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世界の金利に異変 米独「マイナス金利」、新興国は長短逆転、スイスでは「マイナス金利」で心理戦2011/12/23 08:11

世界の金利に異変 米独「マイナス金利」、新興国は長短逆転、スイスでは「マイナス金利」で心理戦


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世界の金利に異変 米独マイナス、新興国は長短逆転 (画像引用)
2011/12/23 2:00
http://s.nikkei.com/uZR2Wf

 国際金融市場で金利のひずみが大きくなってきた。安全資産とされる日米の国債に資金が流入する一方、欧州や新興国では金利が上昇。貸し手が金利を支払う「マイナス金利」や、短期と長期金利の逆転といった異常な事態が起きている。リスク回避が加速して金利のひずみが拡大すれば、実体経済にも影響が及びかねない。

 欧州債務問題が長引くなか、投資家は日本国債を安全とみて購入を増やしている。外国人の国債保有は最近1年間で30%も増加。財務省の国庫短期証券(TB)入札では、需要の強さを示す応札倍率が19日に8倍を超えた。

■欧州危機の余波

 日本国債を上回る規模で投資マネーが流れ込んでいるのは米国債とドイツ国債。いつでも現金に換えられる短期国債の需要が強く、今月に入って1~6カ月物がマイナス金利で取引されている。それでも米独の短期国債が買われるのは「価格下落のリスクが小さく、安全性が高いため」(みずほ証券の末広徹氏)。

 債務危機の震源地である欧州では、金のリース市場でもマイナス金利が続く。金の借り手が金利を支払う仕組みだが、今は欧州銀行が保有する金を貸し出し、さらに金利を払ってドルを受け取っている。銀行間でドルを調達しにくい状況が異常な事態を生んだ。

 欧州危機で国債の信認が揺らぎ、投資資金をより安全な資産に移す動きが広がった。影響を受けているのは新興国だ。

■苦渋の利上げ

 通常なら償還期間が長いほど、国債の利回りは高い。だがタイでは2年物の利回りが5年物を超える水準まで上昇。ポルトガルなどに加え、インドでも一時は2年物国債の利回りが8%台後半に上昇し、10年物国債の利回りを上回った。

 長短金利の逆転が起きているのは、投資資金の引き揚げに備え、期間が短い国債を売却して現金を確保する動きが相次いでいるからだ。資金流出や自国通貨安にさらされるハンガリーの中央銀行は20日、景気低迷にもかかわらず、2カ月連続の利上げに踏み切った。

 優良企業の社債利回りが国債を下回る信用力の逆転も起きている。

 イタリアの電力大手エネルの5年債の利回りは5%台前半。6%を超えるイタリア国債の利回りを大きく下回る。スペインの携帯電話大手テレフォニカの1年物社債の利回りも約3.2%と、スペイン国債より0.1%程度低い。通常ならば各国の市場で最も信用力が高いのは国債だが、債務危機で国債に過剰な売り圧力がかかっている。

 欧州危機が金利体系をゆがめる事態を招いたのは、従来の危機とは違って金融市場に資金があふれているからだ。リーマン・ショック対応の金融緩和などで、世界のドル流通量は6兆ドル(約470兆円)を超え、最近5年間で2.5倍に膨らんだ。投資家が一斉にリスク回避に動けば、特定の国に巨額の資金が集まって、金利が極端に振れやすくなる。

 アジアや中・東欧の新興国は海外の資金を使って生産設備の増強などを進めてきた。日米などの特定国に投資マネーが偏れば、成長分野に十分な資金が回らず、世界経済が減速する恐れがある。


▼マイナス金利とは

 債券取引では売買価格が上昇すると、満期までの投資収益を示す年平均利回りは低下する。市場の混乱などで特定の国債に人気が集中すると売買価格は急上昇する。この価格には上限がないので、一定の水準を超えると利回りは0%を下回る状態に陥る。計算上は投資家が金利分を払って購入するのと同じことで、いわば損を覚悟で投資することを意味する。投資による利益より現金化のしやすさを優先する場合などに起きる。リーマン・ショック時の米国でも短期国債でマイナス金利が発生した。


