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日本が京都を見捨てる日:カナダが京都議定書脱退か、カナダに続くはロシアと日本?2011/11/29 07:16

カナダが京都議定書脱退か、カナダに続くはロシアと日本?


<関連記事引用>

カナダ、京都議定書脱退か 地元テレビ報道
2011/11/29 7:35
http://s.nikkei.com/tEWQ1p

 【ワシントン=共同】カナダのCTVテレビは28日までに、カナダが12月にも京都議定書から脱退する見込みだと報じた。ハーパー政権がクリスマス前にも発表する予定という。カナダが脱退すれば、先進国に数値目標を設定し、温室効果ガスの削減を義務付けた京都議定書の枠組みに深刻な悪影響を及ぼす恐れがある。

 南アフリカのダーバンでは、気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が開幕。カナダのケント環境相はAP通信に対し、京都議定書の脱退について発表できるタイミングではないと語った。

 カナダは京都議定書の下で、2008~12年の温室効果ガス排出量の平均値を1990年に比べて6%減らす約束をしている。しかし実際の排出量は大幅に増えており、目標の達成は難しい状況になっている。


<関連記事>

カナダが京都議定書脱退か 
カナダが温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書から、12月にも脱退の見込みと地元TV報じる。
2011/11/29 06:47 【共同通信】
http://www.47news.jp/news/flashnews/

Canada to pull out of Kyoto Protocol next month (画像引用)
Canada will announce next month that it will formally withdraw from the Kyoto Protocol, CTV News has learned.
http://ottawa.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20111127/durban-south-africa-slimate-conference-setup-111127/20111127/?hub=OttawaHome

Canada to Pull Out of Kyoto Protocol Next Month, CTV News Says
http://www.bloomberg.com/news/2011-11-28/canada-to-pull-out-of-kyoto-protocol-next-month-ctv-news-says.html

COP17が開幕=ポスト京都は難航-温暖化対策を議論
日本やロシア、カナダは、議定書延長に反対
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2011112800720

北極めぐる日中韓の攻防、我先中国アイスランド土地購入で暗礁に2011/11/28 07:34

北極めぐる日中韓の攻防、我先中国アイスランド土地購入で暗礁に


<関連記事引用>

▼天然ガスなどが豊富な北極圏ではすでに各国が先陣争いを繰り広げています。
=画像引用
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00212112.html

北極海の資源獲得競争が加速しています。
天然ガスなどが豊富な北極圏では、すでに各国が先陣争いを繰り広げています。
熱視線を注ぐ日本の現場を取材してきました。

今、日本の熱い期待が、はるか1万km余りかなたの北極海へと注がれている。
1カ月近くにわたった「北極海航路」。

その航行中、船員が「プロフェッサーマルチャノフ号だ。船名ですよ」と話した。
波間に浮かぶ船は、北極海で活動するロシアの海洋調査船だという。
現在、北極海は世界から注目されている。

北極海には海底油田の油井が建設されており、世界でこれから見つかる石油の13%がこの地域にあるという。
ロシア北方・極東委員会のイーゴリ・チェルニチェンコ下院議員は「石油や天然ガスコンデンセート(軽質液状炭化水素)。これらはヨーロッパや南アジアでも必要とされます」と話した。

さらに、今、石油以上に注目されているのは天然ガス。
その埋蔵量の30%が、この北極圏にあるともいわれている。
そして天然ガスは、石炭や石油に比べ、二酸化炭素の排出量が少ないため、世界的に消費量が伸びている。

ロシア北方・極東委員会のイーゴリ・チェルニチェンコ下院議員は「ことしだけでも中国から天然ガスコンデンセート、鉄鉱石、その他さまざまな貨物輸送について(北極海航路へ)10便以上申し込みがありました」と話した。
今後は中国の天然ガス需要も急増するとみられ、さらに世界的な争奪戦は激しさを増すとされている。

ダニルキン号のイゴーロフ・ビャチェスラフ船長は「北極海航路はこれから発展していきますよ」と話した。
夏場は氷の少ない北極海航路。
だがロシアは、氷が増えても航行可能なように、砕氷船も新たに建造し、航行期間の拡充を目指すという。

氷の海から生み出されようとするばく大な資源。
そこで必要になるのは、極北の海にも耐えられる船となる。

新たなビジネスチャンスを狙う日本の造船メーカーは、胸を膨らませていた。
ユニバーサル造船氷海研究室の山内 豊室長は「北極海にはすごい資源が、自然の資源が眠っておりますから、日本もやはりそのプロジェクトに参画するとか、そういうことは当然、今後も進んでいくんじゃないかと思ってます。あと、そこに投入される船ですね」と話した。

取材した際、くしくも造られていたのは、海底油田建設に使われる作業船。
北極海仕様ではなかった。
ユニバーサル造船氷海研究室の山内室長は「(砕氷船になると形が変わるんですか?)砕氷船は氷を割るために、この船のへさきの形がずっと傾斜していまして」と話した。

砕氷船が航行するメカニズムをとらえた映像がある。
縮小モデルによる実験映像で、砕氷船のへさきがどのように氷を割り、進むのかがわかる。

神奈川・横浜市鶴見区のユニバーサル造船では、これまでも南極観測用の大型砕氷船を複数建造。
外国に比べ、砕氷船建造の歴史は浅いが、その技術レベルは高いと胸を張る。

ユニバーサル造船氷海研究室の山内室長は「(その砕氷船をここでも造ってというオファーがあったら、どうですか?)それはもう、私どもも、もしそういった機会がありましたら、それはチャンスですから、ぜひともですね、つなげられるように」と話した。

北極海の資源と、それを運ぶ航路。
日本も厳しい極北の海に、熱い視線を注いでいる。


▼いざ、北へ!中国企業の鉱物資源開発、次なるターゲットは北極圏―中国誌
2011年11月22日 6時36分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=56239&type=1

2011年11月20日、中国誌・新世紀は、北極圏・グリーンランドが中国企業の次なる鉱物資源開発の目的地だと報じた。

記事によると、デンマークからの独立を求める声が多く上がっているグリーンランドでは、まずは島内経済の活性化が必須と考えられており、自治政府は中国資本の進出を非常に歓迎している。天津で閉幕したばかりの「中国国際鉱業大会2011」にもグリーンランドの鉱物・石油資源局の担当者が出席し、投資説明会を開いて多くの中国人投資家の関心を集めていた。

世界最大の島・グリーンランドには石油、鉄、鉛、亜鉛、レアアースが豊富に眠っているとされており、これに急速な工業化と経済発展により鉱物資源の需要が急増している中国が目を付けた。すでに世界中に鉱山投資企業が続々と進出し、大規模な買収を続けている中国だが、記事は次なる目的地はグリーンランドだと指摘している。(翻訳・編集/NN)


▼アイスランド、中国富豪の土地購入「No」
2011.11.27 08:29
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111127/chn11112708300001-n1.htm

 中国の不動産企業がアイスランドで広大な土地を買い上げようとした問題で、アイスランド政府は25日、法的要件を満たしていないなどとして、購入を許可しないことを決めた。計画をめぐっては中国の政治・軍事的意図を指摘する声が出ていた。(SANKEI EXPRESS)

面積は東京23区の半分

 問題の土地はアイスランド北東部グリムスタジールの荒野。アイスランドの国土の0.3%に当たる約300平方キロ。東京23区の半分近い広さだ。

 中国の富豪、黄(こう)怒(ど)波(は)会長(55)率いる「中坤(ちゅうこん)集団」が1000万ドル(約7億7000万円)で購入し、さらに2億ドル(約155億円)を投じてリゾート開発を進めるとする計画を発表。所有者も売却に同意していた。黄氏はブルームバーグに対して「金融危機がなければ所有者は手放さなかっただろう。今後5年間でデンマークやフィンランド、スウェーデンなどでもリゾート施設を建設したい」と怪気炎を上げていた。

「背後に中国政府」の声

 だがアイスランドのオグムンドゥル・ヨーナスソン内相は「外国企業によるこれだけ広い土地の取得は前例がなく、土地売買に関する法律の趣旨に反する」として不許可を決めた。

 黄氏はホテルやゴルフ場などにすると説明していたが、この土地は荒れ地で、冬は氷点下30度以下になる地域にあり、意図をいぶかる声が出ていた。

 黄氏は旧建設省など中国政府での勤務経験があり、「バックに中国政府がいるのではないか」との推測がある。

 地球温暖化が進めば北極海回りでアジアと欧州を結ぶ航路が開けるとされており、空母建造を進める中国が大西洋での戦略的な足掛かりや北極圏の資源を狙っているのではないかというわけだ。

連立政権内で対立

 ただ、2008年に経済危機に陥り、傷が癒えていないアイスランドにとって、巨額の投資話が「渡りに船」だったことは事実。国内には土地購入不許可に異論が噴出している。

 フランス通信(AFP)によると、ヨハンナ・シグルザルドッティル首相は「内相の決定に失望した」とした上で「法律を非常に狭く解釈している」と批判した。しかし、この問題の権限は内相にあり、ヨーナスソン内相は「これが最終決定で、覆すことはできない」ときっぱり話す。

 シグルザルドッティル首相は社会民主同盟、ヨーナスソン内相は左翼環境運動という政党に属している。

 中国国営通信、新華社は26日、「アイスランドへの投資が頓挫 黄氏、公平な国際投資環境主張」と題した記事を配信。「連立政権内の争いが購入不許可の原因だ」とする黄氏のコメントを伝えた。まだ第2幕がありそうだ。


▼韓国首相 北極海開発を強調=「新たな国益の源泉」
2011/11/24 17:26 KST
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/11/24/0200000000AJP20111124003000882.HTML

【ソウル聯合ニュース】金滉植(キム・ファンシク)首相は24日、韓国のエネルギー資源はほとんど輸入に依存しているとし、「地理的にも韓国と遠くない北極海の領有権を確保し、エネルギー資源を開発できれば、国益を生み出す新たな源泉になる」と力説した。

 韓国先進化フォーラムと韓国海洋水産開発院が「未来の国富創出に向けた北極海戦略」をテーマに、ソウル市内のホテルで開催した特別討論会で述べた。

 北極海は物流の側面でも非常に重要な戦略的意味を持つと指摘。北極海の解氷で新航路が開設されれば、スエズ運河の代わりに北極航路を利用できると説明した。

 新航路は時間や距離の側面での効率性はもちろん、世界物流の軸を韓国をはじめとする北東アジアに移せる重要かつ大きなチャンスになることから非常に大きな意味があると強調した。


<関連記事>

中国人投資家の土地買収拒否 アイスランド当局
北極圏の権益を狙う中国当局の意向が背景にあるとの見方が出ていた
http://www.asahi.com/international/update/1126/TKY201111260367.html


北極海の氷が「前例のない」割合で縮小、気候変動が原因か-研究
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ayrCe4_jihR8


Record long Arctic navigation season
2011-11-18
When the oil-tanker “Perseverance” sailed through the Bering Strait this morning it marked the end of the longest Northern Sea Route season ever.
http://www.barentsobserver.com/record-long-arctic-navigation-season.4986789-116320.html

中露揃って「虎穴に入らずんば虎子を得ず」、TPPの中に入ってブロック崩し?2011/11/15 08:49

中露揃って「虎穴に入らずんば虎子を得ず」、TPPの中に入ってブロック崩し?


