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トシ・ヨシハラ「軍司令官が示す攻撃的な作戦に、習近平が拒否できるかどうかわからない」+「中国のA2AD戦略は非常に攻撃的。米軍嘉手納基地が最初のターゲットに」(読売)2013/04/09 06:16



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[語る]対中戦略(3)中国軍の過小評価禁物 トシ・ヨシハラ氏
2013/04/03 東京読売新聞 朝刊

 ◇米海軍戦争大学教授 トシ・ヨシハラ氏

 ◆先制攻撃含む攻撃的戦略に警戒を 米軍が民間空港使える法整備必要 
 
 中国人民解放軍研究で注目される米海軍戦争大学のトシ・ヨシハラ教授は中国海軍の動向で、特に昨年9月に中国が就役させた初の空母「遼寧」に注目し、その意味を軽視してはいけないと指摘する。

 中国軍の近代化には複合的な要因がありますが、1996年の「台湾海峡危機」での米空母派遣が加速させたのは間違いないでしょう。動きは我々の予想より早く、彼らの能力を過小評価すべきではありません。

 「遼寧」も今は「練習台」で、「超大国のシンボル」としての意味合いが強い。米国との1対1の戦闘で勝ち目はない。しかし、やがては軍事作戦上の利用もされるでしょう。南シナ海などで相対的に力の弱い国との対決となれば、極めて有効な戦力になります。

 将来的には、中国が「空母群」を持つことも可能でしょう。彼らには、巨額の費用がかかる開発を行える財源があります。

今年1月の海上自衛隊艦艇への中国海軍による火器管制レーダー照射は、軍の独断専行という見方もある。中国のシビリアンコントロール(文民統制)への懸念は根強い。

 1989年の天安門事件後、中国共産党と軍の間で取り決めがあったとされています。「軍は政治に関わらず、戦略の立案に集中する。党と政府は財源を軍に回す」というものです。軍に、兵器開発、軍事ドクトリン(基本原則)の策定で自主権を与えたわけです。

 しかし、これには政治的な問題が生じます。軍司令官が示す攻撃的な作戦に、習近平(シージンピン)国家主席が「政治的に賢明な選択ではない」と拒否できるかどうかわからないのです。

 中国のA2AD(接近阻止・領域拒否)戦略は非常に攻撃的です。射程1500キロ・メートルの弾道ミサイル「DF21」や航空戦力による先制攻撃で特定の空軍基地を破壊し、制空権を奪うというものです。沖縄県の米軍嘉手納基地が最初のターゲットになるでしょう。

 尖閣諸島をめぐる中国の動きも、「ストーブの火」のように戦略環境に応じて弱くすることはあっても、やむことはないとみるべきでしょう。ただ、空・海軍による長距離攻撃を柱とするジョイント・エア・シー・バトルを中国に適用すれば、紛争をかえって拡大する要素があります。

 それよりも効果的な戦略が、日米両国にはあることを強調したい。平凡ですが、より多くのコンクリートと鋼鉄を使うこと。具体的には、基地に航空機を守る格納庫を造ったり、滑走路が攻撃を受けた際に迅速な修復を可能にする備えをしたりすることです。

 有事の際に、米軍と自衛隊ができるだけ多くの民間の空港・港湾を使用できるようにする法整備も必要です。拠点が多くなれば、中国はどこを攻撃するかに悩み、リスクの分散が可能になります。ミサイルを浪費させることにもつながるでしょう。

 中国が、何でも解決できる「魔法の銃弾」を持っているわけではありません。彼らの弱点を突く戦略で対処できます。(聞き手 ワシントン支局・中島健太郎、写真も)
 
 〈ジョイント・エア・シー・バトル(統合空海戦闘)〉

 2010年の「国防計画見直し」に盛り込まれた、空・海軍を一体運用する米軍の作戦構想。敵のミサイルや戦闘機の攻撃範囲外からの長距離攻撃が戦略の中核で、無人攻撃機の空母配備や中国本土から離れたグアム基地の強化などに反映されている。ただ、前方展開能力の削減はかえって軍事的挑戦を誘いかねないとの批判も根強く、米統合参謀本部が12年1月に発表した「統合作戦アクセス構想」では、前方基地の強化や、基地を分散して敵の目標選択を難しくさせる必要性を指摘している。
 
 図=在日米軍基地や米空母を狙う中国の中距離弾道ミサイル「DF21」の射程
 
 写真=トシ・ヨシハラ氏


中国軍の権威ヨシハラ教授が語る [Air-Sea Battle Concept]
心配は、事もあろうに「U.S. Naval War College」を「米海軍戦争大学」と訳した読売新聞とワシントン支局・中島健太郎氏の本分野への見識です。
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-04-03-1

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