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「空洞化を恐れるな、今こそ攻めろ」 コマツ会長・坂根正弘氏が語るタンポポ・ジャパンとタナバタ・ジャパン2011/08/12 08:02

「空洞化を恐れるな、今こそ攻めろ」 コマツ会長・坂根正弘氏が語るタンポポ・ジャパンとタナバタ・ジャパン


▼空洞化を恐れるな、産業空洞化を戦略的に推進する「タンポポ・ジャパン」と本社機能だけは日本に残して欲しいの「タナバタ・ジャパン」

「一見すれば空洞化のようでも、アジアの成長を取り込めれば果実は必ず日本に帰ってくる」

「今ほど製造業に攻めが求められている時はなく、攻めるなら海外だ。これだけの円高なのだから、借金をしてでも海外の会社を買うぐらいの戦略に打って出るべきだ」


▼ついでにケネス・ロゴフなインフレ論

「成長しないデフレ国家であることだ。超低金利なのに物価下落で実質金利が高まり円高になる最悪の展開。多少インフレになれば円高も解消される可能性がある。一刻も早くデフレを生む構造問題を解決すべきだ」


<関連記事引用(画像も)>

過当競争脱却し海外へ コマツ会長・坂根正弘氏
新しい日本へ 復興の道筋を聞く(1)
2011/8/12付
http://s.nikkei.com/nOPraP

 東日本大震災から5カ月。被災地には目がくらむような厳しい現実が横たわり、日本と世界を取り巻く環境は激しく変化している。識者に聞いた。日本はどう動き出したらいいのだろう――。

 ――円高に電力不足と、製造業に強い逆風が吹きつけている。

 「コマツは建設機械を国内外で半分ずつ生産している。昨年度の営業利益は2200億円だったが、うち1300億円は海外生産・販売で稼いだ。輸出のもうけは800億円。国内で造り国内で売って得た利益は100億円にすぎない。なぜ日本でもうからないのか。いろいろ課題はあるものの、震災後に新たに出てきたのは原発事故による電力不足くらいだ。多くはずっと引きずってきた課題であり、民間にできることは民間の手で解決するしかない」

■国内は消耗戦

 ――根っこにある日本固有の問題は。

 「成長しないデフレ国家であることだ。超低金利なのに物価下落で実質金利が高まり円高になる最悪の展開。多少インフレになれば円高も解消される可能性がある。一刻も早くデフレを生む構造問題を解決すべきだ」

 「縮む国内市場にプレーヤーがいっぱいいて消耗戦をやっている。世界の製造業に欠かせない部品・素材企業が国内に多いことが震災で分かった。ただ過当競争だから、顧客に言われれば何でも引き受ける。私が社長なら断らせる。こうした体質がいろんな業界で低収益を生んでいる」

 ――コマツは円高下でも輸出で稼いでいる。

 「1980年代後半以降、当社は米2位メーカーと提携し、ドイツやイタリアなどでは同業を買収した。業界再編を自ら主導したために日本を除けば過当競争がなくなり、それぞれの市場で稼げるようになった」

 「技術を磨き輸出競争力を高めるのは当然。加えて円高で苦しくても値下げ競争に加わらず、率先して値上げしてきた。当社は中国を含むアジアの建機トップ。業界で強い立場だからこそ過当競争と無縁でいられる。そうでなければ日本で生産していられない」

 ――日本でも大型再編の機運が高まってきた。成功させるには。

 「『雇用を守るために一度始めた事業をやめるわけにはいかない』という経営者がいるが、本当に雇用を大事にしているのか。そんな企業同士が一緒になっても成果が出ず、結局は雇用を失う。当社は事業をかなり整理し、子会社も減らした。犠牲にすべきところを犠牲にしない限り国際競争力は身につかない。これまでの日本人の特性も変わらざるを得ない」

■産業集積は強み

 ――日本企業が生かすべき強みは何か。

 「あらゆる部品・素材を国内で調達できる産業集積だ。こんな国は世界にない。日本には大手と中小で賃金の二重構造がある。格差を縮める努力をしないと中小の力を引き出せず、日本の強みを生かせない。協力企業とは一心同体。(開発や資金調達などの)コストの一部を負担するなど、協力企業の賃上げを間接支援する工夫が要る」

 ――協力企業の海外進出を後押ししている。

 「思い切って海外に出た企業は当社以外との取引が拡大している。国内工場で注文が増え、日本に残った企業と比べて競争力を高めた事例がある。一見すれば空洞化のようでも、アジアの成長を取り込めれば果実は必ず日本に帰ってくる」

 ――株安・円高を受け、産業界には政府の支援を求める声もある。

 「環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る農業保護の議論もそうだが、守りに投じたカネは絶対に生きたものにならない。じり貧になるだけだ」

 「私が入社した年に米キャタピラーが日本に本格進出し、コマツはもうダメだと言われた。当時の社長は『攻撃は最大の防御』と説き、我々は必死になって仕事した。今ほど製造業に攻めが求められている時はなく、攻めるなら海外だ。これだけの円高なのだから、借金をしてでも海外の会社を買うぐらいの戦略に打って出るべきだ」

(聞き手は中西豊紀)


 さかね・まさひろ 2001年の社長就任時から「構造改革」を掲げコマツを世界的メーカーに。07年から現職。70歳。


<タンポポ・ジャパンとタナバタ・ジャパン関連記事>

引き裂かれる民力、迫り来る「タンポポ・ジャパン」と「タナバタ・ジャパン」で「空洞化・ジャパン」の最悪シナリオ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/04/19/5813645


311後の「分散」大規模シフト、日米連携の「タンポポ・ジャパン」戦略本格始動へ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/04/23/5821363


提言:日本から出て行く企業に“外国人社員向け「ジャポンDEシュギョー」制度義務付導入”のススメ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/06/30/5935405

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