Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

竹中平蔵「日銀は変化球やめ国債購入の直球投げよ」 vs. 白川方明「際限ない国債買い入れは制御不能なインフレ招く」2012/04/22 15:48



結論からすれば竹中が指摘したように「日銀は政府を信用していない」ということ。
日銀は政府が信用できないから際限ない国債買い入れなどやらないと。

ついでに「政府は自らの支払い能力を超えて借金を重ねることはできない」とお説教。
おまけに「ソブリン危機は前触れなしに顕在化する可能性がある」の脅し付き。

政府を信用しない日銀が悪いのか。
それとも日銀から信用されない政府が悪いのか。

竹中が投げた変化球を巧みに打ち返した白川。
打球は意外にも歴代政府向かって一直線。

「今がすべて」で積もり積もった巨額の借金。
自民・民主含め歴代政府のお偉いさんたちはみんなオロオロ。
見事にキャッチできる政治家などいるものか。


<関連記事>

日銀は変化球やめ国債購入の直球投げよ-竹中氏
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2QACL0D9L3501.html

4月20日(ブルームバーグ):慶應義塾大学の竹中平蔵教授は、日本銀行はデフレ脱却のため、成長基盤強化の資金供給のようなその場しのぎの「変化球」ではなく、マネー供給の手段である国債の購入という「直球」に徹するべきだとの認識を示した。また、金融の専門家が少ないことなど、政策委員の資質にも問題があると指摘した。19日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

日銀は3月13日の会合で、金融政策運営の現状維持を決める一方で、成長基盤強化を支援するための資金供給を従来の3.5兆円から5.5兆円に拡大した。しかし、竹中氏は「これは日本政策金融公庫の仕事であって、日銀の仕事ではない。日銀は常に、直球を投げようとせず、変化球でその場をしのごうとしている」と語る。

竹中氏がいう直球とは国債の購入だ。「中央銀行は市場からモノを買ってマネーを供給する。最も買いやすいのは、中央銀行のバランスシートにとって最もリスクの小さい国債だ」と指摘。「国債を全部買って、もう買うものがないというのであれば、外債など他のものを考えればよいが、今はそういう状況からはほど遠い」という。

竹中氏は政策委員に対しても手厳しい。「国会という手続きを経ると速やかな判断ができない、かつ金融は極めて技術的だから専門家に任せる、これが中央銀行を政府から独立させ別に作っている最大の理由だ。ところがその大半が専門家でないのが日銀だ」と指摘。「金融の博士号を持っている人が何人いるのか。財界人枠などがあり、金融と関係ない人もいる。これは非常におかしなことだ」と語る。

10年前の議事録

日銀は2月14日の金融政策決定会合で、消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域、当面1%を「物価安定のめど」と明示。その上で、当面1%を目指して、それが見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明した。竹中氏は「一歩前進とまでは言えないが、半歩よりは前に進んだ」という。

2月の決定の2週間前、2003年7-12月の決定会合の議事録が公表された。竹中氏は当時、経済財政政策担当相として会合に出席した。「私はインフレ目標を真剣に考えてほしいと主張したが、支持したのは中原伸之審議委員(当時)だけで、非常に強く反対された。10年前に拒否したものを今やることにどういう正当性があるのか、きちんと説明してもらいたい。それが説明責任だ」と語る。

竹中氏は「物価安定のめど」が一歩前進とまでは言えない点として「目標に幅を持たせ、そこから外れた場合にどういう責任を取るのかを明記しなくてはならない」と指摘。さらに、誰が目標を作るのかについても「目標を共有するという意味で、本当は政府と日銀の間で合意できればよいが、それができないのであれば、日銀法を改正して新たなルールを作るしかない」と主張する。

このチャンスを生かせ

日銀は27日、経済・物価情勢の展望(展望リポート)でコアCPI(生鮮食品を除くベース)の前年比上昇率の見通しを示すが、12、13年度ともプラス1%に達しないとみられている。竹中氏は「1%に達しないのだとすると、1%を目指すと言いながら、予測している姿が違っているというのは、いったい何なのか。その意味では、一歩前進とはまだ言えない」という。

