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タタリガミからタタリムシへ - 「もののけ」超えて、それはまさにナウシカのムシムシ大行進2012/06/27 06:34

タタリガミからタタリムシへ - 「もののけ」超えて、それはまさにナウシカのムシムシ大行進


昨日のFNNスーパーニュースではこんな感じの凄いやり取り。

まずは木村太郎が「小沢一郎は、“獅子身中の虫”だ」と。
さらに「“虫下し”でも飲ませて駆除しないと民主党が持たない」と。

安藤優子が「“虫”ですか」と苦笑い。
すかさず「“虫下し”ですか」と繰り返しの一発。

続いて産経はなんと記事タイトルに「獅子身中の虫」。
そして「“獅子身中の虫”をたたきつぶすしかない」と締め括る。

タタリガミからタタリムシへ。
「もののけ」超えて、それはまさにナウシカのムシムシ大行進。

福島原発事故を経て、今蘇るオーム(王蟲)の姿。
彼らの暴走を止めるには、オームを癒す心優しい女性の登場を待つしかないのか。


<関連記事>

【民主分裂】首相、反逆者切れるのか 「獅子身中の虫」をそのままに
2012.6.26 23:00
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120626/plc12062623100021-n1.htm

 政治生命を懸けた社会保障・税一体改革関連法案の衆院通過を受け、記者会見に臨んだ野田佳彦首相。だが、晴れやかな笑顔はまったくなく、真っ赤に充血した瞳は憂いに満ちていた。

 「何かをやってからという理屈で決めるべきタイミングをずっと逃してきた。決めるべき時に決め、結論を出し、先送りをしない政治を作り出したい」

 これは、民主党の小沢一郎元代表らが「増税の前にやるべきことがある」と造反したことへの強烈な皮肉だといえる。約20分間にわたり首相は強気を装ったが、やはりショックは隠せない。消費税増税法案に反対票を投じた民主党議員は57人、欠席・棄権を含めると73人。首相の「30人程度」との読みは大きく裏切られたからだ。

 今後は造反者の処分が最大の懸案となるが、一筋縄ではいかない。57人を除籍(除名)処分にすれば、少数与党に転落し、いつ内閣不信任決議案が可決してもおかしくない状況に陥る。

 ところが、自民党は小沢氏らの厳重処分を参院での法案審議入りの条件に掲げており、処分の軽減や先送りは許されない。そもそも悩んだ末に法案に賛成した民主党議員が納得しないはずだ。

 法案成立を最優先させ「与党過半数割れ」を覚悟の上、厳罰に臨むならば、もう一つ大きなハードルを乗り越えなければならない。輿石東幹事長との「決別」である。

 そもそも大量造反を生んだのは、輿石氏が6月3日の首相、小沢氏との3者会談で「衆院を解散しない」「党は割らない」との密約を交わしたことを明かし、処分の軽減・先送りを吹聴したことが大きい。採決を21日から26日に遅らせたことも造反者を増やしただけだった。

 もはや輿石氏の「罪」は隠しようがないが、首相は「党が一致していった方がいいことの確認と、選挙は今はまだないという問題意識の共有はあった」と密約をあっさり認めた。さらに輿石氏をこうかばった。

 「誰かの責任という話ではない。参院で法案を成立させる責任を執行部として共有したい」

 ある政界関係者は今月初め、ひそかに首相に面談した。法案成立に執念を燃やす首相に手を焼いた輿石氏に懐柔を依頼されたのだ。

 「9月の代表選再選を考えているのでしょう? 無理に採決すれば求心力はなくなりますよ」

 政界関係者がこう諭すと首相はきっぱりとこう言った。「採決しなければ私の求心力がなくなります…」

 衆院一体改革特別委で首相は、本会議採決に臨む心境を問われ「明鏡止水」と答えた。消費税導入が争点となった平成元年の参院選で宇野宗佑首相(当時)が自民党惨敗で引責退陣した際の言葉である。

 政治史好きの首相がそれを知らぬはずはない。そこまで決意を固めたならば、取るべき道は一つ。輿石氏ら党執行部を刷新した上で「獅子身中の虫」をたたきつぶすしかない。(加納宏幸)


<画像引用>

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無責任な「甘い夢」に執着する人しない人 - 小沢批判飛び交う「一体改革」社説集2012/06/27 07:29



あの時、朝日もまた無責任な「甘い夢」に乗っかっていたような記憶が…。

そのことには触れなくてもいいのか?