米国主導で描く環太平洋経済連携協定(TPP)からアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋。

それは明らかに対中国包囲網。蘇るはあの時のABCD包囲網。

対中国版ABCD包囲網にどう対抗するのか。

なんと中国政府高官からTPP交渉参加を仄めかす発言連発。その戦略はまるで「虎穴に入らずんば虎子を得ず」のよう。

圧巻は中国外務省の高官Pang Sen氏。オバマ米大統領がAPEC関連行事で通商政策に関して「ルールに従った行動」と発言し、中国に市場開放を強く迫ったことに対して、「中国が交渉に関与した国際協定であれば順守する」と切り返し、ついでにTPP交渉参加を「真剣に検討する」との方針を表明。

それはまるで「TPP交渉に入れてくんなきゃ、ルールなんて守んないよーだ」の脅しにも見える。

米国主導で公平・公正・自由競争に基づく共通ルールという中国向け踏み絵が完成する前にTPPに乱入しようというのか。

中国に見合ったルールへの修正を迫りながら、中国経済の改革を促すという思惑があればお見事。

さらにはTPPをベースに米中G2体制構築を狙っているとの見方も浮上する。

中国動けばロシアも動く。英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)によれば、ロシアのメドベージェフ大統領は、何を成し遂げるかが明確ではないとしながらも、TPPを興味深いプロジェクトであると認めたという。

さらにボイス・オブ・ロシアによれば、メドベージェフ大統領は知的財産権の問題についても検討すると述べたとのこと。知的財産権の保護強化はTPPの柱に浮上する中での発言に注目したい。

予想通りロシアが「わしらもアジア太平洋国家だべ」と言い出し、TPP交渉参加を「真剣に検討する」との方針を表明する日は近いと見る。


<関連記事引用>

▼中国が交渉に関与した国際協定であれば順守する=政府高官
2011年 11月 14日 18:01 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24153620111114

[ホノルル 14日 ロイター] 中国政府高官は13日、中国は、合意に向けた交渉に中国が関与した国際協定であれば順守するとの立場を示した。
 オバマ米大統領が13日これより先、中国は経済問題で国際社会のルールを順守する必要があるとの見解を示したことへの反論とみられる。

 中国外務省の高官Pang Sen氏は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議後の記者会見で「まず、どの規則についてかを確認する必要がある。もしその規則が合意のもと共同で策定され、中国もそれに関与しているのであれば、中国は順守する。仮に規則が一国か、もしくは特定の複数の国によって決定されたのであれば、中国には順守する義務はない」と語った。

 また中国は、日本、カナダ、メキシコが参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)交渉について「真剣に検討する」との方針を表明。

 昨年のAPECの方針が、中国が関与している貿易協定を含む、アジア太平洋諸国の経済協力強化に向けた道筋を支援するものだったことに言及し、「この会議では、日本が交渉参加を表明し、一部の国がこれを歓迎している。他の一部の国もTPP交渉参加に関心を示している。中国はこの問題について真剣に検討する」と述べた

US, China spar on free trade deal
Mr Pang said China would "earnestly study" whether to join the TPP.
http://www.abc.net.au/news/2011-11-14/apec-obama-china/3665524/?site=sydney

China to ‘Earnestly Study’ Trans-Pacific Trade Pact
http://blogs.voanews.com/breaking-news/2011/11/14/china-to-earnestly-study-trans-pacific-trade-pact/

China Official Reiterates Studying Possibility Of Joining TPP Discussions
http://online.wsj.com/article/BT-CO-20111113-706601.html

.
▼TPP交渉「進展に関心」=胡主席が支持、参加検討か-中国
http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=int_30&k=2011111400822

 【北京時事】中国外務省の劉為民参事官は14日の定例記者会見で、環太平洋連携協定(TPP)について「われわれも一貫して交渉の進展に関心を持っており、交渉参加国との意思疎通を保持したい」と述べ、進展次第では参加も検討する考えを示唆した。

 ハワイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席した胡錦濤国家主席は演説で、アジア太平洋地域の貿易自由化に向けた選択肢の一つとしてTPPへの支持を表明。劉参事官のコメントは胡主席の発言を受け、米国が主導するといえども、日本も積極的なTTP交渉を中国が本格的に重視し始めた表れと言えそうだ。(2011/11/14-20:13)


▼APECは世界経済のけん引役
14.11.2011, 12:34
http://japanese.ruvr.ru/2011/11/14/60344860.html

 ホノルルで開かれた第19回APEC(アジア太平洋経済協力)サミットでは、貿易の更なる自由化が世界経済の着実な成長を促す、との結論が出された。また共同宣言のなかでは、世界経済が困難な時期を迎えていることが指摘され、世界のGDPの約60%を担っているアジア太平洋地域こそが、世界経済を救うことができるとの考えが示されている。

 ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領はサミット終了後に開かれた記者会見で、来年ロシアのウラジオストクで9月に開かれるサミットでも、今回示されたような方向性が継続されると指摘し、次のように述べている。

―我々は、インフラプロジェクトを推進し、エネルギー問題および食料安全保障問題に取り組み、知的財産権の問題についても検討する。全体として、ロシアの地政学的位置づけから見て、議論するにふさわしい問題に取り組むつもりだ。それが来年のテーマとなる。

 ホノルルサミットではまた、保護主義に反対する姿勢も示された。確かにこのような姿勢を示す国は多いものの、実際に具体的措置を取っている国は少ない。APEC諸国は、2015年まで貿易投資プロジェクトにおける追加的障壁を設けないことを決定した。

 また露米の大統領にとっては、サミットの枠内で行われた会談が、3年におよぶ協力の成果を話し合う場となった。

―我々は自信を持って示すことができる成果をあげた。たとえば、戦略攻撃兵器削減条約、WTO(世界貿易機関)問題など、2国間だけでなく世界全体に関わるような成果だ。対ミサイル防衛(MD)に関しては、かなり複雑なものがある。残念ながら、ロシアにとって現在、パートナー国が提案していることはよく理解できないものとなっている。

 近いうちにAPECでは、各国の企業および市場を近づけるような具体的な方策がとられる見通しだ。APECサミットでは、経済の更なる統合と貿易のさらなる拡大が主要路線であることが確認された。そのためには、人の移動に関する手続きの簡素化が必要だ。

 また世界的に省エネ経済への移行を促進することも議論された。それはエネルギー安全保障や代替エネルギーの開発に取り組むことで、雇用の創出にもつながる問題だ。


▼拡大TPP「狙いは中国対抗」 海外メディア分析
2011/11/14 23:35
http://s.nikkei.com/rXT9RN

 日本などが環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明したことについて、海外メディアの多くはアジア太平洋地域で台頭する中国に対抗する狙いがあるなどと報じた。交渉国が増えることで例外なき関税撤廃を唱えてきたTPPの実効性が低下しかねないとする見方もある。

 英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)は、日本がTPP交渉に参加する狙いを「中国とのバランスを取るために、米国をアジアの貿易システムに強固に縛りつけること」と分析した。また、中国の通商問題の専門家の話を引用して「TPPは中国をアジアの貿易の取り決めから追い出す米国の策略」とする中国側の批判的な見方を紹介した。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は、12日の日米首脳会談での野田佳彦首相の発言について、日米間の発表が食い違っている点を問題視。ホワイトハウスが発表した野田首相の「すべての商品とサービスを交渉のテーブルにのせる」との発言を日本側が否定したことを指摘したうえで、「(日本は)慌てて交渉範囲を狭めようとした」と分析した。

 “野田発言”を巡る日米間の見解の相違について、中国国営の新華社系ニュースサイト、新華網は「日本政府が国内のTPP反対派や慎重派を極力刺激しないように努めていることを示している」と論じた。

 韓国の朝鮮日報(電子版)は「うさぎが昼寝をしている間に亀が動き出した」との見出しで報道。米韓自由貿易協定(FTA)の批准に手間取る韓国を日本が追いかけていると論評した。TPPの実効性について「多くの国が一緒に交渉することで、範囲が広がる一方、(内容が)乏しくなる可能性もある」とする政府高官の分析を伝えた。


November 13, 2011 12:28 pm
Obama pushes Pacific trade agenda at Apec
By David Pilling in Honolulu
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/81f4c2ea-0db9-11e1-91e5-00144feabdc0.html#axzz1dgdeZooC

Barack Obama has said the US wants to sign what he described as a next-generation trade agreement with nine Asia-Pacific nations by the end of 2012.

The US president, attending the Asia-Pacific Economic Co-operation forum in Hawaii, said the Trans-Pacific Partnership would go beyond the scope of normal trade deals, to become a “model”, or a “seed”, for a broader set of agreements.

The TPP is meant to deal with non-tariff barrier issues, including government procurement, the conduct of state-owned companies, regulatory convergence and protection of intellectual property.

Japan, which wishes to join the TPP but faces stiff opposition from its farmers, sees the pact as a way of binding the US more tightly into the Asian trading system as a balance to China.

But the declaration signed this weekend by the nine current members of the TPP – Australia, Brunei, Chile, Malaysia, New Zealand, Peru, Singapore, the US and Vietnam – gave a broad outline rather than specific details.

Meanwhile, in a sideswipe at China, Mr Obama said the US would do business with anyone who was not “gaming the system”. The US president, who later met his Chinese counterpart Hu Jintao, said he wanted China “to play by the rules”, adding there were very few economists who did not believe the renminbi was undervalued.

Some commentators in China, which is not in TPP discussions, have discussed the proposed arrangement as a US ploy to try to squeeze China out of Asian trading agreements.

However, Mr Hu struck a supportive tone in his address to the summit on Saturday.

He said: “China supports the goal of the regional integration of the Asia-Pacific economy, using the East Asian free trade zone, full economic partnerships in Asia and the Trans-Pacific Partnership as foundations.”

Some officials and business leaders see the TPP, along with Russia’s probable accession to the World Trade Organisation next month, as welcome signs of momentum in the struggle to negotiate new trade deals. The US has also recently ratified trade deals with Colombia, Panama and South Korea after long delays.

Craig Mundie, chief research and strategy officer at Microsoft, described the 10 countries that have agreed to talk as a “a coalition of the willing”. The TPP could also create “another axis of trade” for companies that did not wish to become embroiled in the frictions associated with the US-China trade relationship, he said.

Deb Henretta, group president for Asia at Procter & Gamble and chair of the Apec Business Advisory Council, called the partnership “an important building block for achieving a free trade area for Asia-Pacific”.

Dmitry Medvedev, Russia’s president, acknowledged the TPP was “an interesting project”. But in remarks to the Financial Times, he said it was not clear yet what it would achieve. “I don’t understand what the result of this club will be.”

Sceptics have suggested the economies are too diverse to reach the high-level agreement being discussed.

