蚊とゾウとワシの「南シナ海」恫喝合戦: ゾウさん曰く「ブンブンうるさいフィリピンとベトナムを攻撃せよ」 ― 2011/10/01 20:36
<関連記事引用>
▼専門家:南中国海での武力行使の機は熟した
フィリピンとベトナムを標的に小規模戦争によって大規模戦争を回避せよ
更新時間:15:39 Sep 29 2011
http://j.people.com.cn/94474/7607956.html
1970年代以前は南中国海問題など存在しなかった。世界のどの国も南中国海の「九段線」内に対する中国の主権に異議を唱えはしなかった。南中国海に「問題」が現われたのは、南ベトナム政権と後のベトナムが独立後、中国の南沙(英語名スプラトリー)の島や礁を侵犯したうえ、中国の西沙(英語名パラセル)に対する主権を要求し始めたことに根本的原因がある。中国は西沙での反撃戦で南ベトナム政権を懲罰したことと、陸上でベトナムへの自衛反撃を行った以外は、南中国海でのベトナムの公然たる侵入行為を速やかに制止しなかった。その後遺症が今現われている。1つは、他の国々による中国の南沙の島や礁の略奪を触発し、促してしまったこと。もう1つは、ベトナムが米国を引き込んだうえ、他の小国も丸め込んで中国を威嚇し、中国との二国間紛争を国際問題化しようと企んでいることだ。(文:龍韜・中華エネルギー基金委員会戦略アナリスト。「環球時報」掲載)
中国は経済発展に専念しており、周辺環境の調和と安定を切に望んでいる。南中国海問題の国際問題化は望まず、これによって甚大な国家的犠牲と国際的災禍がもたらされることも望まず、天下無双の誠意を示してきた。すでに南中国海問題の国際問題化への流れは明白だが、まだ完全に固まってはいない。中国にとって今はまさに、冷静に分析し、機会を捉え、断固たる行動を迅速にとる好機だ。
現在、南中国海各国はいずれも軍拡競争をし、長距離・大型の海空兵器を追加購入している。南中国海に足を踏み入れていないシンガポールさえもが先端ステルス戦闘機の導入を計画している。オーストラリアとインドの軍備計画は世界レベルの戦争を行うための準備だし、日本もおとなしくはしていない。米国は武器売却を強力に推し進めながら火に油を注ぎ、同時に軍事介入の準備もしている。
ごく一部の小国は米国の「アジア回帰」宣言に後ろ盾を得たとばかりに、一戦も辞さずと中国にわめき立てたり、武力で威嚇したりしている。これはとても滑稽だ。
南中国海では現在、戦争のポテンシャルエネルギーが高まっている。中国は地域協力・開発の主導者の姿勢で、より優遇的な条件で欧米の石油会社と競争し、石油・天然ガス開発に参加すると同時に、わが国の海域を侵犯する石油採掘活動に対しては、「まず礼を尽くし、うまくいかない場合は武力に訴える」方式で制止すべきだ。小規模な戦争を恐れてはならない。小規模な戦争はまさに、戦争のポテンシャルエネルギーを放出する最良の方法だ。小さな戦争を数回行えば、大きな戦争を回避できるのだ。
戦争と言えば、南中国海での開戦を最も恐れているのは誰かをまず考えてみるといい。南中国海には現在1000以上の石油・ガス井があるが、中国のものは1つもない。南沙諸島には4つの飛行場があるが、中国大陸のものは1つもない。中国は他の重要な経済施設も持っていない。戦争が起きれば、勝敗はさておき、南中国海は間違いなく一面火の海となり、そびえ立つ掘削基地はごうごうと燃え盛るたいまつとなる。最も痛手を負うのは誰か?戦争が起きれば、欧米の石油・天然ガス会社は必然的に撤退する。最も損失をこうむるのは誰か?