<社説集>

朝日:一体改革、衆院通過―緊張感もち、政治を前へ
国の借金が1千兆円に迫るなか、それは無責任な「甘い夢」だった
首相と小沢氏はこの際、きっぱりたもとを分かつしかない
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

 政権交代からまもなく3年。迷走を重ねてきた「決められない政治」が、ようやく一歩、前に進む。率直に歓迎したい。

 社会保障と税の一体改革関連法案が衆院を通過した。

 政権交代の時代、政党は「違い」を強調しがちだ。

 そんななか、民主、自民、公明の3党が、国の将来に直結する重要政策で歩み寄り、共同責任を負う意義は大きい。

■緊急避難的な選択

 衆院採決では民主党の小沢一郎元代表らが集団で反対し、民主党は分裂状態に入った。

 野田首相が「政治生命をかける」とまで言った法案に反対した勢力が、このまま同じ党にい続けるのはおかしい。

 首相と小沢氏はこの際、きっぱりたもとを分かつしかない。

 政党が選挙で競い、勝者が公約を実行する。それが議会制民主主義の要諦(ようてい)なら、3党協力の枠組みはそれとは矛盾する。

 しかし、与野党が角突き合わせ、身動きがとれない政治の惨状を打開するためには、やむをえない、緊急避難的な選択だと受け止める。

 09年総選挙で、民主党は「消費税は上げない」と言って政権を射止めた。国の借金が1千兆円に迫るなか、それは無責任な「甘い夢」だった。

 経済はグローバル化し、少子高齢化も進む。多くの制約のなかで、政治がとりうる選択肢は少ない。

 民主党政権の混迷を決定づけたのは、10年の参院選の敗北による「ねじれ国会」である。

 自民党もまた、政権を失うまでの2年間、福田、麻生両政権で「ねじれ国会」に苦悩した。

 首相が1年おきに代わるなど、この5年、2大政党はともに重い代償を払ってきた。そのことが、結果として今回の枠組みに結びついた。

■なれ合い、政争排せ

 この3党の協力態勢がいつまで続くかは見通せない。

 衆院議員の任期切れまであと1年あまり。来年夏には参院選がある。選挙が近づけば近づくほど、政党同士が必要以上に違いを強調し、足の引っ張り合いが激しくなるのが永田町の通例だからだ。

 実際、小沢氏らの造反で弱まった野田政権の足元を見るかのように、自民党はさっそく早期の解散・総選挙を求める声を強めている。

 国民そっちのけの政争で、政治を停滞させる愚を繰り返してはならない。

 逆の不安もある。3党が巨大な「数」をたのみに、手前勝手な方向に走り出すことだ。

 その芽はすでに現れている。

 原子力規制法案をめぐる3党の修正協議で、原発を稼働40年で廃炉にする条文を骨抜きにしかねない規定が盛られた。

 3党はまた、原子力の利用は「我が国の安全保障に資する」ために確保するとの文言を原子力基本法に追加した。「原子力政策の憲法」が、十分な議論もないままに変更されたのだ。

 自民党は、3年で15兆円の巨費を道路整備などにあてる国土強靱(きょうじん)化法案を提出している。この時代錯誤の提案に、民主党が歯止めをかけられるかどうかが問われる。

 3党協力の枠組みは「両刃(もろは)の剣」である。

 なれ合うことなく、緊張感をもって協力すべきは協力する。政権交代の時代にふさわしい政治文化を築く第一歩としたい。

■総選挙へ環境整備を

 政治がいま、回答を迫られている課題は山ほどある。

 たとえば、たなざらしのままの赤字国債発行法案や、最高裁に違憲状態と指弾された衆院の「一票の格差」是正だ。延長国会でこれら喫緊の課題を決着させる。それが最優先だ。

 3党は、社会保障政策について「国民会議」で1年間、話し合うことで合意した。政権交代で与野党が入れ替わっても、多様な分野で政治を前に進めていく責任を分かち合う。そんなルールと仕組みも整えたい。

 消費増税をめぐる政争の陰で先送りされてきた原子力政策、貿易自由化、震災復興など、日本の未来図にかかわる議論も加速しなければならない。

 一体改革は必要だが、民主党政権が消費税は上げないという国民との約束に背いたのは間違いない。「予算の組み替えなどで16.8兆円の新規財源を生み出す」とした、政権公約の根幹が実行不能な幻にすぎなかったことはいまや明らかだ。

