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カウントダウン・ユーロゲドン:ドイツのバズーカ不発でユーロ崩壊?、暴動に備え始めた英国2011/11/29 05:55

カウントダウン・ユーロゲドン:ドイツのバズーカ不発でユーロ崩壊?、暴動に備え始めた英国


<関連記事引用>

▼始まったユーロ圏崩壊へのカウントダウン
2011/11/28 14:00
(2011年11月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://s.nikkei.com/t96qeB

 ユーロ共同債や債務の貨幣化、量的緩和などで、政治家たちが重い腰を上げるのは、事態が相当に悪化してからだ。ユーロ圏をめぐる議論では必ずといっていいほどこうした指摘を耳にする。果たして本当だろうか。こうした主張は緊急時の集団行動の問題を無視している。

■ドイツ国債の不調で新局面に

 欧州債務危機は先週、新たな段階に達した。ドイツ国債の入札が予想外の不調に終わり、スペインとイタリアの短期国債利回りが急騰したため、ユーロ圏全域で国債市場が機能停止状態に陥った。

 銀行部門も傷ついている。ユーロ圏経済の重要な部門が資金調達に支障をきたしている。世界の投資家が資金を引き揚げ、域内市民もひそかに銀行預金を引き出している。

 ユーロ圏の信認が大幅に崩れたことで、ユーロ救済に向けた戦略が壊滅的な打撃を受けた。欧州金融安定基金(EFSF)の力の源泉は株主(ユーロ加盟国)による保証だが、債務危機がフランスやベルギー、オランダ、オーストリアなどに広がったため、EFSF自体に債務危機が伝染してしまった。劇的に状況が変化しない限り、ユーロ圏は近々崩壊しかねない。

■ECBの抜本策、ユーロ債、財政統合を

 理論上は今すぐにでも問題解決は可能なのだが、選択肢は一段と狭まりつつある。ユーロ圏は3つの決断を早急に下さなくてはならない。

 まず第1に、欧州中央銀行(ECB)は域内銀行への短期流動性を増やす抜本策に加え、国債の利回り差(スプレッド)の上限を無条件で保証するか、EFSFを直接支援するかどちらかを受け入れなければならない。これで銀行が破綻するという差し迫った脅威には対処できる。

 2点目は、ユーロ共同債の導入に向け、しっかりとした工程表を示さなくてはならない。欧州委員会は共同債に「安定債」と曖昧な名前をつけている。ユーロ共同債についてはいくつかの案が検討されている。名称はどうでもいいが、重要なのは信頼できる規模の連帯負担を伴うという点だ。国境を越えて政府同士が国債を保証するという狂気の沙汰を終わりにしなくてはならない。こうした保証は危機の解決策となるどころか、今では危機拡大をあおっている。

 3つ目の決断は財政統合だ。財政統合が実現すれば、国家主権の一部が失われるが、財政政策や経済政策全般にも対処できる信頼のおける制度的枠組みが作られる。ユーロ圏には首脳会議でコーヒーとデザート越しに話し合われるその場しのぎの協調ではなく、適切な人員が配置された財務省が必要だ。

■12月9日の合意が必須

 こうした3つの要素を含む妥協策について予備的協議が行われているようだ。12月9日の欧州連合(EU)首脳会議で合意に達することができれば、ユーロ圏は存続する。合意できなければ、ユーロ圏は暴力的に崩壊するうえ、長期にわたる景気後退や、恐慌に陥るリスクに直面する。欧州首脳たちはこうした野心的な課題でたとえ合意できたとしても、今後何年にもわたり新たな対策を講じ続けなくてはならないだろう。

 合意に至る可能性はどれほどあるのか。危機解決の政治的、経済的コストは週を追うごとに高まっている。ドイツのメルケル首相は先週の段階でもなお、ユーロ共同債に否定的だ。メルケル首相は欧州委員会が先週行った提案に激怒したという。彼女は債務危機についての議論とユーロ圏の将来の構造についての議論を分けようと考えていた。危機の発生後に彼女が受けている経済的な助言は、あきれるべき内容だ。

