米戦略家を怒らせた日経・秋田浩之氏が描いた図 ― 2013/04/14 15:28
「老軍略家」ではなく、「戦略家」と書いているところから、
アンドリュー・マーシャルにまた会いに行ったわけではないのか?
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米戦略家を怒らせた図
編集委員 秋田浩之
2013/4/14付
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO53965890U3A410C1PE8000/
アジア太平洋14ヵ国の海軍幹部がひざを交え、海の安全保障について話し合う。そんな会合が海上自衛隊の主催の下、2月下旬に都内で開かれた。
驚いたのは1人の欧州の軍人が中央に座り、アジアに負けず劣らず熱弁をふるっていたことだ。フランスの海軍大佐である。
それもそのはず。フランスは今でも、れっきとしたアジア太平洋の軍事パワーなのだ。フリゲート艦2隻、戦車揚陸艦(LST)1隻。タヒチなど、南太平洋の仏領2カ所に基地をかまえ、空軍力もある。
フランスは災害支援や密輸摘発などが目的というが、そのためにこれほどの軍隊が要るとは思えない。
「本当の理由は大国の威信だ。目に見える軍事力をアジアに残しておけば、発言力につながる。フランスは旧帝国だった経験から、本能的にそう信じている」。同国に詳しい日本の防衛関係者はこう語る。
軍隊は戦うためだけにあるのではない。アジア太平洋の経済や外交のルールづくりで、発言力を保つための足場にもなる。
フランスがこう考えているとすれば、戦後、アジア太平洋の秩序を仕切ってきた米国はどうだろうか。
「このまま中国軍が台頭すれば、アジアでの米中軍事バランスは将来、逆転してしまうのでは……」
先月、米国の対外政策に深くかかわる米戦略家に会い、こんな疑問をぶつけてみた。そのとき彼に見せたのが、アジアでの米中軍事バランスを議論するため、筆者が描いた手製の図だ(図)。
年数がたつにつれ、米軍のアジアでのプレゼンスが減り、中国軍に追い抜かれかねない。そんな危険を指摘したものだ。
米国防予算が大きく削られようとするなか、中国の軍拡は加速している。アジアからみれば、「しごく自然な見方だ」(日本政府筋)。ところが、ふだんは冷静な米戦略家はこの図をみるなり、激怒したのだ。
「ばかげた図だ。米中が逆転するはずがない」
彼だけではない。先月、米政府当局者や元高官ら8人にも聞いたが、やはり、一様に図の予測に拒絶反応が返ってきたのである。
つまり、台所事情がどんなにきつくても、「アジアでの軍事優位は決して譲らない」(米外交当局者)というわけだ。米軍の存在が揺らげば、アジア太平洋での覇権も失ってしまう。超大国の生存本能ともいうべき、こんな危機感が働いているにちがいない。
もっとも、米軍だけで絶対優位を保とうと考えているわけではない。日本や韓国、オーストラリアのほか、インド、東南アジアの友好国との安保協力も織り込んでいる。
「米軍はアジアで自前の能力を高め、同盟国や友好国とも連携を深めていく。彼らの力も加われば、米中逆転などありえない」
米政権のアジア戦略に影響力をもつ元高官はこう断言してみせた。
この決意が本物なら、米軍に防衛を依存する日本にも良い知らせではある。ただ、それが実行できるかは、東南アジアの国々をどこまで引きよせられるかに左右される。
「そんなに米国寄りの態度だと、お国のためになりませんよ」。東南アジアの政府高官によると、中国側は親米的とみられる周辺の国々に、水面下でこう警告を強めているという。
米軍にいてほしいが、中国の逆鱗(げきりん)にもふれたくない――。これが東南アジアの本音だ。そこに目配りしながら、静かにきずなを強めていく。安倍政権にもそうした繊細さが求められる。
コメント
_ 奔放な旅人 ― 2013/04/15 09:41
_ アフレコ ― 2013/04/16 08:44
ずいぶん昔になりますが、アメリカの軍事技術の本のなかに、アメリカの軍人は、戦争の勝敗を決めるのは天才がどっちに出てくるか、というのがありました。中国は13億もいるので天才が出てくるかもしれませんが、アメリカはリークアンユーの言を借りれば世界の70億から集まってくる。アメリカに世界の優秀な人材を引きつける魅力がなくならない限り、アメリカの優位は変らないでしょう。
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万が一にも中国が太平洋の覇権を握ってしまうと、色んな理由を付けて堂々と侵略を始めるでしょうね。
台湾も軍事力で併合と言う名の侵略を行うでしょうし、尖閣諸島はまず占領するでしょう。
東南アジアにも益々手を伸ばしていき、華僑の多いシンガポールなども自分の領土だと平気で言うでしょう。
膨れあがる軍事力を維持する為にも、侵略行為は減るどころか拡大する危険性も決して低くないでしょうし。
何れ中国は共産党独裁から軍事政権に変わるかも知れません。