 筋から言えば、ここは早期の解散・総選挙で信を問い直すべしという声が出るのは自然だ。

 とはいえ、衆院の「一票の格差」を正さなければ、解散・総選挙はできまい。それには区割りと周知に数カ月かかる。

 各党は、総選挙を行うための環境を早く整える必要がある。

 そしてそれまでの間に、各党がしっかりした財源の裏づけのある公約を練り直すべきだ。

 「国民会議」の議論は半ばになろうが、各党の主張は公約に反映させればいい。


毎日:大量造反で通過 民主はきっぱり分裂を
小沢元代表に大義ない
毎日新聞 2012年06月27日 02時30分(最終更新 06月27日 02時50分)
http://mainichi.jp/opinion/news/20120627k0000m070110000c.html

 民主党から大量に造反者が出る中、消費増税法案を柱とする税と社会保障の一体改革関連法案が衆院を通過した。民主党内の亀裂は、もはや修復不能であるのは誰の目にも明らかだ。ところが野田佳彦首相は造反者の処分について「輿石東幹事長と相談しながら厳正に対応したい」と語るのみで具体的に言及しなかった。一方、造反した小沢一郎元代表も直ちに離党はせず、「近く決断する」と述べただけだった。

 もはや、きっぱりと分裂する時ではないか。その方が有権者にも分かりやすいし、そうでなければ政党政治の根幹が揺らいでしまう。

小沢元代表に大義ない 関連8法案のうち消費増税法案に反対票を投じた民主党議員は57人に上った。野田首相にとって大打撃になったのは間違いない。しかし、造反者すべてが離党する意向ではないという。小沢元代表のグループとは一線を画す一方、輿石氏ら執行部が大量の造反者に除籍(除名)などの厳しい処分を下せるはずがないと見越している議員も少なくない。

 小沢元代表のグループの中にも離党して新党を結成するのは処分の行方や、衆院解散・総選挙の時期を見極めてからの方がいいとの意見がある。元代表は大量造反者の「数」を盾に、野田首相を揺さぶりたいのかもしれない。このため、なおしばらく党内抗争が続く可能性がある。


日経:「決める政治」の道筋を示した3党連携
反対票を投じた議員はあらかじめ離党しておくのが筋
2012/6/27付
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43046000X20C12A6EA1000/

 「決める政治」への一歩として評価したい。社会保障と税の一体改革関連法案が衆院で可決された。民主、自民、公明の主要3党が無用ないがみ合いをやめれば政治は動く。それが分かったことが一番大きい。

 古今東西を見渡して増税が好きな国民はまずいない。1979年に一般消費税導入に失敗した大平正芳首相をはじめとして、税の歴史には討ち死にした政治家の死屍(しし)累々である。

 消費税率を5%に引き上げてから15年。自民党政権も民主党政権もさらなる引き上げは避けがたいと内心思いつつ、難題を先送りしてきた。自身の安泰のみを願う国会議員の利己的な姿は国民の政治への信頼を大きく損なった。

 厳しい選択を迫られたギリシャをみて、下手をすればあすは我が身と感じなかったか。苦い薬も飲まなくてはならないときがある。日本政治も転機を迎えるべきだ。

 自民党の谷垣禎一総裁は民自公の3党が直ちに大連立することには否定的だ。来年9月までに次期衆院選があることを考えれば第1党と第2党が争いつつ政権をともにするのは簡単ではないだろう。

 だからといって民自公3党に今回生まれた連携の機運をこれきりにしてしまうのはもったいない。

 3党合意で宿題となった社会保障分野の抜本改革に加え、赤字国債発行法案の処理や補正予算案の編成など3党がよく話し合えばよりよい結論が得られる案件がまだまだある。違憲状態が続く衆院の1票の格差の是正も急務だ。

 次期衆院選までに解決すべき懸案は何か、与野党が入れ替わってもやるべき中長期の課題は何か。3党が政策協議を続け、合意した案件は迅速に処理する「部分連合」のような形はあってよい。

 残念なのは一体改革法案の採決で民主党から大量の造反者が出たことだ。基本政策で立場が異なるならば別々の道を行くしかない。反対票を投じた議員はあらかじめ離党しておくのが筋だった。

 造反を主導した小沢一郎元代表らは当面は党にとどまる意向のようだ。輿石東幹事長は「党の分裂は避けたい」としているが、割れた器をいくら繕っても水漏れするばかりだ。

 野田佳彦首相は「厳正な処分」を明言した。除名を排除すべきではない。ここで腰砕けになってはせっかく衆院を通過した法案の参院での審議もおぼつかない。


読売:一体法案可決 民自公路線で確実に成立を(6月27日付・読売社説)
残念なのは小沢グループを中心に57人もの民主党議員が反対したこと
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120626-OYT1T01594.htm