■ドイツはユーロ債受け入れを

 メルケル首相のユーロ共同債に対する公の場での反対は今や、合意の最大の障害となっている。首相が自ら課した制約からどうやって抜け出すのかは筆者にはよく分からない。同首相がもっと慎重であったならば、ドイツ政府の経済諮問委員会がまとめた限定的で不完全ではあるが賢明な案を携えて首脳会議に出席できただろう。委員会の案は「償還債」とやはり名称が曖昧だ。暫定のユーロ債を保有し、加盟国はこれを合意された期間で支払うというものだ。この案は少なくともドイツ憲法の限定的な解釈には合致する。

 メルケル首相のユーロ共同債に対する敵意は確かに国民の共感を呼んでいる。新聞各紙は欧州委員会の提案に怒りを表明した。筆者には提案の内容も発表のタイミングも賢明であったと思えた。欧州委員会は議論の性格を変えるのに成功した。メルケル首相は自らが構想する財政統合を実現できるが、その代わりにユーロ共同債を受け入れなくてはならない。両方が合意されれば、問題は解決される。これは債務危機の発生後初めて目にした賢明な委員会の案だ。

■ユーロ圏崩壊まであと10日

 これまでの経緯を考えれば、首脳会議が実質合意に到達できるかどうかについて懐疑的にならざるを得ない。当然ながら彼らは部分的に合意し、それを包括策として発表するだろう。それがEU首脳会議の常とう手段だった。だが、こうしたごまかしの策がもてはやされる期間は次第に短くなっている。前回の首脳会議後、EFSFにレバレッジをかけて規模を拡大するという滑稽な案に対する市場の熱狂は48時間もたたずに消え去った。

 25日のイタリア国債入札が悲惨な結果に終わったことは、時間切れが迫っていることを示している。ユーロ圏に残された時間はせいぜいあと10日だ。


The eurozone really has only days to avoid collapse
By Wolfgang Münchau
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/d9a299a8-1760-11e1-b00e-00144feabdc0.html#axzz1eskLmmRu


▼【コラム】ユーロの終わりがやってくる-Pブーン、Sジョンソン
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aPhqB5zRZkME

11月28日(ブルームバーグ):投資家は先週、欧州の政治家に厳しいメッセージを突きつけた。ドイツの10年債入札で3分の1以上が売れ残ったのだ。メッセージは明らかだ。ドイツに逃げ込むのはもはや安全ではない。

2008年に世界を飲み込んだ金融危機以来、投資家は信用リスクに注目しドイツ債を購入。ドイツ財政は健全との評価から、同国は低金利を謳歌してきた。しかし市場の焦点は通貨リスクに移った。インフレ率は上昇、ユーロは崩壊しユーロ建てのあらゆる債務を投資家が疑問視するに至るかもしれない。

なぜならば、2008年まで投資家はユーロ圏のソブリン債と銀行債のリスクがゼロで、決してデフォルト(債務不履行)しないと考えていた。このため、欧州の銀行は欧州中央銀行(ECB)からの低コストの資金を調達し、国債を購入すれば確実に利ざやを稼げた。

しかし世界中で与信環境が引き締まり、問題が顕在化した。ギリシャは過剰債務を抱え、アイルランドでは借り入れにあおられた住宅バブルが崩壊。ドイツの銀行ですらレバレッジを高めていることが分かった。投資家は当然、信用リスクに見合う上乗せ利回り(プレミアム)が必要だと考え、利回りが上昇した。

ギリシャとアイルランド、ポルトガル、スペイン、そしてイタリアは巨額の短期債務を低金利で借り換えられない事態に直面した。欧州の大手銀も状況は同じだ。これらの国も銀行も、合理的なリスクプレミアムを払えば現在の規模の債務負担に長くは耐えられない。

思い込み

欧州の政治家の多くや国際通貨基金(IMF)当局者、そして頼みの綱のテクノクラート政権を率いるイタリアのモンティ首相はギリシャのパパデモス首相は、このリスクプレミアムを素早く低下させることが可能だと信じ込んでいる。財政赤字を削減し構造改革を進め、銀行にそこそこの資本を注入すれば、再び市場での調達が可能になると思っている。しかし実は、これらの国が近いうちに資本市場で資金調達できると考えるのは現実的でない。

例えば、アイルランドは国民総生産(GNP)の133%の債務と、銀行システムに絡むさらに約100%の偶発的ライアビリティを抱える。これほどの債務負担を抱える国は、仮に年間デフォルト(債務不履行)リスクが5-10%だと市場に納得させたとしても、実質金利が高止まりし、投資不足と銀行の脆弱性が何十年も続くことになるだろう。