Additional reporting by Simon Rabinovitch in Beijing and Alan Beattie in Washington


<画像引用>

虎穴に入らずんば、虎子を得ず
http://contest2004.thinkquest.jp/tqj2004/70237/k/koketu.html

米中冷戦開幕初戦情報:南シナ海で行われる予定の対中国戦は、「エア・シー・バトル」+「オフショア・バランシング」で「バック・パッシング」な試合運びとなるもよう2011/11/11 08:53

米中冷戦開幕初戦:南シナ海で行われる予定の対中国戦は、「エア・シー・バトル」+「オフショア・バランシング」で「バック・パッシング」な試合運びとなるもよう


米中冷戦開幕初戦。南シナ海で行われる予定の対中国戦は、「エア・シー・バトル」+「オフショア・バランシング」で「バック・パッシング」な試合運びとなるもよう。

オーストラリア北部にある港湾都市ダーウィンに引いてゴールを守る米国はこの試合最大のスポンサーでもある。

「漁夫の利」狙いのスポンサーには米国と並んで英国、ドイツ、フランス、そしてロシアなどがズラリ。早くも中古含めた武器のカタログが大量に飛び交う展開に。

ダーウィン・ポジションに入ろうと米豪との連携強化目指す日本。TPPでも必死の形相。しかし、そのポジションはおそらくボランチ。それでも中には前のめりになる人も。

ツートップはやる気満々のベトナムとインドに任せればいいものを何かと出しゃばろうとする日本。中国からも出しゃばるなと抗議の声。

北朝鮮の恫喝波状攻撃も単なる盛り上げ役程度。米国が警戒しているのは、空母を殺すゲーム・チェンジャーこと新型ミサイル「東風21D(Dong Feng 21D)」。しかし、その実力は今なお未知数。開幕初戦というお祭りには誇大広告も欠かせないということか。

ダーウィンに加え脱原発でLNGシフト。その鍵握るはオーストラリア。TPPにおけるオーストラリアの存在は日本にとって実に大きい。これもあるからTPP交渉参加見送りなどあり得ない。


<関連記事引用>

▼【NewsBrief】米、オーストラリアで軍事拠点を構築へ=関係筋 (画像引用)
2011年 11月 10日 15:39 JST
http://jp.wsj.com/World/node_340796

【ワシントン】関係筋によると、オバマ米大統領は来週のオーストラリア訪問に合わせて、同国に新たな軍事拠点を設ける協定を発表する。中国の影響に対抗し、アジアでの米国の国益をあらためて主張することが狙いだ。

協定を受け、オーストラリア沖合での米海軍の動きが拡大し、部隊や船舶がオーストラリアの施設を利用することになる。新たに米軍基地を建設する計画はないが、米軍はオーストラリアに軍備配置できるようになり、共同演習を増やすことも可能になる。

 この動きにより、現在は日本や韓国など北東アジアに集中している米軍の影響が、西や南に拡大し、戦略的、経済的に重要な南シナ海にも及ぶことになる。


▼米国防総省 対中戦略を強化へ
11月10日 16時2分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111110/t10013870481000.html

アメリカ国防総省は、軍備増強を進める中国を念頭に置いた新たな戦略を導入するため、専門の部署を設置したことを明らかにし、対中戦略を強化する方針をより鮮明にしました。

アメリカ国防総省は、「エアシーバトル」と呼ばれる空軍と海軍による新たな戦略を導入する方針を打ち出していて、9日、これを具体化するための専門の部署を設置したと発表しました。

エアシーバトルは、中国が弾道ミサイルや潜水艦を集中的に配備して、他国の艦船や航空機の中国沿岸への接近を阻止する戦略を強化していることを念頭に置いたものです。

新たに設置された部署は、軍の効率的な運用に向け、海軍や空軍、海兵隊の構成や役割分担の見直しなどを検討するということです。

アメリカ軍は、年内にイラクから完全に撤退し、アフガニスタンからも撤退を始めるなど、10年にわたる2つの戦争の終結に向けた動きを加速させており、今回の発表は、軍備増強を続ける中国に対する戦略を、より強化していく方針を鮮明にしたものと言えます。


▼米国防総省、空軍と海軍の戦力統合へ 対中国を念頭に
2011/11/10 20:14
http://s.nikkei.com/tviXQx

 米国防総省は9日、空軍と海軍の戦力統合を目指す新構想「空海戦闘(エア・シー・バトル)」の実施準備を統括する部署の新設を発表した。他国が弾道ミサイル配備などで米軍の展開阻止を狙う戦略に対抗する構想で、中国を念頭に置いた動きとみられる。同省高官は宇宙やサイバー空間も含めた戦場を視野に入れ、将来は日本などとの連携もあり得るとの考えを示した。(ワシントン支局)


▼「接近拒否」新構想を了承=中国念頭、海空軍戦力重視-米国防長官
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201111/2011111000262&g=int

 【ワシントン時事】米国防総省当局者は9日、パネッタ国防長官が、米軍の展開を阻止する「接近拒否」戦略に対抗するため、空・海軍戦力を重視した「ジョイント・エアー・シー・バトル構想(統合海空戦闘構想)」の具体化を了承したことを明らかにした。

 当局者は「特定の国を想定していない」としているが、有事の際に米軍の接近を阻止する弾道ミサイルなどの開発を進める中国への対抗手段であり、対中国を念頭に置いた米国の安全保障戦略が一段と鮮明になる。(2011/11/10-10:21)


▼米国:国防総省に「エアシーバトル構想」の専門部局
http://mainichi.jp/select/world/news/20111110k0000e030023000c.html

 【ワシントン古本陽荘】米国防総省は9日、西太平洋で米軍の行動を妨害する中国軍を念頭に置いた、海軍と空軍の統合作戦構想「エアシーバトル構想」導入のための専門部局を設けたと発表した。

 この構想は、精密誘導弾導入や弾道ミサイルの飛距離増長などを背景に、米軍施設や装備が脆弱(ぜいじゃく)になりかねないことから、対抗措置として考案されている。中国やイランを念頭に研究が進んでいる模様だが、同省幹部は「特定の国家を想定した構想ではない」と表向きは慎重な姿勢に終始した。


▼「エリア接近拒否能力」対抗へ新部局 中国念頭に米国防総省
2011.11.10 14:23 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111110/amr11111014240007-n1.htm

 米国防総省は9日、米軍の展開を拒む軍事力「エリア接近拒否能力」への対抗手段として、空軍と海軍の統合作戦構想「統合エアシーバトル構想」を具体化するための専門部局創設を発表した。

 国防総省当局者は、特定の国家は想定していないとしているが、南シナ海を含む潜在的紛争地域に米空母などを寄せ付けないため対艦弾道ミサイル開発などを進める中国が念頭にある。

 当局者は、パネッタ国防長官が同構想の具体化を了承したと語った。

 国防総省は昨年2月に発表した「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」で、アジア太平洋地域の同盟・友好国を守るため、エリア接近拒否能力に対抗するための軍事力向上を図る意向を明記した。(共同)


<関連記事>

U.S. to Build Up Military in Australia
Move Aimed at Countering China in Asia,Clarifying Free Access to South China Sea.
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203537304577028490161890480.html

US Marines to be based in Darwin – reports
http://www.theaustralian.com.au/news/breaking-news/us-marines-to-be-based-in-darwin-reports/story-fn3dxiwe-1226192167850

US Marine base for Darwin
http://www.smh.com.au/national/us-marine-base-for-darwin-20111110-1n9lk.html

Obama to announce US marine base in Darwin
http://www.theage.com.au/national/obama-to-announce-us-marine-base-in-darwin-20111110-1n9rf.html


Military creates Air-Sea Battle Office
http://www.stripes.com/news/military-creates-air-sea-battle-office-1.160382

Pentagon battle concept has Cold War posture on China
http://www.washingtontimes.com/news/2011/nov/9/pentagon-battle-concept-signals-cold-war-posture-o/?utm_source=RSS_Feed&utm_medium


トシ・ヨシハラのタンポポ・USA:中印衝突に備え、米軍も分散・拡散・再配置?
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/07/22/5966377

カネの切れ目が縁の切れ目、番犬の米本土還りたい病を見越して、日米豪関係強化に動け
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/09/15/6103643

「大陸国家が海洋を目指す時」 パンダはうまく泳げない、ならば海に引きずり込もう
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/10/02/6123395

中国の新型ミサイル「東風21D」は米空母を殺すゲーム・チェンジャー
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/09/5274841

ソーラーなんて女子供のエネルギー。男は黙って脱原発。男は黙ってオーストラリア。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/09/26/6114802

プーチンの「ユーラシア連合」構想が単なる経済連合にとどまらない兆候あり2011/11/04 08:07

プーチンの「ユーラシア連合」構想が単なる経済連合にとどまらない兆候あり


産経には産経のバイアスあり。今回紹介の記事にも産経ならではの「煽り」がないとは言えない。

しかし、プーチンの「ユーラシア連合」構想が単なる経済連合にとどまらない兆候もあるとの指摘は的を射たもの。経済ブロックが軍事ブロックに発展しないなどと誰が断言できようか。

中国の台頭。そして「ユーラシア連合」率いて復活目指すロシア。こうした勢力にどうやって対峙していくのか。日本も備えておく必要がある。

すでにサイバー空間では米中露三つ巴の戦争状態。日本中枢もその戦争に巻き込まれているではないか。

「中国が大変な力で発展する時に、米国と組むことも考えなければならないが、それがTPPなのか。まだ材料が少なすぎる」と語ったのは自民党の谷垣総裁。

材料が少なすぎるというなら、なぜ自ら情報を取りにいこうとしないのか。TPP以外に方法が見いだせるのなら大いに歓迎。それを堂々と示して欲しいと切に願う。

自民党もまた国益よりも農業票抱えた議員たちの私益優先で身動きが取れないだけではないのか。


<関連記事引用>

旧ソ連圏、再統合へ加速 独裁・強権国の「異様な連合体」に
2011.11.3 20:53
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111103/erp11110320530006-n1.htm

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアの最高実力者、プーチン首相が「ユーラシア連合」創設の構想を打ち出したのを受け、旧ソ連諸国で再統合に向けた動きが加速している。

 来年1月、ロシアなど3カ国では人、モノ、カネの移動を自由化する「単一経済圏」が始動するほか、8カ国は一部商品を除く域内関税を撤廃して「自由貿易圏」を発足させることに合意した。ロシア周辺諸国の独裁・強権政権が、政治・経済の両面でロシアに接近する利点を見いだし始めたことが弾みとなっている。

 旧ソ連諸国11カ国で構成する独立国家共同体(CIS)のうちロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国はすでに「関税同盟」を形成しており、来年1月には単一経済圏に移行する。これにウクライナ、キルギス、モルドバ、タジキスタン、アルメニアを加えた8カ国が10月、自由貿易圏を創設する条約に調印した。

 自由貿易圏は域外共通関税を伴う関税同盟への移行段階と位置づけられており、ロシアは2015年頃に共通の経済・通貨政策をとる「ユーラシア連合」を発足させたい考えだ。

 自由貿易圏に関する条約は1994年にも締結されたが、当時はソ連崩壊で独立したばかりの各国が「主権」問題を懸念し、批准されなかった。CIS諸国が改めてロシア主導の経済統合に踏み出したのはまず、域内障壁の撤廃で市場規模が拡大することの効果を認識し始めたためだ。

 一方のロシアは、自国の「勢力圏」と考える旧ソ連地域で欧米や中国の影響力が強まっている現実を苦々しく思ってきた。プーチン氏は欧米の経済が債務問題で苦境にある状況も見越し、一気に親露的な旧ソ連諸国の糾合に動いた形だ。

 欧州連合(EU)への接近路線をとっていた地域大国ウクライナがティモシェンコ前首相の拘束問題でEUとの関係を悪化させた時機をとらえ、安価な資源供給という“餌”をちらつかせて同国を自由貿易圏に引き込むことにも成功した。

 今回は自由貿易圏条約への調印を見送ったウズベキスタンなど残る3カ国も加われば、CISには11カ国の人口2億7700万人、経済規模では1兆9000億ドル(約148兆2000億円)とブラジルを超える市場が生まれる。

 ただ、独裁・強権国を中心とする「ユーラシア連合」は、EUとはほど遠い異様なものになることが確実だ。透明かつ効率的な市場が形成されるかは疑問視されている上、プーチン氏の構想が単なる経済連合にとどまらない兆候もある。

 たとえば、ロシアは2020年までに20兆ルーブル(約50兆4000億円)もの国防費を支出して軍備を増強する方針だ。9月には自国と中央アジア諸国を舞台に大規模な合同軍事演習を行うなど、旧ソ連地域での軍事的存在感を高めることにも力を入れている。

 ロシア周辺諸国の政権がロシアにすり寄るのは、一つには、中東・北アフリカ地域のように民主化運動が高まった場合に、強大な軍事力を持つロシアの庇(ひ)護(ご)を受ける思惑からでもある。