中国にしてみれば、南中国海は最良の戦場だ。南中国海での武力行使においては、攻撃範囲を限定すべきだ。現在最もひどく騒いでいるフィリピンとベトナムに狙いを定める。つまり鶏を見せしめに殺して猿を戒めるのだ。戦争の規模は懲戒の目的達成を基準とする。イラク、アフガニスタン、リビアでの米国のやり方を真似る必要はない。これは必ず勝つ戦争だ。芸術的に戦い、諸葛亮が南夷の酋長を7回捕えて7回放った時のように、計略によって相手を心服させる道徳的教化の行為となる可能性が高い。
中国の多くの学者は、南中国海問題で中国が思い切った行動に出られない理由として米国の存在を挙げる。だが米国は現在も対テロ戦争から抜け出せず、中東問題も膠着しており、中国の南中国海で第2の戦争を起こす力は全くない。米国の強硬姿勢はいずれも虚勢だ。
フィリピンは自らを蚊にたとえた上で、中国というゾウを恐れはしないと述べ、悲憤に立ち上がった軍隊として世界の同情を買おうとした。ゾウは確かに蚊を踏みつけるべきでないが、蚊はゾウを刺すべきなのだろうか?ましてやこの「蚊」は「ワシ」に応援を頼んでいるのだ。一部の国による中国の領有権の侵犯、各国による立て続けの大規模な軍事演習は、折良く断固たる反撃の理由を中国に与えた。
理にかない、有利で、節度を持つことは、依然としてわれわれが堅守しなければならない原則だ。中国は大規模戦争の決意と小規模戦争の実際の準備をもって、戦争と平和の選択権を相手に与えることで、自国の新たなイメージを樹立すべきだ。2008年にロシアが果断に武力行使し、カスピ海情勢を速やかに安定させた経験は、大国の行動は国際社会に一定期間衝撃を与えるが、長期的には地域の安定と大国の戦略的和解を根本から実現し、世界平和にとって幸いであることを明確に示している。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年9月29日
▼中国政府紙、南シナ海での武力行使を主張 「海よりも覇権」
http://www.epochtimes.jp/jp/2011/10/html/d55064.html
【大紀元日本10月1日】「今は南シナ海で武力を行使する好機だ」。中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報は27日、こう題する評論を掲載した。記事では、中国政府に「この好機を逃さず、迅速に行動を取るべきだ」と訴え、「他国への見せしめとして、フィリピンとベトナムを先に制圧する」と具体的に助言している。専門家は、このような記事が掲載される背景には必ず中国政府の指示があると指摘し、中国政府はこの記事を用いて、周辺国をけん制し、反応を探っていると分析した。
環球時報、「今は南シナ海で武力を行使する好機だ」
記事は最初から中国を南シナ海係争の被害者として仕立てる。「中国は経済発展に専念しており、周辺環境の安定を切望している。南シナ海問題の国際化を望まず、甚大な国家的犠牲と国際的災禍がもたらされることも望まず、(そのために)天下無双の誠意を示してきた」と自ら称える。それに対して、南シナ海周辺国はみな武力増進を図り、「世界レベルの戦争に備えている」という。また「米国は武器売却を強力に推し進めながら火に油を注ぎ、同時に軍事介入の準備もしている」と批判した。
このような批判に基づいて、記事は、南シナ海では「戦争エネルギー」が高まっていると主張する。中国は「(他国が)わが国の海域に侵入して石油採掘を行ったことに対して、まず礼を尽くし、だめな場合は武力に訴えるやり方で制止すべきだ」。「小規模な戦争を恐れてはならない。それは戦争エネルギーを放出する最良の方法だ」と唆した。
さらに記事は、実際に戦争が起きた場合は中国に軍配が上がると主張。「南シナ海には1000以上の石油・天然ガス採掘施設があるが、中国のものは1つもない」。ほかに重要な経済施設もないため、戦争が起きても経済的損失をこうむることはないと分析。さらに米国について、「米国は現在も対テロ戦争から抜け出しておらず、中東問題も膠着しているため、南シナ海で第2の戦場を切り開く余裕はまったくない。米国のいかなる強硬姿勢も虚勢だ」と言い切った。
これらの分析を踏まえ、現在は南シナ海で武力を行使する機が熟していると主張する。その具体的なやり方として、攻撃範囲を限定し、「最もひどく騒いでいるフィリピンとベトナムに狙いを定める」と助言した。懲らしめと見せしめという2つの効果が果たされ、「必勝の戦争」になると吹聴した。
「背後に政府の指示」
この攻撃的な記事は中華エネルギー基金委員会の戦略アナリスト・龍韜氏によるもの。同委員会は中国のエネルギー戦略と政策を研究・企画する有力な民間シンクタンク。ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)は、中国のような報道規制の厳しい国で、このようなタカ派発言が政府系メディアに登場するのは極めて稀なことで、その背後には高層幹部の指示があると分析した。また、このような発言をもちいて周辺国の反応を窺っているとも指摘した。
