- over-year gain in a quarter century.

On the Chinese economy, Greenspan said there are “significant bubbles” whose consequences will be hard to predict because of a lack of data.

“There are significant bubbles in Shanghai and along the coastal provinces, but there’s some of that going back into the hinterlands as well,” Greenspan said. “Remember that the bursting of the bubble by itself is not a big catastrophe. We had a dot-com bubble, it burst, and the economy barely moved.”

To contact the reporters on this story: Joshua Zumbrun in Washington at jzumbrun@bloomberg.net; Craig Torres at ctorres3@bloomberg.net

Last Updated: March 26, 2010 17:42 EDT


グリーンスパン氏:米国債利回り上昇は「坑道のカナリア」 (Update2)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aYDV.wIUw4Mk

3月26日(ブルームバーグ):アラン・グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、最近の米国債利回り上昇は「坑道のカナリア」のようだとし、今後の一段の上昇を示唆していると述べた。

  同氏は26日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、利回り上昇は「米連邦政府が積み上げた前代未聞の巨額債務」に対する投資家の懸念を反映していると指摘。自身も米国の「財政状態について深く懸念している」と述べた。長期金利上昇は「住宅市場の回復実現を極めて難しくすることに加え、設備投資にも悪影響を与える」と付け加えた。

  グリーンスパン氏はまた、米景気回復は「非常に大きな部分」を株価の回復に負っているとの見解を示した。株価上昇が続けば景気拡大の持続に役立つだろうと指摘する一方で、景気拡大により求人が増えれば労働市場に再参入する人も増えるため、失業率は9.7%という「現水準からあまり変わらない水準」にとどまるだろうと予想した。


グリーンスパン氏:中国には「相当大きなバブル」-結果予想は困難
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aQ0WgZLyFFiM

3月26日(ブルームバーグ):アラン・グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、中国には相当大きなバブルが生じているとの認識を示した上で、その結果を予想するのは難しいと発言した。

  同氏は26日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ「上海や沿岸部は相当大きなバブルになっているが、バブルは一部の内陸地域にも広がっている」と語った。

  「そのバブルがいつはじけるか、そしてどのような結果をもたらすかを予想するのは難しい。中国について、われわれは十分なデータを持っていないからだ」と続けた。「バブルが破裂すること自体は、壊滅的大打撃というわけではない。インターネットバブルもあったが、経済はほとんど揺れなかった」と付け加えた。

民主主義時代の外交的成熟とは程遠い鳩山な風景2010/03/28 19:49

産経:千葉・鴨川市で休日を過ごすため、市内のホテルに到着した鳩山由紀夫首相と幸夫人(奥)=27日午後、千葉県鴨川市(撮影・早坂洋祐)


左翼イデオロギーに染まった人たちによる歴史的な政権交代。
彼らはそれを革命と呼んだ。

舞い上がる彼らは後先考えないモグラと化して、戦後の粗探しに奔走。
そこには確かにハト的道徳的潔癖症が見出せる。

今なお左翼イデオロギーという仕掛けに気付かぬ彼らに国益の発想はなし。
むしろ共産主義への先祖返りの傾向すら見出せる。

課題山積みの中で夫婦揃ってプライベート旅行。
民主主義時代の外交的成熟とは程遠い政治の劣化にしか見えない。


<関連記事引用>

時代の風:密約の検証=防衛大学校長・五百旗頭真

 ◇外交能力高める土台に--五百旗頭真(いおきべ・まこと)

 隠しごとはよくない、とポーカーゲームをする時に手の内を相手に見せたのでは、面白くもおかしくもない。

 外交交渉は国益を増進するためのゲームである。武力ではなく知恵をもって国際関係の中で自国の立場を高め、国民益を支える戦いが外交であるといえよう。その目的のため、ゲーム中は持ち札を雄弁に説明してイメージを高めたり、逆に札を伏せたり、巧妙な説明で苦境を脱したりすることもありうる。しかし一定期間を経れば、国民の信任を受けて行った政治外交であるから、原則的に公開して、国民への報告義務を果たし、国と国民のためになしたことにつき歴史的な再評価を受けるべきである。民主主義諸国はそのように公文書を取り計らっている。一定期間は概して30年である。