<関連記事>

中露がネットで経済スパイ活動 米報告書
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111104/amr11110401030000-n1.htm


U.S. blames China, Russia for cyber espionage (画像引用)
http://www.reuters.com/article/2011/11/03/us-usa-cyber-china-idUSTRE7A23FX20111103

TPP交渉は日本外交の失敗…谷垣総裁
「中国が大変な力で発展する時に、米国と組むことも考えなければならないが、それがTPPなのか。まだ材料が少なすぎる」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111103-OYT1T00553.htm

米国主導の経済ブロックに潜む毒饅頭、それに伸るか反るかの大博打 - 「野口悠紀雄&佐藤優&伊藤元重」論争を読む2011/11/03 09:58

米国主導の経済ブロックに潜む毒饅頭、それに伸るか反るかの大博打 - 「野口悠紀雄&佐藤優&伊藤元重」論争を読む


野口悠紀雄は「TPPとは、アメリカの対中国太平洋戦略の一環であり、中国を排除することこそが目的」と断言。その上で、経済ブロック化協定に対しては、一般的に反対としつつも、どうしてもやりたいのなら、貿易協定を結ぶ相手は「アメリカではなく、中国である」と語る。さらに「日本のTPP参加は、日本の製造業にとって自殺行為としか考えられない」と。

佐藤優も「TPPの本質は、日米を基軸とするアジア太平洋地域における経済ブロックを構築することだ」と明言。「日本も中国と米国のいずれかと手を握り、帝国主義的再編に対応するかを迫られている」としながら、「日本に残されている現実的なシナリオは、TPPに参加し、政治・安全保障分野のみならず経済面においても日米同盟を深化させるしかない」とのご意見。

ここで伊藤元重も参戦。戦前の大恐慌の時代のブロック経済化に言及しながら、こうした保護主義は結局その経済を停滞させることになった」と警告しつつも、なぜか結論は「TPPはいずれアジア太平洋地域全体の経済連携へつながる可能性があるし、これが起爆剤になって世界全体の貿易自由化がさらに進むだろう」とバラ色の未来へと導いていく。

伊藤はついでに野口をチクリ。「日本が貿易を拡大しているのは中国だから、米国などとTPPを結ぶよりも中国との経済連携を模索した方が好ましいのではとも言われた」などと語りながら、「問題の本質はそうしたすぐに数字に出るような利益ではない」と。さらに米国陰謀論もチクリ。「TPPに参加すれば米国の言うなりになってしまうなどという古いマルクスボーイみたいな話」と彼らの本質を見事に突いたご指摘。

米国主導の経済ブロックに潜む毒饅頭の存在に気付きながらも、それに伸るか反るかの大博打。その一方で、やはり出てきた中国やロシアからのブロック崩し。これでブロックめぐる大国間ゲームがいよいよスタート。それぞれに保護主義抱えた醜い罵り合いが勃発。これぞまさに「ブロック化の連鎖反応」。

確かに野口に代表される経済のみからのアプローチは視野が狭く近視眼的。そこに極めて危ない要素を抱えている。では伊藤はどうか。今のEUの現状を見れば、バラ色の未来には到底思えない。TPPに待っているのは茨の道。交渉段階で見事決裂。TPP消滅の事態もありと見る。

時代はまさに1930年代。ゲームに負ければ、待っているのは1940年代の主役の座。勝つと思うな、思えば負ける。しかし、指をくわえて見ているわけにもいかない。今はひたすら負けないように立ち回るしかないだろう。

日本が取るべき現実的なシナリオは限られている。中国が民主化シナリオを前向きに表明するなら話は別だが、現時点では考えられない。今はまだジョン・ミアシャイマーの言葉を噛み締めながら、多少のお付き合い程度は容認。「TPP交渉には参加し、しばし様子をうかがう」あたりが落としどころになるだろう。


ジョン・ミアシャイマー 「アジアで米中の覇権争いが起き、いずれかを選択しなければならない場合、答えは米国しかない」



<関連記事引用>

▼経済・メディア・情報を捌く 「超」整理日記 Number 584 
TPPによる輸出増加 効果はたった0・4%
2011/11/05 週刊ダイヤモンド
早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問●野口悠紀雄

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加が論議されている。「TPPが日本経済にとって必要」との考えは、「TPP参加によって日本の輸出が増える」という期待を基としている。そして、その期待は、TPPをめぐる議論で当然のように前提されている。しかし、以下に示すように、そうした効果は期待できない。

 TPP参加候補国のうち、日本からの輸出が最も多いのはアメリカだ。2010年の輸出額は10・4兆円であり、輸出総額の15・4%を占める。では、TPPに参加してアメリカの輸入関税がゼロとなれば、日本の対米輸出は増加するだろうか? そうとは考えられない理由を述べよう。

 日本の対米輸出中の最大の項目は乗用車だが、この輸入関税率は2・5%と、すでに非常に低い。仮にそれがゼロになっても、日本からの輸出にはほとんどなんの効果もないだろう。

 その半面で、為替レートの変化は、ずっと大きい。10年の春頃と比べると、為替レートは1ドル90円程度から77円程度へと15%近く変化した。これは、2・5%の関税などまったく問題にならないほどの変化だ。今後さらに円高になれば(その可能性は高い)、2・5%の関税がゼロになることの効果など、完全に吹き飛ばされてしまう。

 他の品目はどうか。エレクトロニクス製品や家電製品に対する関税率はほとんどがゼロなのだが、かかっているものだけ取り上げても3%程度である。高くても5%程度だ。だから、これらに対してもTPPは影響を与えないだろう。

 トラックに対する関税率は25%と、他の品目よりは高い。これがゼロになれば、影響があるだろう。しかし、日本からの輸出額は、ごく少ない。バス、トラックを合わせても、対米輸出額の0・5%にならない。だから、仮にトラックの輸出が増加しても、日本の総輸出に与える影響は微々たるものだ。

 したがって、TPPに加盟したところで、日本の対米輸出にはほとんど効果がない。

FTAの輸出増効果はデータで認められない

 TPPへの参加が予定されている他の国への輸出はどうか。このうち、シンガポール、マレーシアはすでに日本とFTAを締結ずみなので、TPPの影響はないと考えてよい。

 問題は、FTA未締結国への輸出がどの程度増えるかだ。その予測は容易でないが、次のように考えてみよう。

 01年から10年までの期間における日本からの輸出の変化を見ると、アジア全体では1・92倍になった。他方で、日本とFTAを締結した国は、シンガポール1・24倍、マレーシア1・16倍だ。

 つまり、FTAを締結した国への輸出の増加率は、アジア全体より低いのである。貿易はさまざまな要因に影響されるから、このことだけから「FTAは貿易増大効果を持たない」とは言えない。しかし、「FTAが貿易に対して絶大な増加効果を持つわけでない」とは言えるだろう。

 日本との2国間協定ではないが、「日本・ASEAN包括的経済連携協定」に含まれている国として、タイとベトナムがある。前記の期間における貿易増加は、タイが2・08倍、ベトナムが3・31倍だ。アジア全体の伸び率に比べると、タイは8・2%、ベトナムは72・5%ほど高い。タイとベトナムの数字を貿易額で加重平均すれば、アジア全体の伸び率に比べて16・7%高い。

 言うまでもないことだが、これにはさまざまな要因が関係しており、そのすべてが経済連携協定の影響ではない。しかし、FTAの影響について最大限に好意的な見方をして、このすべてが経済連携協定の効果だとしよう。

 そして、TPPへの参加が予定されているがこれまで日本と貿易協定を結んでいない国(オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ)に対する日本の輸出が、TPP締結によって16・7%増加するものと考えよう。

 これらの国に対する輸出額は、10年において日本の輸出総額の2・5%を占める。これが16・7%増えれば、日本の輸出は0・4%増える。

 つまり、TPPによる貿易拡大効果とは、たかだかこの程度のものなのだ。これまで述べたことからわかるように、これは貿易協定の効果を非常に好意的に見た場合の数字である。それでもこれだけの効果しかないのだ。これは、ほとんど無視しうる効果である。

 そして、現実の世界においては、輸出は為替レートの変動によって絶大な影響を受ける。韓国の輸出増も、ウォン安による。07年には、100ウォンが13円近くしたが、最近では、6・5円程度にまで安くなっている。10年春と比べても、25%程度のウォン安だ。韓国の輸出が伸びるのは当然である。

中国こそ日本にとって重要 その出方次第では輸出激減

 日本にとって重要な輸出相手国は、TPP参加予定国でなく、不参加国である。とりわけ中国だ。

 10年において、中国への輸出は13・1兆円であり、日本の総輸出の19・4%を占める。中国は日本の最大の輸出先であり、しかも、関税率も高い。

 したがって、もし貿易協定を結ぶのであれば、相手はアメリカではなく、中国である(私は、TPPやFTAのような関税同盟、すなわち経済ブロック化協定に対しては、それらが自由貿易を阻害することから、一般的に反対である。もし「どうしてもやりたいのなら」という意味である)。

 しかし、日本がTPPに入れば、アメリカは日中FTAを許さないだろう。なぜなら、TPPとは、アメリカの対中国太平洋戦略の一環であり、中国を排除することこそが目的であるからだ。

 したがって、日本のTPP参加は、中国の反応を惹起するだろう。実際、日本がTPPに加盟すべきだという主張の理由として言われるのは、「韓国がEUやアメリカとFTAを結ぶから、日本もやらないと乗り遅れる」というものだ。ブロック化協定は、「そこから排除された国が別のブロック協定に走る」という「ブロック化の連鎖反応」を引き起こすのである。

 だから、TPPに対抗して、中国がTPP非加盟国と積極的なFTAを求めることは、十分考えられる。その相手はEUだろう。なぜなら、輸出・輸入両面においてEU(なかでもドイツ)は、中国にとって重要だからだ。そうでなくとも、経済危機後のユーロの減価によって、中国市場でのドイツの存在感は大きくなっている。

 仮に中国とEUのFTAが締結されるなら、中国市場はドイツに席巻されるだろう。したがって、日本の対中輸出は激減する。それは、日本の製造業にきわめて大きな影響を与えるだろう。日本の対中輸出は、機械や部品などの中間財が中心だ。そして、今後の日本の輸出は、新興国に対する中間財の輸出をこそ中心にすべきなのである。

 そして、この分野においては、日本と似た産業構造を持つドイツがライバルだ。日本にとってもドイツにとっても、中国に対する中間財の輸出を増やせるかどうかが、貿易上の大きな課題なのである。

 中国以外に日本の輸出先として重要なのは、韓国、台湾、香港である。台湾、香港が中国と同じ行動を取れば、日本の輸出は壊滅的な打撃を受けるだろう。日本のTPP参加は、日本の製造業にとって自殺行為としか考えられない。


▼闘論席
2011/11/08 週刊エコノミスト
第89巻 第50号 通巻4199号
佐藤 優 Sato Masaru

 野田佳彦首相が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に参加する意向を表明した。本件をめぐる真実の争点は、自由貿易を推進すべきか、農業をはじめとする国際競争力の弱い産業を保護すべきか、という問題ではない。TPPの本質は、日米を基軸とするアジア太平洋地域における経済ブロックを構築することだ。

 現下の国際秩序は、急速に帝国主義的なブロック化を強めている。既に欧州には欧州連合(EU)という経済ブロックがある。ロシアのプーチン首相はユーラシア同盟を形成することで旧ソ連地域に経済ブロックを作ろうとしている。このような国際環境の中で、日本も中国と米国のいずれかと手を握り、帝国主義的再編に対応するかを迫られている。