米サウスカロライナ大学の謝田教授もこの点において同じ見解を示している。政府の指示がなければ、民間シンクタンクが公然と武力行使を主張することはないと謝教授は見ており、このルートを通じて中国政府は自らのシグナルを出していると分析した。
さらに謝教授によれば、このような軍事行動を訴える発言には、民衆の関心をそらすという中国政府の意図もある。「以前から、ベトナムとフィリピンは南シナ海で、中国は東シナ海で石油を採掘してきた。その中国は現在も石油価格などの問題で経済状況が影響されることはない。このタイミングで南シナ海戦争を宣揚するのは経済利益のためではない」。それよりも深刻なインフレや各種の社会問題、極度な政府不信が中国社会全体に広がっていることに対し、中国政府は危機感を覚え、戦争説を持ち出すことによって民衆の関心をそらそうとしている、と分析する。
「関心は海ではなく覇権」
環球時報の評論が出る数日前にインドの有力紙タイムズ・オブ・インディアは、インドが南シナ海資源開発を推進したことに対する中国政府の抗議は、南シナ海の資源のためではなく、中国が望むアジアでの覇権が脅かされたためだと指摘する。
記事によると、中国は長い間、インドの影響力を南アジアとインド洋に抑えようとしている。スリランカなどのインドの「裏庭」の国々におけるインドの影響力を削り取ろうとする一方で、「孔子学院」などを設立して、イデオロギーの宣伝にも精を出す。そのすべては「中国はアジアで唯一無二の大国である」との地位を築くためだという。
インドが南シナ海資源開発を進めたことをめぐって、中国は「中印関係に影を落とす」と警告しながら、一部では、インドの参入は米国と日本の要請に応じた形だと報じている。インドと日米が手をつなぐことは当然、中国の拡張野心の障碍となるため、それが中国政府が抗議する理由だと同紙は見ている。 (翻訳編集・張凛音)
▼「南シナ海で局地戦辞さず」 中国メディアが強硬論
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/01/2011100100343.html
中国国内では今、南シナ海の領有権問題をめぐり、対立関係にあるベトナム、フィリピンと果敢に局地戦を展開すべきだという強硬論が浮上している。ベトナムとフィリピンが米国、インド、日本などと軍事協力関係を結び、南シナ海で油田開発に乗り出すことを防げないという理由からだ。「西陸網」など軍事専門サイトで議論が始まった局地戦論は、官営メディアにまで広がりを見せている。
人民日報系の環球時報は9月27日、南シナ海での武力行使を主張する寄稿を掲載した。民間シンクタンクの中華エネルギー基金委員会のストラテジスト、龍韜氏は「南シナ海に戦場を限定し、最も騒ぎ立てているベトナム、フィリピンを攻撃し、他国ににらみをきかせなければならない」と主張した。その上で、龍氏は「南シナ海は中国関連施設がないので、戦場としては最適だ。イラク戦争やリビア空襲を学ぶまでもなく、必ず勝利できる。小規模の戦争で侵略行為を確実に阻止することは、より大きな戦争の防止にもつながる。学者は米国の介入を懸念するが、反テロ戦争にかかりきりの米国は、南シナ海で第2の戦争を繰り広げる力がない」と指摘した。
軍事学者の倪楽雄・上海政法学院教授は「一部による主張が官営メディアにまで登場したのは異例だ。軍事専門家は中国にそうした戦争を遂行する能力があることを知っているが、中国指導部は依然として、勇気と決断力が不足している」と語った。
香港の親中紙、大公報も30日の評論で、2008年のロシアによるグルジア侵攻をを例に挙げ、強力な軍事的圧力の必要性を強調した。同紙は「ロシアは国際法違反の論議にもかかわらず、グルジアと一線を辞さないことで、20年来の南部辺境問題を解決した。ロシアが核心的利益を守るために下した決定とその方式、手段を深く考えるべきだ」と書いた。ロシアは08年8月にグルジアで親ロシア自治勢力が強い南オセチアとアブハジアを保護するため、グルジアに侵攻し、5日でグルジアの国土の半分を占領する一方的な勝利を収めた。
北京= 崔有植(チェ・ユシク)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
▼Time to teach those around South China Sea a lesson (画像引用)
Global Times
September 29, 2011 19:55
By Long Tao
http://www.globaltimes.cn/NEWS/tabid/99/ID/677717/Time-to-teach-those-around-South-China-Sea-a-lesson.aspx
No South China Sea issue existed before the 1970s. The problems only occured after North and South Vietnam were reunified in 1976 and China’s Nansha and Xisha Islands then became the new country’s target.
