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マーティン・ウルフ「中国は他国と違うだろうか?」、次の世界金融危機は中国発か2012/03/01 08:28



ラインハートとロゴフに言及しながら、
「中国は他国と違うだろうか?」と疑問を投げかけたマーティン・ウルフ。

ウルフ手法を先取りしていたのは本ブログ。
「中国はバブルを防げなかった日本や米国とは違うのか?」
そう書いたのは2010年7月7日のこと。

「ゆっくりとした自由化は正しい」と金融危機回避に期待を示すウルフ。
それでも「悲惨な結果を招く恐れ」をしっかりと認識しているウルフ。

バブル崩壊から金融危機へ。
その時が来たら、日本と中国では大きく異なる点もあるはず。

それはきっと国民の反応。中国では暴動やデモ頻発。中国国内は大荒れ。
一党独裁の弱点がむき出しになるだろう。

さらに中国の混乱は北朝鮮にも飛び火。中朝同時パニックに陥る可能性も。
中朝から難民が押し寄せてくる事態も一応想定した方がいいのではないか。

さて、これから先の日本海側売れ筋予測。
双眼鏡、打ち上げ花火&爆竹、ロープ、硬球&ゴルフボール、金属バット…。

そんな日が来ないことをウルフと共に祈りたい。


<関連記事>

Financial Times
次の世界金融危機は中国発か?
中国のゆっくりとした自由化は正しい
2012.03.01(木)
(2012年2月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34661


次の大規模な世界金融危機は中国から生じるだろう。これは確固たる予想ではない。だが、金融の自由化とグローバルな統合を遂げた後に危機を回避した国はほとんどない。

 1930年代の米国、1990年代初頭の日本とスウェーデン、1990年代半ば以降のメキシコと韓国、そして今の米国、英国、ユーロ圏諸国の大半について考えてみればいい。

「中国危機」を回避できるか?

 金融危機はあらゆる種類の国を苦しめる。ピーターソン国際経済研究所のカーメン・ラインハート氏とハーバード大学のケネス・ロゴフ氏が指摘したように、金融危機は「機会均等の脅威」だ。中国は他国と違うだろうか? それは、中国の政策立案者たちが今の警戒を緩めなかった場合に限る。

 中国人民銀行(中央銀行)が中国の金融システムの自由化の加速を提案したという先週の報道は、こうした警戒に満ちている。

 中国および世界が抱える利害を考えると、自由化が持つ意味について考えることが極めて重要だ。熟慮すれば、世界は以前よりもうまくこのプロセスを管理できるかもしれない。

 今回の計画は、人民銀行のウェブサイトではなく、国営新華社通信によって公表された。さらに、この計画は人民銀行の総裁や副総裁の名前ではなく、調査統計局の盛松成局長の名前で出された。ということは、政策を示したというよりは、世論の反応を探る意味合いが大きいに違いない。

 それでも、計画は人民銀行の承認を得たうえで発表されており、それよりずっと格上の実力者の承認を得ている可能性も十分ある。

3段階でゆっくり進める改革

 新華社の記事は、改革に向けた3段階について説明している。向こう3年間で実施される第1段階の改革は、国外での中国の投資拡大への道を切り開く。「欧米の銀行と企業の規模縮小が中国による投資の余地を生み出し」、その結果、中国に「戦略的な機会」を与えたことが背景にある。

 向こう3~5年で実施される第2段階の改革は、人民元の対外融資を加速させる。長期的には、今後5~10年内に外国人が中国の株式や債券、不動産に投資できるようにする。「最終段階」は人民元の自由兌換で、その実施時期は明示されていない。

 また、この最終段階は「投機的」な資本移動と短期的な対外借り入れの制限と併せて実施される。要するに、完全な統合は無期限で先送りされるということだ。

 この計画が持つ意味合いは何か? その答えは、計画は賢明に見えるということだろう。そうした見解に至るには、金融の「改革開放」が中国と世界にもたらす恩恵とリスクを考慮しなければならない。