 ◆造反には厳正な処分が必要だ

 財政再建と社会保障制度改革を推進するための大きな一歩だ。

 消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革関連法案が衆院本会議で民主、自民、公明、国民新各党などの賛成多数で可決された。衆院議員の実に約8割が、賛成票を投じたことを評価したい。

 「決められない政治」に決別し、参院で法案を確実に成立させなければならない。

 残念なのは、消費増税法案の採決で小沢一郎元代表のグループを中心に57人もの民主党議員が反対したことである。

 ◆民主はもはや分裂状態

 仮に造反議員が54人以上、離党すれば、民主、国民新の連立与党は衆院で過半数に届かず、少数与党に転落する。民主党はもはや分裂状態だ。党執行部が統率力を欠いていることの証左である。

 野田首相の政権運営は、一層困難になる。民自公の3党合意を堅持する一方で、政権党としての体を成していない民主党の態勢を立て直す必要がある。そのための第一歩が、造反した小沢氏らへの対応にほかならない。

 小沢氏は、採決後、グループの会合で今後の対応について一任を取り付けた。「近いうちに決断しなければならない」とも語った。離党と新党結成を視野に野田政権を揺さぶる考えなのだろう。

 表向きは「国民の生活が第一」と政権公約(マニフェスト)にこだわる姿勢を示しながら、実際は次期衆院選をにらんで、グループの生き残りを図っているだけではないのか。

 鳩山元首相も「マニフェストにまるでなかった」として消費増税法案に反対し、オーナー気取りで離党は考えないという。鳩山氏こそ、実現性の乏しいマニフェストを主導し、国民を欺いてきたことを猛省すべきだ。

 造反議員がこれほど多数に上ったのは、民主党の政策決定過程が未熟であいまいなことと合わせて、輿石幹事長が採決前、造反しても寛大な処分とすることを示唆したからではないか。

 民主党では法案採決での造反を理由に除名とした例はないというが、今回は首相が「政治生命を懸ける」と言明した法案である。

 自民党の谷垣総裁は、参院で一体改革法案の審議に協力する前提として、造反議員への厳しい処分を求めている。

 首相も厳正に対処する意向を示した。民主党執行部は、早期に、重い処分を下すべきだ。特に、新党結成にまで言及している小沢氏に遠慮は要るまい。

 党としてのけじめを明確にしなければ、自公両党との信頼関係が揺らぐ。参院での採決時にも造反議員が続出しかねない。

 ◆自公の協力を評価する

 首相は、採決後の記者会見で、「将来の世代にツケを回すのは限界だ。社会保障の安定財源を確保し、財政健全化を達成するのが一体改革の意義だ」と強調した。

 国債や借入金など国の借金は昨年度末で約960兆円に上り、国民1人当たり750万円を超す。高齢者は増え続け、社会保障予算は年1兆円ずつ自然に膨らむ。

 借金財政でしのぐ手法を繰り返せないのは、誰の目にも明らかである。

 首相は、今年に入って2度の内閣改造を強いられるなど、政権運営で不手際も目立ったが、一体改革では全くぶれずに実現へ突き進んできた。その姿勢は評価されるべきだ。

 無論、自民、公明両党の協力がなければ、到底、法案成立への道筋は描けなかった。

 衆院解散の確約を得られなかったにもかかわらず、自公両党が修正協議に応じ、賛成に回ったことは重い決断だった。長年、政権を担ってきた政党として、責任ある態度を示したと言える。

 法案成立まで、なおハードルはあるが、民自公3党の「部分連合」を保てば乗り切れよう。

 ◆「0増5減」実施を急げ

 参院では、社会保障の給付削減など「効率化」や、デフレ脱却の議論も深めるべきだ。消費税率引き上げの影響が大きい低所得者への対策として「軽減税率」導入の検討を重ねてもらいたい。

 3党は、一体改革以外の懸案にも取り組まねばならない。赤字国債の発行を可能にする特例公債法案を成立させる必要がある。

 衆院の選挙制度改革も忘れてはならない。「違憲状態」との司法判断が出ている。いまだに何ら具体的な手立てを講じていないのは与野党の怠慢と言うしかない。

 自公両党との協力で「0増5減」を先行して実施し、1票の格差を是正することが急務である。 (2012年6月27日01時18分 読売新聞)