そこでフランスは米国や英国とともに、ECBの支援に期待する。ECBがすべてのソブリン債と銀行債を支えると約束することを政治家たちは「バズーカ」を持ち出すと呼び、待ち望んでいる。

ドイツが最も恐れるシナリオ

いかなる通貨でも、構造問題を覆い隠すために大量に増刷されれば、その通貨への信頼は失われる。ECBによる大量の国債購入は信用リスクを低減するが、ユーロの為替相場下落のリスクを高める。さらにいったんECBが国債購入に乗り出せば、高債務国は財政調整の努力を放棄するため、ECBは赤字を埋めデフォルト(債務不履行)を防ぐために国債を買い続けることになりかねない。そうなれば賃金と物価は1970年代の米国でのように上昇するだろう。これはドイツが最も恐れるシナリオだ。

投資家は長期的なインフレに備えて、ドイツ債を売り始めるだろう。イタリアやスペインのように信用リスクの高い国の債券の投資家は、ECBがいつか国債購入をやめる日に備え、保有国債をECBに売るか、満期時に換金するだろう。ECBの「バズーカ」が高債務国の競争力を回復させるわけではないので、厳しい緊縮策と抜本的な財政改革の必要性はなくならない。

ドイツの利回りは上昇し、大半の銀行と周辺国はECBの資金に依存し、信用・為替の両リスクプレミアムはなくならない。市場は最終的に、きっぱりと欧州に背を向け、実現可能な解決策もない中でシステム全体が崩壊、インフレと債務再編の嵐が吹き荒れるだろう。

「バズーカ」を拒否すれば

ドイツの信用力に問題はないが、問題を抱え近いうちに価値が大幅下落する公算の大きい通貨でその債券は発行されている。一方、ドイツが「バズーカ」を拒否して欧州の財政負担を、例えばユーロ共同債のような形で負担した場合は、為替リスクは低下するがドイツの信用格付けはリスクにさらされる。

通貨切り下げは成長に寄与するが、これに伴うインフレは多くの国民を苦しめ、債務再編は扱いを間違えば大混乱を引き起こし得る。幾つかの国はユーロ圏を離脱せざるを得ないだろう。痛みのない解決策はない。

最終的に欧州に共通通貨圏は残るかもしれないが、より数少ないメンバー国で構成され、財政統合のより進んだものになるだろう。ドイツが弱いメンバーをユーロ圏から追い出すか、あるいはドイツを中心に何カ国かがユーロを離れて自分たちの通貨を作るかもしれない。ユーロ圏は将来再び拡大できるかもしれないが、それは政治・経済・財政の統合がもっと進んでからだ。

悲劇が待ち構えている。欧州の政治家は恐らく、市場が大混乱をもたらし行動を迫るまで微動だにしないだろう。無秩序が混沌へとエスカレートしないよう、政治家が密かに準備していることを祈ろう。(ピーター・ブーン、サイモン・ジョンソン)

(ピーター・ブーン氏はサリュート・キャピタル・マネジメント社長でピーターソン国際経済研究所の非常勤上級研究員でロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの上級客員研究員です。サイモン・ジョンソン氏はMITスローン・スクール・オブ・マネジメントの教授でピーターソン国際経済研究所の上級研究員、ブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は両氏自身の見解です)

更新日時: 2011/11/29 04:10 JST


The Euro Area Is Coming to an End: Peter Boone and Simon Johnson
http://www.bloomberg.com/news/2011-11-28/the-euro-area-is-coming-to-an-end-peter-boone-and-simon-johnson.html

ドイツ:「バズーカ」を依然拒絶、危機解決は条約改正の迅速化で
ザイベルト報道官は、ドイツと欧州に「無限の資金力があるわけではない」として、「アングロサクソン的な世界で『バズーカ』と呼ばれる本当に巨額の資金投入を欧州に求める声に対し、ドイツ政府が懐疑的なのはこのためだ」と語った。「われわれは持っていない資金を持っているような振りはできない」と述べた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aIqUX5cQ4q44


▼英国ユーロ崩壊による暴動に備え
日曜日, 2011年 11月 27日, 23:54 GMT
http://www.fxstreet.jp/news/forex-news/article.aspx?storyid=33904a94-08db-42fe-bd00-137f0a63b512

FXstreet.com (Barcelona) - イタリアおよびスペインで債務危機が拡大するなか、ユーロ圏内の各イギリス大使館にユーロの崩壊による混乱に際し、イギリス人海外居住者を支援するための計画を準備しておくようにとの指示が出されているとのこと。大臣はDaily Telegraphに万が一に備えて準備に備えていると述べた。 .