 このたび日米安保関係の密約を外務省が調査し、有識者会議の分析評価とともに公開した。よいことであるが、留意すべき点がある。外交は相手があるので、公開によって信頼関係を裏切ったり、相手国の国益を損なうことがないよう配慮せねばならない。自国民との信頼関係を築くうえで文書公開は必要であるが、今なお続いている重要な国際関係を犠牲にして顧みないというのでは、独りよがりに過ぎ、結局は国益を損なってしまう。

 密約を明るみに出すことによって、政府と国民は賢くなることも愚かになることもできる。いささかでも密約や実際と異なる説明があれば許せないと道徳的潔癖症に陥って、戦後の日米同盟や日本外交全般を嫌悪するとすれば、自らを視野狭窄(きょうさく)に追い込むことになろう。

 他方、異なる利害と文化間の応酬である対外関係には、単純な正邪で切れない問題が少なくない。国の数だけ正義があり、一方の善は他方の悪でありうる。それをこなしていくのが外交であり、問題の難しさを理解することなしに外交能力を高めることはできない。密約の検証を通じて、戦後日本の置かれていた状況をより深く理解し、そこでの二律背反的な問題の困難性を読み取ることができれば、外交能力を高める土台とすることができよう。

 1951年9月8日、サンフランシスコのオペラハウスで対日講和条約の式典が華やかにとり行われた。同じ日に驚くべき情景があった。金門橋近くのプレシディオ公園の一角にある将校クラブに吉田茂首相が現れ、日本側を代表してひとりで日米安保条約に調印した。この孤独な姿は条約に全責任を負う首相の決意を示すものであった。が、同時に条約が国内的に激しい反発を招いており、首相が説得的な議論と審議を尽くして合意を形成できなかったことをも反映していた。この情景に安保をめぐる幾多の密約が生まれる社会風土のごときものを私は感じる。

 吉田首相からすれば、冷戦が朝鮮半島において熱戦化する事態にあって、米軍の日本駐留は日本の安全のため不可欠であった。超大国ソ連に対し敗戦国日本が自前で防衛を全うできるはずがない。米国の力を活用して安全を担保しつつ、戦後日本を軍事国家ではなく経済通商を中軸とする国家として再建するのが吉田構想であった。

 だが戦争に懲りた国内世論は徹底した平和を求め、軍事にかかわるすべてを嫌った。左翼イデオロギーに立つ議論が国会でもメディアでも当時は強く、冷静で合理的な討議ではなく糾弾の嵐と街頭での運動があふれた。貴族的な個性の首相は、いかに反対が強かろうと自らの職権において国の安全と国益のためなすべきをなすとの姿勢を貫き、時にはダレス特使との間で密約を結ぶことも辞さなかった。

 朝鮮戦争中の協定であり、吉田は米軍に基地の自由使用を幅広く認めた。米軍に限らず国連軍全体に日本の基地利用を許す「吉田・アチソン交換公文」を安保条約と同じ日に交わした。

 岸内閣は60年の安保改定に際し、独立国間の条約としての形を求め、事前協議の制度を要求した。米国側はこれを入れたが、朝鮮有事の際には事前協議を要しないとの除外を求めた。これに同意したのが、この度の調査で明らかになった「朝鮮議事録」である。

 佐藤栄作首相は67年の訪米時に「朝鮮半島は日本の安全に緊要」と前向きに事態に対応する日本政府の意思を公的に表明し、「朝鮮議事録」の秘密性を脱した。密約を回避するには、国際環境の中で日本を守るための必要事を公言する勇気あるリーダーシップが不可欠である。

 その佐藤首相も核問題ではつまずいた。佐藤首相は67年12月に非核三原則を表明したが、核の導入・設置と通過・寄港の差を弁別せず、対米了解と国内説明の二重性を継承した。核装備の艦艇の寄港を拒否するのであれば、冷戦下で米国による抑止力を維持することは不可能であろう。ニュージーランドのケースはそのことを示している。佐藤首相もその道理を国民に告げて説得する決断をなしえなかったのである。

 今後の日本は、密約を避け、かつ安全と国益を全うする民主主義時代の外交的成熟を手にしうるだろうか。


<画像引用>

ほんとに大丈夫? 鳩山首相、「新たなスタート」直後のバカンス