Unfortunately, though hammered by China in the 1974 Xisha Island Battle and later the Sino-Vietnamese War in 1979, Vietnam’s insults in the South China Sea remained unpunished today. It encouraged nearby countries to try their hands in the “disputed” area and attracted the attention of the US so that a regional conflict gradually turned international.
China, concentrating on interior development and harmony, has been ultimately merciful in preventing such issue turning into a global affair so that regional peace and prosperity can be secured.
But it is probably the right time for us to reason, think ahead and strike first before things gradually run out of hands.
It seems all the countries around the area are preparing for an arms race.
Singapore brings home high-end stealth aircraft while Australia, India and Japan are all stockpiling arms for a possible “world-class” battle. The US, provoking regional conflict itself, did not hesitate to meet the demands of all of the above.
It’s very amusing to see some of the countries vow to threaten or even confront China with force just because the US announced that it has “returned to Asia.”
The tension of war is escalating second by second but the initiative is not in our hand. China should take part in the exploitation of oil and gas in South China Sea.
For those who infringe upon our sovereignty to steal the oil, we need to warn them politely, and then take action if they don’t respond.
We shouldn’t waste the opportunity to launch some tiny-scale battles that could deter provocateurs from going further.
By the way, I think it’s necessary to figure out who is really afraid of being involved in military activities. There are more than 1,000 oil and gas wells plus four airports and numerous other facilities in the area but none of them is built by China.
Everything will be burned to the ground should a military conflict break out. Who’ll suffer most when Western oil giants withdraw?
But out there could just be an ideal place to punish them. Such punishment should be restricted only to the Philippines and Vietnam, who have been acting extremely aggressive these days.
The Afghanistan and Iraq Wars have already set some bad examples for us in terms of the scale of potential battles, but the minnows will get a reality check by the art of our move.
Many scholars believe that the US presence in this area caused our inability to sort the mess out.
However, I think US pressure in the South China Sea should not be taken seriously, at least for now given the war on terror in the Middle East and elsewhere is still plaguing it hard.
The Philippines, pretending to be weak and innocent, declared that mosquitoes are not wary of the power of the Chinese elephant.
The elephant should stay restrained if mosquitoes behave themselves well. But it seems like we have a completely different story now given the mosquitoes even invited an eagle to come to their ambitious party. I believe the constant military drill and infringement provide no better excuse for China to strike back.
However, being rational and restrained will always be our guidance on this matter. We should make good preparations for a small-scale battle while giving the other side the option of war or peace.
Russia’s decisive move on Caspian Sea issues in 2008 proved that actions from bigger countries might cause a shockwave for a little while but will provide its region with long-term peace.
The author is the strategic analyst of China Energy Fund Committee.
コメント
_ ロッキーホラーショー ― 2011/10/01 21:36
_ Y-SONODA ― 2011/10/02 07:51
ロッキーホラーショーさんへ
>中国はアメリカの本当の怖さをあまり分かっていないところがある。
海の怖さもわかっていませんね。
>日本としても、中国が衰退期に入るまで待てるわけで悪くない話かもしれません。
このためにも日本は南シナ海への深入りは禁物ですね。
衝突を回避しながらも緊張は続く。
いざとなったら強引に海に引きずり込む。そして中国は見事衰退へ。
やはり欧米の連中は中国分裂シナリオも描いていると思いますよ。
>中国はアメリカの本当の怖さをあまり分かっていないところがある。
海の怖さもわかっていませんね。
>日本としても、中国が衰退期に入るまで待てるわけで悪くない話かもしれません。
このためにも日本は南シナ海への深入りは禁物ですね。
衝突を回避しながらも緊張は続く。
いざとなったら強引に海に引きずり込む。そして中国は見事衰退へ。
やはり欧米の連中は中国分裂シナリオも描いていると思いますよ。
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/10/01/6121812/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
まぁ、海戦ということになれば、ベトナムにしろフィリピンにしろ、アメリカがシナリオを用意しておいた相手とお手合わせをすればどういうことになるか、身の程を知るいい機会になると思います。そうなってくれれば、日本としても、中国が衰退期に入るまで待てるわけで悪くない話かもしれません。