Prepare for riots in euro collapse, Foreign Office warns (画像引用)
British embassies in the eurozone have been told to draw up plans to help British expats through the collapse of the single currency, amid new fears for Italy and Spain.
http://www.telegraph.co.uk/news/politics/8917077/Prepare-for-riots-in-euro-collapse-Foreign-Office-warns.html

Death of a currency as eurogeddon approaches
http://www.telegraph.co.uk/finance/comment/jeremy-warner/8913884/Death-of-a-currency-as-eurogeddon-approaches.html

Get Ready for 'Eurogeddon'
Jeremy Wagner warns of riots, 'biggest mass default in history'
http://www.newser.com/story/134126/get-ready-for-eurogeddon.html?utm_medium=goognews&utm_campaign=chan3_feed


▼ユーロ崩壊の足音:落下物に要注意、迫り来る大きな災厄
(英エコノミスト誌 2011年11月26日号)
政府の無秩序なデフォルト(債務不履行)、現金不足に陥った銀行での小口預金の取り付け騒ぎ、あるいは緊縮政策に反発する抗議活動などが起きる可能性が高まっている。こうした事態は、ユーロ圏の分裂の始まりを告げることになるだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/30743

Is this really the end?
Unless Germany and the ECB move quickly, the single currency’s collapse is looming
http://www.economist.com/node/21540255


▼OECD、ユーロ圏の崩壊「排除できない」と警告
ユーロ圏は緩やかなリセッション(景気後退)局面に入ったとの認識を示し、政策担当者が先手を打って断固とした対策を打ち出さない限り、状況は一段と悪化する恐れがある
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24382320111128?sp=true


▼欧州の行動、ユーロ崩壊に間に合わない恐れ-UBSストラテジスト
市場はユーロの「最期を織り込み」始めつつある
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=al.xQ.zkEgPM

Europe’s Single Currency May Unravel Before Action, UBS Says
http://www.bloomberg.com/news/2011-11-26/europe-s-single-currency-may-unravel-before-action-can-be-taken-ubs-says.html


▼ユーロ圏のデフォルト多発、可能性もはや無視できず-ムーディーズ
欧州債務・銀行危機の急速な深刻化が全ての域内諸国のソブリン格付けを脅かしている
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aopp_pkSQTmQ

Moody’s Says All Euro-Region Sovereign Ratings Threatened by Debt Crisis
http://www.bloomberg.com/news/2011-11-28/all-euro-region-ratings-threatened-moody-s.html

コメント

_ ドイツのユーロ離脱シナリオ浮上中 ― 2011/11/29 15:40


<関連記事引用>

ユーロのドラマ最終章へ、解体シナリオは後戻りできぬ地点に
2011年 11月 29日 14:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24398120111129?sp=true

 [ロンドン 28日 ロイター] 軍の進行が一定の地点に到達すれば引き返すことが困難になるように、ユーロ圏の債務危機も後戻りできない地点に近づいている。専門家の間では、ユーロ圏が解体に追い込まれた場合のシナリオを探る動きが出始めている。

 ブリュッセルの有力シンクタンク、ブリューゲルのディレクターを務めるジーン・ピサニ・フェリー氏は、リポートの中で「『考えられぬこと』を考えるのは依然困難だが、賢明な市場参加者はその可能性について検討しなくてはならない。最悪のシナリオが現実になる可能性が高まり、多くの関係者がそれに備え始めれば、恐ろしい結果を招く可能性がある」として、市場やビジネス関係者はユーロ圏が解体に追い込まれるシナリオを織り込みつつあると指摘する。

 フェリー氏は、ユーロ圏が崩壊すればドイツの銀行や企業が大きな打撃を受けるとした上で、そのリスクを抑えるには、ドイツが他のユーロ圏諸国の債務を厳しく制限し、財政政策に口出しする権限を与えられるのと引き換えに、他国の債務を相互保証する枠組みを受け入れる以外にない、との見方を示している。

 バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替リサーチヘッド、サイモン・デリック氏は異なるシナリオを描いている。

 デリック氏は、2年間にわたるユーロ圏のドラマが最終章に入ったとした上で、ドイツが自分たちのソブリン債に対する信頼性を守るため、自らユーロ圏を離脱する可能性があると考える。

 先週のドイツ国債入札で十分な買い手が現れなかったことで、ドイツ国内でも危機感が一気に高まった。

 もっとも、仮にマルクが復活すれば相場が急騰することは間違いなく、ドイツの輸出企業は激しい逆風にさらされる。だが、デリック氏は、ドイツのメーカーは過去にも急激なマルク高を乗り切ってきた実績があると指摘している。

 デリック氏は2010年前半、ドイツのユーロ離脱はあり得ないとの見方を示していた。しかし、現在は「危機がコントロール不能に陥りつつあり、(ドイツの離脱が)より信頼性の高い解決策になり始めているように見える」と語る。

 デュースブルク・エッセン大学のアンスガル・ベルケ教授は、「ユーロ圏最後の日」と題するリポートの中で「ユーロ圏解体の可能性は日増しに強くなっている」と指摘している。

 ベルケ教授は、欧州経済通貨統合(EMU)の解体は膨大な代償を伴うとしながらも、「ちょっとした新たなショックが起きただけでEMUプロジェクト全体が崩壊に追い込まれる局面に入りかねない」と述べている。

 ユーロやドイツ連銀に関する著作があるデビッド・マーシュ氏は、欧州では1992年が再現されつつあるようだと指摘する。当時、フランスのミッテラン大統領はドイツのコール首相に対し、仏フランを防衛するためドイツ連銀の協力を求めた。

 マーシュ氏は「フランが売り込まれているにもかかわらずドイツ連銀が独自の道を貫いていたため、ミッテラン大統領はコール首相に対し、『ドイツ連銀が荒野に立つ最後の存在』となるべきだと訴えた。

 マーシュ氏によると、12月9日に予定されている欧州連合(EU)首脳会議を控え、サルコジ仏大統領とメルケル独首相の間でも、それと似たやり取りが交わされることになりうそうだ。

 同氏は28日の市場が急伸した理由について、包括的な経済監視策や欧州条約の修正に対する楽観的見方、財政政策の統合に向けた進展、国際通貨基金(IMF)によるイタリア支援が欧州中央銀行(ECB)の役割拡大につながるとの期待感などを挙げた。

 マーシュ氏は、ECBが米連邦準備理事会(FRB)や英イングランド銀行のような量的緩和に乗り出した場合、「ECBはユーロ圏各国の債券購入額を国内総生産(GDP)に比例して決めるだろう。つまり、イタリア債よりもドイツやフランス債の買い入れ額が大きくなる」との見方を示す。

 そのうえで「それはある程度の安心感をもたらすだろうが、それで危機が解決に向かうかどうかが誰も分からない」としている。

(Alan Wheatley記者;翻訳 長谷部正敬)

_ ロッキーホラーショー ― 2011/11/30 07:33

>ドイツが自分たちのソブリン債に対する信頼性を守るため、自らユーロ圏を離脱する可能性がある

ユーロには、制度上の欠陥というか、設計ミスが2つあって、1つはECBに最後の貸し手の機能がないことですが、もっと根本的な問題は、最適通貨圏の要件を満たさない国を政治的な平等原則で加入させてしまい、競争力のギャップがユーロ域内で固定してしまったこと。2つ目の問題を解決するには、ユーロを最適経済圏ごとに分割するしかないわけですが、地中海クラブに出て行ってもらうよりは、ドイツが抜けた方が全体のダメージは少ない。
これがプリチャード記者の年来の主張だったのですが、やっとその方向に流れが向き始めたようです。

_ Y-SONODA ― 2011/12/01 07:35

ロッキーホラーショーさんへ

>ドイツが抜けた方が全体のダメージは少ない。
これがプリチャード記者の年来の主張だったのですが、やっとその方向に流れが向き始めたようです。

プリチャードはなかなか鋭いですね。
今やドイツが抜ける可能性が一番高いような気がしますね。

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