竹中氏は一方で、「日銀の決定が人々の期待を変えていることは事実であり、期待の変化がその後の若干の為替レートの変化と、株式相場の変化になって表れている」と指摘。「今回一番大事なことは、金融政策が有効だということが、すごく明確に出たことだ。このチャンスに、これを決定的なものにしてもらいたい」と語る。

白川方明総裁は「中央銀行による国債の買い入れが、金融政策運営上の必要性から離れて、財政ファイナンスを目的として行われていると受け止められると、かえって長期金利の上昇や金融市場の不安定化を招きかねない」(2月17日の講演)と述べるなど、中央銀行による大規模な国債の購入には慎重な姿勢を取り続けている。

政府を信用できないなら拒否せよ

国債の大量購入、その結果として、日銀のバランスシート拡大がもたらすデメリットについて、竹中氏は「唯一考えられるのは、どこかでデフレからインフレに変わり、ハイパーインフレが起こらないかという、漠然とした不安だ」と指摘。「実はそのために、インフレ目標がある。インフレ目標には上限があるので、インフレが高くなりすぎたら抑えればよい」という。

その上で「察するに、日銀は政府を全く信用していないということだ。政府が何をするか分からないので、自分たちのバランスシートを守ろうとしている」と言明。「もし日銀の政策委員が政府を信用できないというのであれば、要請された段階で、私はあなたを信用できないからやらないと、そこで拒否すべきだ」としている。


際限ない国債買い入れ、制御不能なインフレ招く=白川日銀総裁
2012年 04月 22日 09:54 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK078791020120422

 [ワシントン/東京 21日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は21日、訪問中のワシントンでフランス銀行主催のパネルディスカッションの参加し、国債への信認が低下することによる金融システム不安を抑えるため中央銀行が際限のない国債買い入れなどを行えば「制御不能なインフレを招く」と警告、中銀の流動性供給で時間を買える間に財政改革を進める重要性を強調した。
 

 白川総裁は、欧州金融市場に小康状態をもたらした欧州中央銀行による長期資金供給オペ(LTRO)は、「あくまで『時間を買う』政策に過ぎない」と指摘。市場が落ち着き、かえって財政への危機意識が薄れ、財政赤字拡大から金融システム不安が再燃すれば、「中央銀行が国債担保の流動性供給、あるいは国債買い入れを通じて、最終的に際限のない流動性供給に追い込まれる可能性がある」と警告。「膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えにしたがえば制御不能なインフレ」と言い切った。

 日本については、「人々が将来の財政状況への不安から支出を抑制し、そのことが低成長と緩やかなデフレの一因になっていると考えられる」と指摘した。

 総裁はフランス銀行の「フィナンシャル・スタビリティ・レビュー4月号」にも寄稿し、日本で低金利が続いている背景として、「国債利回りが低位安定的に推移すると、その事実自体が国債の安全性評価をさらに高めてその保有動機を強めるように作用する」ためと説明。

 しかし、政府が「自らの支払い能力を超えて借金を重ねることはできない以上、投資家が信用リスクを意識し始める臨界点がどこかに存在する」と警告。投資家が他の投資家が国債を売却すると予想することが利回りを押し上げる「自己実現的なプロセスがひとたび作動すると、『市場取り付け』に至ってしまう可能性がある」と述べ、そのような「ソブリン危機は、前触れなしに顕在化する可能性がある」と指摘した。


中銀による政府救済は危険=「最後の貸し手」効果に限界-日銀総裁
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012042200066

 【ワシントン時事】日銀の白川方明総裁は21日、フランス銀行(中央銀行)主催の討論会で、財政の持続性に対する信認低下で金利が上昇し、金融システムが不安定化した場合、中銀が「最後の貸し手」として資金を供給することは「短期的には有効性を発揮する」と指摘した。一方で、「中銀が政府の(救済のための)『最後の貸し手』となることは非常に危険だ」と述べた。(2012/04/22-11:26)