 中国が訓練用空母ワリャーグの試験航海を行い、海洋覇権確立の動きを本格化している状況で、日中を基軸とする東アジア共同体の創設は非現実的になった。

 日本に残されている現実的なシナリオは、TPPに参加し、政治・安全保障分野のみならず経済面においても日米同盟を深化させるしかない。農業を含め、日本の国益に死活的に重要な分野について、政府が毅然と自己主張をすれば、米国と折り合いをつけることは可能だ。

 それとともに、沖縄の民意を考えれば実現可能性が皆無である米海兵隊普天間飛行場の辺野古移設をこの機会に断念すべきである。TPPと沖縄問題を一つのバスケットに入れて、日米同盟を深化させる現実的方策を考えるべきだと思う。


▼【日本の未来を考える】
東京大・大学院教授、伊藤元重
2011.11.3 03:13
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111103/fnc11110303130005-n1.htm

 ■TPPは対症療法ではない

 市場を閉鎖して健全な経済発展をした国は歴史的には皆無である。何十年も国際経済学の世界で仕事をしてきた研究者としての私の実感である。アダム・スミスの重商主義批判から現代にいたるまで、保護主義と経済学の論戦は何百年も続いている。経済学の側に保護主義が優れているという議論が主流となったことはないが、政治の世界では保護主義は何度も頭をもたげてくる。戦前の大恐慌の時代のブロック経済化、1950年代に多くの途上国がとった輸入代替政策などが、その典型である。こうした保護主義は結局その経済を停滞させることになった。人類は保護主義の問題点を学んだはずであるが、しばらくたつとまた保護主義が頭をもたげてくる。

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をめぐって、日本を開くか閉ざすかの大論争が続いている。これは小手先での政策運営の話ではなく、日本をどういう国にしたいのかという意思の問題である。TPP反対派の国会議員の方と対談したとき、TPPに参加したらいったいどれだけ日本のGDPが上がるのかと問われた。また、日本が貿易を拡大しているのは中国だから、米国などとTPPを結ぶよりも中国との経済連携を模索した方が好ましいのではとも言われた。

 しかし、問題の本質はそうしたすぐに数字に出るような利益ではない。TPPに参加すればGDPを押し上げる効果はあるだろう。しかし重要なことは即効性の効果ではない。例えてみれば、熱が出ているから熱を下げるというような薬ではなく、免疫を高め体質を強化する漢方薬のようなものだ、とその対談ではお答えした。そうしたらその方は「伊藤はTPPが漢方薬のようなもので、効果は30年も50年も先になると言っていた」と発言していると側聞した。漢方薬の効果はもっと早いだろうから30年も先というのは漢方医に失礼な話ではある。

 私たちの健康に例えてみればよい。熱や痛みが出たときの対症療法ではない。私たちの体を健康に保つためにどういう生活習慣を定着させるのか。食事、運動、そして必要があれば漢方薬やサプリメントの摂取があってもよい。TPPの交渉に参加するか否かも、日本が開かれた国という姿勢を積極的にとるのか、それとも市場を閉ざして閉塞(へいそく)感を高めていくのかの選択の問題である。

 TPPの側にとっても、日本が参加するかどうかは大きい。もし日本が参加すれば、世界のGDPの約40%を占める大きな自由貿易地域が形成されることになる。EUを超える規模である。TPPはいずれアジア太平洋地域全体の経済連携へつながる可能性があるし、これが起爆剤になって世界全体の貿易自由化がさらに進むだろう。将来的にはTPPがEUなど他の地域との経済連携に発展する可能性だって否定できない。

 世界の潮流を大きく変える可能性がある流れに背を向けるのか、日本が新しい経済秩序の形成に積極的に取り組む姿勢を見せるのか。海外諸国は日本の選択をじっと見守っているのだ。TPPに参加すれば米国の言うなりになってしまうなどという古いマルクスボーイみたいな話をしていないで、そろそろ世界に向けて打って出る外交を真剣に論じる時期なのだ。(いとう もとしげ)



▼中国 G20サミットで 保護主義に反対表明
2.11.2011, 19:33
http://japanese.ruvr.ru/2011/11/02/59781202.html

 カンヌG20サミットで、中国の胡錦涛国家主席は、数々の国際経済問題の中でも貿易投資における保護主義台頭に特に注目する意向。

 1日、パリを訪問した胡錦涛国家主席は、「フィガロ」紙のインタビューにおいて、先が見えない不況、経済面および金融面における不安定かつ予測不能な要素の増加、先進国経済成長の低迷、先進国の債務危機および、国際金融市場の破綻などの世界経済をとりまく最も重大な問題を列挙した。

 これらの深刻な問題に対処するために、G20のメンバーは経済における最重要課題に集中し、「確実で安定していてかつバランスの取れた」世界経済に到達すべく、一致団結しなければならないと胡国家主席は述べた。

 G20サミットは国家負債あるいは原料資源価格の状況のような当面の問題を多面的に検討しなければならないだけでなく、国際通貨金融システムの改変に刺激を与えなくてはならない。

 胡国家主席はその他にも、国際金融機関および経済機構における発展途上国の発言権拡大が不可欠で、「国際経済行政の分野における決議」にも途上国は参加するべきであると述べた。


▼<南シナ海>関係国+日米印豪の連合を阻止せよ、中国は個別対応で反撃を―中国紙
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=55644&type=

2011年11月1日、中国紙・環球時報は中国現代国際関係研究院の林利民(リン・リーミン)研究員の寄稿記事「南シナ海問題の関係国が日米と連合して中国を抑え込もうとしている、中国は個別に対応を」を掲載した。以下はその内容。

米パネッタ国防長官はインドネシアを訪問した際、南シナ海問題の行動規範を早急に策定し、11月に行われる東アジア首脳会議(EAS)に提出するよう求めた。日本メディアも故事成語「合従連衡(がっしょうれんこう)」を引用し、中国を当時の強大国・秦に、ベトナやフィリピン、そして日本・米国・インド・オーストラリアを周辺6カ国に例え、南シナ海情勢を分析している。

こうして見ると、南シナ海問題はもはや単なる領有権争いの範疇を超え、アジア太平洋地域さらには世界の平和問題にまで発展していると言える。今のところ、この「合従論」はマスコミや学者らが騒ぎ立てているだけで、どこかの国が明確に戦略を打ち立てたわけではないが、決して根拠のない作り話ではない。

彼らが唱える「合従論」とはベトナムとフィリピンを主体とし、その延長戦上に日本・インド・オーストラリア、さらに米国が「大ボス」として控え、中国に対抗しようとしているというもの。こうした構図が出来上がってしまえば、南シナ海問題の平和的解決はさらに困難となり、戦争勃発の可能性も高まる。中国の平和的台頭にも直接影響が出るだろう。

そのため、中国はこの6カ国と個別に同盟関係を築く「連衡」作戦を講じる必要がある。そのカギを握るのが米国だ。米国が「合従」に参加しなければ、リーダー不在となった彼らの行動力は限られてくる。

実はベトナムやフィリピンも中国の実力と「隣国は変えられない」という現実を分かっているはずだ。その場しのぎで外の力を借りたとしても、長続きはしない。米国がリーダーの座から降り、この2カ国に「中国に刃向ってもなんの得にもならない」ことを思い知らせることに成功すれば、日本・インド・オーストラリアも拠りどころがなくなる。そうすれば、彼らの「合従」も自然に瓦解していくだろう。(翻訳・編集/岡田)

林利民:以“连横”破南海“合纵”阴谋
http://opinion.huanqiu.com/roll/2011-10/2128335.html


▼日印接近が意味するもの
2.11.2011, 03:00
http://japanese.ruvr.ru/2011/11/02/59732488.html

10月末から11月初めにかけて、日本とインド両国指導部間のコンタクト活発化が目立っている。28・29両日クリシュナ外相が東京を訪問、今月2日にはアントニ―国防相も訪日する。 この二つの閣僚訪問は、両国内でも又国外でも、様々な反応を呼んでいる。

 ハイレベルでの日印協力の活性化という事実自体、何も特別なことではなく、警戒すべきものでもなんでもない。インドはダイナミックに発展を遂げる南アジアの大国で、先端技術を差し迫って必要としており、日本は、その点で、世界のリーダー国だ。すでに終わったクリシュナ外相の訪日、そして2日から始まるアントニー国防相の訪日に、観測筋が警戒感を抱いているのは、交渉内容だ。

 外相は主として、原子力エネルギー領域での協力プランについて討議した。インドの原発向けに日本の技術を供与する合意は、近く調印されるだろう。日本は、今年3月の大地震と津波により引き起こされた原発事故の後遺症からまだ立ち直っていない。福島原発事故により、日本政府は、原発推進プログラムの一時停止を余儀なくされた。しかし、原子力エネルギー技術の輸出停止決定はとられなかった。

 ロシア戦略調査研究所のボリス・ヴォルホンスキイ研究員に意見を聞いてみた―

 「原発輸出については、すでにかなり激しい意見が交わされている。日本は実際、西欧の先進諸国の大部分同様、福島のような事故の再発を懸念して、自国内では原発推進プログラムを中止したり、一時停止したりするようになっている。 同時にその一方で、原発を他国に勧めているわけで、特にインドに対する立場は矛盾していると言わざるを得ない。インドのタルミナド州では、すでに3ヶ月に渡り現地の人々が、すぐそばに集落があるという理由で、クダンクラム原発(写真上)反対運動を続けているからだ。」

 国内ではほとんど石油やガスが産出せず、急速な経済発展のため、エネルギーが今後ますます必要となってゆくインドが、原発を放棄する事がないのは明白だ。原子力エネルギー自体、チェルノブィリ、福島と大事故があったものの、今も最も環境にクリーンなエネルギーとしての評価は残っている。 日本での例を引くまでもなく、地震多発ゾーンに原発を建設しないことばかりでなく、原発の安全問題への注意を高めることは確かに重要だろう。

  しかし、今回指摘されている日印接近への危惧は、原発協力の中に、かなり政治的な意味合いが隠されていることから生じているもので、それは放射能漏れに勝るとも劣らないような大きなリスクを生み出す恐れがあるように思える。 ここで再び、ヴォルホンスキイ研究員の意見を御紹介する―

 「インドの外相訪日中に話された問題、そしてインドの国防相訪日の際、話されるであろう問題の中に、日印両国海軍の合同演習の活発化、軍事技術協力の拡大が含まれている。クリシュナ外相は、両国の協力は第三国に敵対するものではないと主張しているが、その事自体、すでにはっきりと何の事かを示している。

 東京訪問後クリシュナ外相は、まもなく開かれる日印米3カ国対話についても言及し、そこでは3カ国の懸念を呼び起こしているグローバルかつ地域的諸問題が話し合われるだろうと述べたが、すべては全く明白だ。 日印接近は、アジアにはっきりと反中国的方向性を持つブロックを作り固めようというアメリカ政府の試みの一環なのだ。  こうした緊張を高める試みは、新しい原発建設よりもっと破壊的な結果を、ついにはもたらすのではないか。」

サイバー攻撃の新たな主役?、「第5の戦場」で蠢く「サイバー民兵」さん2011/10/26 07:38

サイバー攻撃の新たな主役?、「第5の戦場」で蠢く「サイバー民兵」さん


<関連記事引用>

▼サイバー攻撃 米が対中警戒強化 日本に「『漢字』情報の監視を」 
2011.10.25 01:30
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111025/plc11102501300000-n1.htm

 日米両政府が9月16日に開いたサイバー攻撃対策に関する初の外務・防衛当局の政策協議で、米側が「漢字情報の監視を」との表現で、中国に対する警戒強化を日本政府に要求していたことが24日、分かった。攻撃依頼を募る代行サイトの大半は中国語とされ、中国軍と「民兵」が連携したサイバー攻撃に米側が懸念を強める中、サイバー領域でも対中戦略が日米同盟の最重要課題に浮上してきた。