金融の「改革開放」の恩恵とリスク

 こうした対外開放(自由化)を支持する論拠は、国内改革を支持する論拠と密接に絡み合っている。実際、後者に先立って前者を実施することはできない。中国の政策立案者たちも承知しているように、現在の高度に規制された金融システムを世界に開放することは、大惨事を招くレシピだ。

 だからこそ、今回の計画が示唆しているように、人民元の完全な兌換性の実現は遠い将来のことになるわけだ。

 幸い、国内改革を進めるべき論拠は強力だ。中国が間違いなく望んでいるように、成長を維持すると同時に生産性で先進国と張り合えるようになりたいと思っている経済国にとっては、ダイナミックな金融市場は必須要素だ。

 もっと目先の問題については、ピーターソン国際経済研究所のニコラス・ラーディー氏が最近の研究で次のように指摘している。

 「預金金利が実質マイナス金利になっている状況は、銀行システムの大口預金者(純額ベース)である家計に高い暗黙の税を課し、住宅に対する過剰投資を招く。一方、マイナスの実質貸出金利は、資本集約型産業への投資を助成し、その結果、軽工業やサービス業に有利になるよう経済を再編するという目標を損ねてしまう」*1

政治的に困難で、経済的に混乱を招く制度改革

 だが、ラーディー氏も理解しているように、この歪んだ金融制度は、貯蓄に税を課し、投資を促し、消費を抑制するもっと大きな制度の一環だ。それが外国為替市場への大規模な介入と莫大な外貨準備の積み増しにつながってきた。

 改革を支持するより根本的な議論は、この制度がもはや、望ましい発展パターンに貢献していないということだ。だが、今の制度が経済に根づいてしまったため、改革は政治的に困難で、経済的に混乱を招く。実際、改革が政治的に実行可能かどうかということまでが論点となる。これは間違いなく、ゆっくりとしたプロセスになるだろう。

 では、人民銀行が提案した自由化に向けた取り組みは、これほど慎重な改革とどう合致するのだろうか? 

 恐らくは、今後5年間で見込まれている資本流出の自由化が、外貨準備の積み増しを部分的に代替するのだろう。だが、もしこうした流れが提案されている実質金利の上昇とともに進んだら、中国の貯蓄と経常黒字が爆発的に増加し、対外不均衡を悪化させる恐れがある。

世界全体に多大な影響を及ぼす自由化の成否

 この点は、中国の改革と金融セクターの自由化の性質に対して、世界がどれほど大きな利害を持つかを浮き彫りにしている。中国の総貯蓄は現在、年間3兆ドルを優に上回るペースで推移している。米国の総貯蓄より50%以上高い水準だ。こうした莫大な資金が完全に統合されれば、間違いなく世界に多大な影響を及ぼす。

 既に巨大な中国の金融機関もほぼ間違いなく、今後10年間で世界最大の金融機関になるだろう。どんな危険が潜んでいるのかを理解するには、1980年代の日本の統合と、その後の金融崩壊を振り返ってみるだけでいい。それゆえ我々は、中国が慎重なアプローチを取っていることを喜ぶべきなのだ。

 中国経済がより均衡の取れた経済成長へシフトすることに対し、世界は多大な利害を抱えている。中国が国内改革と金融システムの自由化を管理する方法に対しても、共通の利益を持つ。金融規制、金融政策、為替制度をはじめ、あらゆる分野の政策を調整する必要がある。

 これが首尾よく実行されれば、現在の高所得国の危機に続いて、2020年代、あるいは2030年代の「中国危機」が起きることはない。一方、うまくできなければ、中国でさえ事態を制御できなくなり、悲惨な結果を招く恐れがある。

 人民銀行が提案している改革の行程表は、中国と世界のニーズに合致する。だが、これが実現されるためには、今すべての影響について徹底した議論が行われなければならない。中国の政策は中国人だけにとって重要なわけではない。米国が気づいているように、超大国であるということは、そういうことなのだ。

Next big financial crisis will be made in China
China is right to open up slowly
By Martin Wolf
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/a44d9cec-6163-11e1-94fa-00144feabdc0.html#axzz1nmoUW9rw


チャイナより愛をこめて、ケネス・ロゴフに接近するのはチャイナドレスの美人スパイ?
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/07/07/5204002

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