〔焦点〕マイナス金利導入の可能性探るスイス政府、実現性薄く口先介入が目的か
2011年 12月 13日 15:48 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK806028920111213

 [チューリヒ 12日 ロイター] スイス政府はフラン高抑制策の一環として、オフショアの銀行預金にマイナス金利の導入を検討する姿勢を示している。だが、実施に向けては課題も多く、実際に行動の構えを示したというよりも、フラン高抑制を目指した口先介入と言えそうだ。
 
 スイスには債務危機に苦しむ欧州諸国から多額の資金が流入し、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が9月6日にフランの対ユーロ相場に1ユーロ=1.20フランの上限を設定するまで、フランの高騰が続いていた。

 それを受けてフラン高は一服したが、スイス経済が景気後退(リセッション)入りする懸念が強まる中、政治家や関係者の間では、フランは依然として高すぎる水準にあるとして、上限の引き下げなどさらなる措置を求める声が高まっている。

 ビドマーシュルンプフ財務相は先週、そうした訴えに対応し、オフショア預金への課税などを含む資本規制策やマイナス金利の導入について、作業部会で検討していると明らかにした。

 しかし、アナリストは、マイナス金利は金融センターとしてのスイスの評価を傷つけるもので、実行は難しいと指摘。財務相のコメントはフラン相場の押し下げを狙った口先介入に過ぎないと受け止めている。

 プライベートバンクであるヴォントベルのチーフストラテジスト、Thomas Steinemann氏は「マイナス金利は最後の手段だ」とした上で、「心理戦争もゲームの一部で、市場を自分の望む方法に動かすには圧力を加える必要がある」と語っている。

 ヒルデブラント総裁やジョルダン副総裁らSNBの幹部は、11月初め以降、SNBが何らかの措置を講じる可能性を示唆することを通じ、フラン相場の押し下げを目指してきた。今回のビドマーシュルンプフ財務相によるコメントも、政府がフラン高抑制のため最善を尽くす方針を強調する戦略のようだ。

 <実行へのハードル>

 だが、スイス政府が1972年7月に資金流入抑制のため預金に対する課税策を導入した際も、大きな効果はなかった。むしろ、1978年に対独マルク相場の上限を設定した時の方が、フラン高抑制に成功した。

 SNBのヒルデブラント総裁も、スイスへの資本流入は多くがデリバティブを通じたものであるため、マイナス金利はフラン高を抑える効果をさほど期待できない、との認識を示している。

 サラシンのエコノミスト、Ursina Kubli氏は「(マイナス金利は)魅力的なアイディアだが、それほど簡単ではない。1970年代と異なり、現在はグローバル化が進んでおり、実行するのははるかに困難だ。スイスの銀行センターとしての評価も損なわれる恐れがある」と懸念している。

 SNBのロート前総裁も2009年に、いかなる資本規制を導入しても、フランの取引がスイス当局の手が及ばない海外に逃げるだけで、逆効果になりかねないとの見方を示している。

 スイスのシンクタンク、アベニール・スイスによると、現在はフラン取引の約60%が海外で行われている。東欧諸国の住宅ローンも多くがスイスフラン建てとなっているが、それはスイスの銀行が提供したものではない。

 しかも、預金に対する課税策は世界最大の金融センターであるスイスの地位を損ないかねないとして、UBS(CSGN.VX: 株価, 企業情報, レポート)やクレディ・スイスUSBN.VXなどが強硬に反対を唱えている。

 アベニール・スイスのバイスディレクター、Boris Zuercherも「それは金融センターの『死』を意味する」と警告する。

 また、預金税導入に必要な銀行法改正を行うには議会の承認が必要だが、直接民主制を採用するスイスでは、その手続きに長い時間がかかる。

 ユーロ圏の債務危機に出口が見えない中、ビドマーシュルンプフ財務相は、ユーロ圏が解体された場合に備えて非常対策を準備していると明らかにした。万が一そういった事態が起きれば、SNBが設定したフラン相場の上限は維持不可能となり、実際にマイナス金利の導入を迫られかねない。

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