 米政府は一昨年7月に国防総省など政府機関サイトがサイバー攻撃を受けたことに危機感を強め、今年7月にサイバー戦略を策定した。同盟国との政策協議も進めており、日米協議もその一環として開かれた。

 とりわけ米側は中国のサイバー攻撃を警戒。2010年に発表した中国に関する年次報告は、中国軍がコンピューターウイルスを開発するための「情報戦部隊」を創設したと指摘。部隊には民兵が含まれるため、軍民連携によるサイバー戦への懸念も強調している。

 日米協議で名指しを避けつつ中国を唯一の「仮想敵国」に掲げたのも、米側の脅威認識のあらわれだ。国防総省が陸海空・宇宙と並ぶ「第5の戦場」と定義したサイバー空間でも対中抑止が同盟の課題として、日本の役割拡大を求めてきた形だ。日本政府機関が昨秋と今年7月に受けたサイバー攻撃も発信元の9割が中国だったため、独自の対処力強化も欠かせない。

 協議の場で米側は「サイバー攻撃を受けた際の情報共有が機能していない」と不満も表明。しかし、直後には三菱重工業に対するサイバー攻撃も発覚した。同社では8月の時点でサーバーがウイルス感染した疑いがあることが判明していただけに、米側は日本の対応にいっそう不信感を高めているとみられる。

 三菱重工への攻撃では、ウイルス感染したコンピューターを遠隔操作する画面に中国語が使われ、中国との関連の有無が警視庁の捜査の焦点となっている。政府は来年度予定から前倒しし、25日にサイバー攻撃について官民で情報共有する協議を発足させ、三菱重工など9社を参加させる。


▼英紙が報じた中国の「サイバー民兵」部隊=普通のサラリーマンや大学生がネット諜報活動に従事
2011年10月14日
http://kinbricksnow.com/archives/51748567.html

2011年10月12日、フィナンシャルタイムズは記事「Chinese military mobilises cybermilitias」(中国軍、サイバー民兵を招集)を掲載した。中国当局が否定を続けている官制サイバー攻撃集団について、踏み込んで報道する内容となった。BBC、RFI、VOAと海外系中国語ニュースサイトが大きく取り上げるなど注目を集めている。

記事で取り上げられたのは、南昊科技公司(Nanhao Group)という「民間企業」。ソフトウェア開発やスキャナーなど電子機器の製造を手がける企業だが、河北省衡水市の工場に勤める社員500人には別の任務が用意されている。2006年以来、彼らは中国人民解放軍の「サイバー民兵」としての活動を続けているという。

「30歳以下の従業員は組織に属しています」と説明したのは南昊科技公司の白国良・副総裁。「組織」についての正確な説明はなかったが、地方政府の説明によるとサイバー攻撃とサイバー防衛の2つのグループから成り立っているという。白副総裁は地元の軍部隊からの指示によって行動していると話したが、実際にサイバー攻撃をしかけた経験があるのかについては回答を避けた。

南昊科技公司の「サイバー民兵」組織は、中国全土のIT企業、大学に設立された数千の組織の一つに過ぎない。これらの組織は中国のインターネット戦力の根幹をなしていると記事は指摘する。中国政府、またはその支持者によって中性子爆弾設計図などの機密情報が盗まれたと米国は指弾している。またグーグルなど米IT企業へのサイバー攻撃は山東の専門学校や上海交通大学を発信源としていたと見られており、あるいは「サイバー民兵」が攻撃を担った可能性を記事は示唆している。

「中国もまたサイバー攻撃の被害国だ」と中国政府は繰り返し表明しているが、人民解放軍は1999年から電子戦の必要性を主張、2002年からは実際に人材の募集を始めている。また中国人民解放軍軍事科学院機関紙に掲載された論文は、ネットワーク部隊の任務は「敵対サイトの資料の奪取、改編、削除」と定義し、敵対サイトを混乱させ麻痺させることが目的だと結論づけている。

他にも興味深い「人材育成」の動きがある。2005年、成都軍管区主催のサイバー攻撃コンテストで優勝したTang Zuoqi氏は現在、貴州大学で研究職についている。軍は大学における情報戦の研究をサポートしている。ただし、人民解放軍は「サイバー民兵」との関係を隠蔽しようと画策しており、そのつながりを証明することは困難だという。

また軍に限らず、中国では民間のハッキングも流行していると記事は指摘する。若いハッカーたちはネットを通じして交流しているほか、オフラインのクラスも存在する。路上にはハッカー学校の広告すらあるという。サイバー犯罪の専門家、北京師範大学教授のLiu Deliang氏は「中国では犯罪目的のためのハッキングが成長し、より組織的かつ専門的になっている」と話した。


▼近い将来、サイバー戦争は起きるの?
すでに起こっていると言えるのが実情
http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qaetc/20111004-OYT8T00629.htm

防衛産業大手の「三菱重工業」のコンピューターシステムに大規模なサイバー攻撃が仕掛けられ、サーバーやパソコンなど83台がコンピューターウイルスに感染していたことが明らかになりました。

 警視庁は、何者かが原子力や防衛関連の機密情報を抜き取ろうとしたスパイ事件の疑いがあるとみており、不正アクセス禁止法違反容疑などを視野に捜査を進める方針です。

 日本国内で、大規模なサイバー攻撃が発覚したのは初めてですが、民間企業側はなかなか被害を公表しようとはせず、これも「氷山の一角」といえます。

 世界中で、様々な攻撃事例が明らかになっており、インターネットの介在によるサイバー犯罪やサイバー空間の軍事化が脅威となってきています。まずは、膨大な経済情報や知的財産が企業から盗み出されて、ライバル国の経済にそのまま借用されていることが大きな問題です。

 そのうえ、軍など政府機関の情報が盗まれた事例もあり、陸上交通や航空管制、原発や水力発電所などの電力供給、上下水道処理の制御システム、電子通信システム、金融システムなど国家の重要インフラがサイバー攻撃の標的になってしまう可能性もあります。

 インターネットに国境はないのに、国の法律が適用されるのはその国内だけです。ハッカーや攻撃者はこの点につけこんで、法体系や捜査力の弱い国を拠点として、他国へのサイバー犯罪を仕掛けています。これがハッカー個人でなく、国家が主体となって、他国の政府機関や国の重要インフラを対象にした攻撃を始めると、「サイバー戦争」の様相を帯びてきます。

 その実例として、2007年4月、バルト3国の一つ、エストニアが国全体を標的とするサービス妨害(DDOS)攻撃を受けたのはロシアの仕業ではないか、と専門家の間で分析されています。このときは、1週間にわたってインターネットのラインが途絶、首相官邸や銀行のウェブサイトが閉鎖に追い込まれてしまい、政府業務をはじめ、通信、金融ネットワークに大きなダメージを受けました。ただし、エストニア政府はロシアが犯人であると突き止めることはできませんでした。ロシア政府はもちろん、否定しています。

 その翌年、2008年8月のグルジア紛争の際にも、ロシアはグルジアを対象にサイバー攻撃を行ったようだと専門家は指摘しています。グルジア政府は紛争発生直後、「政府機関のコンピューターがロシアのハッカーに乗っ取られ、グルジア外務省はウェブサイトを移動せざるを得なかった」と声明を出していました。しかし、当時、最初に発砲したのはグルジア側だった、という報道もなされ、国際社会ではグルジア側が不利な情勢でした。

 その後、米国の専門家たちの分析によって、グルジア紛争は、「ロシアが攻撃的サイバー戦を政治・軍事戦略に統合した初めてのケース」であり、将来、軍部がサイバー戦をどのように使うかの下調べだった、と位置づけられています(米フォーリン・ポリシー誌1月号)。

 その分析によると、グルジア紛争が発生する数週間前、ロシアはグルジア側に対し、攻撃的サイバー戦を開始。ロシアのサイバー情報機関がグルジア軍や政府のネットワークに潜入し、重要サイトの偵察を行い、きたる戦闘に備えて有効な資料を収集した、といいます。

 同時に、ロシア政府は民間のハッカーたちを「ロシア・サイバー民兵」として組織化し、事前にサイバー攻撃のリハーサルを行うなど、戦闘を支援させたといわれています。

 同年8月7日に戦闘が始まると、ロシア政府とサイバー民兵は、グルジア政府、軍のサイトに対してサービス妨害攻撃を仕掛け、政府機関同士、軍組織同士の情報伝達ができないようにしました。とくに、軍事作戦を展開する近くの民間サイトも攻撃することで、グルジアの民間人にパニックを引き起こしました。グルジア人ハッカーたちのフォーラム・サイトも攻撃し、ロシア側のサイトに報復攻撃をできないよう予防線を張りました。

 その一方で、グルジアにとって最重要のバクー油田パイプラインや関連インフラへのサイバー攻撃を手控え、グルジア側が早期の戦闘終結に向かうよう仕向けたそうです。

 「宣戦布告なきサイバー戦争」は、すでに始まっているといえそうですね。米政府は、政府や軍のサイトが中国からのサイバー攻撃にさらされていることに懸念を表明しています。

 わが国では、昨年12月に定められた新しい「防衛計画の大綱」の中で、サイバー攻撃に対して「自衛隊の情報システムを防護するために必要な機能を統合的に運用」して高度な知識・技能を集積する方針に触れていますが、具体的な防護策やサイバー部隊の編成はまだまだ、これからの課題です。

 政府の「情報セキュリティ政策会議」では、官民で情報共有を進めていく方針ですが、米国をはじめとする先進諸国同士で、さらなる国際協力体制の強化を図る必要がありそうです。
(調査研究本部主任研究員 笹島雅彦)


▼サイバー攻撃、日米共同で対抗を 米国防長官が意向示す
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201110250680.html

 来日中のパネッタ米国防長官は25日、日米両国に対するサイバー攻撃の情報を双方の防衛当局が共有し、対抗策を協議する環境を整えるべきだとの考えを示した。一川保夫防衛相との共同記者会見で語った。

 衆議院の公務用パソコンや三菱重工業を狙ったサイバー攻撃が次々に明らかになっており、米政府も懸念を強めている。長官は「各国が協力して阻止する方法が必要だ」と強調した。

 米国と豪州は9月、ニュージーランドも含めた相互安全保障条約(ANZUS)での共同行動の対象にサイバー攻撃を含める共同声明をまとめている。長官は、日米間でも「同様のアプローチを構築したい。攻撃への対応能力を高められる」と述べた。


▼サイバー攻撃、「先手を」=日本に積極対処求める-米国防長官
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011102501005

 三菱重工業や衆院など日本国内のサーバーへのサイバー攻撃が相次いだ問題をめぐり、パネッタ米国防長官は25日、一川保夫防衛相との会談後の記者会見で、「先手を打った防衛が必要だ」と述べ、日本側に積極的な対処を求めた。

 パネッタ長官はサイバー攻撃について、「未来の戦場だ」と指摘し、日米間で情報共有などに関する協定を締結すべきだとの考えを示した。その上で、先手を打って攻撃を阻止する必要性があるとし、「共に力を合わせることによって対抗しなければならない」と強調した。(2011/10/25-22:59)


▼衆院サーバーに不正アクセス 議員のPC踏み台か メールなど盗み見の恐れ
2011.10.25 22:00
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111025/crm11102515180028-n1.htm