産経:【主張】増税大量造反 3党合意これで持つのか 首相は除名処分を決断せよ
筋通らぬ小沢氏の行動
2012.6.27 03:12
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120627/plc12062703120002-n1.htm

 野田佳彦首相が政治生命を懸けると表明した社会保障・税一体改革関連法案は、民主、自民、公明3党などの賛成多数で衆院を通過した。だが、57人という多数の民主党議員が反対票を投じた。

 民主党は事実上分裂したが、最重要法案に反対した分裂の張本人である小沢一郎元代表は、「党にとどまり再生に努める」と語った。これは筋が通らない。

 社会保障の安定財源確保に消費税増税は避けられず、法案の衆院通過は評価したい。

 問題は、衆院本会議で支持議員らとともに反対した小沢氏が当面、離党しないとし、首相がこれを容認するかのような態度を見せていることである。これで3党合意が持つのだろうか。

 ≪筋通らぬ小沢氏の行動≫

 小沢氏は支持議員らから離党届を集め、新党結成も視野に造反に踏み切ったのではなかったか。

 首相は26日の記者会見で、造反者らへの処分について、「輿石東幹事長と相談し、党のルールに従って厳正に対応する」と述べた。法案採決をめぐる造反では過去、除名処分はない。発言通りなら党員資格停止処分止まりとなり、「茶番劇」に終わりかねない。

 一体改革関連法案は、素案、大綱など党内論議を重ねて国会提出にこぎつけ、ようやく与野党の合意で衆院通過に至った。首相が法案成立を前進させた意義は小さくないだけに、法案阻止を唱える勢力を党内にとどめることは、これまでの議論の蓄積を無にするものである。

 自民党は造反者への厳しい処分を求めており、民主党がそれに応えなければ参院審議の行方も不透明になる。首相は除名処分を決断し、「決められない政治」からのさらなる脱却を目指すべきだ。

 小沢氏の政治行動に疑問を呈したい。

 小沢氏らは、修正合意を通じて、最低保障年金創設や後期高齢者医療制度廃止などマニフェスト(政権公約)の政策が後退したと批判してきた。問題は、小沢氏も内容に責任のあるマニフェストで無駄の削減により16・8兆円の財源を捻出すると謳(うた)いながら、できなかったのに、なおもできるかのように言い続けていることだ。

 今月14日発売の「週刊文春」では、小沢氏の妻、和子さんが支援者に宛てた手紙が掲載され、東日本大震災発生直後、小沢氏が放射能が怖くて東京から逃げ出そうとしたことも書かれている。

 小沢事務所は否定しているが、事実なら被災地を選挙区に持つ政治家として許されない行動だろう。小沢氏自ら説明すべきではないのか。

 関連法案は、現行5%の消費税率を平成27年10月までに2段階で10%に引き上げるのが柱だ。

 国の借金は国内総生産(GDP)の約2倍に相当する1000兆円規模に達する。財政再建を行う意思を明確にできなければ、日本の国債に対する国際的な信認を失いかねない。法案の成立は急務である。

 ≪社会保障の見直し急げ≫

 3党合意に基づく法案の内容には多くの問題点が残されている。本格的な高齢社会に対応するため、増税と同時に社会保障費の伸びに歯止めをかけることが不可避だが、法案では社会保障分野の改革が置き去りにされた。

 70~74歳の医療費窓口負担の2割への引き上げや、デフレ下で年金額を下げる自動調整の仕組みの導入、年金の支給開始年齢の引き上げなど、国民に痛みを求める項目は軒並み外された。むしろ、低所得の高齢者向けに「給付金」をばらまくなど社会保障費の膨張を加速させている。

 高齢者を含め、支払い能力に応じて負担する仕組みに改めない限り、社会保障制度自体が維持できなくなる。

 法案は、受益と負担の均衡がとれた制度を確立するための改革を、「社会保障制度改革国民会議」を設置して1年以内に実施するとしている。

 国民会議では、最低保障年金や後期高齢者医療制度の廃止といった民主党マニフェストの見直しが議論の中心になろう。これらの政策は莫大(ばくだい)な費用を要するなど現実的ではなく、国民会議で実効性のある政策論議を行うためにも、民主党の白紙撤回が先決だ。

 切り込み不足に終わった今回の法案の再修正なども国民会議でまとめ上げなければならない。