 衆院議員のパソコンが外部からの攻撃を受け、コンピューターウイルスに感染し、衆院のサーバーが不正アクセスを受けていたことが25日、分かった。サーバー内には国会議員に割り当てられた電子メールのデータなどが保存され、盗み見された恐れがある。衆院は対策本部を設置し、情報流出の解明に乗り出した。防衛産業へのサイバー攻撃が相次いでいるが、同様の攻撃を受けた可能性もある。ただ、8月に被害が発覚していたものの、対応が遅れ危機管理意識の甘さを露呈した。

 衆院事務局によると、ウイルス感染は8月28日頃に判明。サーバーの管理委託を受けた業者が「不正アクセスの痕跡がある」と事務局に通報した。経路を調べたところ、衆院議員3人に貸与したノートパソコンがウイルスに感染していた。議員のパソコンからサーバー自体にウイルスが転移した可能性もある。

 議員側がメールに添付されたウイルスを不用意に開いたことが原因とみられ、大規模な感染拡大を防ぐため、議員のパソコンとサーバー1台をネットワークから切り離したという。

 サーバーには衆院議員や公設秘書、事務局職員の計約2660人分のIDやパスワード、メールなどが保存されている。藤村修官房長官は25日の記者会見で「違法行為が確認されれば、警察が厳正に対処していく」と語った。

 衆院議院運営委員会の庶務小委員会(松野頼久委員長)は対策本部を設置し、各議員にパスワードの変更などを促す方針を決めた。


▼全衆院議員のパスワード盗難か 管理者権限で操作
http://www.asahi.com/national/update/1026/TKY201110250740.html

 衆院のネットサーバーや衆院議員らの公務用パソコンがサイバー攻撃を受けた問題で、議員と秘書の計約960人全員分のIDとパスワードが盗まれた疑いがあることが朝日新聞の調べでわかった。侵入者は、すべてのサーバーやパソコンのデータなどを操作できる「管理者パスワード」の盗み出しにも成功。これを入手したことで、衆院のネットワーク内を自在に動き回れるようになったという。

 関係者によると、侵入者は今年7月末以降、ウイルスを感染させた議員のパソコンを足場にして、衆院のサーバーや別のパソコンに感染を拡大させていった。議員約480人と秘書約480人の全員分にあたるIDやパスワードを盗み、本人になりすまして各自のパソコンを外部から操作することが可能だった。

 足場となった議員のパソコンに、すべての議員と秘書のパスワードなどが抜き取られた跡が残されていたという。


▼大使館にサイバー攻撃、情報盗むウイルス感染
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111025-OYT1T01333.htm

. アジアや北米など9か国に置かれた日本大使館など約10在外公館で運用するコンピューターが夏以降、外部から操って情報を抜き取る「バックドア型」などのウイルスに相次いで感染していたことが25日、関係者の証言で明らかになった。


 現時点で確認できただけで感染台数は数十台にのぼり、韓国では大量の外交情報が攻撃により外部のサーバーに送信できる状態になっていた。外務省は外交上の機密を狙った標的型のサイバー攻撃の可能性が高いとみて、被害状況の確認を急いでいる。

 サイバー攻撃を巡っては、防衛産業大手「三菱重工業」(東京)のコンピューター約80台がウイルス感染していたことが分かり、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑などで捜査を始めたほか、衆議院の公務用パソコンの感染が発覚したばかり。防衛産業や政治の中枢に加え、外交機密も危機にさらされている実態が浮かび上がり、国としての対策が急がれる。


<関連記事>

Chinese military mobilises cybermilitias (画像引用)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/33dc83e4-c800-11e0-9501-00144feabdc0.html#axzz1bpc30Xez


The new cyber-industrial complex
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/764ddfb4-f322-11e0-8383-00144feab49a.html#axzz1bpc30Xez


Can we trust China's internet companies?
http://blogs.telegraph.co.uk/news/peterfoster/100110693/can-we-trust-chinas-internet-companies/


China's Cyber Militia
China increasingly relies on young civilian computer hackers for its cyber war activitiy against the U.S.
http://spectator.org/archives/2011/10/21/chinas-cyber-militia


Rise of the Cyber Militias
http://www.airforce-magazine.com/MagazineArchive/Documents/2011/February%202011/0211cyber.pdf
http://www.airforce-magazine.com/MagazineArchive/Pages/2011/February%202011/0211cyber.aspx

バック・トゥ・ザ・フューチャー ~1930年代ブロック経済編~:「民主化」はためく露骨な中国包囲網、村八分を恐れて北朝鮮までミャンマー化?2011/10/22 15:38

バック・トゥ・ザ・フューチャー ~1930年代ブロック経済編~:「民主化」はためく露骨な中国包囲網、村八分を恐れて北朝鮮までミャンマー化?


米国主導・中国外しのTPPで台頭する中国をけん制。
村八分を恐れて動揺広がる中国チーム。

ミャンマーに続けと、まさかまさかの北朝鮮までロシアに接近中。
さらにはパキスタンにも動きあり。

「アラブの春」はいよいよ「アジアの春」へと向かうのか。
「民主化」はためく露骨な中国包囲網に身構える中国共産党。

中国とて黙って見ているわけがない。
そのブロック崩しのテクニックに注目したい。

TPPの先にあるのはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想。
それはまさにアジア太平洋連合。

ヨーロッパ連合に続けとユーラシア連合。
さらには大本命のアジア太平洋連合も動き出すことになるのか。

アジア太平洋連合が動き出せばどうなる。
「わしらもアジア太平洋国家だべ」とロシアが言い出す可能性大。

世はまさに1930年代へとバック・トゥ・ザ・フューチャー。
ならば「ブロック経済」の先にあるのは1940年代。

今度の主役は当然中国となるのだろうか。


<関連記事引用>

▼「世界は帝国主義的な体制に戻ろうとしている」 原口一博と佐藤優、TPPに警鐘
2011年10月21日(金)20時09分配信
http://news.nicovideo.jp/watch/nw133245

 作家で元外交官の佐藤優氏と民主党の原口一博元総務相は2011年10月20日、ニコニコ生放送「平和~子どもたちの澄んだ瞳を守るために」で対談し、例外品目を作らない自由貿易協定であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)締結への動きに関して、両者とも「いま世界は帝国主義的な体制に戻ろうとしている」と語った。

 北朝鮮の金正日総書記は19日、ロシア国営通信であるイタル・タス通信のインタビューに応じた。佐藤氏によると、「日本との国交正常化に向けては、日本が過去に起こしてきた犯罪に対して完全な総括をすること。その総括に向けて日本が歩みを始め、北朝鮮に対する敵視政策をやめるならば、関係の正常化を行う」という"かつてないほどのゆるいメッセージ"だという。佐藤氏は、金総書記がこのようなメッセージを発した背景について「大きな与件が変化している」と語る。

「TPPの動きが始まった。TPPで日本とアメリカの提携が強化するということは、中国をにらんだ動きだと(北朝鮮は考えている)。そうすると北朝鮮は中国と一緒に包囲されたら困るということで、逃げ出す道(ロシアへの接近)を考えている」

 TPP締結の動きが、北朝鮮に焦燥感を生んでいるという。原口氏も、このTPP締結の動きは「よその国に対して恐怖感を生み出している」と話す。

「TPPはよく日本の中では自由経済・農業と工業の問題だと言われていますが、実はそうじゃない。ブロック化なんです。ブロックの中において、今すごく帝国主義的な動き。リーダーが変わる時はどちらかというとナショナリスティックに動く。そして自分の国さえ良ければいいという形になっていく。そこでアメリカと日本を中心としたブロックを作って、囲い込んでいこうと。よその国から見ると、自分たちの国がはじかれるという恐怖感をそこに生んでいる」

と、日本が太平洋戦争に突入するキッカケともされる、1929年の世界恐慌以降の欧米先進諸国による帝国主義・ブロック経済と同じような動きが現代にもあると述べた。

 佐藤氏も、「自由貿易ならばWTO(世界貿易機関)という体制を強化していけば良いのに、なぜ一種の関税同盟でありブロックであるTPPを結ぶのか」と疑問を呈し、EU(欧州連合)やロシアのプーチン首相がユーラシア同盟創設を提唱していることを挙げ、

「着実にいま世界はブロック経済化している。1930年代の帝国主義的な体制に戻ろうとしている」

と原口氏に同意した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]原口氏の「TPPはブロック化」から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv67857795?po=news&ref=news#06:03

(中村真里江)


▼中国式投資 途上国「NO」 ミャンマー、ダム開発中止を表明
2011.10.4 07:56 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111004/chn11100407580006-n1.htm

 ■ザンビア、リビア、スーダン…次々方向転換

 【北京=川越一】軍政から民政に移管したミャンマーのテイン・セイン大統領が9月末、北部カチン州で中国と共同建設している水力発電用大型ダム「ミッソンダム」の開発中止を表明した。多額の投資・援助で途上国を抱き込んできた中国だが、ミャンマーやリビア、ザンビアなどの政権交代に伴い、民主化や人権改善に背を向ける“北京コンセンサス”の限界が見え始めている。

 同ダムは、ミャンマーの軍事政権と中国政府の間で契約が結ばれた。中国国有企業による投資総額は36億ドル(約2760億円)にのぼる。軍政幹部が開発推進を強硬に主張したとされ、中国政府からの賄賂の存在がささやかれていた、いわく付きの事業だ。

 ミャンマーでは民政移管後、環境保護を訴える声が沸騰。テイン・セイン大統領は世論に応える形で「(ダムは)自然景観を破壊し、地域住民の暮らしを破壊する」などとして、軍政の決定を覆した。

 これに対し、中国外務省の洪磊報道官は今月1日、「中国企業には、その国の法律に厳格に従って、責任と義務を履行するよう求めており、関係諸国には中国企業の合法で正当な権益を保障するよう促している」との談話を発表した。

 こうした新たな体制側との“友好的協議”の訴えは、リビアでの石油利権を維持するため反カダフィ派に呼びかけたケースや、親中国のスーダンから独立した、石油権益が集中する南スーダンにおけるケースと重なる。

 経済発展を維持するために世界中で資源エネルギーをむさぼる中国は、積極的にアフリカ大陸に進出してきた。そこに介在する賄賂が政権幹部を堕落させ、人権を無視して地元労働者を酷使する中国企業への反感も暴発寸前だ。

 9月下旬、中国が鉱物資源を狙って20億ドル以上をつぎ込んできたアフリカ南部ザンビアで、反中国で知られる野党、愛国戦線のサタ党首が新大統領に就任した。前政権は中国の投資が2万人の雇用を生んだと称賛していたが、米メディアによると、その陰では労働争議に絡む中国人経営者による射殺事件が頻発。「中国の投資は一般市民のためではない」というザンビア人労働者の嘆きは、中国との癒着が政権批判を助長したことを物語っている。

 かつて、中国の体制内学者が、政府の支援を受けて海外で資源を獲得する中国企業の在り方を批判したことがある。「恩恵は国民に再分配しなければならない。そのために民主化と政治改革が求められる」。中国が“北京コンセンサス”を持ち込んだ途上国で、その指摘の正しさが証明されつつある。


▼ミャンマー 政治犯150人釈放
2011年10月13日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011101302000038.html?ref=rank

 【バンコク=杉谷剛】ミャンマー政府は十二日、テイン・セイン大統領の恩赦による六千三百人余りの受刑者の釈放を始めた。注目された政治犯の釈放はこの日、約百五十人に上ったとみられる。改革姿勢を打ち出している現政権は、政治犯釈放により欧米などの経済制裁解除を引き出したい狙いとみられ、最終的な釈放規模が注目される。

 一九八八年から今年三月まで続いてきた軍事政権下では、民主化活動家や僧侶、ジャーナリスト、弁護士ら多数が政治犯として逮捕・拘束され、現在も約千人が服役中とされるが、百人規模の釈放は初めて。ロイター通信は、最終的に約三百人が釈放される見通しと報じた。

 現地からの情報によると、最大都市ヤンゴンのインセイン刑務所からはこの日、六百四十二人の受刑者が釈放された。88%の五百六十四人が男性だった。

 同国民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チーさんは「個人に自由を与えることはお金で買えないほどの価値がある。政治犯全員の釈放を求める」と、あらためて政府に要求。スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)の広報官は「これまで約百五十人の政治犯が釈放され、約百人はNLDのメンバー」と説明した。

 軍政を批判したとして懲役三十五年を言い渡され、長期服役してきた有名コメディアンのザガナー氏は同日、ミャンマー北部の刑務所で釈放された。同氏はヤンゴンの空港到着後、「私の十四人の友人(政治犯)は、まだ刑務所に残っており、釈放されてもうれしくない。政府はけちだ」と皮肉った。

 釈放された政治犯の名前は公表されず、現地で有名な学生活動家や少数民族のリーダーは釈放されていないとの情報もある。

 今年三月の民政移管後、テイン・セイン大統領は民主化活動家を含む恩赦を表明。海外に亡命した活動家の帰国も促した。また、スー・チーさんとの対話や中国が支援する大規模ダム開発の中止など、改革姿勢を相次ぎ打ち出している。


▼ミャンマーODA再開=外相会談で玄葉氏表明
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011102100804

 玄葉光一郎外相は21日夜、都内の外務省飯倉公館でミャンマーのワナ・マウン・ルウィン外相と会談、同国のテイン・セイン大統領による政治犯の釈放など民主化の取り組みを評価し、中断していた政府開発援助(ODA)を再開する方針を表明した。

 会談で玄葉氏は「さらなる政治犯の釈放をお願いしたい。このような動きが力強く前進することが重要だ」と指摘。ルウィン氏は「大統領は引き続き、憲法の規定に基づき恩赦を続ける意向だ」と応じた。 

 2003年にミャンマー軍事政権が民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんを自宅軟禁したことなどを受け、日本政府は制裁措置として同国へのODAを人道分野を除き中断。今年6月に、新規分を含めて再開する方針を決めた。スー・チーさんは10年11月に自宅軟禁を解除されている。

 今回再開するのは、03年に中断した水力発電所の補修工事と、07年の反政府デモ弾圧で中断した「人材開発センター」建設の2件。両外相はODA再開に向けた日本の調査団派遣で合意した。ミャンマー外相の日本訪問は1995年以来16年ぶり。(2011/10/21-22:54)


▼インドとパキスタン、両国間貿易を自由化へ 英紙報道
2011/10/18 10:31
http://s.nikkei.com/rhqRZ6

 分離独立して60年以上が経過するインドとパキスタンが2国間貿易を大幅に自由化する準備を進めている。18日付の英フィナンシャル・タイムズ紙が伝えた。両国の高官によると、パキスタンの政治家や軍高官は、インドとの貿易関係はカシミールの帰属問題の解決次第だという従来の態度を軟化させているという。

 1947年に英国による統治が終了してから中断してきた両国の貿易関係が復活する見通しだ。来月にデリーで開く会合で詳細について合意する予定という。

 中断してきた貿易関係の行き詰まりを打開するため、パキスタンのカル外相はインドに最恵国の地位を与える用意があると同紙に語った。同外相は長年紛争が続く地域では「どんな国でも一国だけでは経済、政治的に発展できない」と語り、インドとの関係修復を目指す考えを示した。

 インドとパキスタンを合わせると中国の人口を超えるにもかかわらず、2国間貿易は27億ドル(約2100億円)程度にとどまる。両国の通商相は今月、3年前に中断していた交渉を再開。2国間貿易を3年以内に60億ドルに引き上げるという目標で合意している。

Pakistan and India in historic trade push
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/6670de68-f8bb-11e0-ad8f-00144feab49a.html#axzz1bSQK6hJD


▼金正日氏 ロシアに感謝 協力を推進
20.10.2011, 14:08
http://japanese.ruvr.ru/2011/10/20/59045306.html

 朝鮮民主主義共和国の指導者である金正日氏は、北朝鮮の外交にとっては非常に珍しいことに、ロシアのマスコミに対するインタビューに応じた。これは金正日氏がロシアに対して特に感謝の気持ちを持っていることを示すものだ。

 金正日氏はインタビューのなかで、「私が忘れられないのは、モスクワから数千キロ離れたウランウデまでメドヴェージェフ大統領が我々を迎えにやってきてくれたことだ。」と述べている。

 またウランウデの会談中、普段は無表情な金正日氏が示した表情も、メドヴェージェフ大統領に対する誠意を示すものだった。メドヴェージェフ大統領は2001年、当時ロシア大統領府第一副長官として平壌を訪問しているが、両者はそれ以来10年ぶりとなる再会を果たしたことになる。

 金正日氏のロシア訪問は21世紀になってから3回にわたって行われており、プーチン氏との会談も幾度となく持っている。2001年にはモスクワ、ペテルブルグ訪問を含む24日間のロシア滞在を行った。その際、金正日氏とプーチン氏との会談が持たれ、モスクワ宣言という成果が生まれた。モスクワ宣言では、世界の安定の維持と2国間関係の強化がうたわれた。

 今回のインタビューのなかで、金正日氏はロシアとの協力において、北朝鮮を経由する朝鮮半島横断ガスパイプラインの敷設が特に重要だと指摘している。また両国の鉄道線路の連結も重要だと述べている。またそれらのプロジェクトが、地域の繁栄を促すという国際的な意味を持っていると評価している。

 ロシア科学アカデミー経済研究所朝鮮問題担当のゲオルギー・トロラヤ氏は次のように語っている。

―北朝鮮の指導者とのインタビューはいつでも大きな政治的事件です。それは金日成の時もそうでしたし、現在の正日氏の場合もそうです。というのも、その内容は古典的著作として、全集に含まれることになるからです。もちろん北朝鮮ではインタビューの内容は、前もって注意深く議論されて承認された文書です。それゆえに、10年ぶりにロシアのマスコミに対してインタビューに応じたというのは、ロシアとの友好関係を示すための政治的なジェスチャーだと言えるでしょう。またアメリカや韓国、日本といった敵対国との交渉に入る前に、中国だけでなく、ロシアからの支援もあるということを示す狙いもあったでしょう。それは朝鮮半島問題におけるロシアの役割を高めるもので、歓迎すべきことだといえます。

 金正日氏は、北朝鮮が核の保有に至った経緯について、アメリカ側からのあからさまな核の脅威から自らを守るためであったと述べており、またメドヴェージェフ大統領と合意したとおり、6カ国協議の早期再開を目指していることを明らかにした。

 アメリカとの関係については、アメリカ政府が敵対的な政策を放棄し、善意を見せるようなことがあれば、関係正常化も視野に含んでいることをほのめかしている。

 日本に対しては、歴史上、美しくない過去として残っている日本の朝鮮侵略の歴史を勇気をもって清算することを求め、それは関係正常化への道を開くことになると指摘した。しかし、韓国および中国との関係については、一切言及することはなかった。


▼北朝鮮海軍幹部が訪露 海軍合同演習などを協議
2011.10.21 19:18
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111021/kor11102119190002-n1.htm

 北朝鮮海軍の東海艦隊司令官が20日にロシア極東ウラジオストクを訪問しロシア太平洋艦隊の幹部と会談、来年にも行われる予定の救難捜索訓練などの合同軍事演習や、11月に予定されている北朝鮮艦艇のウラジオストク入港などについて協議した。太平洋艦隊当局者が21日、明らかにした。

 両艦隊はともに日本海を主要活動エリアとしているが、長らく交流は途絶えてきた。ソ連崩壊後に北朝鮮海軍幹部がロシア極東を訪れたのは初めてという。

 ロシアと北朝鮮は今年8月の首脳会談以降、外交、経済、軍事面での交流が活発化している。北朝鮮の東海艦隊司令官は、カムチャツカ地方も訪問する予定。(共同)


▼日米シンポジウム「TPP―アジア太平洋地域の成長の源泉」開催
-日本のTPP参加を日米の経済界が一致して強く支持
米倉会長=FTAAP構築に向けて、TPPに早期参加し、米国とともにグローバルなルールづくりを主導すべき
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2011/1020/04.html

経団連は7日、東京・大手町の経団連会館で、日米経済協議会、米日経済協議会との共催により、日米シンポジウム「TPP-アジア太平洋地域の成長の源泉」を開催した。当日は日本側、米国側から官民合わせて約200名が参加した。

冒頭、米倉弘昌経団連会長・日米経済協議会会長があいさつし、国内の立地競争力強化のために最も重要な取り組みの一つが高いレベルの経済連携の推進であり、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)構築に向けて、9カ国が交渉を進めるTPP(環太平洋連携協定)に日本が早期に参加し、米国とともにグローバルなルールづくりを主導すべきと強調した。続いてあいさつしたジョン‐ルック・ブテル米日経済協議会会長は、日本のTPP参加を強く支援すると表明するとともに、農業分野で構造改革のための猶予期間など交渉の余地が与えられるとの見解を示した。

次に、日米政府代表による基調講演が行われた。北神圭朗経済産業大臣政務官は、空洞化が進行するなか、日本は包括的な経済連携を推進する必要があると述べたうえで、米国、豪州やアジアの主要国を含むTPPへの参加は、外交戦略上も最善の選択肢であるとした。米国側はロナルド・カーク米国通商代表部代表がビデオメッセージを寄せ、TPPに対する日本の関心を歓迎し、日本が国内の議論を進めるにあたって米国も協力する意向を表明した。また、米国大使館のジェームス・P・ズムワルト首席公使は、21世紀型の通商ルールの構築を目指すTPPは、地域経済統合の土台となるだけでなく、アジア太平洋地域の発展に向けた日米協力の場となると述べた。

続いて行われたパネル討議では、浦田秀次郎早稲田大学大学院教授をモデレーターに、日米の経済人がTPP参加のメリットや解決すべき課題等について討議した。まず、渡辺捷昭経団連副会長は、優れたものづくりの力を活かしてグローバル競争力を強化し、日本全体の成長につなげる必要があると指摘し、そのためにはTPPを通じた他国に劣らない事業環境の整備と、地域・世界のルールづくりへの関与が必要と述べた。また、農林漁業等の活性化に向けた経団連会員企業による224の取り組み事例を紹介し、日本の農業も、ものづくりの経験を活かして競争力を強化できるとした。坂根正弘経団連副会長は、被災地の復興のためには第一次産業が海外の成長市場に打って出る必要があり、成長のカギは、TPPが目指すFTAAP構築を通じたアジア太平洋地域との共存共栄であると述べた。

カール・ルカチ・デュポンイーストアジア地域統括兼デュポンKK会長は、TPPの最も重要な意義は、エネルギー、新素材、農業等、さまざまな分野で日米企業の協力が促進されることであると述べた。アリ・バハジ・キャタピラージャパン会長は、雇用創出、生活水準向上や、イノベーション促進といった自由貿易の恩恵をあらためて強調し、TPP交渉参加の日本の早期の決断を期待すると語った。ジョナサン・クシュナー在日米国商工会議所東北復興タスクフォース共同委員長・TPPタスクフォース副委員長は、被災地域の復興に向けて、特区の活用で農業やヘルスケア等のイノベーションを促進するよう提言し、TPPを契機とする全国規模での改革促進とそれによる日本経済活性化への期待を表明した。

最後は、モデレーターの浦田教授が、TPPに対する誤解を解くうえで、マスメディア等を通じた正確な情報の伝達が重要と締めくくった。


<画像引用>

APECの概要-APEC-経済産業省ホームページ
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/apec/overview/description.html